V2Hとは?特徴や仕組み・機能やメリット・補助金まで徹底解説!
EV(電気自動車)を家庭用蓄電池のように活用できる「V2H」というシステムを知っていますか?
すでにご存じでも、蓄電池との機能の違いや、V2Hのメリット、補助金などについてはよく知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、V2Hについて知識を深めるための以下のポイントを解説していきます。
- そもそもV2Hとは?特徴・できること・蓄電池との違い
- 電気代節約もできる!V2Hならではの「3つのメリット」
- 意外と場所を取る?V2Hで気をつけたい「3つのデメリット」
記事を読めば、比較されることの多いV2Hと「家庭用蓄電池」の違いがしっかり理解でき、どちらが自分に適しているか判断できるようになります。
補助金を使ってお得に導入する方法、申請の注意点も解説していますので、なるべく安くV2Hを導入したい方もぜひ目を通してみてくださいね!
目次
そもそもV2Hとは?仕組みや機能・蓄電池との違いを解説!
まずはじめに、V2Hの特徴や使い方、蓄電池との役割の違いや、2つのタイプの違いについてわかりやすく解説していきます。
【特徴・仕組み】V2HはEVと家をつなぐシステム
V2Hとは、EV(電気自動車)と家の分電盤をつなぎ、「EVに蓄えた電気を家電に使える」ようにする設備のことです。
「車から家へ(Vehicle to Home)」の頭文字を取ってV2Hと呼ばれ、家庭用蓄電池とともに新しい電気の運用法として注目を集めています。
V2Hを設置すれば、たとえば「夜間にEVを充電し、昼はバッテリーの電力だけで過ごす」など、今までできなかった電気の使い方が可能になります。
V2H設備は「幅800mm×高さ850mm×奥行30mm」ほどとエアコン室外機くらいのサイズ感であり、屋外の駐車場やガレージに設置するのが一般的です。
【役割・使い方】V2Hでできること・総まとめ!
家庭でV2Hを使ってできることや役割、使い方を以下にまとめてきます。
- 家庭用の200Vコンセントよりも「約2倍」のスピードでEVに充電できる
- 停電中でもEVとV2Hだけで、エアコンやエコキュートなどを動かせる
- 夜のお得な電気をEVに充電→昼に使うことで電気代を大きく節約できる
さらに、V2H設備によっては「太陽光発電とも電気をやり取りできる」という重要機能が搭載されているモデルもあります。
太陽光とV2Hを連携させれば「発電した電気でEVをチャージする」ことが可能となり、ますます光熱費を節約できます!
【違いを解説】V2Hと蓄電池はどう使い分ける?
V2Hと蓄電池は、「大型バッテリーで停電対策・電気代カット」というメリットが同じであり、しばしば比較される存在です。
それぞれの特徴や機能、長所や短所などの違いは以下をご確認ください。
V2H | 蓄電池 | |
バッテリー容量 | 8kWh〜62kWh | 3kWh〜16kWh |
設置費用 | 50万円〜120万円 | 80万円〜300万円 |
電池容量あたりの価格 | 安い | 高い |
太陽光発電からの充電 | ◯ | ◯ |
EVへの充電速度 | 約2倍 | 通常どおり |
長所 | EVへの充電が速い ポータブル電源として野外で使える | 24時間いつでも使える 遠隔管理・スマホ連携など機能が充実している |
短所 | 外出中は家電を動かせない 駐車スペースが狭くなる | 容量あたりの価格は高め 屋外・屋内にスペースが必要 |
おすすめな人 | EVを所有しているか、買う予定がある人 | EVを買う予定はないが、停電対策したい人 |
【迷ったら系統連系】V2Hには2つのタイプがある
V2Hの設備は「系統連系」と「非系統連系」の2つのタイプに分かれ、以下のような違いがあります。
タイプ | 特徴 |
系統連系 | EVの電気を家で使う場合でも、太陽光・電力会社の電気を同時に使える |
非系統連系 | EVの電気を家で使う場合、太陽光・電力会社の電気は使えない |
たとえば系統連系なら、「太陽光でEVを充電しながら家電も動かす」ことが可能なため、電気代の節約効果は非系統連系より優れています。
最近のV2H設備は系統連系タイプが多く、販売価格の差もそれほど大きくありません。
どちらか迷ったら、特にデメリットのない系統連系がおすすめです。
V2Hの「3つのメリット」とは?【停電対策としても優秀】
つぎに、V2Hを設置することで得られる3つの魅力的なメリットをくわしく解説していきます。
【メリット①】電気代がグンと安くなる
電力会社の深夜プランでEVを充電し、昼に家電用として使えば、年間で「数万円」の節約も充分可能です。
たとえば東京電力「夜トク8」の深夜と昼間の料金には「1kWあたり約11.5円」ほどの差があります。
一般家庭の平均的な電気使用量は一ヶ月360kWほどですので、毎月2,000円〜3,500円の節約もムリなくできそうですね。
太陽光発電も組み合わせればさらに昼間の電気代を減らせますし、発電量が多ければ「太陽光だけでEVを動かす」ことだって実現できます!
【メリット②】停電しても家電が使える
台風や地震などによる停電でも、V2HとEVがあれば電気の復旧まで快適に過ごすことができます。
V2Hは200Vの出力に対応しているモデルが多く、エアコンやエコキュート、IH調理器などを普段どおり動かすパワーがあります。
「EVスポットで充電し、家に戻って電気を使う」というV2Hならではの停電対策も効果的。数日にわたる大停電でも安心ですね。
【メリット③】補助金でお得に設置できる
近年、国や自治体はV2Hに多額の補助金を用意しており、申請が通れば「100万円以上」も安く設置できます。
豊富な補助金の例として、国が実施している2022年「DER補助金」の額をご覧ください。
V2H | 蓄電池 | |
補助金額(設備費) | 2分の1(上限75万円) | 3分の1(1kWhあたり3.7万円) |
補助金額(工事費) | 定額40万円 | 3分の1(1kWhあたり5.2万円) |
たとえばV2H本体が100万円、工事費が30万円の場合、DER補助金なら「総額50万円ほど」で設置可能。
できるだけ安く導入したい方には最適ですね。
V2Hの「3つのデメリット」とは?【費用・スペースは必要】
つづいて、V2Hの導入前に注意しておきたい3つのデメリットについて解説していきます。
【デメリット①】海外のEVは非対応の場合も
V2Hは国内メーカーが日本の規格で生産しているため、海外製のEVには対応していない可能性があります。
日本より台風などによる停電の少ない海外はV2Hの需要が少なく、たとえばテスラやアウディ、BMWなどの人気メーカーは非対応です。
国内シェア拡大のため、今後、海外メーカーがV2H対応車を発売する可能性は充分あるでしょう。
欲しい車種がお決まりの方は、メーカー最新情報のこまめなチェックをおすすめします!
【デメリット②】まとまった初期費用がかかる
DER補助金や自治体の補助金でお得に買えるV2Hですが、それでも数十万円の初期費用がかかる点はデメリットといえます。
V2HとEVを同時に導入するなら費用はさらに高額になります。
家計を圧迫しないよう、ある程度予算に余裕があるときの設置をおすすめします。
V2Hの補助金制度は人気が高く、受付開始から数日で定員オーバーになることもあります。
なるべく早く申請できるよう、事前準備も必要です。
【デメリット③】ある程度の設置スペースが必要
V2H設備の本体は壁面から少し離れた位置に設置する必要があるため、「イメージ以上に場所を取る」点もデメリットといえます。
「V2Hが邪魔で駐車しにくくなった…」と後悔しないよう、車とV2Hの位置関係もしっかりシミュレーションして決めましょう。
また、V2Hと分電盤までの距離や環境によっては、追加で配線の延長工事が必要になることもあります。
追加工事には別途で費用が請求されますので、駐車場の形が特殊な方は前もって見積もりしておくと安心です。
【まとめ】V2HならEVが蓄電池に早変わり!補助金で安く買おう
本記事でくわしく解説してきたV2Hの重要なポイントを、もう一度以下にまとめていきます。
- V2HはEVと家をつなぐシステム。EVに蓄えた電気で家電を動かせるようになる
- EVが家にないと使えないが、バッテリー容量やEVの充電速度は蓄電池より優秀
- V2Hで夜の安い電気をEVに蓄えて昼に使うことで、電気代を大幅に節約できる
- 非対応の海外車が多く、設置スペースや初期費用が必要な点がデメリット
- 国のDER補助金を使えば「本体半額・工事費ほぼゼロ」でV2Hを導入できる
蓄電池より格段に大きいEVの電池を、家庭でとことん有効活用できる人気のV2H。
DER補助金の利用で「20万円〜50万円」ほどで設置できますので、すでにEVをお持ちの方なら蓄電池より早く資金回収できるでしょう。
「EV充電スポットで充電し、そのまま家電にも使える」V2Hは停電対策としても優れていますので、興味のある方はぜひ検討してみてくださいね!
リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
無料お見積もりも承っております。見積もり依頼はこちら。
IHやエコキュートのお取り扱いもございます。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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