電力会社の「規制料金」って何?規制料金が値上げされる可能性も
電気代の高騰が懸念されていた2022年。
2023年も電気代の高騰が終わるかどうかは、まだ分かりません。
電気料金プランには、規制料金と自由料金の2種類のプランが存在します。
規制料金と自由料金は、値上がりの仕方が異なります。
目次
電力会社の規制料金とは電力自由化前にあった料金プランのこと
規制料金とは、電力自由化が開始されるよりも前にもあった電気料金プランです。
規制料金は、電力会社の判断だけで電気料金を変更することができません。
対して自由料金は電力会社の判断で電気料金を変更することができるので、価格変動がいきなり起こる場合があります。
規制料金が残った理由は「消費者保護」のため
電力自由化の後、規制料金として以前の電気プランが残った理由は「大手電力会社が電気料金を大幅に値上げしないため」です。
電力自由化後に電力会社が増え、価格競争が起こることを政府は期待しました。
しかし、実際には大きな価格競争は起こらず、すぐに撤廃されるはずだった規制料金は、そのまま継続の扱いになりました。
規制料金を残すことで、電気料金の値上げから消費者を守るために、規制料金は未だ存在し続けています。
規制料金と自由料金の違いは?
規制料金と自由料金は、電気料金を上げやすいか、燃料調節額に上限が設けられているかなどの違いがあります。
規制料金から自由料金に乗り換える場合は、規制料金よりも不利になるケースがあるので慎重に乗り換える必要があります。
違い① 電気料金の変更に許可が必要かどうか
規制料金は、法律で制限が設けられています。
規制料金の電気料金を変更する場合には、法律に則って行わなければなりません。
電気料金を変更する際には、国からの許可が必要なので、いきなり電気料金が高くなったり、安くなったりすることはありません。
対して、自由料金は国から許可を得なくても、電力会社が自由に電気料金を変更することができます。
国からの許可が必要ないので、自由料金は電気料金の値上げも値下げもすぐに行えることが特徴です。
違い② 燃料調整額に上限が設定されているかどうか
規制料金は、燃料調節額に上限が設けられています。
対して、自由料金は燃料調整額に上限を設けるかどうかは自由なので、上限があるプランとないプランがあることが特徴です。
燃料調節額の上限があると、近年のように燃料費が高騰した場合であっても、上限以上に消費者が燃料調整額を負担する必要がありません。
規制料金プランは急な値上げがないことがメリット
規制料金のメリットは、急な値上げがない点です。
また、燃料費が高騰しても、上限以上は請求されることがないので、大幅に燃料費が高騰した時でも、急激に電気料金が高くなることは稀です。
メリット① 急な値上げが少ない
規制料金の電気料金を変更する場合は、電力会社が国に許可を取らなければいけません。
大手電力会社がすぐに値上げをしようとしても、国からの許可が降りなければ値上げを行うことができないので、電気代が驚くような値段にはなりません。
一方、自由料金プランでは、電気料金を自由に設定することができるので、いきなり電気料金が値上がりするなどの事態が起きるケースがあります。
メリット② 燃料費の高騰が起きても上限がある
近年、ウクライナ情勢などの影響で発電に必要な燃料費が高騰しています。
規制料金であれば、燃料費が高騰した場合であっても燃料調整額に上限があるので、一定以上の金額を請求されることはありません。
メリット③ 気軽に利用を続けられる
規制料金は、極端な値上げが起こる可能性が少なく、燃料調節額にも上限があるので、気軽に利用を続けることができます。
自由料金だった場合、燃料費の高騰などで電気代が大幅に増える可能性があるので、電気料金の変動を気にしてしまう人も多いでしょう。
国の許可を得なければ電気料金の変更ができない規制料金は、安心して使い続けられることがメリットだと言えるでしょう。
規制料金プランのデメリットは値下げされづらいこと!
規制料金のデメリットは、値下げが起こりづらい点です。
規制料金は、値上げが起こりづらい分、値下げも起こりづらいです。
また、規制料金は消費者を守る観点から残された制度なので、今後廃止される可能性が高いこともデメリットだと言えるでしょう。
デメリット③ 大きな値下げが起こらない
規制料金プランは、値上げが起こりづらい反面、値下げも起こりづらいです。
良くも悪くも、電気料金の変更がほとんどないので、値下げを期待する人にとってはメリットが少ないと言えるでしょう。
また、自由料金の価格競争が起こった場合、規制料金は他の料金プランよりも高くなってしまう可能性があります。
デメリット② 規制料金は廃止される可能性が高い
今後、規制料金は廃止される可能性が高いです。
規制料金が廃止された場合、電力会社は自由料金のみのプランを取り扱うことになります。
電力会社が自由料金のみを取り扱うようになった場合、価格競争が起きなければ大手電力会社が電気料金を大幅に値上げする可能性があります。
電力自由化で電力会社を選べるようになったとはいえ、価格競争が起こっていない以上、価格高騰が起きてしまうリスクがあります。
規制料金が今後値上げされる可能性はある?
結論から言えば、この先規制料金が値上げされる可能性は十分あります。
現在、燃料費高騰などの理由から電力会社は赤字経営に陥っています。
2022年にも、自由料金のプランで値上げや新規申し込み停止が行われてきました。
2023年には、燃料費がさらに経営を圧迫してしまう可能性が高いです。
よって、2023年には自由料金だけではなく、規制料金も値上げされる可能性があります。
ポイント① 燃料調整額の上限
2022年には、ウクライナ情勢などが原因となる原油などの高騰が世界各地で起こっています。
燃料費の高騰を受け、火力発電などに使用する燃料費も高騰し、燃料調整額は上限を超えています。
上限を超えた分は電力会社の負担となり、電力会社の負担は増え続けます。
ポイント② 規制料金がなくなる可能性
電力会社の負担が増え続けた場合、電力会社は不利益を被り続けることになります。
しかし、電気を売らなければ、国民が生活していくことはできません。
電気をこのまま安定供給していくためにも、自由料金だけではなく規制料金の値上げも必須となってくるでしょう。
ポイント③ 大手電力会社が赤字営業に
大手電力会社が赤字経営をせざるを得なくなると、新電力会社も電気料金を上げることが難しくなります。
すると、新電力会社も赤字経営をすることとなり、倒産や廃業の危機を迎えます。
新電力会社が営業危機となり、新電力会社が減ってしまうと、価格競争も思うようにできなくなるでしょう。
価格競争ができなければ、電力自由化を開始した意味がなくなり、電気料金が下がる可能性も低くなるでしょう。
規制料金が値上げされる可能性が高い!今のうちに対策を!
この先、規制料金が値上げされる可能性は十分にあります。
また、今後燃料費が下がったとしても、新電力会社の数が減ることで価格競争も起きにくくなってしまいます。
この先どうなるかわからない電力事情。
電気料金の値上げや値下げに一喜一憂しないためにも、太陽光発電や蓄電池を導入し、対策を行いましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
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