台風で停電が起こる4つの理由【災害に備える対策方法を解説】
「台風の停電対策を考えたことがない人」や「台風で停電が起こる理由が分からない」という人もいるのではないでしょうか。
停電対策をあらかじめ行うことで、台風が発生しても慌てずに行動することができます。
そこで今回は、停電が起こる理由や復旧までの時間の目安などを紹介します。
目次
台風で停電が起こる3つの理由
台風で停電が起こる3つの理由について詳しく紹介します。
台風や大雨
台風の強風や大雨により土砂崩れで電柱が倒れたり、電線が切れたりすると停電が発生します。
事例として、2019年9月9日に千葉県を中心に起きた台風15号(令和元年房総半島台風)は、関東広域で93万戸の停電が起きたことにより、復旧まで2週間ほどかかりました。
また、倒れ木が原因で立ち入りが難しくなるため、電力復旧が長期化してしまう恐れがあります。
落雷
送電線に落雷することで、設備が耐えられないほどの電気エネルギーを受けることで、電柱の変圧器が故障したり、変圧器を守るヒューズが切れたりします。
2022年8月25日に落雷が原因で静岡県内では、14万6,000戸の大規模な停電があり、1〜6分ほどで解消しましたが、一部の地域では3時間停電した事例がありました。
浸水による電気設備の故障
洪水などの水害により、電気設備が浸水すると故障し、停電が発生します。
また、変電所の制御装置などが浸水することで、停電し供給エリア内では電力が使用できなくなります。
台風の停電復旧までにかかる時間の目安は?
経済産業省のデータを元に、過去の台風の停電復旧までにかかった時間の目安を見ていきましょう。
年度 | 災害名 | 停電戸数 | 電柱の破損など | 復旧までの時間 |
2018年 | 台風21号 | 約240万戸 | 1,343本 | 5日後 |
台風24号 | 約180万戸 | 209本 | 3日後 | |
2019年 | 台風15号 | 93万戸 | 1,996本 | 12日後 |
台風19号 | 52万戸 | 683本 | 4日後 | |
2020年 | 台風10号 | 53万戸 | 163本 | 2日後 |
(出典:経済産業省「令和2年に発生した災害の振り返りと今後の対応について」)
復旧まで時間が掛かった「台風15号」は、電柱の破損数が多かったこともあり、12日後に高圧線復旧が完了しました。
また、「台風10号」は停電数や電柱破損が少ないものの、エリアの復旧作業は天候が悪いこともあり、停電解消まで多くの時間がかかったようです。
家庭でできる台風の停電に備える対策方法
台風の停電に備える対策方法について解説していきます。
人数分の非常用のリュックを準備する
災害が発生してから物資が届くまでに時間が掛かるため、最低3日分の食料や生活用品などを入れた防災リュックの備えが必要です。
飲料水は1人1日3Lが目安のため、4人家族の場合は3日で36L(2Lのペットボトルなら18本分)の飲料水を用意するのが理想です。
また、赤ちゃんや女性、高齢者がいる家庭は、子供用・大人用のおむつ、サニタリー用品なども合わせて用意しましょう。
非常時に必要な物 |
・水 ・食品 ・防災用ヘルメット、防災頭巾 ・衣類、下着 ・レインウェア ・紐なしの靴 ・懐中電灯 ・携帯ラジオ ・マッチ、ろうそく ・救急用品 ・使い捨てカイロ ・ブランケット ・軍手 ・洗面用具 ・歯ブラシ、歯磨き粉 ・タオル ・ペン、ノート ・マスク ・手指消毒用アルコール ・石鹸、ハンドソープ ・ウェットティッシュ ・体温計 ・貴重品 |
(出典:首相官邸:災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~)
強風に備えて窓や雨戸をしっかり閉める
台風で強風が吹く前に、家の雨戸を閉めることで窓ガラスが割れるリスクを軽減できます。
台風の対策をしないと風圧で窓ガラスが割れたり、風に煽られて窓ガラスに物が飛んできたりするため事前の対策が必要です。
また、養生テープを貼ることで、万が一窓ガラスが割れた時に、破片が飛び散るのを防ぐことも可能です。
お風呂やペットボトルに生活用水を貯める
浴槽に水を貯めると、150〜200Lの容量を確保できるため、生活用水として活用できます。
災害時に1日1人あたり10〜15Lの生活用水が必要になるため、浴槽やペットボトルを利用すれば、停電による断水も安心です。
また、浴槽の水をペットボトルに移し替えることで、トイレや手洗いなどもスムーズに利用できるでしょう。
排水溝の雨樋を掃除する
雨樋にゴミや落ち葉などが詰まると水の流れが悪くなり、窓サッシや敷地内に雨水が流れ込みます。
排水溝や雨樋にゴミが溜まりやすい場合は、ゴミ避けのネットを付けておくだけで雨漏りを防ぐことができます。
雨樋は高い場所にあるので、自分で掃除するのが難しい場合は、業者の人に依頼しましょう。
ゴミ袋で水のうを用意する
土嚢を家の玄関に積み上げることで、浸水被害を軽減できます。
しかし、土嚢を自宅で準備するのは難しいため、簡単に用意できる「水のう」がおすすめ。
ゴミ袋を二重にして水を入れて、隙間なく出入り口に並べることで浸水が防げます。
また、使い終わりは水を捨てるだけなので、後片付けも楽チンです。
植木鉢や自転車は屋内へ移動する
屋外に置かれている植木鉢や自転車などの軽い物は、強い風で吹き飛ばされてしまうため、室内へ移動するのが大切です。
屋外に置きっぱなしが原因で、近隣の方に迷惑をかけると損害賠償を請求される可能性もあります。
移動が難しい大型の物は、ロープで固定し風で飛ばされないようにする対策をしましょう。
台風による停電で避難が必要かの判断基準
「国土交通省」の判断基準によると、河川の水位情報を確認して判断する必要があり、
警戒レベル3から避難することを推奨しています。
警戒レベル4では、大雨で河川が氾濫する危険性があるため、速やかに避難する必要があります。
警戒レベル | 気象状況 | 住民がとるべき行動 |
警戒レベル2 | 注意 | 自宅などの災害リスクを確認 |
警戒レベル3 | 警戒 | 高齢者は危険な場所を避けて避難 |
警戒レベル4 | 危険 | 暴風が吹き始める前に避難 |
警戒レベル5 | 災害切迫 | 今居る場所より安全な場所に避難 |
台風の停電リスクは大きい【避難への備えが大切】
台風で強い風が吹くと、飛来物によって電柱や電線が損傷を起こし停電が発生するため、復旧までに時間が掛かります。
電力の復旧は台風の規模や被災した地域によって異なるので、台風の進路予測をしつつ、事前に避難場所や防災対策を行いましょう。
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