ZEHの4つの判断基準とは?メリット・デメリットや補助金額を解説
断熱性や省エネ効率が高く、補助金やさまざまな優遇制度の対象になると評判の「ZEH(ゼッチ)住宅」ですが、認定にはクリアしなければならない基準があることをご存じですか?
ZEHと認められるためには「再生可能エネルギーの導入」や「断熱性能が地域の基準値を上回ること」など条件があり、住宅の購入・リフォーム前に確認しておく必要があります。
そこで本記事では、「ZEHの特徴や種類・受けられる優遇制度」や「ZEHと認定されるための4つの基準」について、はじめての方にもわかりやすく解説していきます。
記事の後半には「ZEHを新築購入またはリフォームするメリット・デメリット」も深堀りしていますので、断熱住宅や省エネに興味がある方はぜひ目を通してみてくださいね!
目次
ZEHって何?特徴や受けられる優遇制度・補助金額をくわしく解説!
まずはじめに、ZEHの特徴や魅力、ZEHに認定されることで得られる優遇制度や、ZEHの種類ごとの補助金額の違いをまとめて解説していきます。
【省エネ住宅】ZEH(ゼッチ)とは?特徴や魅力をご紹介
「ZEH(ゼッチ)」とは、断熱性能を高め、再生エネルギーを導入した次世代の省エネ住宅のことであり、「Net Zero Energy House」の略語として定着しています。
ZEH住宅の最大の特徴は、高い省エネ効果に加えて自宅でエネルギーを作り出すことで、「ガスや石油などの一次エネルギーの収支がほぼゼロ」であることです。
さらに、密閉性の高いZEH住宅は「遮音性にも優れる」点も見逃せないメリット。
周辺の騒音が気になる方や、小さな子供がいる家庭にもおすすめしたい住宅といえます。
【補助金・ローン優遇も】ZEH住宅を購入すると何がお得?
ZEH住宅を購入・またはZEH住宅にリフォームすると、高額の補助金が交付されるだけでなく、以下のような優遇制度の対象となります。
ZEHの優遇制度の一例 | 特徴・ポイント |
環境省・経済産業省の補助金 | ・ZEH住宅に対して「55万円〜100万円」の補助金が交付される |
住宅ローンの軽減 | ・「フラット35」など、一部の住宅ローンはZEH住宅に対してローン減税や金利優遇を実施している ・ZEH向けの住宅ローンプランは、借入限度額が「数百万円」引き上げられていることも多い |
こどもエコすまい支援事業 | ・子育て世帯や若年夫婦世帯がZEH住宅を購入・リフォームした場合、「最高100万円」の補助金が交付される |
【全部で5種類】ZEHの種類ごとの特徴・補助金額の違いは?
ZEHは断熱性能・省エネ性能によって「5つの種類」に分けられており、種類ごとに以下のように特徴や補助金額が違います。
ZEHの種類 | 補助金額 | 特徴 |
ZEH | 55万円 | ・基準より「20%以上」の省エネ性能を持ち、再生可能エネルギーで「100%」の省エネを実現できる住宅 |
Nearly ZEH | 55万円 | ・基準より「20%以上」の省エネ性能を持ち、再生可能エネルギーで「75%以上」の省エネを実現できる住宅 |
ZEH Oriented | 55万円 | ・基準より「20%以上」の省エネ性能を持つ住宅(再生可能エネルギーの導入は必要ない) ・都心部など、再生可能エネルギーの導入に適さない場所で認められる |
ZEH + | 100万円 | ・基準より「25%以上」の省エネ性能を持ち、再生可能エネルギーで「100%」の省エネを実現できる住宅 ・さらに「①断熱性の向上」「②HEMSの導入」「③V2Hの導入」のうち、2つを選択する必要がある |
Nearly ZEH + | 100万円 | ・基準より「25%以上」の省エネ性能を持ち、再生可能エネルギーで「75%」の省エネを実現できる住宅 ・さらに「①断熱性の向上」「②HEMSの導入」「③V2Hの導入」のうち、2つを選択する必要がある |
ZEH住宅と認定されるための「4つの判断基準」をわかりやすく解説!
つづいて、ZEH住宅の認定をクリアするための「4つの判断基準や条件」について、注意点も含めてくわしくご紹介していきます。
【基準①】強化外皮基準(断熱性能)が「0.4〜0.6以下」であること
ZEH住宅として認められるためには、建物の断熱性能を表す「UA値」が「0.4〜0.6以下」である必要があります。
UA値の認定基準は「お住まいの地域」によって0.4〜0.6まで分かれています。
UA値を確認するには、国土交通省の「地域区分新旧表」をご参考ください。
また、条件となるUA値は「ZEHの種類」によっても細かく設定されていますので、施工業者と「どれくらい断熱性能を高めるか」しっかり相談することが肝心です。
【基準②】石油やガスの消費量を「20%以上カット」できていること
ふたつめの条件は、石油やガスなどの「一次エネルギー」の消費量が、現在の基準より「20%以上」削減できていることです。
20%以上の省エネを実現するためには、「断熱性能の向上」はもちろん、エアコンや給湯設備などを高効率なモデルに買い換えることも重要となってきます。
また、「電気」は二次エネルギーに分類されるため、石油やガスを使わない「オール電化」にリフォームするだけで以上の基準を満たすことができます。
【基準③】太陽光発電など「再生可能エネルギー」を導入していること
ZEH住宅の認定条件として、石油やガスなどの枯渇する資源ではなく「再生可能なエネルギー」を自宅に導入することも必要となります。
再生可能エネルギーの一例としては「太陽光発電」「地熱発電」「風力発電」などが挙げられますが、大半の家庭では太陽光発電が導入されています。
現時点ではまとまった発電量が見込めない風力・地熱発電ではZEH住宅として認定されないリスクもあるため、太陽光発電を設置したほうが無難といえるでしょう。
【基準④】①〜③を組み合わせて一次エネルギーを100%削減すること
最後の認定基準として、いままで紹介してきた「①断熱」「②省エネ」「③創エネ」を組み合わせて、石油やガスなどの一次エネルギーを「100%削減」することが挙げられます。
特に「③創エネ」については、「自宅で消費する一次エネルギーと同程度の発電量」を実現する必要があるため、設置する太陽光パネル容量には気を配る必要があります。
一次エネルギーの削減量が100%でなく「75%以上」あれば「Nearly ZEH」として補助金の交付を受けられますので、予算や状況に応じて切り替える方法もおすすめです。
ZEH住宅を購入・リフォームする「メリット・デメリット」とは?
さいごに、ZEH住宅を新築購入、またはZEHへリフォームする際に確認しておきたい「メリット・デメリット」を順番に解説していきます。
【メリット】高騰する電気・ガス代対策に最適!豊富な補助制度も魅力
ZEH住宅のメリットは、年々値上がりする電気代やガス代を「実質0円」まで節約しつつ、補助金の交付や住宅ローンの金利軽減などの優遇が受けられることです。
また、ZEH住宅に導入されることの多い太陽光発電は、停電中も電気が使えるうえに、平常時は余った電気の売電もできる、経済的メリット抜群の設備でもあります。
さらに、太陽光発電は「FIT制度」により10年間は優遇された売電価格が適用されるため、設置費用を10年のうちに回収することも充分に可能です。
自治体によってはZEH補助金とは別に、太陽光発電や断熱窓などの補助金を併用できる場合もありますので、一度お近くの役所などに確認しておくとよいでしょう。
【デメリット】基準をクリアするためには普通の住宅よりお金がかかる
ZEH住宅のデメリットは、4つの認定基準をクリアするために、通常の住宅を購入・リフォームするより多めの予算がかかることです。
購入する住宅の規模やリフォームの内容によっては、補助金や優遇制度のメリットを考えても割高になる場合もあるため、予算と合わせて無理のないプランを選ぶべきでしょう。
一方で、ZEH住宅には「一次エネルギーの光熱費が実質0円」という、通常の住宅では実現できない経済的メリットがあり、長い目で見ればお得な可能性が高い点も覚えておきたいところ。
電気代やガス代は今後も値上がりする可能性は非常に高いですので、先行投資としてZEH住宅にコストを掛ける価値は充分にあるでしょう。
【まとめ】ZEHは光熱費の節約効果が高い!補助金で安く実現しよう
ZEH住宅として認定を受けるためには「再生可能エネルギーの導入」「20%の省エネ実現」などの条件があるものの、認定されれば「数十万円を超える補助金」や「住宅ローン金利の軽減」など、数々の優遇制度が適用されます。
さらに、断熱性・省エネ性能の高いZEH住宅は「一次エネルギーの光熱費を0円に抑える」ことも充分可能なため、電気代やガス代が今以上に高騰しても安心して生活を続けられます。
ZEHの実現のために導入例が多い「太陽光発電」は、停電対策や売電もできる優れもの。
太陽光発電の設置を検討している方は、ぜひZEHについても視野に入れてみましょう!
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この記事の監修者
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