太陽光発電に関するトラブルを徹底解説!
2022年は円安やウクライナ戦争による資源高が原因で電力価格が高騰した年でした。
そのため、自宅で発電できる太陽光発電に注目が集まっています。
その一方で国民生活センターには太陽光発電に関するトラブルが多数寄せられています。
今回は太陽光発電に関する代表的なトラブルとトラブル防止のための事前チェックポイント、契約を取りやめたいときの相談先などについて解説します。
目次
太陽光発電に関するトラブルの種類
電力高騰などにより脚光を浴びている太陽光発電ですが、さまざまなトラブルが発生しています。
太陽光発電に関する6つのトラブルについて、それぞれ解説します。
契約・販売に関するトラブル
契約や販売に関してトラブルが多いのは訪問販売の事業者です。
国民生活センターのサイトを開くと、各種のトラブル事例が掲載されています。
その中の一つ「突然訪問されて太陽光発電設備と家庭用蓄電池を契約した」というものがありました。
詳しく内容を見ると、訪問業者から安くなるのはあと2件といった煽り文句を聞かされ、つい、契約してしまったといいます。
他にも、メリットばかり並べたててデメリットに全く触れない業者や、契約をすぐに決めたがる業者などもいます。
なかには、訪問の目的を告げずに、「省エネに関するアンケート」などといって警戒心を解いてから、太陽光発電の営業を行う業者もいます。
また、法外な料金を請求してくる業者もいます。
最初の説明では低い価格を提示しているのに、あれよあれよという間に金額が上乗せされ、相場よりも高い買い物になった事例もあります。
太陽光発電設備の契約をするつもりがないなら、業者に対しきっぱりと断りましょう。
もし、契約してしまったとしても書面を受け取った日から8日以内なら契約を解約できるクーリングオフもありますので活用しましょう。
設備に関するトラブル
ごくまれにですが、太陽光パネルやパワーコンディショナーが発火する事例も報告されています。
太陽光パネルが何らかの理由で損傷すると、火災を起こすことがあるのです。
パネルの火災は水で消化できますが感電のリスクがあります。
実際に消防士が感電した事例もあるため、自分で消火するのは難しいと考えるべきでしょう。
パワーコンディショナーは発電した電力を家庭で使用できるよう変換する装置です。
出火原因の多くはねじ〆不足や施工不良などが原因とされます。
また、出火まで至らなくても、設備の故障によって発電量が低下することもあります。
パネルやパワーコンディショナーは専門業者による定期的なメンテナンスを行い、こうした事故が起こらないようにしなければなりません。
自然災害に関するトラブル
台風に代表される自然災害も、太陽光発電設備のトラブルを引き起こします。
台風や突風により太陽光パネルが壊れて、周囲に飛散する事故も発生しています。
2018年に発生した台風24号は、佐賀県内に突風をもたらしました。
台風の影響で、太陽光パネルが架台ごと落下し、民家の屋根を直撃する事例が報告されています。
太陽光パネルが損傷する原因は風圧や飛来物の衝突、架台の損傷などです。
先ほどの佐賀県の事例は台風の強風で架台が損傷したものでした。
こうしたトラブルを可能な限り防ぐには、施工経験が豊かな事業者を選ばなければならないでしょう。
業者とのトラブル
太陽光発電のトラブルでよくあるのが、いわゆる悪徳業者が引き起こすトラブルです。
そうした業者は施工技術がないにもかかわらず工事を請け負い、設備どころか住宅にも損傷をもたらしかねません。
よくあるトラブルの一つが設置後の雨漏りです。
太陽光パネルを設置するときは、屋根に架台を固定します。
その時に穴をあけて金具を設置するのですが、施工技術のない業者に任せてしまうと、そこから雨漏りしてしまうことがあるのです。
ただ、施工した悪徳業者が工事と雨漏りの因果関係を認めないと、最悪の場合、自費で補修することになります。
そうならないためにも、しっかりした技術を持った業者を選ばなければならないのです。
近隣住民とのトラブル
太陽光発電設備は、場合によっては近隣住民とのトラブルを引き起こしてしまいます。
主なトラブルは以下の3つです。
- 反射光や作動音に関するトラブル
- 雪の落下に関するトラブル
- 野生動物や自然災害に関するトラブル
太陽光パネルは、光が当たる角度によって非常にまぶしい反射光を発します。
主に発電用の野立ての太陽光パネルで発生するトラブルですが、設置するときの角度や周辺の地形によっては住宅用でも発生する可能性があるトラブルです。
万が一にも発生しないよう、設置角度について業者に確認しておきましょう。
雪の多い地域では、太陽光パネルから落下する落雪が大きな問題となります。
基本的に、住宅の落雪はその家に住む人が処理します。
大雪になり、除排雪が追い付かないときなどには、パネルに積もった雪が住宅周辺の道路や隣家に落ちる可能性があります。
設置するときにそういったことがないよう配慮するはずですが、念のためチェックしておきましょう。
太陽光パネルには、ハトなどの野生動物が住みつくことがあります。
動物がもたらす被害としては糞害や悪臭などがあり、近隣住民にとっても迷惑になります。
太陽光パネルを設置しっぱなしにするのではなく、定期的にメンテナンスして、近隣トラブルの原因とならないよう配慮しましょう。
トラブルを防ぐための事前チェック
太陽光発電でトラブルを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
以下の2点について事前にチェックしておきましょう。
- 設置業者の信用性をチェックする
- 業者の保証範囲を確認する
1つ目のポイントは設置業者の信用性をチェックすることです。
太陽光発電設備の設置はどの業者でもできるわけではありません。
発電や住宅の電気の配線、蓄電池との連携、パワーコンディショナーの設定など、数多くのノウハウが必要です。
信用性を測る目安の一つが施工件数です。
どの程度の工事を実施しているのか、事前に確認しておきましょう。
施工件数が多ければ多いほど、色々な場面を経験してノウハウを蓄積しているため、技術の蓄積もあると考えられるからです。
2つ目のポイントは業者の保証範囲を確認することです。
保証の範囲が設備だけなのか、雨漏りも補償に入るのか、何年保証してくれるのかなど、保証内容を吟味しましょう。
契約を取りやめるときの相談先
太陽光発電の契約のうち、訪問販売や電話営業であればクーリングオフの対象となります。
しかし、クーリングオフをどのようにすればよいのか、わからないことが多いかもしれません。
そんなときの相談先が「消費生活センター」です。
消費生活センターは消費に関する悩みを受け付ける地方自治体の相談窓口です。
契約解除や取りやめについて相談できます。
また、国民生活センターが開設している「消費者ホットライン」でも相談できます。
消費生活センターが開いていない土日祝日でも受け付けています。
デメリットについても検討してから設置を決めよう
今回は太陽光発電に関する様々なトラブルや、トラブルを防ぐための事前チェック、契約を取りやめるときの相談先などについて解説しました。
太陽光発電には電力代の引き下げや環境問題への貢献といった大きなメリットがあります。
しかし、初期投資の金額が大きくなることや、設備を維持管理する責任、場合によっては施工不良などに対応しなければならないといったデメリットもあります。
導入するときは、メリットだけに目を奪われず、デメリットもしっかり勘案して導入すべきかどうか決めるべきです。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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