ソーラーパネル追加で得られるメリットは?注意点や費用を抑えるコツ
「ソーラーパネルの追加設置で売電価格は下がるの?」「追加するタイミングが分からない」という不安を抱えていませんか?
今回の記事では、ソーラーパネルを追加するメリット・デメリット、設置するタイミングなどを解説していきます。
目次
ソーラーパネルの追加とは?【過積載の違いや設置費用の目安】
ソーラーパネルの理解を深めるためにも、「追加」と「過積載」の違いを理解しておくのが大切です。
合わせて設置費用の相場価格も見ていきましょう。
ソーラーパネル追加と過積載の違い
ソーラーパネルの追加と過積載は、設置状況が似ているようでまったく違います。
- 追加:売電が始まった後にソーラーパネルを追加すること
- 過積載:パワコンの容量よりも大容量のパネルを設置したときに発生
過積載は、パワコンの出力容量より、多くのソーラーパネルを追加してしまった状態を指しています。
追加=過積載という意味ではないので、勘違いしないためにも2つの意味合いをしっかり理解しておきましょう。
ソーラーパネル追加で発生する費用
「資源エネルギー庁」のデーターによると、2022年に10kW以上のシステム費用の平均価格は23.6万円/kWと前年より5万円ほど安いです。
費用が安くなった理由として、太陽光パネル普及に伴う量産や機能性がUPしたこともあり、ソーラーパネルを低価格で販売できます。
10年前の平均費用より約20万円/kWも大幅に下がっているため、ソーラーパネルを導入する人も増加しています。
ソーラーパネルを追加すると得られる5つのメリット
ソーラーパネルの追加設置で得られるメリットを紹介します。
それぞれの利点やおすすめポイントについて見ていきましょう。
早めの追加で売電期間を延長できる
ソーラーパネル追加でFITの売電期間を延長できる可能性があります。
10kW未満の一般家庭タイプの買取期間は10年、10kW以上の産業用であれば20年と買取期間が分かれています。
FIT期間中に10kW未満の容量から10kW以上に増やせるため、買取期間10年を20年に延長することも可能です。
ただし、10kW未満のソーラーパネルに追加した後の容量が10kW以上を満たしていない場合は適用されないので注意しましょう。
発電量や売電収入のアップにつながる
ソーラーパネルの追加で発電量や売電収入の増加につながります。
ソーラーパネル1枚あたり200W〜250Wの発電能力を備えているため、枚数が増えるごとに発電量が上がり、売電収入もアップしますよ。
200Wのソーラーパネルを1枚追加するだけで、3.0kWh前後の発電量が得られます。
年間に換算すると、1000kWhの発電量の見込みがあり、年間12,100円と売電収入を増やすことも可能です。
土地やカーポートなど余ったスペースを活用できる
ソーラーパネルは、屋根以外にも土地やカーポートなどの場所に設置できます。
屋根に載せきれない場合は、空きスペースの設置で発電量の増加が目指せます。
地面にソーラーパネルを追加した場合、地面が固い土地で電柱が近くにあると、工事費用を安く抑えられるため設置に向いています。
また、カーポートは駐車場の屋根の上に載せるので、スペースを圧迫せずに発電量を増やせるのでおすすめです。
ピークカットの影響を受けても発電量を補える
蓄電池があれば、ピークカット分の電力をカバーすることが可能です。
ピークカットとは、パワコンの出力容量を超える状態で発電していることです。
出力容量を上回る電力は、パワコンに変換しきれないため、自家消費や売電ができません。
一時的に蓄えた電力を夕方や夜に放電することで、売電や自家消費に活用でき、電力のムダを減らせます。
停電対策や自家消費量を増やせる
ソーラーパネルの追加で発電量が増えるため、停電対策や自家消費に多く回せます。
大容量の蓄電池との併用で、日中に多く発電した電力が夜間にも使えるようになり災害時の備えに有効です。
停電時も冷蔵庫やパソコンなどの電化製品をふだん通りに使用できるため、長期間の停電も安心に過ごせます。
ソーラーパネルを追加する際のデメリットや注意点
追加設置で抑えておきたいデメリットや注意点も含めて紹介します。
デメリットを理解したうえで、追加設置を検討しましょう。
ソーラーパネルの追加は設置費用がかかる
ソーラーパネルの追加は、電気代の削減や売電収入にメリットがある分、高額な設置費用がかかります。
「資源エネルギー庁」のデーターによると、1枚あたり23.6万円/kWが目安です。
例えば、ソーラーパネル5kWを追加すると100万円以上の出費がかかり、金額だけ聞くと設置を辞めようと考えてしまう人も多いでしょう。
しかし、現在は10年前の半分以下の価格まで下がっています。
決して安い金額ではないですが、追加設置するメリットもあるので導入を検討してみるのもおすすめです。
FIT期間中のパネル追加は手続きの手間や時間がかかる
FIT期間中のソーラーパネルの追加は、国への変更認定申請の手続きが必要となります。
出力容量の大きさによって提出方法が異なるため、時間をかけたくない人は追加設置をしっかり検討するのが大切です。
- 50kW未満:インターネットで申請可能
- 50kW以上:管轄している経済産業局へ必要書類を送付
また、申請から認定まで3ヵ月ほどかかるため、申請手続きに不安がある人は代行事業者に依頼するのもおすすめです。
売電価格が大きく下がってしまう可能性もある
ソーラーパネルの追加をFIT期間中に以下のケースでおこなうと売電価格が下がってしまう恐れがあります。
- 既設の出力が10kWを超えてしまう場合
- 既設の出力が10kW以上で、認定出力が少しでも上がってしまった場合
- 既設の出力が10kW以上で、3kW未満または3%未満を超える追加設置をした場合
上記のケースにあてはまってしまうと、発電量が増加したとしても買取価格が下がったり、FIT認定を再取得したりと追加設置のメリットを感じることがむずかしくなります。
メーカーや設置方法で保証から外れてしまう場合も
追加するソーラーパネルと既設のソーラーパネルのメーカーが異なる場合は、10年保証が切れてしまう可能性があります。
また、同じメーカーでもパワコン出力容量を超えるソーラーパネルの追加は、保証から外れてしまうので追加設置の際は注意しましょう。
「同じメーカーのソーラーパネルの設置」や「パワコンの容量より少ないソーラーパネル」を選ぶことで保証から外されずに済みます。
追加したパネルの影で発電量が下がる可能性もある
追加設置によりパネルの影が出てしまうと、発電効率が下がってしまうこともあります。
ソーラーパネルの架台に設置したアレイの間隔が狭いと日影が発生してしまい、発電量が低下してしまうのが原因です。
特に冬場は日照時間が短く発電量が短いので、影と日照時間が重なるので、半分以下の発電量まで下がることも少なくありません。
1枚でも多くのソーラーパネルを設置して発電量を稼ごうとすると、日陰を作ってしまいます。
そのため、日影ができないように設計されているのか、着工前に設計士に確認することが大切です。
ソーラーパネル追加を検討するタイミングは?|対策方法も紹介
追加設置は、使用環境の状況によってタイミングが大きく異なります。
そこで、追加設置におすすめのタイミングや対策方法を紹介します。
自宅の消費電力が増えたとき
電気代の高騰を受けている中で消費電力量が増えてしまうと、高額な電気代がかかり家計の負担が大きくなります。
そこで、ソーラーパネルを使って発電量を増やせば、日中の高い電気料金を支払わずに済み、光熱費の負担額を大きく減らせます。
ソーラーパネルを追加すると節電対策をせずに、ストレスなく家電製品が自由に使えるため消費電力量が増えたご家庭に最適です。
売電収入を増やしたいとき
ソーラーパネルの追加は、手っ取り早く売電収入を増やしたい人にもおすすめです。
ソーラーパネル1枚の追加で3kWh前後の発電量に期待ができ、1ヵ月あたり1,000円、年間12,000円ほどの収入を得ることができます。
また、10kW未満のソーラーパネルに追加設置した場合、売電価格が変わらないため売電収入の増加も期待できるでしょう。
ソーラーパネルを設置できる土地が余っているとき
ソーラーパネルの追加設置は、田舎の土地活用に最適です。
田舎の土地は、周りに建物や木などの日照を遮るものがないため、ソーラーパネルを追加設置するのに有利だといえます。
また、郊外に設置することで固定資産税が安くすみ、売電収入が得やすくなるため、郊外で土地が余っている場合はおすすめです。
追加で蓄電池を設置するとき
ソーラーパネルと蓄電池を追加設置する場合は、発電した電力を蓄えて売電や自家消費の効率を上げることができます。
メーカーやソーラーパネルの保証期間の影響を受けない「単機能型」なら別メーカーでも問題なく利用できるので追加設置も安心です。
既設のソーラーパネルがあることで、蓄電池の補助金もアップするため購入費用の負担額を減らすこともできるでしょう。
ソーラーパネル追加前に確認したい5つのポイント
ソーラーパネルの追加設置後に、後悔したくありませんよね。
ここからは、追加前に確認したい4つのポイントを紹介します。
追加設置で売電収入や売電期間に影響が出ないのか
ソーラーパネルの追加する容量によって、売電収入や売電期間が変わるため、下記のケースにあてはまらないことで影響を受けずに済みます。
既設のパネルが10kW未満だった容量が10kW以上を超える
- 既設のパネルが10kW以上で容量が0.1kWを超える
上記のケースにあてはまると、売電価格が半額まで下がったり、売電期間が延長されなかったりします。
そのため、売電収入が下がらないように既設のソーラーパネルの容量を確認しておきましょう。
売電収入で追加費用を回収できるか
売電価格は毎年、少しずつ下がっているため、追加費用を回収できるのか確認しておくのが大切です。
ソーラーパネルを追加設置したのに元が取れなければ、費用対効果を感じることができません。
また、設置コストを下げると売電収入を早めに回収できる場合もあるので、ソーラーパネルの専門業者に一括見積りを取るのがおすすめです。
メーカー保証が継続されるのか
既設のソーラーパネルと同じメーカーを選ぶことで、保証期間の影響を受けずに設置できます。
そのため、「同じメーカーの追加設置」や「パワコンの容量を上回らない」ソーラーパネルを選ぶことで保証期間を継続させることが重要です。
既設のソーラーパネルの寿命はどのくらいなのか
既設のソーラーパネルとの寿命が10年以上、残っている場合は追加設置がおすすめです。
寿命を迎えるタイミングで追加設置してしまうと、故障や買い替えの費用がかかる可能性が高くなります。
まずは、既設のソーラーパネルの寿命を確認して、追加設置すれば長期間の設置も安心して使用できます。
ソーラーパネルの追加費用をおさえる3つの対策方法
ソーラーパネルの追加費用をおさえて、売電収入や自家消費を増やしたい人も思う人も多いでしょう。
ここからは、お得に導入するための3つの対策方法を解説します。
中古パネルを設置する
追加費用をおさえるためには「中古ソーラーパネル」の設置で、費用を安く抑えることができます。
ネットオークションや中古パネルの専門販売店で購入が可能です。
ソーラーパネルは使用済みのため、メーカー保証を受けることはできません。
基本的に問題なく使用することも可能ですが、動作不良や故障などのリスクを踏まえた上で購入するようにしましょう。
補助金を活用する
ソーラーパネルの費用に対する国からの補助金はおこなっていませんが、各都道府県では独自の補助金制度を実施しています。
既設のソーラーパネルの補助金を自治体で受け取っていた場合でも、条件によっては追加設置で受け取ることも可能です。
既設のソーラーパネルの出力容量と合わせて10kW未満であれば、補助金が受け取れます。
ソーラーパネルの追加費用を軽減させるためにも、自治体に確認してみましょう。
ソーラーパネルの専門業者に依頼する
既設のソーラーパネルを設置した専門業者に依頼するのが最適です。
また、違う専門業者に依頼してしまうと、メーカー保証から外れてしまったり、既設との相性が合わず発電量が減ったりしてしまう可能性が高くなります。
どのようなソーラーパネルが良いのか、判断できない場合は、知識や経験が豊富なソーラーパネルの専門業者へ相談するのが良いでしょう。
無料で一括見積ができるため、他社と価格を比較でき相場よりも安くなるケースもあるのでおすすめです。
ソーラーパネルの追加は太陽光発電の専門業者に依頼しよう
今回は、ソーラーパネルの追加で得られるメリットやデメリット、追加費用を安くするための方法まで紹介しました。
追加設置は、売電価格やメーカー保証の影響を受けやすいので、既設のソーラーパネルの出力容量を確認することが大切です。
ソーラーパネルの導入コストは毎年少しずつ下がり、現在は導入しやすいタイミングだと言えます。
追加設置で既設との相性が分からない場合は、ソーラーパネルの専門業者に相談することをおすすめします。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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