カーボンニュートラルの問題点は?政策の概要や日本でやる意味も!
昨今、世界全体の目標として掲げられているカーボンニュートラル。
日常的に使われつつある単語なので「カーボンニュートラルの概要が今更聞けない」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、カーボンニュートラルの政策の概要や懸念されている問題点、日本でやる意味はないと噂されている理由を紹介します。
目次
カーボンニュートラルの問題点は?政策の概要について解説!
カーボンニュートラルの問題点を見ていく前に、カーボンニュートラルという政策について具体的に解説します。
さっそく見ていきましょう。
カーボンニュートラルについて
カーボンニュートラルとは、英語表記で「carbon(炭素)」「neutral(中立の)」という意味です。
昨今、地球温暖化が深刻化していますが、その原因として二酸化炭素や温室効果ガスの排出量が多いことが挙げられます。
カーボンニュートラルは、二酸化炭素や温室効果ガスの排出量を減らしつつ、完全に減らない部分に関しては、森林を増やすなどして吸収量を増やすことを目的としています。
地球温暖化対策を考えるのであれば、二酸化炭素や温室効果ガスの排出量を完全にゼロにする脱炭素が求められるでしょう。
しかし、それらの排出量を完全にゼロにするというのはなかなか現実味がありません。
したがって、カーボンニュートラルが世界的に注目されているのです。
カーボンニュートラルを実現するために必要なもの
カーボンニュートラルを実現するために必要なものは、再エネといわれる再生可能エネルギー設備と、排出された二酸化炭素や温室効果ガスを吸収するための森林などです。
再エネとは、半永久的に地球上に存在し続けるエネルギー源で、発電時に二酸化炭素や温室効果ガスを排出しないもののことになります。
具体的には、以下のようなもののことです。
- 太陽光発電
- 水力発電
- 風力発電
- バイオマス発電
- 地熱発電
多くの一般住宅で目にするようになった太陽光発電も再エネの一種ということで、昨今注目されている理由がわかりますね。
カーボンニュートラルの現状について
経済産業省 資源エネルギー庁の公式ホームページによると、カーボンニュートラルは2021年4月現在、世界125か国、1地域で実施している政策になります。
日本をはじめとするこれらの国々は、2050年までにカーボンニュートラルの実現を表明。
中国に関しては、2060年までにカーボンニュートラルの実現を表明しています。
カーボンニュートラルは大切な政策!懸念されてる問題点は?
カーボンニュートラルは地球温暖化防止の観点から、とても大切な政策であることがわかりました。
とはいえ、懸念されている問題点があるというのです。
一体どういうことなのでしょうか。
具体的に解説します。
問題点①先進国にとって有利な政策
カーボンニュートラルの問題点は、先進国にとって有利な政策ということです。
私たち先進国の多くは、コスト軽減のために発展途上国に工場を持っていることが多いのは周知の事実。
カーボンニュートラルでは、排出された二酸化炭素や温室効果ガスは工場の元々の所有者である先進国ではなく、その工場がある発展途上国の排出物として処理されてしまいます。
つまり、工場の多くを発展途上国に置いている先進国は、そもそもの二酸化炭素や温室効果ガスの排出量が少ないと判断されてしまうのです。
先進国にとって有利な政策といわれても、仕方ないといえるでしょう。
問題点②実際の検証が非常に難しい
実際の検証が非常に難しいのも、カーボンニュートラルの問題点です。
たとえば、2030年に先進国がカーボンニュートラルの実現に成功したとしましょう。
しかしそれは表面上の結果に過ぎず、実際の成功ではありません。
理由は、先進国の多くは発展途上国に自社工場を設けているからです。
つまり、先進国はカーボンニュートラルを実現したわけではなく、表面上で成功しているだけ。
このように、カーボンニュートラルは実際の検証が難しいという問題点があります。
問題点③化石燃料の使用を実質的に認めている
カーボンニュートラルは、化石燃料の使用を実質的に認めているという問題点もあります。
地球温暖化を食い止めるためには、石炭や石油などの化石燃料の使用量を極力減らしていかなければなりません。
しかし、カーボンニュートラルは「有害物質の排出量を実質ゼロにする政策」です。
つまり、有害物質である化石燃料などの使用を止める政策ではないのです。
学者の中には、カーボンニュートラルは本当に地球温暖化のためになるのか、という懸念をしている人もいるといいます。
問題点④再エネが地球環境問題に良いものかの検証ができていない
再エネが地球環境問題に良いものかの検証ができていないのも、カーボンニュートラルの問題点です。
カーボンニュートラルを実現するためには、太陽光発電などをはじめとする再エネが必要になります。
しかし、再エネの中でも風力発電は、風力発電の羽に野鳥がぶつかって死亡する例がいくつも報告されており、生態系への悪影響が懸念されているのです。
太陽光発電でも、森林を伐採して太陽光発電設備を広く設置したりなど、地球環境への配慮が見られない事実も。
こういった地球環境への配慮不足が、カーボンニュートラルの問題点として挙げられています。
問題点⑤再エネの導入費用が高い
カーボンニュートラルの問題点として、再エネの導入費用が高いことも挙げられます。
日本では、二酸化炭素の排出量を1%削減するために1兆円の費用が必要といわれています。
公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)の発表によると、2050年に二酸化炭素の排出量をゼロにするのであれば、毎年90兆円規模のコストが必要になるという事実もあるのだとか。
地球温暖化防止のためにカーボンニュートラルが必要なのはわかりますが、費用的になかなか現実味のない数字ですよね。
これが、カーボンニュートラルの抱えている問題点になります。
カーボンニュートラルの問題点!日本でやる意味はないって本当?
カーボンニュートラルは世界的に実施されている、地球温暖化対策のひとつですが、中には「そもそも日本でやる意味はない!」という声もあるのです。
一体どういうことなのでしょうか。
そこで最後に、カーボンニュートラルを日本でやる意味はないといわれる理由を2つ紹介します。
日本の二酸化炭素排出量は全体のわずか3%!
カーボンニュートラルを日本でやる意味がないといわれる理由は、日本の二酸化炭素の排出量が全体のわずか3%に過ぎないからです。
二酸化炭素の排出量1位は29.5%で中国、アメリカが14.1%で2位、インドが6.9%で3位、ロシアが4.9%で4位、そして私たちの日本が5位というように続きます。
つまり、日本のわずか3%を削減するよりも、中国やアメリカの二酸化炭素排出量を減らすほうが地球環境に優しいのではないか、と警鐘を唱える人もいるのです。
先進国としてカーボンニュートラルに取り組む意味はある!
日本のわずか3%の二酸化炭素排出量を減らす意味があるのかは甚だ疑問ではありますが、先進国としてカーボンニュートラルに取り組む意味はあるとされています。
というのも、先進国の多くがカーボンニュートラルを実施しており、そこで日本だけカーボンニュートラルを実施しないという選択肢は生まれてこないからです。
だからこそ、私たち一人ひとりがカーボンニュートラルを実施できるような生活習慣を身に着けられると良いでしょう。
カーボンニュートラルには多くの問題点が!個人でできる取り組みを!
今回の記事では、カーボンニュートラルの概要や問題点、日本で取り組む意味を紹介しました。
地球環境のために必要なカーボンニュートラル。
とても難しいものではありますが、私たち一人ひとりができる対策から始めていけたら良いのではないでしょうか。
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