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ソーラーパネルのデメリットとは?それでも設置すべき理由を解説!

太陽光発電 2024年01月04日更新

ソーラーパネルは太陽光発電に必要不可欠な設備です。

政府による太陽光発電推進や二酸化炭素排出削減に関する関心の高まりなどにより、徐々に普及してきました。

自宅の近所でもソーラーパネルを見かけるのではないでしょうか。

電力の自家消費や環境負荷の軽減などで注目されるソーラーパネルですが、設置する際に気を付けるべきデメリットがあります。

今回はソーラーパネルのデメリットとメリット、蓄電池と組み合わせた活用法などについて解説します。

ソーラーパネルとは

ソーラーパネルとは、太陽電池を集めて作られたパネルのことで、太陽光パネルやモジュール、太陽電池パネルなどとも呼ばれます。

太陽電池を集めて1枚のパネルにしたものがソーラーパネルだと考えて大きな間違いはないでしょう。

政府は2050年までにカーボンニュートラルを達成するため、太陽光発電設備の普及に力を入れています。

住宅用太陽光発電(10kWh未満)の導入件数は2020年に2,800,000件を突破しました。

それに伴い、ソーラーパネルの設置数も増加しています。

ソーラーパネルを設置するデメリット

ソーラーパネルは太陽光発電に必須の設備です。

しかし、設置する前に知っておかなければならないデメリットが4点あります。

それぞれについてみてみましょう。

初期費用やメンテナンス費用がかかる

1つ目のデメリットはコストが高いことです。

資源エネルギー庁が作成した資料「太陽光発電について」によると、太陽光発電システム1kWhあたりの導入コストは以下のように記載されています。

工事費

71,000円

設備費

架台

21,000円

パワコン

42,000円

パネル

145,000円

これらの費用を合計すると1kWhあたり約28万円の費用がかかります

ここから工事費などが値引きされ、平均で26.1万円、中央値で26.9万円となります。

中央値を使って試算してみましょう。

5kWhの発電システムで試算すると、26.9kWh×5=134.5万円となります。

パネルを含む発電システム全体の費用は年々低下していますが、大きな負担であることに変わりありません。

パネルなどの設備は、一度設置してからずっと放置し続けるというわけにはいきません。

定期的にメンテナンスし、パネルに付着した汚れの清掃や設備の安全性を確認する点検が必要です。

メンテナンスの費用は事業者によって異なりますが、1回あたり1〜2万円が相場です。

発電量が不安定

2つ目のデメリットは発電量が不安定であることです。

太陽光発電の発電量は日射量に比例します。晴天時に比べると、曇天時や雨天時は発電量が大幅に低下します。

当然、季節によって天候も変化します。

では、日射量が多く太陽光発電に適した地域はどこなのでしょうか。

環境省が公表している「令和元年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」をもとに日射量が多い都市と少ない都市を見てみましょう。

【平均日射量が多い都市と少ない都市】

多い都市

少ない都市

甲府

4.17

秋田

3.41

宮崎

4.17

青森

3.44

高知

4.17

新潟

3.48

鹿児島

4.07

富山

3.48

那覇

4.06

金沢

3.48

※日射量の単位は1kWh/㎡

内陸にある甲府や比較的温暖で、冬に日射量を確保しやすい宮崎・高知・鹿児島・那覇などの日射量が多いとわかります。

その一方、冬に悪天候が続きやすい日本海側の地域は、年平均日射量が少ないことがわかります。

自分が住んでいる地域の気候・自然を踏まえ、十分な日射量を確保できるかどうか検討してから、パネルを設置したほうがよいでしょう。

パネルの設置が不向きな屋根がある

3つ目のデメリットはパネル設置に不向きな屋根があることです。

新築であれば、パネル設置を前提として屋根の形や方向を考えますが、既存住宅に設置する場合はそうもいきません。

設置が不向きな屋根は以下のとおりです。

  • 北向きの屋根
  • 面積が小さい屋根
  • 周囲に障害物がある屋根
  • 老朽化した屋根

屋根の方角によって発電効率が大きく変わります。

南向きを100%とすると、南東や南西であれば95%前後、東や西は85%前後、北は60%前後となります。

屋根の方向を把握してからパネルを設置したほうがよいでしょう。

屋根面積が狭くなりがちな寄棟屋根は注意が必要です。

よくある切妻屋根に比べると、1面の面積が狭いため南向きだけに集中して配置することができず、発電効率が悪くなる可能性があります。

周囲に障害物があれば影ができてしまい、発電効率が悪化します。

また、太陽光発電システムは300〜400kgの重量があるため、老朽化した屋根が重さに耐えられず、屋根が破損する恐れがあります。

老朽化した屋根に設置するときは、補強工事で追加費用が発生する可能性があることを理解しておきましょう。

近隣トラブルが発生する可能性がある

4つ目は近隣トラブルの原因になることです。

想定されるトラブルとして以下のことがあげられます。

  • 反射光のトラブル
  • 落雪のトラブル

ソーラーパネルを設置したことで、太陽光の反射が自宅に当たるようになったとしてトラブルになるケースがあります。

2012年に横浜市で発生した事例では、北側に設置されたパネルの反射光がまぶしいとして裁判に発展しました。

裁判ではソーラーパネルの撤去要求や損害賠償は退けられましたが、パネルを設置する際は近隣への影響を考慮しなければならないことが改めて浮き彫りとなりました。

降雪地域でパネルを設置する際は、パネルからの落雪に注意しなければなりません。

落雪への対処は住宅所有者が行わなければなりません。

降雪地域でパネルを設置する際は、落雪対策もしっかり行っておきましょう。

デメリットがあっても設置したほうが良い理由

費用、発電量、屋根の向き不向き、近隣トラブルなど注意点が多数あるなかでも、ソーラーパネルの設置数は増加しました。

その理由は、太陽光発電のメリットが大きいからです。

パネルを設置する3つのメリットを解説します。

自家発電で電気代を節約できる

1つ目のメリットは自家発電により電気代を節約できるからです。

2022年から2023年にかけて起きた電気代の高騰が家計を圧迫したのは、周知のことです。

高騰の原因は国際情勢の変化や円安であるため、個人で対応するのは限界があります。

しかし、太陽光発電であれば自家発電で電気を供給できるため、電気代高騰の影響を最小限にとどめることができます。

災害時でも電気が使える

2つ目のメリットは災害時でも電気を使えることです。

大規模災害が起きると、電気・ガス・水道などのライフラインが寸断されてしまいます。

阪神・淡路大震災、東日本大震災の大地震や悪天候が原因で発生する停電は、私たちの日常生活に大きな影響を与えます。

ソーラーパネルを設置していれば、非常時でも電気を使用することができ、日常に近い生活を送れます。

補助金をもらえる可能性がある

3つ目のメリットは補助金がもらえる可能性があることです。

国や地方自治体は太陽光発電普及のため、補助金を交付してきました。

2023年現在、国による補助金はありませんが、各自治体単位で補助金を交付しています。

たとえば、東京都では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」として太陽光発電設備の設置に補助金を出しています。

新築住宅

3.6kW以下

1kWhあたり12万円

3.6kWh超え

1kWhあたり10万円

既存住宅

3.75kWh以下

1kWhあたり15万円

3.75kWh超え

1kWhあたり12万円

参考:クールネット東京

さらに、架台設置経費や防水工事の経費にも補助金が上乗せされます。

補助金の内容は自治体によって異なりますので、居住する自治体にご確認ください。

蓄電池と組み合わせると効果が大きくなる

ソーラーパネルのメリットをさらに引き出してくれるのが蓄電池です。

昼間に作った電気を蓄電池に貯め、夜に使用できるからです。

蓄電池の容量が大きければ、夜間も昼間に作った電力で生活できます。

電気の大半を自家発電できれば、電力会社から買う電気を最小限にできます

まとめ

今回はソーラーパネルのデメリットや、設置数が増えている理由について解説しました。

初期費用が高く、発電量が不安定だと聞けば、ソーラーパネルの導入に二の足を踏むかもしれません。

しかし、電気代が今後も高騰したり、高止まりしたりする可能性を考えると自家発電設備の導入はメリットが大きいといえます。

住んでいる地域の日照量を調べ、十分な発電が可能であれば、パネルの設置を検討する価値があるのではないでしょうか。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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