賃貸物件で太陽光発電を導入するメリットはある?徹底解説!
太陽光発電といえば、戸建住宅をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、賃貸住宅でも太陽光発電を導入する動きが見られます。
賃貸物件で太陽光発電を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、賃貸物件に太陽光発電を導入する際の入居者と大家のメリットについて徹底解説します。
目次
大家の許可があれば賃貸物件で太陽光発電を設置できる
賃貸物件であっても、物件の所有者である大家の許可があれば太陽光発電設備を設置できます。
大家が許可したとしても、近隣住民からクレームが上がる可能性があるため、設置するべきかどうか慎重に検討しなければなりません。
賃貸物件に太陽光パネルを設置する方法は2つあります。
1つ目は通常の戸建住宅と同じように屋根に太陽光パネルを設置する方法です。
2つ目は、ベランダや庭に小型の太陽光パネルを設置する方法です。
屋根にパネルを設置する際は、かなり大掛かりな工事が必要ですが、小型パネルであれば工事が最小限で済みます。
そのかわり、発電量が小さくなるため、全ての電気代を賄うのは困難です。
入居者が賃貸物件に太陽光発電を設置するメリット
入居者が賃貸物件に太陽光発電を設置するメリットは何でしょうか。
4つのメリットを紹介します。
売電収入が得られる
1つ目のメリットは、売電収入を得られることです。
太陽光発電で生み出した電力のうち、自宅で消費する分以外を売電して収入を得られます。
光熱費を削減できる
2つ目のメリットは、光熱費を削減できることです。
太陽光発電設備を設置すると、発電した電力を使用できるため、電力会社から購入する電力を減らすことが可能です。
蓄電池があると、夜間も太陽光パネルで発電した電力を使えるため、さらに光熱費を削減できます。
ただし、蓄電池の設置工事も太陽光パネルと同じく大家の許可が必要ですので、必ず事前に相談しましょう。
断熱効果が得られる
3つ目のメリットは、太陽光パネルを屋根に設置すると断熱効果を得られることです。
断熱効果とは、熱が伝わるのを遅らせる効果のことで、断熱効果が高い建物は年中、建物内の温度変化が緩やかになり、快適に過ごしやすくなります。
PVソーラーハウス協会が2015年7月31日に実施した実験で、屋根の温度に関する以下のようなデータが得られました。
時刻 | パネル下 | パネル間 | パネルなし | 外気温 |
9:00 | 37.9 | 43.9 | 45.5 | 31.4 |
10:00 | 41.6 | 48.5 | 50.6 | 33.4 |
11:00 | 45.0 | 51.4 | 54.5 | 34.0 |
12:00 | 46.0 | 51.3 | 56.1 | 35.4 |
13:00 | 47.1 | 52.5 | 56.5 | 36.4 |
14:00 | 47.3 | 53.4 | 55.8 | 37.1 |
15:00 | 45.9 | 51.1 | 52.4 | 37.4 |
16:00 | 43.3 | 46.6 | 47.9 | 38.0 |
17:00 | 40.1 | 40.6 | 42.6 | 37.3 |
18:00 | 35.4 | 33.5 | 35.3 | 34.4 |
出典:COOL CHOICE
パネルがない状態の屋根は、朝の10時から50℃以上の高温となります。
一方、パネルの下の部分は、1日を通じて温度が50℃以下に抑えられています。
太陽光パネルがあるかないかで、かなり温度が違うことがわかります。
冬の場合、太陽光パネルがあると放射冷却をある程度防いでくれます。
温度が高い物体が、熱を外に放出(放射)して冷える現象のことです。
放射冷却が抑えられることにより、盾もが過剰に冷やされるのを防いでくれます。
夏冬の快適性が増すことは、賃貸物件の住人にとって大きなメリットです。
災害時でも電気が使える
4つ目のメリットは、災害時でも電気が使えることです。
地震や台風といった広い地域を襲う災害が発生すると、電気やガス、水道といったインフラが大きなダメージを受けます。
東日本大震災や胆振東部地震、大雪による停電に見舞われた佐渡島、2024年1月の能登半島での大地震では各地のライフラインが寸断され、地域によっては1週間以上の停電に見舞われました。
屋根に取り付けるタイプの太陽光パネルはもちろんのこと、庭やベランダにつける小規模な太陽光発電設備でも、スマートフォンなどの充電に役立ちます。
災害への備えという点で、小規模でも太陽光発電設備を持っておくことが重要です。
大家が賃貸物件に太陽光発電を設置するメリット
賃貸物件のオーナーである大家にとって、太陽光発電設置はメリットがあることなのでしょうか。
ここからは、オーナーのメリットを4つ紹介します。
売電で副収入が得られる
1つ目のメリットは売電で副収入が得られることです。
太陽光パネルを入居者ではなく大家が設置した場合、売電収入は大家に入ります。
マンションやアパートの屋根は平らになっていることが多く、周辺環境や建物の向きによっては安定した売電収入が期待できます。
アパートの電気代を節約できる
2つ目のメリットは、アパートの電気代を節約できることです。
アパートでは、各部屋の入居者が使用する電気とは別に、廊下や玄関などの共用部分で使用する電気が必要となります。
太陽光パネルを設置することで、共用部分の電力をまかなうことができ、アパートの電気代を節約できます。
アパート建築時に低金利のローンを組める
3つ目のメリットは、アパート建築時に太陽光発電設備のローンを低金利で組めることです。
通常、太陽光発電設備用のローン金利は2〜3%前後が主流ですが、住宅ローンとセットにすることで1.0〜2.5%という比較的低金利でローンを組めます。
ローンの金利は金融機関によって異なります。
ローンを利用する場合は、太陽光発電の施工業者とも相談し、金融機関としっかり打ち合わせしたほうがよいでしょう。
入居率の向上が見込める
4つ目のメリットは、入居率の向上が見込めることです。
地震や台風などの自然災害が多い日本では、災害発生時の備えを意識する人が少なからずいます。
そうした方へのアピールポイントの一つが太陽光発電設備です。
物件に関する付加価値として、太陽光パネルは大きなアピールポイントとなるでしょう。
また、環境保護に関心がある人向けのアピールとしても役立ちます。
太陽光発電は二酸化炭素を排出しないため、環境負荷が低いからです。
以上の理由から、太陽光発電設備の設置は、入居率アップのためのアピールとして役立つと考えられます。
まとめ
今回は賃貸物件に太陽光発電設備を設置する事に関する話題を紹介しました。
賃貸物件であっても、入居者は大家の承諾があれば太陽光発電設備を設置できます。
入居者が費用を出して太陽光発電設備を設置するメリットは、売電収入が得られることや光熱費を削減できること、住宅の断熱効果が得られること、災害リスクへのリスクヘッジになることです。
大家が主体的に太陽光パネルを設置することもできます。
その場合、売電収入に加え、共用部分の電気代削減や入居率向上といったメリットが見込めます。
経済性と環境負荷の低減を両立できる太陽光発電設備の設置は、大家にとって検討してもよいことではないでしょうか。
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この記事の監修者
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太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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