太陽光発電を自家消費するには?切り替え費用や手続きまで徹底解説
FIT制度が10年で終了することで不安を感じている方も多いでしょう。
しかし、自家消費に切り替えることには、メリットやデメリットがあります。
今回は、自家消費に切り替えるメリット・デメリット、後悔しない選択方法まで紹介します。
目次
電気代のムダをなくす!太陽光発電の自家消費の仕組みを理解しよう
太陽光発電の自家消費の仕組みを理解することで、エネルギーの効率的な活用や電気料金の節約につながります。
ここからは、自家消費について詳しく紹介します。
発電した電力を自分の家庭で使うこと
自家消費は、自家発電で生み出した電気を自分の家庭で使用することです。
自家消費をおこなうことで、電力料金の安定と環境への貢献が期待されます。
一方、売電は余剰の電気を電力会社に売り、他の人や地域と共有しつつ収益を得ることができます。
発電量のうち、自家消費する割合
「自家消費率」は、作った電気のうち、自分で使う割合を示すものです。
太陽光パネルで発電する場合、だいたい30%くらいが家庭で直接使われています。
自家消費率が高いほど、家で作った電気を有効に使っているので、電気代節約や、環境に貢献できます。
安定した電気代!自家消費型太陽光発電の切り替えがもたらすメリット
自家消費型太陽光発電へ切り替えるメリットについて紹介します。
電気代が一定で安心
自家消費型の太陽光発電は、電気代が一定で安心感があります。
なぜなら、FIT制度の価格変動に影響されず、売電型のように収支が固定買取価格に左右されないからです。
そのため、電気代の予測がしやすく、将来の支出計画を立てやすいメリットもあります。
自分のペースで発電システムを活用
自家消費型の太陽光発電の利点は、FIT制度の認定を受けずに発電できることです。
FIT制度での売電は手続きや審査に時間がかかり、使い始めるにはコストや労力がかかります。
一方、自家消費型の太陽光発電は認定が不要で、すぐに発電をスタートできるため、スムーズで手軽な導入が可能です。
発電した電力を使っておトクに過ごせる
自家消費型の太陽光発電は、自分で作った電気を使って電力会社からの購入量を減らし、固定費を売電よりも効率的に節約できます。
なぜなら、発電した電気を自分で消費することで、電力会社からの電気を買わなくて済むためです。
結果として、売電収入よりも電気料金を抑えて、固定費を効率的に削減できます。
環境にやさしい生活をアピール
太陽光発電を使って自社のエネルギーをまかなうことは、環境にやさしく持続可能な取り組みです。
企業が太陽光でエネルギーをまかなうことで、環境にやさしいイメージを築け、エコ志向の取引先との取引きがしやすくなります。
それに加え、自家発電によってエネルギーの変動に左右されず、事業の安定性も高められます。
緊急時も安定した電力を確保
自家消費型の太陽光発電は、災害時などに緊急時の電源として役立ちます。
なぜなら、自家消費型の太陽光発電は太陽の光を利用して発電するため、停電時や災害時にも太陽があれば電力を供給できるからです。
自家消費型の太陽光発電は、災害時に照明や通信機器などの非常用電源として利用でき、生活をサポートします。
注意が必要?自家消費型の太陽光発電に切り替えるデメリット
太陽光発電を自家消費型に切り替える際のデメリットについて解説します。
電気を売るときとは違うお金のやりくり
自家消費型の太陽光発電に切り替えると、収支の計算方法が売電型とは異なるので、注意が必要です。
なぜなら、売電型と自家消費型では電気の使い方や収益の発生が異なり、計算方法も変わってくるからです。
自家消費型は発電した電力を電力会社に売るのではなく、自分で使うことがメインになります。
収支の計算方法を理解し、期待される結果を把握しておくことが大切です。
特別な機器が必要
自家消費型の太陽光パネルで発電した電気を有効に使うためには、特別な制御機器が必要です。
なぜなら、太陽光の発電は時間や天候によって不安定なため、発電した電気を効果的に利用するには制御機器が欠かせません。
「経済産業省」の資料によると、10〜50kW未満の太陽光発電設備の場合、1kWあたりの導入費用は約1.7万円/kWと見積もられています。
制御機器の導入により初期費用が上がるため、予算とのバランスを考慮する必要があります。
初期費用が高額になりやすい
自家消費型の太陽光発電の初期費用は10~30kW以上で150万~500万円ほどかかります。
この費用を賄うためには、銀行などから融資を受けて設備の購入や設置工事を進めることが一般的です。
設備の性能や発電量、電力の自家消費率などを考えながら、将来の収支を見据えて計画的に進める必要があります。
また、各種補助金や助成金の活用も検討すると、導入費用の軽減が期待できるでしょう。
定期的にお金がかかる
太陽光発電を設置した後は、定期的なメンテナンスが必要です。
なぜなら、太陽光発電は長期間にわたり外部の影響や気象条件にさらされるため、劣化や摩耗が生じるからです。
太陽光発電の定期点検は、4年に1度で約2万円、必要な機器の取り替えには30万円程度の費用がかかることも踏まえておきましょう。
蓄電池設置に費用負担がかかる
初期費用が増えるものの、蓄電池の導入は運用の効率向上に不可欠です。
太陽光発電だけでは電力が足りない時間帯に、蓄電池の電力を利用して自家消費を増やせます。
ただし、蓄電池の導入費用がかさむため、初期の支払いが増えます。
しかし、電力が足りない時に備えられるので、需要が増える時に使うことができ、電気の自家消費率を向上させて節約に貢献します。
導入を検討する際には、初期費用と将来的な経済的なメリットをバランスよく考えることが重要です。
エコライフを目指せ!自家消費型太陽光発電の上手な使い方
自家消費型の太陽光発電をうまく使う方法を紹介します。
発電した電力を温水器や電気自動車に使う
太陽光発電から電気を作って使うと、電気代が節約できます。
エコキュートや電気自動車も太陽光で動かせば、電気代だけでなく暖房や給湯、燃料費も減ります。
また、太陽光発電で得たエネルギーを有効活用することで、持続可能で快適な生活が実現します。
太陽光パネルで電気を作り、使うことで、地球と財布の両方にやさしい生活が手に入るのです。
自社のオフィスや工場で電気を使う
企業が自分の建物や工場で太陽光発電を使えば、照明や自動ドア、暖房・冷房、生産設備などに電力を供給できます。
太陽光発電を導入すると、企業は環境に良い影響を与えつつ、エネルギーコストも減らせます。
その結果、他の企業と比べても競争で有利な立場になることが期待されています。
遠くの発電所から送られた電力を自社で使う
太陽光発電設備が敷地に置けないとき、自分で発電した電力をすべて自社で使える「自己託送制度」があります。
これを利用すると、電気代を節約できるだけでなく、再生可能エネルギーの利用も進められます。
太陽光で発電した電気を自分で使う「自己託送」は、どこでも自家消費できますが、送配電網の利用料がかかるので気をつけましょう。
ソーラーシェアリングで農業用の設備に電力を提供する
太陽光発電を共有する「ソーラーシェアリング」を導入すれば、農業で使う電気を自家消費できます。
これにより、農業機械や設備の電気代が節約でき、同時に経済的なメリットがあります。
また、再生可能エネルギーの利用により、環境への配慮も進むことでしょう。
太陽光発電を自家消費するための費用と手続きのステップガイド
太陽光発電を自家消費するための費用と手続きの手順を簡単に紹介します。
自家消費型の太陽光発電の費用
「経済産業省の調達価格等算定委員会」による情報によれば、産業用の太陽光発電システムを地上に設置する場合の一般的な価格は、以下の通りです。
地上設置 (1kWあたりの金額) | 屋根設置 (1kWあたりの金額) | |
太陽光パネル | 10万円 | 11.9万円 |
パワーコンディショナ | 3万円 | 3.6万円 |
架台 | 3.3万円 | 2.1万円 |
その他の機器 | 1.6万円 | 2.6万円 |
工事費 | 7.4万円 | 8万円 |
設計費 | 0.2万円 | 0.1万円 |
接続費 | 1.2万円 | 0円 |
土地造成費 | 1.4万円 | 0.4万円 |
値引き | △1.8万円 | △1.8万円 |
合計 | 26.3万円 | 27.8万円 |
太陽光発電のコストを比較すると、屋根設置では太陽光パネルや架台が高額になりがちですが、地上設置ではこれらのコストが割安です。
一方で、土地造成費や接続費は地上設置が高い傾向があります。
簡単に言うと、太陽光パネルをどこに設置するかによって、費用が変わります。
具体的な場所や予算を考えて、最適な選択をする必要があります。
自家消費型の太陽光発電の手続き
太陽光発電を導入する際、「完全自家消費型(非FIT)」と「余剰売電型(FIT)」では、必要な手続きが違います。
手続き項目 | 完全自家消費型(非FIT) | 余剰売電型(FIT) |
電力の接続検討 | 3ヶ月程度 | 3ヶ月程度 |
事業計画認定通知取得 | 不要 | 3~4ヶ月 |
固定価格買取制度(FIT)申請 | 不要 | 7~8ヶ月 |
電力申請 | 3ヶ月程度 | 含むとして10ヶ月程度 |
太陽光発電を導入する際、FITを使う場合は手続きが複雑で時間がかかります。
一方、FITを使わない自家消費型の場合は、手続きが簡単で早く利用できます。
ただし、具体的な期間は地域や条件により異なるので、注意しましょう。
自家消費への切り替えは複雑?自家消費しない場合のベストプラン
自家消費しない場合の最適なプランは、以下の通りです。
- 電力会社への売電を続ける
- 売電先を変更する
- 現在の売電先を維持する
- 発電システムを取り外す
状況によりますが、一般的には「現在の売電先を維持する」のが一番安定して収益を期待できます。
なぜなら、既存の契約や条件が変わらないためです。
ただし、具体的な状況によっては他の選択肢が適している場合もあります。
自家消費or売電?プロのアドバイスで選択するのがおすすめ
今回は、自家消費の仕組みや切り替え費用や手続きまで紹介しました。
全量自家消費型の太陽光発電は、環境への影響を軽減しつつ電気代を抑える効果に期待できます。
環境に配慮した経営を目指す方や電気代を節約したい方は、この記事を参考にして、太陽光発電を導入してみることを考えてみませんか?
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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