太陽光発電は日照時間で収益が変わる?地域ごとの発電量の違いを解説!
「太陽光発電の発電量は日照時間で変わると聞いたけど、そもそも日照時間のことがよくわからない…」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、太陽光発電の発電量を大きく左右する「日照時間」と「日射量」の違いや、地域ごとの日照時間の違いをくわしく解説していきます。
記事の後半では、日照時間の長い地域・短い地域それぞれのメリット・デメリットもご紹介していますので、太陽光発電の設置を迷っている方はぜひ目を通してみてくださいね!
目次
太陽光発電と日照時間の関係性・地域ごとの発電量の違いを解説!
まずはじめに、太陽光発電の発電量に直結する「日照時間」と「日射量」の違いや、お住まいの地域ごとの日照時間の違いについて解説していきます。
発電量に大きく影響する「日照時間」と「日射量」の違いとは?
日照時間とは「日光が太陽光パネルを照らす時間」のことで、具体的には「日射量が0.12kW / ㎡以上」に到達した合計時間を表します。
「日射量」とは「太陽光パネルを照らす日光の強さ」のことで、日照時間と同じく、発電量のシミュレーション結果に大きく影響する数値です。
日照時間や日射量の数値が大きいほど発電量も多くなりますが、極端に不利な環境でない限り初期費用の回収は難しくないため、太陽光発電を導入して損するケースは少ないでしょう。
日照時間は地域によってどれくらい違う?
気象庁の調べによる、日照時間の長い都道府県の一例を以下にご紹介していきます。
都道府県名 | 年間の日照時間 |
山梨県 | 2,225.8時間 |
高知県 | 2,159.7時間 |
群馬県 | 2,152.7時間 |
静岡県 | 2,151.5時間 |
愛知県 | 2,141.0時間 |
標高の高い地域や平野の広い地域、太平洋側の都道府県は日照時間が長くなる傾向にあるため、太陽光発電の性能を存分に発揮できると考えて良いでしょう。
反対に、日照時間が比較的短い都道府県の一例を以下に確認していきましょう。
都道府県名 | 年間の日照時間 |
富山県 | 1,647.2時間 |
新潟県 | 1,639.6時間 |
山形県 | 1,617.7時間 |
青森県 | 1,589.2時間 |
秋田県 | 1,527.4時間 |
東北地方や積雪の多い地域は日照時間が短くなる傾向にありますが、日照時間としてカウントされない時間も発電は行われているため、過度に「赤字」を心配する必要はありません。
住んでいる地域の日照時間を調べる方法はある?
お住まいの地域の日照時間は、「気象庁のホームページ」や「政府統計局のデータベース(e-Stat)」、Webメディアの都道府県ランキングなどで確認できます。
気象庁ホームページの「日照時間一覧表」では、非常に細かい地域の日照時間を参照できるため、太陽光発電を導入する前に一度確認しておくと良いでしょう。
地域ごとの日照時間は参照するサイトなどによって差がある場合も多いため、一つの情報だけを過信せず、複数の情報の平均値で判断することをおすすめします。
日照時間の長い地域・短い地域それぞれのメリット・デメリットとは?
つづいて、太陽光発電の運用時における、日照時間の長い地域・短い地域それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。
日照時間の長い地域は「夏場の発電量」が落ちやすい
日照時間の長い平野部などでは太陽光発電の発電量も多くなる傾向にありますが、「気温の高い日に発電量が低下しやすい」というデメリットに注意が必要です。
太陽光パネルには、「表面温度が上がると発電性能が低下する」という弱点があるため、気温30℃を超える猛暑日などでは、期待していたほど発電できないケースも考えられます。
メーカーによっては「表面温度が上昇しても発電性能が落ちにくい」太陽光パネルを販売していますので、日照時間の長い地域にお住まいの方は検討する価値が高いでしょう。
日照時間の短い地域でも年間発電量はそこまで変わらないことも
日照時間の短い地域は「年間の平均気温が低い」傾向にあるため、真夏でも太陽光パネルの表面温度が上がりにくいという独自のメリットがあります。
温暖な地域では真夏の発電量が大幅に下がってしまいますが、冷涼な地域では春から秋にかけて発電量の変化が少ないため、充分な年間発電量を確保できます。
一方で、「太陽光パネルに雪が積もると発電量が低下する」点はデメリットですので、「融雪ヒーター付きパネル」や「融雪装置」を導入するなどの対策も検討してみましょう。
後悔しない太陽光発電を選ぶための「3つの方法」をご紹介!
さいごに、日照時間や日射量などの要素を踏まえて、後悔しない太陽光発電を選ぶための「3つの方法」をご紹介していきます。
方法①:日照時間だけでなくシミュレーション結果も参考にする
後悔しない太陽光発電を選ぶためには、日照時間や日射量などの地域データだけでなく、現地での発電量シミュレーションの結果も参考にすることをおすすめします。
太陽光パネルの発電量は「周囲の環境」や「設置する方角」などの影響も大きく受けるため、日照時間だけで判断すると「思っていたより発電しない…」と後悔する結果になりかねません。
メーカーや販売店による現地シミュレーションは無料で実施できるケースが大半ですので、「うちは日照時間が短いから…」と諦めずに、一度業者に相談してみてはいかがでしょうか?
方法②:複数のシミュレーション結果を比較して決める
太陽光発電のメーカーやモデルをシミュレーション結果で選ぶ場合は、なるべく多種多様なデータを比較して判断することで、設置後の「ガッカリ」を回避できます。
現地調査を行う業者によっては、契約を焦るあまり「発電量を多めに報告する」などの悪質なケースも見受けられるため、1社のみのシミュレーションで決断するのは危険です。
シミュレーションに使うツールや判断材料なども業者ごとにさまざまですので、最低でも2〜3社の試算結果を見比べたうえで契約することをおすすめします。
方法③:契約前には見積もり金額やサービス内容も比較する
太陽光発電の業者選びで後悔しないためには、見積もりの金額だけでなく、「延長保証制度」や「定期的な無料点検」などの独自サービスもじっくり比較しましょう。
特に、台風などの災害による損壊をカバーする「自然災害補償」は、メーカー保証対象外のケースが多いため、販売店の無料サービスに含まれていればかなりお得です。
また、独自サービスは「企業の倒産」で打ち切られてしまう可能性もゼロではありませんので、比較する際には「創業年数の古さ」や「実績の豊富さ」などにも注目しましょう。
まとめ:日照時間で発電量は変わる!まずはシミュレーションしてみよう
本記事でくわしく解説してきた「太陽光発電と日照時間の関係性」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 日照時間とは、一定の強さ(0.12kW / ㎡)で日光が太陽光パネルを照らす時間のこと
- 日射量とは、太陽光パネルを照らす日光のエネルギーの強さを表す数値のこと
- 日照時間が長いほど、日射量が多いほど、太陽光発電の年間発電量は多くなる
- 日照時間の長い地域は「夏場の高温」の影響で発電量が低下するというデメリットもある
- 発電量は設置環境や方角でも大きく変わるため、現地シミュレーションの結果も重視したい
日照時間が長い地域のほうが太陽光発電の設置に有利といわれていますが、真夏に発電量が落ちることを考えれば、冷涼な地域でも設置するメリットは充分にあります。
どちらにしても、太陽光発電の初期費用は「約10〜15年」で回収できるケースが多いため、極端に不向きな環境でない限り導入する価値は高いといえるでしょう。
日照時間の短い地域でも、現地でシミュレーションするまで実際の発電量は判断できませんので、まずは気軽に販売店などに相談してみてはいかがでしょうか?
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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