【わかりやすく解説】省エネ住宅の基準とは?種類別に解説!
一概に「省エネ住宅」と言っても、長期優良住宅やZEHなどによって基準が異なります。
この記事では、省エネ住宅の基準やメリット、デメリットについて解説します。
目次
省エネ住宅とは大まかにどんな住宅のことを指すの?
省エネ住宅とは、大まかにいうと「環境に優しく、省エネルギーで生活することができる住宅」のことを指します。
住宅における省エネ基準は、気密・断熱・日光遮断の3つの基準によって決められます。
大雑把に言えば、気密・断熱・日光遮断の性能を上げれば、下記に紹介する省エネ住宅のいずれかの基準を満たすことになるでしょう。
省エネ住宅には多くの種類がありますが、種類によって基準や補助金の金額が異なります。
また、省エネ住宅の基準には「一次エネルギー消費量等級」と「断熱性能等級」の2種類の基準があります。
それぞれの等級の違いなどを知っておくことで、省エネ住宅の基準を理解しやすくなるでしょう。
基準① 一次エネルギー消費量等級
一次エネルギー消費量等級とは、年間で消費するエネルギー量によって等級が変わります。
年間のエネルギー消費量が少ないほど等級が高くなり、等級6が一次エネルギー消費量等級の最高等級になります。
基準② 断熱等性能等級
断熱等性能等級の基準とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって決められている、断熱性能に関する等級です。
断熱等性能等級の最高等級は「等級7」で、2022年に等級5〜7が新設されました。
2025年度以降に新築する住宅は、断熱等性能等級4以上の住宅が義務化されます。
【詳しく解説】省エネ住宅は種類によって基準が異なる
主に省エネ住宅には以下の4種類があります。
- 省エネ基準適合住宅
- ZEH
- 長期優良住宅
- 低酸素住宅
「ZEH」や「長期優良住宅」は、ネットやテレビで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
省エネ住宅の基準には「一次エネルギー消費量等級」と「断熱性能等級」が用いられ、等級が高いほど断熱性能が高いことを示しています。
省エネ住宅 | 基準 |
省エネ基準適合住宅 | ・一次エネルギー消費量等級4以上 ・断熱性能等級4以上 |
ZEH | ・一次エネルギー消費量等級6以上 ・断熱性能等級5以上 |
長期優良住宅 | ・一次エネルギー消費量等級6以上 ・断熱性能等級5以上 ・耐震等級3以上 ・床面積40平方メートル以上 |
低炭素住宅 | ・一次エネルギー消費量等級6以上 ・断熱性能等級5以上 |
省エネ住宅① 省エネ基準適合住宅
省エネ基準適合住宅の基準は、一次エネルギー消費量等級4以上、断熱性能等級4以上です。
省エネ基準適合住宅は、この記事で紹介する省エネ住宅の基準の中で一番低い基準の省エネ住宅になっています。
今後法律が変わり、2025年以降に建築する省エネ基準適合住宅の基準以上の住宅しか新築することができなくなるので注意しましょう。
省エネ住宅② ZEH
ZEHとは、省エネ基準の高い住宅で太陽光発電システムなどを利用し、再生可能エネルギーを使用することで、年間のCO2排出量を減らすことができる住宅のことを指します。
厳密には、ZEHの中にも種類があり、基準が高いZEHほど高い住宅性能が必要になるので注意が必要です。
また、太陽光発電システムや蓄電池の導入が必須だと思われがちなZEHですが、必ずしも太陽光発電システムや蓄電池を導入しなければいけないわけではありません。
省エネ住宅③ 長期優良住宅
長期優良住宅とは、住宅の省エネ性能に加え、耐震性能などを重視した長期的に暮らすことができる住宅の仕様を指しています。
長期優良住宅に認定されると、ローン金利の引き下げられたり、不動産所得税が減税されたりなどのメリットがあります。
長期優良住宅として認定を受けるためには、住宅の省エネ性能だけではなく、耐震性能の認定も取らなければいけません。
省エネ住宅④ 低炭素住宅
低炭素住宅とは「省エネ基準を満たしている」こと「再生可能エネルギー設備の導入」がされていることの基準を満たすことで、認定を受けられる省エネ住宅です。
低炭素住宅の認定を受けることで、税金や住宅ローンで優遇を受けることができます。
低炭素住宅の認定基準は2022年に改正され、再生可能エネルギー設備の導入が必須になった点には注意が必要です。
省エネ住宅の基準をクリアした家にはどんなメリットがあるの?
省エネ基準をクリアした住宅を購入するメリットは、以下の3つです。
- 光熱費の削減
- 快適な生活
- 環境にやさしい
特に、光熱費の削減効果のメリットは大きく、電気代が高騰している近年では、月々の負担を軽くするために省エネ住宅を建築したい人も多いのではないでしょうか。
メリット① 光熱費の削減効果
省エネ住宅の基準をクリアしている場合、断熱性能や気密性が高い家ということになります。
断熱性能や気密性が高いと、家の中の気温が外気温に影響されにくくなります。
家の中の温度が外気温に影響されにくくなることにより、エアコンや灯油を使用するストーブの使用頻度を減らすことが可能です。
空調設備の使用頻度や消費電力が減ることで、電気代などの光熱費を減らすことができる点は、省エネ基準をクリアした住宅の大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット② 快適な生活
先述した通り、省エネ住宅の基準をクリアした家は、外気温から受ける影響を最小限に抑えることができます。
省エネ住宅に住むことで、エアコンをつけなくても快適な室温を保てるなど、快適な生活を送ることができるでしょう。
また、エアコンを使用して室温を調節した場合も、暖かさや涼しさが保たれるので、快適だと感じる室温をキープしやすくなります。
メリット③ 環境にやさしい
エアコンなどの電気消費量を減らすことで、環境にやさしい生活を送ることが可能です。
さらに、太陽光発電システムや蓄電池などを導入し、環境にやさしい再生可能エネルギーを最大限に利用することで、CO2排出量を最小限に抑えることができるでしょう。
また、環境にやさしい省エネ住宅に住んだり、太陽光発電システムや蓄電池を導入したりすることで、国や都道府県、市町村から補助金を受け取ることも可能です。
省エネ住宅の基準をクリアした家にはデメリットもある
光熱費の削減ができ、環境にやさしい省エネ基準をクリアした住宅ですが、価格が高くなるなどのデメリットがあります。
省エネ基準を気にして住宅を建築やリフォームする場合、予算管理をしっかり行わなければ、月々支払う住宅ローンが負担になってしまう可能性があるので注意が必要です。
デメリット① 価格が高い
省エネ住宅の基準をクリアした家は、断熱性や気密性を考慮した作りや設備を導入しなければいけません。
断熱性や気密性が高い住宅では、断熱性能や気密性が高い断熱材や窓などの設備を導入しなければいけません。
断熱性能や気密性が高い設備は、標準的な設備に比べて価格が高くなり、自ずと住宅自体の価格も上がってしまいます。
デメリット② 特別な設備が必要な場合も
省エネ基準の住宅仕様には太陽光発電システムなどの「自家発電設備」の導入が必須なケースがあります。
太陽光発電システムや蓄電池の導入には、それぞれ100万円程度の導入費用が必要になります。
「せっかく家の断熱性能を上げたのだから、太陽光発電システムを導入して電気代を減らしたい」と考える人も多いです。
しかし、太陽光発電システムや蓄電池を導入したからといって、月々の電気代が完全に0円になるわけではありません。
月々の住宅ローン返済額が上がってしまったにも関わらず、電気代が思ったよりも下がらなかった場合、省エネ基準の住宅を建築したことを後悔してしまう可能性があります。
省エネ住宅の基準には種類がある!それぞれの家庭にあった住宅を!
今回は、住宅の省エネ基準について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
省エネ住宅の基準をクリアした家は、光熱費を抑えながら快適な生活を送ることが可能です。
ただし、省エネ住宅には種類があり、種類によって基準や必要な設備が異なります。
「光熱費が節約できるから」と言って、闇雲に省エネ性能の高い住宅を建てるのではなく、それぞれのライフスタイルに合った基準の省エネ住宅を選ぶことがおすすめです。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!