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塩害仕様の太陽光パネルは海沿いに設置できる?メリットや注意点・対応メーカーを解説!

太陽光発電 2024年09月27日更新
塩害仕様の太陽光パネルは海沿いに設置できる?メリットや注意点・対応メーカーを解説!

日照量が多い海沿いの地域は太陽光発電の設置に適していますが、「潮風で設備が故障しないか心配…」と導入を迷っている方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、塩害が太陽光発電に与える「3つのリスク」や、リスク以上に価値ある「塩害地域に設備を導入するメリットをくわしく解説していきます。

記事の後半では、塩害仕様の太陽光パネルのおすすめメーカー3選や、塩害から設備を守る「2つの方法」についてもご紹介しています!

そもそも「塩害」って何?

塩害とは、海水中に含まれる「塩分」が潮風や霧によって運ばれ、住宅や自動車、農作物やインフラ設備などに被害をもたらすことです。

鉄筋コンクリートをはじめとする「金属を含む素材」は塩害と特に相性が悪く、サビや腐食、膨張などを引き起こし設備寿命を縮めてしまいます。

太陽光パネルの表面は強化ガラスで構成されているため被害は少ないものの、フレームや架台、各種配線などの金属部品は塩害の影響が少なからず発生します。

【要確認】日本の「塩害地域」はどのあたり?

塩害地域は被害や影響の大きさによって「塩害地域」「重塩害地域」の2種類に分けられ、日本国内では以下のように定義されています。

海岸からの距離〜500m500m〜1km1〜2km2〜7km7km〜
沖縄・離島重塩害地域塩害地域
瀬戸内海沿岸塩害地域一般地域
北海道・東北日本海側塩害地域一般地域
その他塩害地域一般地域

波しぶきが直接飛来する地域は「岩礁隣接地域」と呼ばれ、重塩害地域より腐食などの被害が大きいため、太陽光パネルの設置は推奨されていません。

沖縄や離島、北海道は「塩害地域の範囲が広い」ため、該当地域で太陽光パネルの設置を検討する際には、設置に適しているか専門家に相談したほうが安心です。

塩害が引き起こす太陽光発電の「3つのリスク」

塩害によって起きる可能性がある、太陽光パネルの「3つのリスク」は以下のとおりです。

  • 発電量が低下する
  • 故障の原因となる
  • 架台の耐久性が落ちる

それぞれの要点をくわしく確認していきましょう。

リスク①:太陽光パネルの発電量が低下する

太陽光パネルは表面全体が強化ガラスで覆われているため、塩害による腐食の影響を受けにくいものの、長年使用すると「わずかな隙間」から塩分が入り込む恐れがあります。

隙間から入り込んだ塩分が配線などに不具合を生じさせた場合、「発電量が安定しない」「一部のセルで発電できない」などの悪影響が起こる可能性が考えられます。

また、潮風の塩分が太陽光パネル表面に固着すると「日光の吸収率」を減少させてしまうため、清掃などのメンテナンスを怠ると発電量の低下につながるでしょう。

リスク②:部品や配線の腐食が故障を招く

太陽光パネルやパワーコンディショナ、接続箱などの周辺設備は数多くの精密部品が組み込まれており、内部や配線に潮風が侵入すると故障の原因となる可能性があります。

特に、太陽光発電の「核」ともいえるパワーコンディショナには精密部品が多いため、「外装の腐食」はもちろん「エネルギー変換効率の低下」を招く恐れもあるでしょう。

塩害によるパワーコンディショナの不具合を放置し続けると「太陽光システム全体の故障」につながるケースも考えられますので、適切な予防・対策が重要です。

リスク③:架台のサビが耐久性を損なう

太陽光パネルを支える「架台」はアルミニウムやステンレスなどの金属で出来ているため、長年塩害の影響を受け続けるとサビや腐食が進行してしまう恐れがあります。

多少の金属劣化であれば通常使用には問題ないものの、台風や地震などの自然災害に襲われた際に、最悪の場合「太陽光パネルが落下する」可能性はゼロではありません。

周辺を山に囲まれた山間部に比べて、塩害地域は台風や大雨による「強風」の影響を受けやすいため、定期的な架台の強化チェックをおすすめします。

塩害地域に太陽光パネルを設置する「メリット」とは?

塩害地域に太陽光パネルを設置する最大のメリットは、その他の地域に比べて日射量や日照時間が多く、豊富な発電量が期待できることです。

住宅周辺に日光を遮るものの少ない塩害地域は、山間部や都心部と比較して「日照時間 = 発電できる時間」が格段に長いため、1年を通して安定した発電量が見込めます。

一般的な太陽光発電は元を取るまでに10〜15年かかりますが、発電量の多い塩害地域では回収期間を短縮できるため、「元を取るまでに故障する」ケースはほぼないでしょう。

もしも塩害で太陽光発電が故障しても、塩害仕様モデルなら「メーカー保証の対象内」ですので、修理・交換対応を受けることで長年安心して使用を続けられます。

パワーコンディショナにも塩害対策は必要?2つの解決策をご紹介!

比較的シンプルな構造の太陽光パネルに比べて、パワーコンディショナには精密部品が多いため、塩害地域に設置する際には、なんらかの対策が必須といえます。

具体的な解決策としては、「①室内設置が可能なモデル」「②塩害仕様のモデル」のどちらかを導入すれば、塩害による故障などのリスクを最小限に抑えられるでしょう。

屋内型・屋外型パワーコンディショナにはそれぞれ以下のメリット・デメリットがありますので、専門家に相談したうえで、設置環境に合わせて選択しましょう。

メリットデメリット
屋内型パワーコンディショナ塩害による悪影響をほとんど受けないある程度の屋内スペースを必要とする
屋外型パワーコンディショナ
(塩害仕様)
屋内スペースを圧迫せずに設置できる塩害による影響をゼロには抑えられない

塩害仕様の太陽光パネル・おすすめメーカー3選!

つづいて、塩害仕様の太陽光パネルを数多く取り扱う、3つのおすすめメーカーの特徴や魅力をご紹介していきます。

おすすめ①:シャープ

シャープは国内メーカーとしては現在唯一、「重塩害地域」にも対応した太陽光パネル・パワーコンディショナを販売しているメーカーです。

同じく重塩害地域の対応モデルを取り扱っていた「東芝」は太陽光発電から事業撤退していますので、海岸から500m以内で導入するならシャープは第一候補といえるでしょう。

シャープは「室内設置できる蓄電池」も販売しており、ハイブリッド型パワコンを導入すれば、1台のパワコンで太陽光発電・蓄電池の両方を制御できる点も強みです。

おすすめ②:京セラ

京セラは、重塩害地域で屋外設置できるパワーコンディショナの取り扱いはないものの、屋内型パワコンを設置すれば海岸から500m以内でも太陽光システムを導入できます。

京セラの塩害仕様パネルは重塩害地域に対応しているほか、独自の「高絶縁設計」「耐腐食設計」により、水分の侵入によるリスクが少ない点が特徴です。

さらに、京セラの塩害仕様パネルは積雪や強風による「表面のヒビ割れ」に強い独自設計を採用しており、北海道や東北地方の設置にも適しています。

おすすめ③:カナディアン・ソーラー

カナディアン・ソーラーは重塩害地域に対応した太陽光パネルを販売しており、屋内型パワコンを設置することで、海岸から500m以内でも太陽光システムを導入可能です。

国内大手メーカーと比較すると知名度が低く、取り扱う太陽光パネルの種類も少ないものの、「販売価格が安いケースが多い」という独自の魅力を持っています。

一方で、海外メーカー品のため「地方自治体の補助金の対象外」となる可能性もありますので、契約前に確認したうえで、国内メーカーも含めて比較することをおすすめします。

塩害仕様の太陽光パネルを「長持ちさせる方法」はある?

さいごに、塩害仕様の太陽光システムをできるだけ長持ちさせる「2つの方法」をご紹介していきます。

方法①:定期的に清掃・メンテナンスを実施する

太陽光パネルやパワーコンディショナを塩害によるサビや腐食から守るには、定期的な清掃・メンテナンスを施工店や専門業者に依頼する方法が確実です。

太陽光パネルのDIYによる洗浄も効果的ですが、「屋根から落下するリスク」や「誤った洗浄で故障するリスク」などを考えれば、業者に依頼したほうが安心です。

業者によっては、メンテナンス時に「防錆コーティング」や「絶縁部分の耐腐食加工」も依頼できるケースもありますので、必要に応じて実施しましょう。

方法②:信頼できる業者に設置を依頼する

塩害地域で太陽光発電のポテンシャルを最大限に引き出すには、塩害仕様の太陽光パネルの専門知識を持った「信頼できる業者」と契約することも重要です。

価格の安さだけで太陽光発電を選ぶと、「設置環境に合わないシステムだった」「トラブルが起きても対応してくれない」など、後のリスクにつながる可能性があります。

専門知識を持った業者なら不具合時の対応はもちろん、定期的なメンテナンスや診断などもすべて任せられますので、多少金額が高くても長期的に見ればお得です。

まとめ:海沿いは豊富な発電量が期待できる!塩害仕様の太陽光パネルを検討しよう

「配線やパワコンが腐食する」「サビで架台が劣化する」などリスクも存在する塩害地域の太陽光発電ですが、日照時間が長いため「豊富な発電量が期待できる」点が最大の強みです。

塩害仕様の太陽光システムを導入し、適切な清掃・メンテナンスを実施すれば、一般地域と同様に長持ちさせることも十分可能ですので、ぜひ一度検討してみてくださいね!


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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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中田 萌
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