エコキュートのヒートポンプとは?特徴や仕組み、メリット・デメリットを解説

光熱費の節約効果の高さで注目されるエコキュートですが、実は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」が正式名称であることを知らない方も多いのではないでしょうか?
名称からわかるとおり、エコキュートの本体には「ヒートポンプ」と呼ばれる技術・装置が搭載されており、非常に効率の良い湯沸かしが可能となっています。
本記事では、エコキュートの節約効果が高い理由やヒートポンプの仕組み、具体的な毎月の光熱費の一例や、2025年における設置費用の相場をわかりやすく解説していきます。
記事の後半では、エコキュートのヒートポンプに関する「メリット・デメリット」もご紹介していますので、給湯設備の交換を検討中の方はぜひご覧ください。
目次
エコキュートとは?光熱費の節約効果が高いのはなぜ?
エコキュートとは、エアコンや冷蔵庫などに採用される「ヒートポンプ技術」を利用した、非常にエネルギー効率の高い給湯設備のことです。
エコキュートは電気の力で沸かしたお湯を「貯湯タンク」で保温して使う点も特徴的であり、ガスや灯油などの燃料の設置スペースを必要としません。
エネルギー効率の高さを具体的に説明すると、エコキュートは「1」の電気エネルギーに対して「3以上」の給湯エネルギーを得られるため、光熱費の節約効果は抜群です。
また、エコキュートの貯湯タンクは保温性能が高くお湯が冷めにくいため、夜間のお得な電気で沸かしたお湯だけで1日の給湯をまかなうことも可能です。
ヒートポンプとは?仕組みや特徴をわかりやすく解説
ヒートポンプとは、圧縮した「空気の熱」を利用して給湯に必要な熱を生み出す技術のことで、エコキュートでは「ヒートポンプユニット」の内部に搭載されています。
ヒートポンプユニットの内部には「冷媒(れいばい)」と呼ばれる気体が入っており、空気中の熱を集めて「圧縮機」に運び、圧縮・高温化する役割を担います。
高温化した冷媒や空気熱はヒートポンプユニットの内部の「水熱交換器」によって熱エネルギーに変換され、貯湯タンク内の水が温められます。
電気温水器では電熱コイルで直接水を加熱してお湯を作っていましたが、エコキュートでは空気の熱をうまく活用することで、はるかに高いエネルギー効率を実現しています。
エコキュートの「毎月の光熱費」はどれくらい安い?
一般的なエコキュートの光熱費は「1か月2,000〜3,000円」「年間2万4,000〜3万6,000円」程度が目安といわれており、他の給湯設備に比べて大幅に割安です。
一般的な都市ガス給湯器では約2倍、石油給湯器では約2.5倍の光熱費を必要とするため、エコキュートが段違いにランニングコストの安い給湯器であることは明確でしょう。
「電気代の値上げが続いているからエコキュートは不利」という声も耳にしますが、ガスや灯油の値段も同様に上がっているため、エコキュートだけが不利な状況でもありません。
2025年のエコキュートの価格相場はいくら?安く買う方法はある?
2025年にエコキュートを導入する場合、「本体価格20〜80万円」に「工事費用15〜30万円」を合わせて、「35〜110万円」ほどが実売価格の相場となります。
エコキュートの本体価格や工事費用は「契約する販売店や施工業者」によっても大きく変わるため、なるべく複数のプランを比較することで安く買える可能性が上がるでしょう。
2025年度は国から「子育てグリーン住宅支援事業(3万円)」「給湯省エネ2025事業(6〜21万円)」という2種類の補助金が出ており、申請すれば初期費用を大きく抑えられます。
さらに、お住まいの地方自治体から独自のエコキュート補助金が交付されている場合、国の補助金との「併用」も可能ですので、同時に申請することをおすすめします。
エコキュートのヒートポンプの「うれしいメリット」とは?
ヒートポンプが搭載されたエコキュートには、以下の「3つの嬉しいメリット」があります。
- 他の給湯設備に比べて光熱費の節約効果が高い
- 太陽光発電との連携でさらに光熱費を節約できる
- 火を使わないから安全!地球環境にも優しい
それぞれのメリットの詳細をわかりやすく解説していきます。
メリット①:他の給湯設備に比べて光熱費の節約効果が高い
ヒートポンプの力で非常に効率良くお湯が沸かせるエコキュートは、ガス給湯器をはじめとする他の給湯設備に比べて、格段に光熱費の節約効果が高い点が最大のメリットです。
近年販売されている一般的なエコキュートの光熱費は「ガス給湯器の2分の1〜3分の1」程度といわれており、設備を交換するだけで毎月の出費をかなり抑えられます。
たとえば、毎月の給湯費用が1万2,000円の家庭なら、エコキュートに交換することで「毎月6,000〜8,000円」、「毎年7万2,000〜8万2,000」ほどの節約効果が期待できます。
電気料金やガス料金などの光熱費は今後も段階的に値上がりしていくことが予想されていますので、エコキュートの導入は非常に効果的な対策方法といえるでしょう。
メリット②:太陽光発電との連携でさらに光熱費を節約できる
エコキュートはヒートポンプ技術により省エネ効果が高いことはもちろん、「太陽光発電」
と連携させることで、さらなる光熱費・電気代の節約効果が期待できます。
ガスや灯油の給湯器では太陽光発電との連携は難しいですが、エコキュートなら沸き上げはもちろん、保温や高温たし湯などにも太陽光発電のエネルギーを活用できます。
さらに、太陽光発電で作った電気の「余剰電力(使い切れない余りの電力)」は電力会社への売却もできるため、節約だけでなく副収入も得ることが可能です。
近年では太陽光発電と連携し、昼間の沸き上げを前提に設計された「おひさまエコキュート」も人気ですので、購入時の選択肢として取り入れてみてはいかがでしょうか?
メリット③:火を使わないから安全!地球環境にも優しい
ヒートポンプ技術を活用し、火を使わず電気の力でお湯を沸かすエコキュートは、ガスや灯油の給湯器に比べて安全性が高い点も見逃せないメリットです。
ガスを使わないため火災や爆発などが起こる可能性が低いですし、地震や台風などの自然災害に見舞われても、危険なガス配管やガスボンベが破裂する恐れもありません。
また、エコキュートはガスや灯油を燃焼させないため「CO2排出量」が非常に少なく、温暖化が進む地球環境にも非常に優しい給湯設備でもあります。
もちろん、エコキュートは従来の給湯器に比べて「お財布にも優しい」設備のため、新築購入時はもちろん、リフォーム時などにも積極的に導入を検討したいですね。
意外と知らない?エコキュートのヒートポンプの「デメリット」
ヒートポンプが搭載されたエコキュートには、注意すべき「3つの気になるデメリット」が存在します。
- 他の給湯設備に比べて設置費用が高め
- 他の給湯設備に比べて設置スペースが大きめ
- 「お湯切れ」を起こすとしばらくお湯が使えない
それぞれのデメリットについてくわしく確認していきましょう。
デメリット①:他の給湯設備に比べて設置費用が高め
ヒートポンプ技術のおかげで省エネ性能が高いエコキュートですが、従来のガス給湯器や電気温水器などに比べて、「設置費用が高め」である点がデメリットといえます。
エコキュートは貯湯タンクやヒートポンプユニットが別々の設備であるため、シンプルな構造のガス給湯器などに比べるとどうしても割高になってしまいます。
一方で、ガス給湯器などからエコキュートに交換するだけで「年間数万円」を超える節約効果が期待できるため、「数年で元を取れる」と考えれば高すぎとは断言できません。
2025年にエコキュートを導入する場合は「国や地方自治体の補助金制度」も利用できますので、従来の給湯設備との価格差をぐっと縮めることも可能です。
デメリット②:他の給湯設備に比べて設置スペースが大きめ
エコキュートは370〜550L程度の貯湯タンクと、エアコン室外機ほどのヒートポンプユニットで構成されており、他の給湯設備より設置スペースが大きめである点もデメリットです。
比較的小型な370Lモデルでも、貯湯タンクは「高さ180cm・幅60cm・奥行70cm」ほどですので、屋外スペースの都合によっては「通路が通りにくくなる」可能性もあります。
近年では、貯湯タンクやヒートポンプユニットの奥行を縮めた「薄型モデル」も数多く販売されていますので、設置環境に併せて検討するとよいでしょう。
デメリット③:「お湯切れ」を起こすとしばらくお湯が使えない
エコキュートのヒートポンプユニットは「瞬間的にお湯を沸かす」用途には向いておらず、貯湯タンクの残量がなくなるとしばらくお湯が使えない点もデメリットです。
ガスや灯油の給湯器であれば使いたいときに即座にお湯を沸かせますが、エコキュートでは1人分のシャワーのお湯を沸かすのに30分程度の待ち時間を必要とします。
貯湯タンクの残量はスマホアプリや室内リモコンなどから確認できるため、大抵のお湯切れは予防可能ですが、突然の来客などで不便に感じる場面はあるかもしれません。
また、仕事や部活などの影響で家族のお湯の使用量が安定しない場合などは、「ワンサイズ大きめ」の貯湯タンクを選ぶことで、突然のお湯切れで困るリスクを軽減できます。
エコキュートはヒートポンプ技術で節約効果が段違い!快適な入浴機能も魅力
圧縮した空気の熱でお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」が搭載されたエコキュートは、従来の給湯器に比べて、数倍のエネルギー効率・省エネ性能を持った給湯設備です。
ガスや灯油などの可燃性の燃料を必要とせず、電気の力のみで運転できるため、地震や市税災害が発生しても「火災のリスクが少ない」点も大きなメリットといえるでしょう。
また、エコキュートには「マイクロバブル入浴」や「スマホアプリでの遠隔操作」など便利な機能が多く、毎日のバスライフを快適なものに変えてくれます。
国から2種類の補助金が出ている2025年は、給湯設備をエコキュートに交換するベストタイミング。ぜひこの機会に前向きに検討してみてください!
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!