リンナイにエコキュートはある?ハイブリッド給湯器の長所・短所も解説

「リンナイ」のガス給湯器を愛用しており、設備の交換を検討している方なら、「リンナイのエコキュートってないのかな?」と疑問を持った経験があるのではないでしょうか?
そこで本記事では、2025年におけるリンナイのエコキュートの販売状況や、次世代の給湯設備として話題の「ハイブリッド給湯器」の特徴・魅力を徹底解説していきます。
記事の後半では、ハイブリッド給湯器の「エコキュートにはない独自メリット」や、購入を検討する前に確認しておくべきデメリットもご紹介しています!
目次
【結論】リンナイは電気のみを利用するエコキュートを販売していない
結論から言えば、2025年5月現在、リンナイは電気と空気の熱でお湯を沸かす、いわゆる「エコキュート」の販売は行っていません。
一方で、リンナイはガスと電気を組み合わせたハイブリッド給湯器「ECO ONE(エコワン)」を2010年から販売しており、モデルチェンジを経て現在も販売が続いています。
リンナイのハイブリッド給湯器にはエコキュートの技術も多く採用されているため、将来的に同社がエコキュート業界に参入する可能性もゼロではないでしょう。
ガス給湯器のライバルメーカー「ノーリツ」が2024年にエコキュートを販売開始したこともあり、数年後にリンナイも独自のエコキュートを発表するかもしれません。
リンナイはどんな給湯器メーカー?販売実績・国内シェアをご紹介
「リンナイ(リンナイ株式会社)」は、愛知県名古屋市に本社を置き、給湯設備や厨房機器、熱エネルギー機器の製造販売を行う大手メーカーです。
創業は1920年(大正9年)と非常に古い同社ですが、現在もガス給湯器やガス式ビルトインコンロの国内シェアNo.1を独走するなど、人気メーカーの地位を確立しています。
リンナイは高い技術力・開発力を持つメーカーとしても有名であり、セラミック製の遠赤外線バーナーや電気とガスのハイブリッドオーブンなど、世界初の商品を多数発表しています。
2010年に販売開始された「ハイブリッド給湯器(ECO ONE)」も世界初の商品であり、現在も同社の主力商品として根強い人気・販売実績を持っています。
リンナイのハイブリッド給湯器『ECO ONE』の特徴・仕組み
リンナイのハイブリッド給湯器ECO ONEは、電気・ガス両方でお湯を沸かすことが可能であり、加熱したお湯を「貯湯タンク」に蓄えて使う仕組みとなっています。
深夜のお得な電気でお湯を沸かすことで、エコキュートのように給湯費を節約できるほか、急にたくさんのお湯が必要になったときは、ガスで瞬時にお湯を作ることもできます。
また、ガス給湯器のみを運転させる際には、エコキュートより消費電力が格段に少ないため、「停電時にポータブル電源などでも運転できる」点も強みといえるでしょう。
従来のガス給湯器に比べて光熱費の節約効果が高く、状況に応じて電気とガスをうまく切り替えられるECO ONEは、エコキュートとは一味違った魅力を持つ商品です。
リンナイのハイブリッド給湯器ECO ONEの「3つのメリット」
リンナイのハイブリッド給湯器ECO ONEが持つ、従来のエコキュートやガス給湯器にはない「3つのメリット」は以下のとおりです。
- 貯湯タンクの「お湯切れ」の心配がいらない
- 「レジリエンス性能」が高く、さまざまな災害に対応できる
- 効率よく沸かしたお湯を「温水暖房」にも使える
それぞれのメリットの要点をくわしく確認していきましょう。
メリット①:貯湯タンクの「お湯切れ」の心配がいらない
リンナイ製ハイブリッド給湯器の1つ目のメリットは、エコキュートの最大のデメリットである「お湯切れするとしばらく使えない」という状況が発生しないことです。
ECO ONEとエコキュートは「深夜に沸かしたお湯を貯湯タンクに蓄えて使う」点は共通ですが、ECO ONEは「お湯切れが起きたらガスで瞬時に給湯できる」点が違います。
一般的なエコキュートでお湯切れが発生すると、シャワー1人分のお湯に30分、浴槽1杯分(約180L)なら2時間かかるため、多くの時間を失ってしまいます。
「子どもが1日2回シャワーに入るようになった」「急な来客」などでタンク残量が心配になるケースは意外と多いもの。お湯切れが起こらないECO ONEなら、毎日ストレスなく快適に入浴できます。
メリット②:「レジリエンス性能」が高く、さまざまな災害に対応できる
リンナイ製ハイブリッド給湯器の2つ目のメリットは、地震や台風、突然の停電など、さまざまなトラブルに対応できる「レジリエンス性能」の高さです。
レジリエンス性能とは、災害やトラブルが発生した際に、すみやかに被害を復旧・正常な生活に戻す性能のことで、災害の多い日本の住宅では特に重視すべき性能といえます。
ECO ONEを導入すれば、以下のようなトラブルにも柔軟に対応できます。
トラブルの内容 | ECO ONEで実現できる対処法 |
停電が発生した場合 | ・ECO ONEのガス熱源機とポータブル電源を接続すれば、給湯を再開できる ・ポータブル電源以外にも、発電中の太陽光発電・蓄電池も電源として利用可能 |
ガスが停止した場合 | 電気の供給が続いている場合なら、ヒートポンプの電力で給湯を継続できる |
電気・ガスが停止した場合 | ・蓄電池でヒートポンプを運転させれば、給湯を続けられる ・太陽光発電で蓄電池を充電することで、より長時間の停電にも対応可能 |
断水した場合 | 貯湯タンクに蓄えたお湯(水)を、生活用水として活用できる |
一般的なエコキュートは、蓄電池とセットで運用しないと停電時の給湯はできません。
ECO ONEなら、ポータブル電源・太陽光発電などの「より小さな電力」で給湯できる点が大きな強みです。
メリット③:効率よく沸かしたお湯を「温水暖房」にも使える
リンナイ製ハイブリッド給湯器の3つ目のメリットは、電気やガスで効率よく沸かしたお湯を、「温水暖房」「温水床暖房」「浴室暖房乾燥機」などにも活用できることです。
特に、温水床暖房や温水パネルヒーターは空気を汚さずふんわり部屋全体を温めてくれるうえに、運転音がほとんどしないため快適性に優れています。
メーカーによってはエコキュートにも温水暖房機能はありますが、貯湯タンクのお湯切れが起こると運転がストップしてしまうため、タンク残量に気を使わなければなりません。
ECO ONEなら、万が一タンクのお湯を使い切ってもガス給湯モードで暖房運転を継続できるため、寒い冬でもストレスのないワンランク上の暮らしが実現できます。
リンナイのハイブリッド給湯器ECO ONEの「3つのデメリット」
優れた省エネ性能に加えて独自のメリットも豊富なリンナイのハイブリッド給湯器ECO ONEですが、以下の「3つのメリット」には注意すべきでしょう。
- エコキュートより設置費用が高くなる
- エコキュートより給湯タンク容量が小さい
- エコキュートより「災害時の安全性」が低い
それぞれのデメリットの要点を、順番にくわしく解説していきます。
デメリット①:エコキュートより設置費用が高くなる
リンナイ製ハイブリッド給湯器の1つ目のデメリットは、一般的なエコキュートに比べて、「初期費用が大幅に高い」ことです。
ECO ONEの160Lモデルのメーカー希望価格は「約118万」。給湯設備としては高めであり、ガスと電気を使う仕組み上、工事費用もエコキュートより割高になるでしょう。
近年販売されているエコキュートの実売価格は「約20〜60万円」ほどですので、契約する販売店によっては「数十万円」もの価格差が生じる可能性があります。
また、ECO ONEの使用には「電気とガスの契約」が必須であり、ガス契約のいらないエコキュートに比べて「余計な基本料金」がかかる点もデメリットのひとつです。
デメリット②:エコキュートより給湯タンク容量が小さい
リンナイ製ハイブリッド給湯器の2つ目のデメリットは、一般的なエコキュートに比べて、「貯湯タンクの容量が非常に小さい」ことです。
ECO ONEは「160L」と「70L」の2サイズを展開していますが、売れ筋のエコキュートのサイズは「370L」「460L」程度であり、数倍の差があります。
お湯切れが発生してもガスで給湯できる点が強みのECO ONEですが、深夜に沸き上げる電気代よりガス料金のほうが割高なため、多用すると光熱費が膨れ上がってしまいます。
お湯切れのストレスが嫌であればハイブリッド給湯器がおすすめですが、単純に光熱費の節約を考えるなら、結局エコキュートのほうがお得なケースが多いでしょう。
デメリット③:エコキュートより「災害時の安全性」が低い
リンナイ製ハイブリッド給湯器の3つ目のデメリットは、災害時の復旧性能は高いものの、「災害時の安全性」を考えると不安点があることです。
電気のみを使用するエコキュートは災害時の火災のリスクもわずかですが、ECO ONEはガスを燃料として用いるため、地震などで引火する可能性がゼロではありません。
また、災害時に本体が引火する危険性だけでなく、周辺火災の影響で住宅のガス配管やガスボンベに引火するリスクもあります。
停電やガス供給の停止、断水にまで対応できるECO ONEですが、「可燃性ガスを用いた給湯設備である」という点は頭に入れたうえで、購入を検討しましょう。
まとめ:リンナイにエコキュートはなく、ハイブリッド給湯器に注力!高性能だが価格は高め
2025年現在もエコキュートの販売をしていないリンナイですが、ガス給湯器とエコキュートのメリットを併せ持つ「ハイブリッド給湯器」の販売には力を入れています。
ハイブリッド給湯器には「貯湯タンク残量が切れてもガスで給湯できる」「停電してもポータブル電源があればガス給湯器が使える」といった、独自の強みがあります。
一方で、「エコキュートより初期費用が高い」「貯湯タンクの容量がかなり小さい」といったデメリットもあるため、じっくり時間をかけて比較したいところです。
リンナイのハイブリッド給湯器の省エネ性能は国の基準を満たしているため、「給湯省エネ2025事業」などの補助金制度を利用できます。
国や地方自治体の補助金制度を活用すれば、高額になりがちな初期費用を大幅に節約できますので、給湯器の交換をお考えの方はぜひ前向きに検討してみてくださいね!
エコキュートの購入をご検討の方は、『リノベステーション』までお問合せください。
リノベステーションは、エコキュートの販売価格情報や口コミ、おすすめランキングなど、独自の視点から商品をチェックできる総合サイトです。
さらに、購入から工事、アフターフォローまで一貫してサポートできることも特徴の一つです!
エコキュートでお悩みなら、まずはリノベステーションで比較してみてください。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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