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鉛蓄電池の起電力とは何か

蓄電池 2026年01月26日更新

鉛蓄電池の起電力と仕組みを詳しく解説|寿命を延ばす正しい管理方法とは

私たちの生活に欠かせない自動車のバッテリーや、産業用バックアップ電源として広く普及している「鉛蓄電池」。その基本的な仕組みである「起電力」の発生原理から、長く安全に使うためのメンテナンス方法までを専門家が詳しく解説します。蓄電池の導入を検討している方や、電気の基礎知識を深めたい方は必読の内容です。

この記事の結論

  • 鉛蓄電池の起電力は1セルあたり約2.1Vであり、化学反応によって電気が生み出される。
  • 放電と充電を繰り返す「二次電池」であり、サルフェーション現象が寿命の主な原因となる。
  • 適切な液量管理と充放電サイクルを守ることで、本来の性能を長期間維持することが可能。

第1章 鉛蓄電池の起電力が発生する仕組みと構造

ポイント:鉛蓄電池は、二酸化鉛(正極)と海綿状鉛(負極)、そして電解液(希硫酸)の化学反応によって、1セルあたり約2.1Vの安定した起電力を発生させます。

鉛蓄電池の起電力(電圧)は、電極に使用される物質と電解液の濃度によって決定されます。標準的な状態では、1セルあたり約2.0Vから2.1Vの起電力を持ちます。一般的に自動車で使われる12Vバッテリーは、このセルを6個直列に接続することで、約12.6Vの電圧を実現しています。

化学的なプロセスで見ると、放電時には正極の二酸化鉛($PbO_2$)と負極の鉛($Pb$)が、電解液中の硫酸($H_2SO_4$)と反応して「硫酸鉛($PbSO_4$)」に変化します。この過程で電子が移動し、電流が流れます。逆に充電時には、外部から電気を流すことでこの変化を元に戻します。この可逆性が鉛蓄電池を「二次電池(充電可能な電池)」たらしめている理由です。

構成要素 材質・役割 備考
正極(プラス) 二酸化鉛($PbO_2$) 茶褐色。酸化剤として機能。
負極(マイナス) 鉛($Pb$) 灰色。還元剤として機能。
電解液 希硫酸($H_2SO_4$) イオンの運搬を担う。比重が重要。
起電力 約2.1V / セル 12V製品は通常6セル直列。
※数値は標準的な環境(25℃)での理論値です。温度により変動します。

まとめ:鉛蓄電池は、鉛と硫酸の化学反応を利用した非常に安定性の高い蓄電デバイスであり、直列接続によって用途に応じた電圧を確保しています。

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第2章 鉛蓄電池のメリット・デメリットと比較

ポイント:安価で信頼性が高い反面、エネルギー密度が低く重量が重いという特性があります。近年主流のリチウムイオン電池と比較して、適材適所で活用されています。

鉛蓄電池が150年以上にわたり使われ続けている最大の理由は、その「圧倒的なコストパフォーマンス」と「安全性」です。リチウムイオン電池に比べ、過充電や衝撃に対しても比較的安定しており、発火のリスクが低いのが特徴です。また、リサイクル率が非常に高く、多くの部品が再資源化されるという環境面での利点もあります。

一方で、重量エネルギー密度が低い(重くてかさばる)ことや、放電したまま放置すると「サルフェーション」という劣化現象が進みやすいという弱点があります。そのため、定置型の非常用電源や、重量があまり問題にならない用途、そして低コストが求められる産業現場で今も現役で活躍しています。

項目 鉛蓄電池 リチウムイオン電池
価格(初期費用) ◎ 非常に安価 △ 高価
エネルギー密度 △ 低い(重い) ◎ 高い(軽い)
サイクル寿命 △ 500〜1,000回 ◎ 3,000回以上
主な用途 車載・非常用・UPS スマホ・EV・家庭用蓄電池
※用途やメーカーの技術改良により数値は異なります。

まとめ:鉛蓄電池は「安さ」と「枯れた技術ゆえの信頼性」が強みですが、最新の家庭用・モバイル用途では性能面でリチウムイオン電池に譲る場面が増えています。

第3章 鉛蓄電池の寿命を左右する「サルフェーション」と対策

ポイント:寿命の最大の敵は「サルフェーション」です。放電状態で放置された硫酸鉛が結晶化し、充放電ができなくなる現象を指します。

鉛蓄電池を使っていると、次第に起電力が低下したり、充電してもすぐに空になったりすることがあります。これは、放電時に発生した硫酸鉛が時間の経過とともに硬い結晶になり、電極の表面を覆ってしまう「サルフェーション(白鉛化現象)」が原因です。一度硬くなった結晶は、通常の充電では元に戻すことができません。

これを防ぐためには、以下の管理が重要です。
まず、使い切った(放電した)後は、すみやかに満充電の状態に戻すこと。次に、過放電(空に近い状態まで使い切ること)を避けること。そして、電解液(バッテリー液)が不足すると、露出した極板から劣化が進むため、定期的に液量をチェックし、必要に応じて精製水を補充することが推奨されます。

近年では「パルス充電」と呼ばれる技術を用いて、微細な電気の刺激でサルフェーションを除去する装置も市販されていますが、基本は「日々放電したままにしない」という運用が寿命を延ばすための効果的な方法です。

まとめ:鉛蓄電池の性能維持には「放電放置の禁止」と「液量管理」が不可欠であり、これらを怠ると数年で寿命を迎えるリスクが高まります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 鉛蓄電池の起電力が低下する原因は?

主な原因は「放電のしすぎ(過放電)」や「長期の放置」に伴うサルフェーションです。電極に絶縁体である硫酸鉛の結晶が付着することで、電気の通り道が塞がれ、起電力が低下します。

  • 電解液(希硫酸)の比重低下
  • 自己放電による長期未充電
  • 極板の物理的な脱落や腐食

※電圧が一定以下(例:12Vバッテリーで10.5V以下)になると回復が困難になります。

出典:一般社団法人 電池工業会

Q2. 鉛蓄電池の寿命は何年くらい?

用途によりますが、一般的な車載用で2〜5年、定置型の産業用(長寿命タイプ)であれば10〜15年程度です。ただし、温度環境や充放電回数によって大きく変動します。

※周囲温度が10℃上がると寿命が半分になると言われるほど、熱に敏感な性質があります。

出典:株式会社 GSユアサ

Q3. 家庭用蓄電池に鉛蓄電池は使えますか?

技術的には可能ですが、現在は「リチウムイオン電池」が主流です。鉛蓄電池は安価ですが、重くて場所を取る上、毎日充放電を繰り返す家庭用(太陽光連携など)としては寿命が短すぎるためです。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁

Q4. バッテリー液(精製水)は水道水で代用できる?

絶対に避けてください。水道水に含まれる塩素やミネラル成分が電極と反応し、電池の性能を著しく低下させ、寿命を縮める直接的な原因となります。必ず専用の「精製水(蒸留水)」を使用してください。

出典:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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中田 萌
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