バイオマス発電のデメリットはコスト!仕組みやメリットも併せて解説
この記事では「バイオマス発電とは何か?」という疑問からデメリットまで、解説しています。
バイオマス発電とは、再生可能エネルギーの一種で、これから普及が期待される発電方法です。
バイオマス発電が多普及した場合、今まで捨てていたゴミなどを有効活用することができ、循環型社会を実現することが出来ます。
しかし、バイオマス発電にはコスト面でのデメリットがあります。
今後、バイオマス発電を普及させるには、バイオマス発電を行う上でのコストの問題を解決しなければいけません。
目次
バイオマス発電とは再生可能エネルギーの一種!
バイオマス発電とは、木くずや燃えるゴミ、家畜糞尿などを燃焼や発酵をさせ、電気を作る発電方法です。
不要になったゴミなどを利用して電気を作り出すことが出来るので、循環型社会の形成に役立ちます。
さらに、適切な資源を安定して確保できれば、安定した電力供給が可能となります。
太陽光発電などと同じ再生可能エネルギーとして、今後の普及が期待されます。
そもそも「バイオマス」とはなにか?
バイオマス発電に使用できるバイオマスとは、主に不要になったゴミなどです。
木くずや燃えるゴミ、生ごみ、廃油や家畜糞尿、下水汚泥などを発電に利用することができます。
しかし、上記のようなゴミを利用したバイオマス発電を行うためには、バイオマスの種類に合っている処理方法が必要です。
木や燃えるゴミなどは燃焼によって電力を生み出し、生ごみや廃油、家畜糞尿などは燃焼または発酵して電力を生み出します。
”燃焼”させるけれど地球には優しい!
バイオマス発電は、再生可能エネルギーと言われますが「火力発電」の一種です。
燃焼させて電気を作り出すと聞くと「結局、地球に優しくない」と思ってしまいがちですが、そうではありません。
現在、日本で行われている火力発電に比べると、バイオマス発電のCO2排出量は多くありません。
さらに、バイオマス発電に使用する木くずなどを採取する木を育成する必要があるので、CO2排出量が”実質”ゼロにすることが可能です。
また、ゴミを発電に有効活用ができるので、ゴミを燃やす際のCO2も削減することも可能になります。
【全3種類】バイオマス発電はどうやって発電する?
CO2の排出量を削減することができ、循環型社会を実現することが出来るバイオマス発電ですが、発電する方法が3種類あります。
資源によって発電方法が異なるので、それぞれの資源に合った設備や準備が必要です。
① 直接燃焼方式
直接燃焼方式のバイオマス発電は、主に燃焼性のゴミや精製済みの廃油、木くずなどを利用します。
木くずを破砕してチップやペレット化し、資源を燃やした熱でガスタービンを回し発電します。
木くずを細かくすることで、燃焼効率をあげるだけではなく、輸送しやすくなるというメリットがあります。
② 熱分解ガス化方式
熱分解ガス方式では、木くずや可燃ごみなどを利用します。
直接燃焼方式とは違い、
燃焼させるのではなく「加熱」することで発生するガスを利用し、ガスタービンを回します。
③ 生物化学的ガス化方式
生物化学的ガス方式は、家畜の糞尿や生ごみ、下水汚泥などを利用します。
家畜の糞尿や生ごみを施設内で発酵させ、メタンなどのバイオガスを発生させることで、ガスタービンを回し発電します。
バイオマス発電のデメリットはまだ多い!
再生可能エネルギーとして、普及が期待されるバイオマス発電ですが、大きなデメリットがあります。
バイオマス発電の大きなデメリットは「コスト」で、普及しきれない理由もコストにあると言っても過言ではありません。
また、バイオマス発電の資源となるバイオマスの回収、運搬などの仕組み作りも必要です。
これからバイオマス発電を普及させるにあたって、課題は多く残されていると言えるでしょう。
デメリット① バイオマスの運搬などにかかるコスト
バイオマス発電の資源となるバイオマスは、様々な場所から発生します。
バイオマス発電を行うには、様々な場所で出たバイオマスを適切な場所へ運搬しなければいけません。
様々な物が資源として使えるゆえのデメリットだと言えるでしょう。
また、安定したバイオマス発電を行うためには、多くのバイオマスが必要になり、バイオマスを保管しておく場所も必要です。
資源を保管しておく場所を確保することにも、コストがかかってしまいます。
デメリット② バイオマスの種類による問題
バイオマス発電は、資源の種類によって発電方法が異なります。
資源によって発電方法が異なるということは、資源ごとの施設や設備が必要だということです。
様々なバイオマス資源に対応できる施設を作るとなると、大きなコストがかかってしまうでしょう。
バイオマス発電はメリットが多いことも事実!
コスト面では課題が残っているバイオマス発電ですが、メリットが大きいことも事実です。
特に、これから脱炭素化に向けた取り組みをしていくにあたって、バイオマス発電は温室効果ガスの削減に大きく貢献します。
メリット① 循環型社会を実現できる
バイオマス発電が各地域に普及することで、循環型社会の実現が可能です。
不要になったゴミや糞尿、木くずなどを利用することが出来るので、ゴミの削減にも役立ちます。
循環型社会が実現することで、地球に優しい暮らしが可能になります。
メリット② 二酸化炭素の排出を削減
火力発電に比べてCO2の排出量が少ないことも、バイオマス発電のメリットです。
バイオマス発電で排出したCO2を、森林を増やし吸収することで、脱炭素化に貢献します。
また、ゴミを資源として利用することができるので、ゴミを燃やし処理する時の温室効果ガスも削減することができます。
メリット③ 周辺の環境改善が可能
バイオマス発電は、家畜の糞尿や下水汚泥を発電に利用することができます。
家畜の糞尿や下水汚泥を再利用することで、水質汚染の防止や下水処理の負担を軽くすることが可能です。
水質汚染を防止することが出来るので、川や海の生物を守ることができます。
メリット④ 導入により雇用が増加する
バイオマス発電所が地域に根付いた場合、地域の雇用が増えることもメリットだと言えるでしょう。
バイオマス発電には、資源の運搬や管理、設備の管理など多くの人員が必要です。
バイオマス発電を地域に導入し、雇用が増えることで、地域の活性化にも繋がります。
メリット⑤ 農業に対するメリットも
バイオマス発電は、家畜の糞尿や野菜くずなどを資源として利用することができるので、家畜業や農業にも役に立ちます。
特に、家畜の糞尿を処理することなく運搬するだけで資源として使用できるのは、家畜業を営んでいる人にとってメリットなのではないでしょうか。
また、バイオマス発電では電気エネルギー以外にも、熱エネルギーが発生します。
その熱を、野菜を作っているビニールハウスに送り込むことで、農業にもメリットとなります。
青森県では、実際にバイオマス発電で発生した熱を利用し、高糖度のトマトを栽培する計画が立てられています。
参照:https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1612/16/news033.html
バイオマス発電はデメリットの克服が期待される再生可能エネルギー
今回は、バイオマス発電について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
脱炭素化に貢献できる再生エネルギー「バイオマス発電」のデメリットは”コスト”がかかることです。
これから、バイオマス発電をさらに普及させていくには、コストによるデメリットをどうカバーするかがカギとなっていきます。
また、バイオマス発電に利用できる資源を、効率的に集めて保管する仕組み作りも必要だと言えるでしょう。
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この記事の監修者
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