太陽光パネルの廃棄費用はいくら?廃棄後の注意点や積立制度について解説!
2022年は、ウクライナでの戦争や円安によりエネルギー価格が大きく値上がりした年でした。
燃料費の高騰を受け、今まで以上に太陽光発電に関心を持つ人々が増えています。
その一方で、太陽光発電設備の廃棄費用についても意識され始めています。
今回は2030年代に訪れる太陽光パネルの大量廃棄やパネルの廃棄費用、パネル以外の廃棄物、廃棄後の注意点、廃棄費用の積立制度、廃棄前に検討するべき太陽光パネルの活用法など、太陽光発電関連設備の廃棄にまつわる事柄をまとめます。
目次
2030年代に訪れる太陽光パネルの大量廃棄
2030年代に入ると、太陽光パネルの大量廃棄が発生するとされています。
なぜ、そのような話が出てくるのでしょうか。
その理由は太陽光パネルの耐用年数にあります。
太陽光パネルの耐用年数は概ね20年〜30年とされています。
日本で住宅用太陽光発電が普及するのは1993年以降です。
ということは、最初の頃に設置された太陽光発電設備は2023年には30年が経過するため、徐々に寿命を迎え廃棄処分の対象となるからです。
太陽光パネルは厳しい自然環境にも耐えられるよう、頑丈に作られているため解体・リサイクルするためにはかなりの手間がかかります。
そのせいで、多くの廃棄太陽光パネルは解体をあきらめ埋め立て処分されているとみられます。
2030年代半ば以降、太陽光パネルの大量廃棄は深刻な問題になるでしょう。
太陽光パネルは専門業者に依頼すべき
太陽光パネルの廃棄はどのようにするべきでしょうか。
太陽光パネルの処理は専門業者にゆだねるのが理想的です。
その理由について解説します。
有害物質が多く含まれているから
1つ目の理由は、太陽光パネルに有害物質が多く含まれているからです。
代表的な物質としては鉛・カドミウム・セレンなどがあります。
これらの物質が含まれていることから、太陽光パネルは産業廃棄物の扱いとなり、専門業者による適切な処分が求められます。
さらに、太陽光パネル設備を解体するのに危険が伴います。
高所作業となることや発電設備と切り離す際に専門的な処理が必要であることや太陽光パネル自体がかなり重いことなどもあるため、一般人ではなく、専門業者による撤去が望ましいといえます。
専門業者であればリサイクルが可能だから
2つ目の理由は、専門業者であればリサイクルが可能だからです。
環境省は太陽光パネルのリサイクル義務化を検討し始め、今後はリサイクルの割合が増えるかもしれません。
2018年に環境省が出した「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」ではリサイクルの方法がいくつか紹介されています。
現在、多くの太陽光パネルが埋め立て処分されていますが、土壌汚染などを考慮すると今後はリサイクルの割合が増加すると予想されます。
今後は専門業者による処理がよりいっそう必要となるでしょう。
太陽光パネルの廃棄費用
太陽光パネルの廃棄費用はどの程度なのでしょうか。
住宅用太陽光パネルと産業用太陽光パネルの廃棄費用についてまとめます。
住宅用太陽光パネルの廃棄費用
太陽光パネルを取り外す費用は人件費・作業代・足場代・屋根の修理代・運搬費・処分費などにより決定します。
人件費と作業台は概ね10〜15万円前後、足場代は面積によって変わりますが、おおよそ15〜20万円前後で、この時点で30〜40万円の費用がかかります。
屋根の修理代は屋根素材によって変わりますが、数十万円程度を見込んでおいた方がよいでしょう。
運搬費や処分費は業者・パネルの枚数などで変動します。
そうなると、屋根の修理を除いても50万円前後、屋根の修理が入れば150万円前後を予算として見込むべきでしょう。
産業用太陽光パネルの廃棄費用
産業用太陽光パネルの廃棄費用の目安は、1kWあたり2万円前後とされています。
たとえば、50kWの設備であれば100万円ほどの廃棄費用が見込まれます。
これに、土地を借りていた場合は原状復帰の費用などが上乗せされます。
太陽光パネル以外の廃棄物
太陽光パネル以外にどのような廃棄物が出るのでしょうか。
主な廃棄物は以下のとおりです。
- 支柱や架台
- パワーコンディショナー
- ケーブル等の配線
太陽光パネルを支えていた支柱や架台の一部はリサイクルされます。
パワーコンディショナーは粗大ごみとして処分可能です。
ただし、処分の基準や処分費用は自治体によって異なりますので、捨てる前に問い合わせたほうがよいでしょう。
ケーブルなどの配線には資源価値が高い銅が使われていますので、場合によっては引き取り料をもらえる可能性があります。
これについては太陽光パネルの解体を請け負った業者と相談してみましょう。
太陽光パネル廃棄後の注意点
太陽光パネル廃棄後、最も注意するべき点は屋根の雨漏りです。
住宅用太陽光パネルは屋根の上に設置しますので、撤去時に屋根が破損している可能性があります。
設置用の架台などが屋根を傷つけている可能性もあるので、心配であれば屋根のチェックも依頼しましょう。
廃棄費用の積立制度
2022年7月から「太陽光発電設備の廃棄等費用積立制度」が始まりました。
対象となるのは10kW以上の全ての太陽光発電の認定案件で、廃棄費用等の積立が義務となります。
これにより、太陽光発電に関するコストが上昇しますので注意が必要です。
また、積立だけで廃棄費用の全てが賄える保証はありませんので、自宅に太陽光発電を設置する際は、別途、個人でも積み立てておいた方がよいでしょう。
廃棄する前に考えたい太陽光パネルの活用法
太陽光パネルの廃棄にまつわる話をまとめてきましたが、廃棄する前に太陽光パネルの寿命を延ばしたり、別な活用法がないか考えてみましょう。
メンテナンスにより寿命を延ばす
1つ目はメンテナンスにより太陽光パネルの寿命を延ばすことです。
太陽光パネルは長期間の使用に耐えるため、頑丈に作られています。
そのため、適切にメンテナンスを行えば寿命を延ばすことが可能です。
重要なのは日々のメンテナンスです。
太陽光パネルを設置したあと放置せず、専門業者による定期的なメンテナンスを実施しましょう。
メンテナンスを行うことで、発電効率を落とす原因になる汚れを落としたり、部品の早期交換を行ったりできます。
また、メーカーの保証を積極的に活用するのも一つの方法です。
設置時に有償保証を追加でつけることで、通常よりも手厚いメンテナンスが受けられます。
蓄電設備を併設し家庭用の電源として活用
2つ目は蓄電設備を併設し家庭用の電源として活用することです。
太陽光発電設備の普及を助けた仕組みに「FIT制度」(固定価格買取制度)があります。
FIT制度は買取価格が高めに設定されていたため、蓄電より売電を重視するユーザーが多くいました。
しかし、FIT制度が順次廃止される中、売電よりも自家消費を優先するケースが増え、蓄電池の普及率が上がってきました。
もし、自宅の太陽光発電設備に蓄電池がついていないのであれば、蓄電池を併用することで太陽光発電設備を自家消費のための設備として再利用できます。
まとめ
今回は太陽光パネルの廃棄にまつわる話を中心に解説してきました。
太陽光発電が始まったころの太陽光パネルは2020年代から廃棄が始まり、2030年に大量に増えることが予想されています。
現在、太陽光発電設備を利用している家庭や今後、太陽光発電設備の導入を検討している家庭では、太陽光パネルの廃棄費用について検討する必要があります。
100万円以上の廃棄費用を一度に出すのは困難ですので、日ごろからつ立てることが重要なのではないでしょうか。
リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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