PID現象のある太陽光発電!蓄電池と連携可能なメーカーはどこ?
太陽光発電と蓄電池はセットで語られることが多いですが、実は太陽光発電にPID現象と呼ばれる現象が発生している場合、選べる蓄電池の幅は非常に狭くなります。
では、PID現象とはどういう現象を指すのでしょうか。
今回の記事では、PID現象の基本的情報はもちろん、蓄電池との連携は可能なのかを解説します。
目次
PID現象のある太陽光発電と蓄電池は連携不可!PID現象とは?原因も!
PID現象のある太陽光発電に蓄電池を後付けすることは極めて危険です。
今回の章では、PID現象の基本情報を紹介します。
PID現象は太陽光発電の性能劣化現象のこと
PID現象は、太陽光発電の性能劣化現象のことを指します。
PIDは「Potential Induced Degradation」の略称で、具体的な日本語訳は以下の通りです。
- Potential…潜在的
- Induced…誘導された
- Degradation…劣化
誘導された劣化ということで、何が何に誘導されているの?と思われる方も多いでしょう。
PID現象は、太陽光発電と太陽光発電を支える金属フレームの間で「漏れ電流」が発生し、その漏れ電流が原因で太陽光発電の出力が低下してしまう現象のことです。
つまり、漏れ電流に誘導されて太陽光発電の出力が低下(劣化)してしまうということです。
PID現象が起こってしまう主な原因
PID現象は、実はそれほど珍しいものではありません。
ですが、実は発生する具体的なメカニズムは、世界的に見ても解明されていないのです。
PID現象が起こってしまう主な原因は、以下の通りです。
- 高温多湿な場所に太陽光発電が設置されている
- 塩害地域や重塩害地域に太陽光発電が設置されている
- 太陽光発電が複数設置されている(主に産業用)
PID現象は、基本的に高電圧下で発生するといわれているので、多くの場合は産業用太陽光発電で注意が必要です。
しかし、昨今は太陽光発電の需要が増えてきており、家庭用太陽光発電でもPID現象が発生する可能性が高まってきたという噂もあります。
注視していきたいポイントですね。
PID現象のある太陽光発電と蓄電池は連携不可!PID対策は何がある?
PID現象は、太陽光発電の出力に大きな影響を与えてしまいます。
では、PID対策には何があるのでしょうか。
具体的に解説します。
太陽光発電の負極接地を実施する
PID現象の対策として、太陽光発電の負極接地を実施することが求められます。
太陽光発電は、プラス極(正極)とマイナス極(負極)があります。
この極の向きをすべての太陽光発電で統一すれば、プラスイオンの侵入を防ぐことができるというものです。
具体的には、太陽光発電のマイナス極(負極)を大地に接地させます。
そうすることで、PID現象を最小限に抑えることが可能です。
絶縁型パワコンを使う
太陽光発電の負極接地はPID現象対策としてとても有効ですが、実はすべてのメーカーで対応できるものではありません。
負極接地ができない太陽光発電の場合、絶縁型パワコンを購入する必要があります。
絶縁型パワコンを購入すれば、プラス極(正極)でもマイナス極(負極)でも接地が可能なので、PID現象の発生を最小限に抑えることが可能です。
PID現象のある太陽光発電でも蓄電池は連携可能?メーカーは?
PID現象のある太陽光発電の場合、後付けする蓄電池の種類が限られてしまいます。
最後に、PID現象のある太陽光発電で蓄電池を後付けする場合、選べる蓄電池はあるのでしょうか。
具体的に解説します。
オムロン「マルチ蓄電プラットフォーム」
オムロンの「マルチ蓄電プラットフォーム」は、PID現象の対策がされている蓄電池です。
しかも、ハイブリッド型・単機能型のどちらかを選択可能なので、家庭に合った蓄電池を選びやすいという特徴があります。
選べる蓄電容量も6.5/9.8/16.4kWhなので、ライフスタイルに合わせて蓄電容量をしっかり見極めることが可能です。
さらに、全負荷型・特定負荷型の2種類からも停電時の使い方に合わせてシステムを変更可能なので、使い方の幅が広いと高評価を得ています。
また、AI機能付きなので、夜間の蓄電容量に関しても無駄を省くことが可能。
翌日に十分な太陽光が期待できると判断されれば、夜間の買電は必要最低限に留めてくれるので、自動的に電気代の節約もできます。
オムロン「マルチ蓄電プラットフォーム」は、まさに一石二鳥の蓄電池なのです。
さらに、重塩害地域にも設置可能で、コンパクト設計なので16.4kWhの蓄電池であっても屋内設置ができます。
蓄電池選びを検討している方は、ぜひPID現象対策の取れたオムロン「マルチ蓄電プラットフォーム」の購入を前向きに検討してみてください。
その他のメーカーでは基本的には連携不可能
PID現象の対策がされていない太陽光発電の場合、蓄電池との連携は基本的には不可能です。
とはいえ、2023年現在販売されている太陽光発電は基本的にPID現象対策が取られているため、そこまで大きく気に留める必要はありません。
しっかり考えたいのは、10年以上も前の太陽光発電を所有している場合です。
この場合、既存の太陽光発電がPID現象対策の取られていないものである可能性が高いので、蓄電池を後付けするのは難しくなります。
正確には、蓄電池の後付けは可能ですが、動作保証の対象外となる確率が高いです。
つまり、何かしらの不具合が生じた場合、全責任を負う必要があるので注意が必要ということになります。
既に太陽光発電を所有していて蓄電池の後付けを検討している場合、所有している太陽光発電がPID現象対策がされているものなのか否かを確認する必要があるでしょう。
注意!PID現象のある太陽光発電と蓄電池を連携させるのは原則不可能!
今回の記事では、太陽光発電のPID現象の概要や蓄電池併用の有無を解説しました。
PID現象は基本的に産業用太陽光発電で発生するものですが、現在は家庭用太陽光発電でもPID現象が発生する確率が高くなっています。
いざという時に慌てないためにも、最初からPID現象対策の取れている太陽光発電や蓄電池を購入する必要があるでしょう。
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