HEMSとは?導入して電気が「見える化」できる便利な設備!
電気代の高騰で注目を集めている「節電」。
今回は、節電に最適な機器である「HEMS(ヘムス)」について解説します。
目次
HEMSとは「節電」に一役買う便利な設備!
HEMSは、ライフラインである電気やガス、水道の使用量を細かく確認することができる新しい住宅設備です。
生活になくてはならない電気・ガス・水道の使用量を、時間別に確認することができるので、自宅で使用するエネルギーを毎日確認・制御することができます。
さらに、HEMS対応の家電を導入すれば、HEMSを通して家電を操作することが可能です。
特徴① 電気の流れが見える化できる
HEMSを一般住宅に導入した場合、時間毎の電気使用量や、家電毎の電気使用量を確認することができます。
節電をする時に大切になるのが「どの家電がどのくらい電気を消費しているのか?」、「どの時間帯に電気を多く消費するのか?」ということです。
電気代を多く消費している家電や、時間帯が分かれば、節電もしやすくなるでしょう。
また、HEMSを導入することにより、今まで気づかずに電気を消費していた家電を見つけることも可能になります。
特徴② 電気設備を制御
HEMSを電化製品に接続した場合、接続した電化製品を遠隔で操作することができます。
電化製品のスイッチを入れたり、省エネの設定などを遠隔で操作したりすることができるので、スマートホーム化が可能になります。
さらに、スマートフォンであれば、外出先からも電化製品を動かすことができるので、帰宅時に部屋を快適な温度にしておくことも可能です。
特徴③ 電気以外のエネルギーも見える化
HEMSの導入することにより、電気以外にもガスや水道の使用量を「見える化」することが可能になります。
ガスや水道の使用量を確認できれば、ガス代や水の節約も可能になります。
ライフラインを一括で管理することができるので、環境に優しい生活ができるだけではなく、家計管理にも役立つでしょう。
HEMSと相性のいい設備は主に電気に関係する住宅設備
HEMSと相性のいい設備として挙げられるのは、太陽光発電システムや蓄電池、lot家電です。
特に、太陽光発電システムはHEMSを導入することで発電量や自家消費量を確認することができるのでおすすめです。
① 太陽光発電システム
太陽光発電システムとHEMSは、相性がいい設備としてよく知られています。
太陽光発電システム単体で導入した場合、発電量や電気消費量を確認することが可能です。
しかし、太陽光発電システム単体では「どの家電にどれだけ電気を使っているのか」は分かりません。
そこで、HEMSを導入することで「発電した電気をどの家電に一番使っているのか?」、「どの時間帯に発電した電気を一番使っているのか?」を知ることができます。
HEMSを導入し、発電量と消費量を照らし合わせて電気の流れを確認することができる点は、大きなメリットだと言えるでしょう。
② 蓄電池
HEMSと蓄電池を併用することで、蓄電量の管理や、蓄電池の制御が可能になります。
特に、地震が多い日本では、常に蓄電池に電気を貯めておきたいという人も多いでしょう。
HEMSと蓄電池を併用することで、スマートフォンやタブレットで蓄電池を管理することができるので、気づいたらすぐ蓄電池に電気を貯めることも可能になります。
また、夜間の電気を貯めて昼間使用する場合でも、蓄電した電気を何に使っているのかを確認することができるので、蓄電池に貯めた電気を無駄にすることがありません。
③ loT家電
スマートフォンやタブレットで操作ができるIoT家電は、HEMSと相性のいい設備だと言えるでしょう。
IoT家電とHEMSを併用することで、自宅ではもちろん、外出先からも家電を操作することが可能になります。
帰宅時間に合わせて室温を快適にしておいたり、カーテンを閉めておいたりなど、様々な使い方ができる点が大きなメリットだと言えるでしょう。
【国が推奨】HEMSを導入するメリットは?
HEMSは、日本政府が「これからの住宅の標準設備」として推奨している住宅設備です。
HEMSが広まれば、多くの家庭で節電することが可能になり、脱炭素化にも役立ちます。
メリット① 電気の使用量を知れる
HEMSのメリットは、日頃の電気使用量を「見て知ることができる」ことです。
使用した電気量を知ることで、電気の節約に大いに役立つことが期待されています。
日頃の電気使用量をチェックしておき、電気使用量が多い家電を省エネタイプに買い換えるなどの使い方も可能になります。
メリット② HEMSが電気を適切に管理してくれる
HEMSと家電や太陽光発電システム、蓄電池を接続することで、遠隔操作や自動制御が可能になります。
HEMSが電気の無駄を見つけて家電の自動制御をしてくれるので、電気の無駄遣いを防ぐことが可能になるでしょう。
電気の無駄を防げるので、売電量や蓄電量を増やすことができます。
メリット③ 外出してても家電を操作できる
HEMSと電化製品を接続することで、外出先でも家電を操作することができます。
先述したように、外出先からエアコンを操作できたり、接続した家電を操作したりすることができるので、快適な生活を送ることができるでしょう。
特に、ペットを飼っている家庭では、外気温に合わせて外出先から室温を設定し直せる点は、大きなメリットだと言えるでしょう。
【導入前にチェック】HEMSを導入するデメリットもある
電気の流れを見える化できるHEMSには、デメリットもあります。
特に、導入費用がかかる点には注意が必要です。
デメリット① 導入費用がかかる
HEMSを導入するためには、10万円から30万円程度の費用が必要になります。
HEMSの導入費用は、工事内容やHEMSの種類によって変わるので、なるべく費用をかけたくない場合には、よく比較検討することが大切です。
ただ、HEMSの導入で補助金が受け取れる場合があるので、導入前に補助金の情報をチェックしましょう。
デメリット② 対応家電の少なさ
HEMSをより便利に使用するために購入するべきなのが、HEMS対応の家電です。
しかし、HEMS対応の家電はまだ種類が少なく、選択肢が限られてしまいます。
家電の性能などを自由に選びたい場合には、HEMSが対応していない場合があるので注意が必要です。
HEMSを導入することでどんな未来が待っているのか?
これから普及することが予想されるHEMSですが、HEMSの導入が一般的になった場合、どんな未来が待っているのでしょうか。
今回は、HEMSが住宅の標準設備となった未来についてポイントを3つ紹介します。
ポイント① HEMSが照明や室温を快適に管理
HEMSの導入が当たり前になった未来では、どの家庭でも家電や照明などの設備を適切に管理できるようになります。
スマートフォンやタブレットで室温や照明を操作することができるので、家電を操作するリモコンが必要なくなる時代も来るかもしれません。
ポイント② 電気使用量を消費者が正しく把握できる時代に
HEMSが住宅の標準設備となった場合、時間帯別や家電別で電気やガスの使用量を把握することができます。
電気使用量が家電別、時間別に確認できるので電気料金プランやガス料金プランを選びやすくなるでしょう。
また、HEMSの使用に合わせた料金プランが新しく出る可能性もあります。
将来的にライフラインの使い方や買い方が大きく変わる可能性があります。
ポイント③ 太陽光発電や蓄電池を適切に管理
HEMSと同時に、太陽光発電システムや蓄電池の導入が盛んになってきています。
HEMSと太陽光発電システム、蓄電池を併用することが当たり前になった場合、電気の無駄遣いを減らし、電気を上手に使用することができるようになるでしょう。
HEMSと太陽光発電システムを導入している家庭が増え、買う電気が大幅に減った場合、電力不足が起こらなくなったり、脱炭素化を促進させたりすることが可能になります。
HEMSの導入で補助金は受け取れるのか?
HEMSの導入を少しでもお得にしたい場合には、補助金の利用を検討してみましょう。
2023年3月時点で、国からのHEMS単体へ向けた補助金事業は行われていません。
唯一、ZEH住宅の要件を満たす住宅に対し、HEMSの導入で補助金がもらえる補助金事業が2022年に行われていました。
次世代HEMS実証事業
2022年に実施されていた「次世代HEMS実証事業」では、ZEHの要件を満たしている住宅に対し、補助金事業が実施されていました。
2023年3月現在、次世代HEMS実証事業の公募は終了してしまいましたが、今後再開する可能性は十分あります。
HEMSの導入で補助金を受け取りたい場合には、次世代HEMS実証事業などの補助金情報をしっかりチェックしておきましょう。
地方自治体の補助金
都道府県や市町村では、独自に補助金事業を実施している場合があります。
太陽光発電システムや蓄電池同様に、補助金の実施の有無や条件、補助金額は異なりますので、HEMSの導入前に一度情報をチェックしておくと良いでしょう。
HEMSを導入するタイミングは電気代が高い今かも!
今回は、今後普及が期待されるHEMSについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
電気代の高騰が続く現在、HEMSなどの節電設備の導入で、電気代の節約を試みることは十分効果があります。
さらに、オール電化住宅以外でも、HEMSを利用して光熱費や水道代を節約できる可能性があります。
住宅の使用に限らず、節電のためにもHEMSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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