太陽熱温水器の特徴は?エコキュートとの違いやデメリットも解説!
現在主流の太陽光発電と同じように、太陽の力を借りてお湯を作り上げる太陽熱温水器。
昔ながらの家の屋根に設置されていることが多いので、もしかしたら「ひと昔前の太陽光発電」と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、太陽熱温水器の概要や太陽光発電・エコキュートとの違い、太陽熱温水器の主な特徴やメリットデメリットを徹底解説します。
ぜひ参考にしてください。
目次
太陽熱温水器とは?概要や類似システムとの違いを紹介!
太陽熱温水器は、太陽光発電が主流になっている昨今、あまり聞きなれない言葉ですよね。
では、太陽熱温水器はどのようなシステムなのでしょうか。
太陽光発電やエコキュートとの違いも併せて解説します。
太陽熱温水器は太陽光でお湯を沸かすシステム!
太陽熱温水器はその名の通り、太陽の熱でお湯を沸かすシステムのことです。
意外や意外に歴史は古く、一般家庭に普及し出したのは1970年代からになります。
昔ながらの家の屋根で太陽熱温水器をよく見かけるのは、このためだったのですね。
太陽熱温水器は太陽熱を利用して給湯するため、設置場所は住宅の屋根になります。
このことで、太陽熱温水器と太陽光発電の認識がごちゃ混ぜになっている方も多いのではないでしょうか。
太陽熱温水器は、集熱部と呼ばれる太陽の熱を集める部分と、貯湯部と呼ばれるお湯を貯める部分が一体化しています。
驚くべきことに、必要なパーツだけを買ってきて、太陽熱温水器を自分でDIYしてしまう人もいるのだとか。
とても簡易的なシステムであることがわかりますね。
ちなみに、太陽光発電は専門業者に設置工事を依頼する必要があるため、独自で設置作業を行うことは違法になります。
注意しましょう。
太陽光発電との違いについて
太陽熱温水器と太陽光発電の大きな違いは、太陽熱温水器は太陽熱を使ってお湯を作り出すシステムなだけで発電はできないことです。
一方、太陽光発電はその名の通り発電に特化しており、オール電化家庭であれば、太陽光発電があることで家中すべての物を動かせるという特徴があります。
さらに、太陽熱を使う太陽熱温水器と、太陽光を使う太陽光発電といった、利用する部分の違いもあります。
エコキュートとの違いについて
太陽熱温水器とエコキュートの違いを見ていきましょう。
太陽熱温水器は太陽熱を利用して給湯するシステムで、エコキュートは空気中の熱を利用して給湯するシステムになります。
両者ともに自然界にあるエネルギーを使う省エネ給湯器ですが、給湯時に使われる物質が異なるということです。
太陽熱温水器が欲しい!主な特徴やメリットは何がある?
続いて、太陽熱温水器の主な特徴やメリットは何なのかを具体的に解説したいと思います。
特徴&メリット①月々のガス代を節約できる
太陽熱温水器の特徴&メリットは、月々のガス代を節約できることです。
具体的にどれくらいのガス代を節約できるのかというと、今まで使っていたガスのシステムにもよりますが、月々10〜50%ほどのガス代削減を実現できるといわれています。
ガス代が値上がりしている昨今、とても魅力的ではないでしょうか。
特徴&メリット②類似システムに比べて初期費用が安い
類似システムに比べて初期費用が安いのも、太陽熱温水器の特徴&メリットになります。
具体的にどれくらいの初期費用の違いがあるのかというと、太陽熱温水器が30万円もあれば導入できてしまうのに対し、太陽光発電は最低でも100万円は必要。
エコキュートも、初期費用として50万円前後は考えておかなければなりません。
補助金制度の有無などで、実際の初期費用は多少変動しますが、最初から比較的手の出しやすい水準で販売されている太陽熱温水器は、とても魅力的ではないでしょうか。
特徴&メリット③太陽光発電よりも熱変換効率が高い
太陽熱温水器の特徴&メリットは、太陽光発電よりも熱変換効率が高いことです。
一般的な太陽光発電の熱変換効率は20%前後ですが、太陽熱温水器の熱変換効率は50〜60%と非常に高い水準になります。
太陽の熱を有効活用できるのが良いですね。
特徴&メリット④地球温暖化対策に貢献できる
地球温暖化対策に貢献できるのも、太陽熱温水器の特徴&メリットです。
紹介してきた通り、太陽熱温水器は太陽の熱を利用して給湯するシステムなため、地球環境を汚しません。
つまり、昨今問題視されている地球温暖化問題を食い止めるアイテムとしても有効なのです。
太陽熱温水器はデメリットが多い?主なデメリットを4つ紹介!
続いて、太陽熱温水器の主なデメリットも見ていきましょう。
太陽熱温水器にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
デメリット①日射量によって受けられる恩恵が変わる
太陽熱温水器の主なデメリットは、日射量によって受けられる恩恵が変わる点です。
たとえば、猛暑日などは屋根の上にある貯湯タンク内のお湯も温かくなるので、それを家庭で使う場合は水を入れて温度調整が必要になります。
反対に、豪雪地などで日中の日照時間が少ない場合は貯湯タンク内の温度も低くなるため、作られたお湯を追い炊きするなどの手間がかかります。
実際、豪雪地域などでは、貯湯タンク内の温度を保てる保証ができないという理由から、設置が推奨されていない地域もあります。
具体的な部分に関しては、メーカーや施工店などに確認できると良いでしょう。
デメリット②屋根の補強が必要な場合がある
屋根の補強が必要な場合があるのも、太陽熱温水器のデメリットです。
太陽熱温水器は住宅の屋根に設置しますが、300kgを超える貯湯タンクを屋根に設置しなければならないため、古い住宅では太陽熱温水器を購入する前に屋根の補強が必要になる可能性もあります。
この場合、太陽熱温水器の購入費用とは別に、屋根の補強費用も考えなくていけないので注意しましょう。
デメリット③補助金対象としている自治体が少ない
太陽熱温水器のデメリットは、補助金対象としている自治体が少ないことです。
昨今、地球温暖化を食い止めるため、国や各自治体は太陽光発電やエコキュート、蓄電池など省エネシステムを導入した家に対して補助金制度を実施しています。
しかし、太陽熱温水器が補助金対象になっている自治体は残念ながら少なく、補助金制度が受けられない場合は初期費用を全額自腹で支払う必要があるのです。
補助金制度については、お住まいの市区町村の公式ホームページなどを見て、事前に制度の有無や具体的な内容を確認できると良いでしょう。
デメリット④冬に作られるお湯の温度が低い
太陽熱温水器は、冬に作られるお湯の温度が低いというデメリットもあります。
太陽熱温水器を多く販売しているコロナ社によると、冬は30℃前後までしか給湯できないということです。
冬に30℃の湯舟に浸かる人はいないでしょうから、太陽熱温水器で給湯した30℃前後のお湯をお湯張りする場合、追い炊きが必要になるということです。
お風呂は毎日のことですから、お湯張りと追い炊きを最低でも1度ずつ行わないといけないのは、なかなか面倒な作業といえるでしょう。
太陽熱温水器の購入時は太陽光発電などとの違いを要検討!
今回の記事では、太陽熱温水器の特徴やデメリット、太陽光発電やエコキュートとの違いを紹介しました。
太陽熱温水器はとにかく初期費用が良心的で、ガス代の節約が大きく見込めるシステムです。
ただ、太陽光発電やエコキュートに比べて「どうなの?」と思われる部分も確かに多く、太陽光発電やエコキュートに比べて需要が落ち着いているのもそのためです。
どのシステムを採用するのかは家庭次第なので、しっかり家族で話し合って、メリットとデメリットをしっかり頭に入れた上で太陽熱温水器を購入できると良いでしょう。
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この記事の監修者
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