PCの停電対策に役立つ電源「UPS」とは?ポータブル電源との違いも解説!
台風や地震、落雷などで急な停電が発生し、デスクトップPCや録画中のテレビ番組のデータを紛失して困った経験はありませんか?
そんな方におすすめなのが「無停電電源装置(UPS)」と呼ばれる機器です。停電が起きても瞬時に電源を復旧できるため、大切なデータの保護に役立ちます。
本記事では、UPSの特徴や活用法、さまざまな種類ごとの機能の違いや、設置するメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
記事の後半では、UPSと家庭用蓄電池・ポータブル電源の使い分け方や、コスパ良好なおすすめ3モデルの魅力もご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!
目次
無停電電源装置(UPS)とは?特徴や種類・長所や短所を解説
まずはじめに、UPSならではの特徴や便利な活用法、種類ごとの違いやメリット・デメリットを解説していきます。
【UPSの特徴】あらゆる停電・電源トラブルを瞬時に解決
無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply)とは、停電などの電力トラブルが発生した際に、瞬時に電子機器に電力を供給する機器のことです。
UPSは複数のACコンセントと大容量のバッテリーが搭載されており、デスクトップPCやサーバー、外付けHDDなどさまざまな電子機器を停電によるデータ損傷から守ってくれます。
UPSは停電だけでなく、落雷や送電網のトラブルによる「一時的・断続的な電圧低下」が生じたときも電力の安定供給を行うため、大切なデータを扱うオフィスなどでも普及しています。
【UPSの種類】家庭用ならラインインタラクティブ方式が主流
無停電電源装置(UPS)には3つの種類があり、目的や用途に合わせて以下のように使い分けられています。
UPSの種類 | 特徴や用途・導入例 |
常時インバータ給電方式 | ・常にインバータを通して給電するため、安定性が非常に高い ・停電発生時には完全に無停電で電力の切り替えを行う ・他種より高価であり、金融機関や工場などで導入されている |
常時商用給電方式 | ・停電時のみ、UPSからの給電に切り替わる ・切替時に一瞬の停電が起こるが、一般的なPCなどには問題ない ・最もコスパが高く、中小オフィスなどで導入例が多い |
ラインインタラクティブ方式 | ・変圧器(トランス)を内蔵しており、電圧低下時も給電を行う ・常時商用給電方式より切替スピードが早く高性能 ・小型モデルも多く、家庭用の停電対策として人気が高い |
【長所・短所】デスクトップPCに最適だが長時間停電には弱い
無停電電源装置(UPS)のメリットは、デスクトップPCやテレビ録画などの「一瞬でも停電が許されない機器」の電力バックアップとして最適なことです。
家庭用蓄電池は停電発生から給電開始までに「約5秒」のタイムラグが発生してしまうため、電子機器の大切なデータが破損してしまう可能性はゼロではありません。
一方で、UPSには「蓄電池より容量が小さい」というデメリットがあり、数時間にわたる停電中のPC使用や、エアコンなどの高負荷家電の運転はできません。
「家庭用蓄電池」や「ポータブル電源」はUPSと何が違う?
UPSの代用品として比較されることの多い「家庭用蓄電池」や「ポータブル電源」の特徴や、UPSとの違いを以下にまとめました。
機器の種類 | 特徴・UPSとの違い |
家庭用蓄電池 | ・バッテリー容量が大きく、停電中には家中の家電をバックアップできる ・太陽光発電との連携ができ、数日にわたる大停電でも自給自足が可能 ・停電発生から切り替えまでに数秒かかるため、UPSとの併用がおすすめ |
ポータブル電源 | ・コンセントひとつで充電でき、持ち運び可能な汎用性の高い蓄電池 ・レジャーや避難所生活にも活躍するが、家庭用の太陽光発電と連携できない ・停電時にタイムラグ無しで給電を行うパススルー機能付きモデルもある |
ポータブル電源をUPSの代わりに使える「パススルー機能」とは?
パススルー機能とは、「コンセント・ポータブル電源・電子機器」の順番で接続することでポータブル電源に充電しながら電子機器への給電ができる機能のことです。
パススルー機能の使用中に停電が発生しても、ポータブル電源はそのまま給電を継続するため、UPSの代用品として便利に活用できます。
一方で、ポータブル電源の機種によっては停電時の切り換えにタイムラグが発生しますので、購入前にはUPSとして使えるかメーカーに確認しておきましょう。
自宅や中小オフィス向け!おすすめUPSを3つご紹介!
つづいて、家庭や中小オフィスでのデータ保護に最適な、3つのおすすめUPSの特徴や魅力をご紹介していきます。
【おすすめ①】APC / BR400S-JP E
国内トップクラスの販売実績を誇るAPCの「BR400S-JP E」は、「約1万7,500円」の実売価格ながら、高性能なラインインタラクティブ方式を採用した「400VA / 240W」モデルです。
通常の停電だけではなく、電線トラブルなどで起こる電圧低下時にも給電を行うため、重要なデータを扱う外付けHDDなどへの設置に適しています。
独自の「雷サージ機能」の搭載により、落雷による瞬間的な電圧変化からも電子機器を保護してくれますので、台風などで雷が多い地域にお住まいの方でも安心ですね。
【おすすめ②】オムロン / BW55T
蓄電池メーカーとしても人気が高いオムロンの「BW55T」は、5年間の連続使用にも耐えうる長寿命設計が魅力的な「550VA / 340W」の常時商用給電方式モデルです。
無償で3年間の長期保証が付いているほか、有償で最長7年間への延長も可能なため、家庭用での使用はもちろんオフィスでの備品としての購入に最適です。
オムロンのUPSは工場などでの導入例も多く、動作の安定性や信頼性の高さはお墨付きですので、確実にデータを守ってくれるUPSをお探しの方におすすめできます。
【おすすめ③】CyberPower / CPJ500
圧倒的なコスパで着実にシェアを拡大するCyberPowerの「CPJ500」は、「1万5,000円」ほどの低価設定がうれしい「500VA / 300W」の常時商用給電方式モデルです。
デスクに置いても邪魔にならない「幅92mm」のコンパクト設計ながら、合計6つのコンセントが搭載されているため簡易的な電源タップとしても活躍します。
同社が販売している最小モデル「CP375」なら「約6,500円」で購入できますので、バックアップしたい機器の電力に合わせて選択すると良いでしょう。
まとめ:PCの停電対策にはUPSが最適!蓄電池と併せて検討しよう
本記事でくわしく解説してきた「無停電電源装置(UPS)の特徴やメリット」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 無停電電源装置(UPS)とは、停電時に瞬時に電力のバックアップを行う機器のこと
- 停電発生からタイムラグなしで給電を行うため、デスクトップPCのデータ保護に最適
- バッテリー容量は家庭用蓄電池より少なく、数時間にわたる停電対策としては不向き
- UPSにはさまざまな種類があるが、家庭用ではラインインタラクティブ方式が人気
- パススルー機能やUPS機能付きのポータブル電源なら、UPSの代用品としても使える
突然の停電から大切なデータを守ってくれるUPSですが、長時間の機器運用はできないため、家全体の停電対策としては蓄電池の方が適しています。
デスクトップPC・外付けHDD1台分のバックアップなら「2万円以下」のUPSでも充分に機能しますので、蓄電池と合わせて導入を検討しておくべきでしょう。
UPSに比べて高額な初期費用がかかる蓄電池ですが、補助金制度や初期費用0円プランなどの活用で負担を減らせますので、ぜひこの機会に検討してみてくださいね!
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この記事の監修者
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