住宅用蓄電池を購入したい!選ぶ基準やメリットデメリットは?
停電対策や電気代削減のため、住宅用蓄電池の需要が高まっています。蓄電池は、その名の通り電力を溜めるシステムのことですが、具体的にどういった特徴があるのでしょうか。
今回の記事では、蓄電池の種類や選ぶ基準、メリットとデメリットを解説します。住宅用蓄電池の購入を検討している方、必見です。
目次
住宅用蓄電池を購入したい!選ぶべき蓄電池の種類は使い方で決まる?
住宅用蓄電池には大きく分けて2つの種類があります。どちらを選ぶべきかは、住宅用蓄電池の使い方で決まります。今回の章では、住宅用蓄電池の使い方別の選び方を解説するので、ぜひ参考にしてください。
【太陽光発電と連系】住宅用蓄電池の使い方
住宅用蓄電池を太陽光発電と連系する場合、選ぶべきは「ハイブリッド型蓄電池」です。
ハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電のパワーコンディショナー(以下・パワコン)の役割を果たせる一石二鳥の住宅用蓄電池です。ハイブリッド型蓄電池を導入するメリットは、太陽光発電が発電した電力を無駄なく蓄電できることになります。
以下は、太陽光発電が発電した電力をそのまま家庭で使う場合の流れです。
①太陽光発電が「直流電力」を発電
②太陽光発電のパワコンが「交流電力」に変換
③家庭で「交流電力」を使う
太陽光発電で発電される電力は「直流電力」で、家庭で使用できる電力は「交流電力」になります。つまり、どこかで一旦、電力の変換作業が必要ということです。
では、発電した電力を夕方以降に使う場合、どういった流れになるのでしょうか。以下は、ハイブリッド型蓄電池を導入した場合の電力の流れです。
①太陽光発電が「直流電力」を発電
②ハイブリッド型蓄電池が「直流電力」を蓄電
③ハイブリッド型蓄電池が「交流電力」に変換
④家庭で「交流電力」を使う
発電された電力をそのまま家庭で使う場合と同様、電力の変換回数は1回です。発電した電力を効率的に使えるので、住宅用蓄電池や太陽光発電を導入する意味を見いだせるでしょう。
【太陽光発電と非連系】住宅用蓄電池の使い方
太陽光発電と連系しない場合、選ぶべきは「単機能型蓄電池」です。
太陽光発電を連系していないので、電力会社から買電した夜間の割安電力を単機能型蓄電池に溜め、それを1日かけて使っていく流れになります。蓄電残量が乏しくなると、日中の割高電力を買電する必要があるので注意が必要ですが、停電対策や電気代の削減といった使い方は可能です。
また、太陽光発電のパワコンの寿命が残った状態で住宅用蓄電池を後付けする場合も、単機能型蓄電池を選ぶべきといえます。この場合、発電と蓄電、家庭での電力使用が以下のような流れになるので注意しましょう。
①太陽光発電が「直流電力」を発電
②太陽光発電のパワコンが「交流電力」に変換
③単機能型蓄電池に溜めるため「直流電力」に変換
④単機能型蓄電池に「直流電力」を蓄電
⑤蓄電池ユニットで④を「交流電力」に変換
⑥家庭で「交流電力」を使う
つまり、電力の変換がハイブリッド型蓄電池のときより多くなるのです。太陽光発電がせっかく多くの電力を発電してくれたのに、使える電力が少なくなるのはデメリットといえるでしょう。
住宅用蓄電池を購入したい!どういう基準で選ぶべき?
続いて、住宅用蓄電池の選び方の基準を紹介します。
選び方①停電時の使い方を決める
住宅用蓄電池は、停電時の使い方を決めてから機種の選択に入りましょう。具体的には、以下の2種類があります。
- 全負荷型蓄電池…停電時でも家庭内すべての回路に送電する
- 特定負荷型蓄電池…停電時は予め定めておいた回路にのみ送電する
一見、全負荷型蓄電池のほうが良いように思えます。しかし、子ども部屋や書斎などといった、停電時には使わない部屋にも送電してしまいます。住宅用蓄電池の蓄電残量の減りが早くなるというデメリットには注意してください。
選び方②太陽光発電と連携するのか否かを決める
太陽光発電と連系するのか否かを決めるのも、住宅用蓄電池選びで重要です。
具体的な理由は前章で紹介した通りですが、太陽光発電の連系の有無で選ぶべき住宅用蓄電池が変わるからです。
選び方③100V対応型か200V対応型かを決める
100V対応型か200V対応型かを決めるのも、住宅用蓄電池の選び方のポイントです。
100V対応型は従来の一般的な家庭のことで、200V対応型はオール電化家庭や最新家電が多くある家庭のことです。家庭がどちら対応なのかを調べ、適した住宅用蓄電池を購入してください。
住宅用蓄電池を導入したい!メリットとデメリットには何がある?
最後に、住宅用蓄電池を導入した際のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
住宅用蓄電池を導入する主なメリット3選
住宅用蓄電池を導入する主なメリットは、以下の通りです。
メリット①停電対策になる
住宅用蓄電池を導入するメリットは、停電対策になることです。
太陽光発電を連系しない場合も、蓄電残量さえあれば停電を免れることができます。より強固な停電対策を望むのであれば太陽光発電と連系し、日中に蓄電できる環境を整えましょう。
メリット②電気代を削減できる
電気代を削減できるのも、住宅用蓄電池を導入するメリットです。
住宅用蓄電池を導入すると、電力会社との電力契約が「夜間:割安電力」「日中:割高電力」に変更できます。つまり、日中の割高電力を使わない限り、今までよりも電気代が安くなる可能性が高いのです。太陽光発電を連系すれば、日中の割高電力を購入せずとも蓄電ができます。蓄電残量を気にしない生活ができ、暮らしの質が上がるでしょう。
メリット③電力のピークシフトに貢献できる
住宅用蓄電池を導入すると、電力のピークシフトに貢献できるメリットもあります。
発電所は、電力の需要のピークに合わせて発電することしかできません。つまり、需要が落ち着く夜間にも、余るほどの発電をしているのです。地球温暖化の観点から見て、とても深刻な問題です。
住宅用蓄電池を利用すれば、夜間の電力を買電できます。つまり、夜間に余ってしまう電力を有効活用できるのです。また、住宅用蓄電池の需要が高まれば高まるほど、全体における日中の買電量が減るので、電力のピークを抑えることができます。電力のピークを抑えることができれば無駄になる電力も少なくなるので、地球環境問題の観点から見て、非常にメリットだといえるでしょう。
住宅用蓄電池を導入する主なデメリット3選
続いて、住宅用蓄電池を導入する主なデメリットを3つ紹介します。
デメリット①寿命がある
住宅用蓄電池のデメリットは、寿命があることです。
平均的な購入費用として、150万円前後が必要な住宅用蓄電池。しかし、15年前後という寿命があります。15年前後とは、冷蔵庫や洗濯機などの一般家庭に当たり前にある電化製品と同程度。これらの電化製品と同程度の寿命なのにも関わらず購入費用が数倍ともなれば、購入を後ろ向きに見る家庭が多くなるのは当然です。
デメリット②停電対策として心もとない
停電対策として心もとないことも、住宅用蓄電池のデメリットです。
先ほどもお話した通り、住宅用蓄電池を単独使用の場合、停電を免れるのは蓄電残量がある場合のみ。停電対策を何もしていない家庭に比べて1〜2日程度遅れて停電になるので、停電対策としては心もとないといえるでしょう。
デメリット③設置場所の確保が必要
設置場所の確保が必要なのも、住宅用蓄電池のデメリットです。
住宅用蓄電池の設置場所は、屋外と屋内両方あります。容量にもよりますが、一般的にはエアコンの室外機ほどの大きさがある住宅用蓄電池。設置場所に悩む家庭も多いのではないでしょうか。
ちなみに、屋外に設置した場合は、動作音や床の耐荷重を気にする必要はありません。ただ、盗難や近隣住民から動作音の苦情が入る可能性といった懸念点があるでしょう。屋内に設置した場合は、紹介したメリットとデメリットが真逆になります。どちらに設置すべきなのかは、家庭でしっかり検討できると良いですね。
住宅用蓄電池は選び方に気を付けて最適なものを導入しよう!
今回の記事では、住宅用蓄電池の種類や選び方、メリットとデメリットを紹介しました。できることなら太陽光発電と連系し、より強固な電気代の削減や停電対策を実感できると良いのではないでしょうか。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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