フィルム型の太陽光発電の需要が急増!主な特徴やデメリットを紹介!
太陽光発電の需要が増えていることは周知の事実ですが、実は私たちが連想する太陽光発電とは別のフィルム型の太陽光発電にも注目が集まっているというのです。太陽光発電というと、住宅の屋根や商業施設に設置されているものを連想するかと思います。シリコン型のとても頑丈なものが設置されているので、ぱっと見で「太陽光発電」と認識できますよね。では、注目されつつあるフィルム型の太陽光発電は、具体的にどういった特徴があるものなのでしょうか。今回の記事で詳しく解説します。
目次
フィルム型の太陽光発電とは?主な特徴を9つ紹介!
まずは、可能性が無限大といわれるフィルム型の太陽光発電について、具体的な特徴を9つ紹介します。既存の太陽光発電の特徴と照らし合わせて見ていきましょう。
特徴①曲げられる
フィルム型の太陽光発電は、曲げられるという特徴があります。私たちがパッと連想する太陽光発電のイメージとは、まるで異なりますよね。
フィルム型の太陽光発電は、まさにフィルムのような柔らかい素材でできているため簡単に曲げることができ、様々な形状で使用できます。
特徴②薄くて軽量
薄くて軽量なのも特徴です。
たとえば、従来のシリコン型の太陽光発電と比べると、
- 厚さ…1/100程度
- 重さ…1/25程度
です。厚みも重みも少ないということで、可能性が広がるのはいうまでもありません。
特徴③設置場所を選ばない
設置場所を選ばないのも特徴のひとつです。だからこそ、建物の窓や壁、電気自動車の屋根、ドローン、かばんや衣類など、様々な場所での活躍が期待されています。
既存の太陽光発電は、設置場所の細かな指定があります。だからこそ、日射量が多く見込まれる住宅の屋根に設置するのが主流です。しかし、屋根の耐荷重の心配だったり、施工不良による雨漏りのリスク、メンテナンス時に足場が必要になるケースもあるなど、設置に対する課題だったり懸念点が非常に多いのも事実です。
しかしフィルム型の太陽光発電は、各家庭それぞれどこかしらで使用できる可能性があるのです。集合住宅にお住まいでも気軽に導入できる設備ということで、注目が高まっているのも納得できますね。
特徴④エネルギーの変換効率が高い
フィルム型の太陽光発電は、実はエネルギーの変換効率が高いという特徴もあります。以下の表は、太陽光発電の種類別でエネルギーの変換効率を比較したものです。
太陽光発電の種類 | エネルギーの変換効率 |
シリコン型 | 14~20%前後 |
フィルム型 | 23%前後(1cm角の場合) |
フィルム型の太陽光発電の可能性がわかるデータですよね。
特徴⑤低コストで設置可能
フィルム型の太陽光発電は、低コストで設置可能です。
具体的な理由は、薄いのでシリコン型太陽光発電に比べて1/20程度の材料費しかかからないこと、高価な貴金属を使用しないこと、輸送コストや設置コストが最小限で済むことが挙げられます。
特徴⑥低照度でも発電可能
フィルム型の太陽光発電は、低照度でも発電可能という特徴もあります。
従来の太陽光発電は、晴天時と比べると曇天時や雨天時の発電量は極めて少なく、梅雨や台風シーズンなどの発電量低下が問題視されています。
その点フィルム型の太陽光発電は、なんと室内のLED電球の明かりでも発電できるのです。集合住宅などにお住まいの場合でも、太陽光発電というものを気軽に体感できるでしょう。
特徴⑦日本国内で材料が調達可能
フィルム型の太陽光発電の主な原料は、ヨウ素といわれるものです。実は日本は、ヨウ素の生産がチリに次ぎ世界第2位。推定埋蔵量に関しては、世界1位といわれています。ヨウ素を地産地消できれば、当然のごとく材料の運搬費用などを浮かせることができるので、フィルム型の太陽光発電は将来性が高いといわれているのです。
ちなみに、従来の太陽光発電はレアメタル等を必要とするため、材料調達は輸入に頼るほかありません。つまり、国際情勢や為替によって販売価格の変動が激しいといったデメリットがあります。
特徴⑧製造過程で省エネを実感できる
フィルム型の太陽光発電は、製造過程で省エネを実感できる特徴があります。というのも、製造にかかる温度が100℃で済むからです。
ちなみに従来の太陽光発電は、製造する際に1400℃の高温が必要です。当然のごとく、温度が低いほうが省エネなので、フィルム型の太陽光発電のほうが省エネになります。
特徴⑨色を変えることができる
色を変えることができるのも特徴のひとつです。
フィルム型なので、塗料を変えることで黒や赤、オレンジなど、様々な色に変えることができます。どこへでも設置できるフィルム型の太陽光発電だからこそ、使用用途に合わせた色合いをチョイスできるのは嬉しい特徴といえるでしょう。
フィルム型の太陽光発電は将来性◎電力需要増に対する期待値は?
フィルム型の太陽光発電ですが、今後の世の中における電力の需要増に対する期待値はどういったものがあるのでしょうか。具体的に解説します。
①太陽光発電用地の少なさを払拭できる可能性がある
オール電化家庭が増えていたり、電気自動車が主要な世の中になるといわれていたり、今後の世の中において「電力」は欠かせないものになります。だからこそ、発電能力を高めていく必要があるのです。
政府は、2030年までに電力供給の14〜16%を太陽光発電で構成すると発表していますが、2021年までの実績は8.3%に留まっています。しかし、日本は島国なので、現状の倍ほどの太陽光発電設備を設けられる場所には制限があります。そこで活躍が期待されているのが、フィルム型の太陽光発電です。
フィルム型の太陽光発電は電気自動車や住宅の壁や窓など至るところに設置が可能なので、太陽光発電用地の少なさから来る懸念点を払拭できる期待が高まっています。
②送配電のロスを払拭できる可能性がある
送配電のロスを払拭できる可能性についても、期待値が高まっています。
発電所から電力を使う場所の距離が長ければ長いほど、送配電時に多くの電力を廃棄することになります。しかし、フィルム型の太陽光発電は自宅の至るところで発電ができるため、送配電時のロスが生まれることはありません。電力を自給自足できる家を実現できるため、停電時も安心した暮らしを送ることができるでしょう。
フィルム型の太陽光発電は将来性抜群!主なデメリットは?
フィルム型の太陽光発電はとても多くの特徴があって、将来性も期待されていますが、いくつかのデメリットも存在しています。最後に、代表的なデメリット3つを紹介するので、目を通してみてください。
①安全性に課題がある
フィルム型の太陽光発電は、安全性に課題があるというデメリットがあります。
フィルム型の太陽光発電の主な原料であるヨウ素は、実は以下のような健康問題を引き起こす可能性が示されているため、フィルム型の太陽光発電の安全性も懸念されているのです。
- 甲状腺が肥大する可能性
- 甲状腺機能が低下する可能性
この辺りがクリアになれば、フィルム型の太陽光発電の需要も高まりそうですよね。
②面積を大きくするのが難しい
面積を大きくするのが難しいというのも、フィルム型の太陽光発電のデメリットです。
フィルム型の太陽光発電は、1cm角ほどの小ささであれば十分な発電量を見出すことができます。しかし、せっかくであれば面積を大きくして、生活に困らない程度の発電量を得たいですよね。ただ、フィルム型太陽光発電は、面積が大きくなると性能にバラつきが生じることが判明しているため、開発に時間を要しているようです。
③従来の太陽光発電に比べて寿命が短い
従来の太陽光発電に比べて寿命が短いというのも、フィルム型の太陽光発電のデメリットです。
シリコン型の太陽光発電の平均寿命は30年前後ですが、フィルム型の太陽光発電は5〜10年前後が平均寿命です。寿命が短い主な理由は、以下の通りです。
- 紫外線や赤外線に弱いから
- 湿気に弱いから
特に日本の夏は湿度が高いので、夏場の間だけでも使用環境を室内限定にするなどの対策が必要だといえるでしょう。
フィルム型の太陽光発電は将来性抜群!シリコン型との見比べを!
今回の記事では、フィルム型の太陽光発電の将来性や注目度をお伝えしました。とはいえ、今のところは従来の太陽光発電が主流で、その事実は今後数年は続いていくことでしょう。
シリコン型の太陽光発電を住宅の屋根に設置してお得を実感した生活を送りながら、+αの対策でフィルム型の太陽光発電を積極的に導入できると良いのではないでしょうか。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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