太陽光蓄電池なし電気代の節約効果と仕組み

目次
蓄電池なしの太陽光発電システムの基本的な仕組み
蓄電池を設置しない太陽光発電システムは、発電した電気を直接家庭内で使用し、余った電気を電力会社に売電する仕組みとなっています。日中に太陽光パネルが発電した電気は、まず家庭内の電力消費に優先的に使われ、消費しきれない分は自動的に電力会社の送電網に送られます。
このシステムでは、パワーコンディショナーが直流から交流への変換を担い、電力の流れを制御しています。(※電力会社との系統連系を行う場合、経年劣化が早まることがあります)夜間や発電量が少ない時間帯は、従来通り電力会社から電気を購入することになります。
蓄電池がない分、初期投資を大幅に抑えながらも、日中の電気代削減効果を得ることが可能です。設置費用は一般的な家庭用太陽光発電システム(4kw~5kw)で140万円~200万円程度が目安となっています。
蓄電池なし太陽光発電の電気代削減効果
昼間の電気使用量削減
太陽光発電システムを設置することで、日中の電気使用分をほぼ自家発電でまかなうことができ、大幅な電気代削減が期待できます。一般的な4kwシステムの場合、年間発電量は約4,000kWhとなり、これは一般家庭の年間電気使用量の約80%に相当します。
日中在宅している家庭では、エアコンや照明、家電製品の電力をほぼ太陽光発電でカバーできるため、月額電気代を3,000円~8,000円程度削減する効果が見込めます。特に夏季のエアコン使用量が多い時期には、より大きな削減効果を実感できるでしょう。
売電による収入
家庭で消費しきれない余剰電力は、電力会社に売電することで収入を得られます。住宅用太陽光発電(10kw未満)の売電価格は1kWhあたり15円となっており、設置年度や電力会社によって異なります。
4kwシステムの場合、年間約1,500kWh~2,000kWhの余剰電力が発生し、年間2万円~3万円の売電収入が期待できます。これにより、電気代削減効果と合わせて年間10万円~15万円程度の経済効果を得ることが可能です。
蓄電池ありシステムとの比較
初期費用の違い
蓄電池を設置しない場合の最大のメリットは、初期投資を大幅に抑えられることです。家庭用蓄電池の費用相場は容量1kWhあたり20万円~30万円程度となっており、一般的な4kWh~7kWh容量では100万円~200万円程度の追加投資が必要になります。
蓄電池なしシステムであれば、太陽光発電システムのみの投資で済むため、初期費用を半分以下に抑えながら電気代削減効果を得ることができます。投資回収期間も8年~12年程度と、蓄電池ありシステムの12年~18年より短期間で回収が可能です。
電気代削減効果の比較
蓄電池ありシステムでは、昼間発電した電気を夜間にも使用できるため、より大きな電気代削減効果が期待できます。しかし、蓄電池なしシステムでも日中の電気使用量が多い家庭では十分な削減効果を得られます。
特に在宅勤務や日中在宅時間の長い家庭では、蓄電池なしでも月額5,000円~10,000円の電気代削減が可能で、年間では6万円~12万円の節約効果を実現できます。
蓄電池なしシステムに適している家庭の特徴
日中の電気使用量が多い家庭
在宅勤務をしている方や、日中家にいる時間が長い家庭では、太陽光発電の恩恵を最大限に活用できます。日中のエアコン使用、照明、家電製品の電力消費を太陽光発電でカバーできるため、高い電気代削減効果が期待できます。
特に小さなお子様がいる家庭や、シニア世代の方々など、昼間の在宅時間が長いライフスタイルの方には最適なシステムといえるでしょう。
初期投資を抑えたい家庭
住宅ローンや教育費などの支出があり、初期投資を抑えたい家庭にとって蓄電池なしシステムは理想的な選択肢です。太陽光発電システムのみの投資で済むため、家計への負担を最小限に抑えながら電気代削減効果を得ることができます。
また、将来的に蓄電池の価格が下がった際に後付けで設置することも可能なため、段階的な投資を検討している方にも適しています。
太陽光発電システムの設置費用と工事期間
設置費用の詳細
太陽光パネルの設置費用の相場は、パネルの種類や設置面積、工事内容などによって大きく異なりますが、一般的には1kwあたり35万円~40万円程度となっています。4kwシステムの場合は140万円~160万円、5kwシステムでは175万円~200万円が目安となります。
この費用には、太陽光パネル、パワーコンディショナー、設置工事費、系統連系工事費などがすべて含まれています。設置環境や屋根の形状によって工事費が変動する場合がありますので、詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
工事期間と手続き
太陽光発電システムの設置工事は、一般的な住宅用システムの場合、1~2日程度で完了します。しかし、工事前には電力会社への連系申請や各種手続きが必要で、申請から工事完了まで全体では3~6ヶ月程度の期間を要することが一般的です。
系統連系は申請から承認までに要する期間は通常3ヵ月~6ヵ月程度となっており、この期間中に設置場所の調査や設計の最終調整を行います。
長期的なメンテナンスとランニングコスト
メンテナンス費用
蓄電池なしの太陽光発電システムは、蓄電池の交換費用が不要なため、長期的なメンテナンス費用を大幅に削減できます。太陽光パネル自体は25年~30年程度の長期間にわたって発電を続けるため、ランニングコストは非常に低く抑えられます。
主なメンテナンス項目は、パネルの清掃と点検、パワーコンディショナーの定期点検程度となり、年間1万円~3万円程度の費用で済みます。
パワーコンディショナーの交換
パワーコンディショナーは10年~15年程度で交換が必要になることがありますが、蓄電池用のパワーコンディショナーと比較して交換費用は安価です。交換費用は20万円~35万円程度が目安となります。
将来的な蓄電池後付けの可能性
後付け設置のメリット
蓄電池なしで太陽光発電システムを導入した場合でも、将来的に蓄電池を後付けで設置することが可能です。蓄電池の価格は年々下落傾向にあるため、初期投資を抑えて太陽光発電を導入し、後に蓄電池を追加するという段階的なアプローチも有効な選択肢です。
また、ライフスタイルの変化や電力使用パターンが変わった際に、必要に応じて蓄電池を追加できる柔軟性も魅力の一つです。
技術的な対応
既存の太陽光発電システムに蓄電池を後付けする際は、パワーコンディショナーとの適合性や配線工事が必要になります。最新の蓄電池システムは既設の太陽光発電システムとの連携性が向上しており、スムーズな後付け設置が可能です。
蓄電池の標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度となっており、設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
よくある質問
蓄電池なしの太陽光発電で夜間の電気代はどうなりますか?
夜間は太陽光発電による発電ができないため、従来通り電力会社から電気を購入することになります。しかし、昼間の電気代削減効果と売電収入により、全体的な電気代は大幅に削減されます。日中の電力使用量が多い家庭では、月額5,000円~10,000円程度の節約効果が期待できます。
太陽光発電システムの寿命はどのくらいですか?
太陽光パネル自体の寿命は25年~30年程度と非常に長く、適切なメンテナンスを行えば長期間にわたって発電を続けます。パワーコンディショナーは10年~15年程度で交換が必要になる場合がありますが、蓄電池の寿命30年前後と比較しても、システム全体として長期間の使用が可能です。
雨や曇りの日でも発電しますか?
完全に晴れた日と比較すると発電量は減少しますが、雨や曇りの日でも一定量の発電は可能です。年間を通じて見ると、天候による発電量の変動は平均化されるため、期待される年間発電量に大きな影響はありません。一般的な4kwシステムで年間約4,000kWhの発電量が見込めます。
売電価格は今後どうなりますか?
住宅用太陽光発電(10kw未満)の売電価格は1kWhあたり15円となっており、設置年度や電力会社によって異なります。売電価格は年々下落傾向にありますが、太陽光発電システムの価格も下がっているため、投資対効果は維持されています。自家消費による電気代削減効果が主なメリットとなっています。
停電時に電気は使えますか?
蓄電池なしの太陽光発電システムでも、自立運転機能付きのパワーコンディショナーであれば、停電時でも日中の発電中に限り一部の電力を使用することができます。ただし、使用できる電力は1.5kw程度に制限され、夜間や発電していない時間は使用できません。停電時の電力確保を重視する場合は、将来的な蓄電池の追加設置を検討することをお勧めします。
この記事の監修者

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