ソーラーシェアリングとは?仕組みや設置条件・売電価格を徹底解説!
農地で作物を育てながら、太陽光発電で売電利益を得られる「ソーラーシェアリング」というユニークな取り組みが広がっていることをご存じでしょうか?
食料と電力の自給率を同時に解決できる画期的な方法ですが、「作物の収量が減るのでは?」「トラクターは入れるの?」といった疑問も多く湧いてきますよね。
そこで本記事では、ソーラーシェアリングの概要や仕組み、設置条件や売電収益などについて詳しく解説していきます。
記事を読めばソーラーシェアリングの申請方法も理解できますので、農地にソーラーパネルを設置して副収入を得たい方はぜひご覧ください!
目次
ソーラーシェアリングとは?概要や設置条件・手続きの流れを解説
まずはじめに、ソーラーシェアリングの概要や設置条件、手続きの流れやおすすめ作物を分かりやすく解説していきます。
【農業+売電】ソーラーシェアリングとは?
ソーラーシェアリングとは、水田や畑に支柱を立て、ソーラーパネルを設置して「農業+売電」のダブル収益を得られる画期的な営農・発電方法のことです。
作物の生育に充分な日照量を確保するため、間隔を空けてパネルを設置しますので、収量を保ちながら収入を増やすことができます。
農業機械の高さに支柱を合わせることでトラクターも無理なく入れるため、実際の作業効率への悪影響もほとんどありません。
ソーラーシェアリングは「営農型太陽光発電」とも呼ばれ、食料や電力の自給率を高める新しい考え方として普及が広まっています。
ソーラーシェアリングを設置する条件
農業以外の目的で使用できない「農地」で太陽光発電を始めるには、自治体の農業委員会に「農地の一時転用」の申請が必要です。
農地の一時転用の申請には、農林水産省が示す以下の条件を満たす必要があります。
- 一時転用の許可期間は3年または10年であり、期間後は更新手続きが必要
- 支柱は容易に撤去できる構造にし、適切な農業が継続できるようにすること
- 同年度・同地域の平均収量に比べて2割以上減らないこと
- 農作物の生産に問題がないことを、年に1回報告すること
ソーラーシェアリングはあくまで「営農」を続けることを前提としているため、生産量が落ちないようにパネルの枚数や角度を工夫する必要があります。
ソーラーシェアリングの手続きの流れ
ソーラーシェアリングを開始するまでの手続きの流れは以下のとおりです。
①まず、太陽光発電事業を開始する手続きを行います。
- 経済産業省に「事業計画認定」の申請書を提出する
- 売電するため電力会社と「電力受給契約」を結ぶ
②続いて、自治体の農業委員会に以下の申請書を提出します。
- 農地の一時転用の申請書
- 発電設備の設計図、営農計画書
- 収量への影響の見込みを示すデータ
「手続きが面倒そう…」とお困りの方は、まずは自治体の農業委員会や農協に相談してみましょう。
必要書類の準備からソーラーパネルの選び方まで、丁寧に案内してもらえるはずです。
【米も作れる】ソーラーシェアリングにおすすめの作物は?
ソーラーシェアリングにはコマツナなどの葉菜類やイモ類、観賞用植物などが特に適しています。
太陽光パネルの影響でどうしても日照量が落ちてしまうので、多少の日陰でも生育に問題が少ない「半陰性植物」を選べば問題ないでしょう。
農林水産省のデータによる、ソーラーシェアリングの人気作物を以下にまとめました。
葉菜類・イモ類 | 37% | コマツナ、ホウレンソウ、ネギ、ジャガイモ、サツマイモ |
観賞用植物・花き | 29% | キク、サカキ、シキミ、サボテン、多肉植物 |
その他 | 13% | シイタケ、キクラゲ、茶、キノコ類 |
果樹 | 11% | ブルーベリー、ブドウ、リンゴ、カキ、ミカン |
土地利用作物 | 9% | コメ、コムギ、オオムギ、ソバ、ダイズ、エダマメ |
ソーラーシェアリングは全量売電できる?補助金や今後の動向を解説
次に、ソーラーシェアリングで全量売電する方法や補助金制度、今後の動向について解説していきます。
【自立運転】ソーラーシェアリングで全量売電する方法
原則として、10〜50kWhの太陽光発電では「30%以上」の電力を自家消費しなければなりません。
ところが、ソーラーシェアリングなら「災害時に自立運転できる設備」があれば全量売電が認められます。
具体的には、パワーコンディショナに「自立運転機能」が付いている機種を選べば問題なく認可されます。
収益を重視する方にとって30%の差は非常に大きいものです。発電設備を購入する前に必ずチェックしておきましょう。
ソーラーシェアリングなら国の補助金がもらえる【最大50%】
令和4年度から6年度にかけて、環境省はソーラーシェアリングの設備導入費を最大50%補助する事業を行っています。
補助金の申請はソーラーシェアリング開始の申請と同時に行うため、自治体の農業委員会にまとめて相談すると良いでしょう。
さらに、自治体によってはソーラーシェアリングに対して独自の補助金制度を設けている場合もあります。
国と自治体の補助金を両方もらえば導入コストを大幅に減らせますので、積極的に活用していきたいですね。
ソーラーシェアリングの今後の動向は?
食料と電力の自給率を同時に高めるソーラーシェアリングは、未来の農業のカタチとして今後確実に増えていくでしょう。
環境省が3年間にわたって50%もの補助金制度を打ち出したことも、日本政府がソーラーシェアリングの普及に力を入れている根拠となります。
政府は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」を目指しており、エコな発電方法であるソーラーシェアリングをさらに強化していくことは間違いありません。
ソーラーシェアリングのメリット・デメリット詳しく解説
最後に、ソーラーシェアリングならではのメリットや、気を付けたいデメリットについてご説明していきます。
経済的なメリットが大きいソーラーシェアリングですが、注意点も頭に入れておきましょう。
【農地を有効活用】ソーラーシェアリングのメリット
ソーラーシェアリングのメリットは、農地という大きなスペースを最大限に収入に変えられることです。
日当たりの良い場所に多い農地なら、満足いくソーラーパネルの発電量が期待できるでしょう。
ハウス栽培に必要な暖房費も、売電利益から捻出すれば年間の資金繰りも楽になりますね。
設置には高額の費用が必要ですが、国の助成金がある現在はソーラーシェアリングを検討する最高のタイミングと言えます。
ソーラーシェアリングにデメリットはある?【作物選びは慎重に】
ソーラーシェアリングのデメリットは、作物の収量や作業効率が下がってしまうことです。
どうしても日照量は減るため収量低下は避けられませんので、売電利益と合わせてプラスにする計画性が大切です。
また、数メートルおきに支柱が建つため、トラクターや農業機械の作業効率は落ちてしまうでしょう。
支柱が邪魔で作物を作れない面積も増えますので、慣れるまでは試行錯誤する必要がありそうです。
【まとめ】ソーラーシェアリングを導入して農業収益を賢く増やそう!
本記事で解説している重要なポイントを、もう一度以下にまとめていきます。
- ソーラーシェアリングとは、農地に太陽光発電を設置する営農スタイルのこと
- 災害時の自立運転機能があれば、発電した電力はすべて売電できる
- 葉菜類などの作物なら収量の減少も少なく、年間収入を賢く増やせる
- 申請には多くの手続きが必要な点がネックだが、農業委員会のサポートは手厚い
ソーラーシェアリングは、日当たり抜群な農地を有効活用して「農業+売電」のダブル収益を得られる画期的な取り組みです。
最大50%までもらえる国の補助金制度を利用すれば設置コストを大幅に削減できますので、まずは小さめの農地から導入を始めてみてはいかがでしょうか?
リノベステーションではニチコンやシャープを始めとした蓄電池を取り扱っております。
もちろん、太陽光発電機器との同時購入も可能です!
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にください。
IHやエコキュートのお取り扱いもございます。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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