太陽光発電に最適な電力会社ランキングは?FIT中・卒FIT後の選び方と注意点を徹底比較

太陽光発電を設置した家庭にとって、電力会社選びは電気代(収支)に直結する重要な選択です。「太陽光 電力会社 ランキング」と検索される方は、売電・買電の両面で最もメリットのある契約先を探していることでしょう。
しかし結論から言うと、太陽光発電設置家庭にとって「万人共通の最適な電力会社ランキング」は存在しません。 なぜなら、最適解は「FIT期間中か、卒FIT後か」「蓄電池はあるか、ないか」「日中の電気使用量は多いか、少ないか」によって全く異なるからです。
[Image of solar power electricity provider selection flowchart]
この記事では、単純なランキングを示すのではなく、ご自身の状況に合わせて最適な電力会社(プラン)を見つけるための「判断軸」と「比較のポイント」を専門家の視点で徹底解説します。
- 卒FIT後(FIT満了)の方: 最優先は「余剰電力の買取価格」です。大手電力(7~9円/kWh)より高い新電力や、ポイント還元、預かりサービスなど、多様な売電プランの比較が必須です。
- FIT期間中の方: 売電価格は固定(例:16円/kWh)のため、「買電価格」をいかに安くするかが鍵です。夜間や朝夕の電気使用量に合わせた時間帯別プランや、燃料費調整額の上限の有無が重要になります。
- 蓄電池の有無: 蓄電池がある場合は、夜間に安く電気を買って(貯めて)日中に使うため、「夜間電力プラン」との相性が極めて重要になります。
安易なランキング情報に惑わされず、ご家庭の状況を正しく把握し、最適なプランを選択するための知識を身につけましょう。
目次
第1章:太陽光発電と電力会社選びの基本(FIT制度と電力自由化)
太陽光発電を設置した家庭が電力会社を選ぶ際、なぜ状況によって最適解が変わるのか。その理由は「FIT制度」と「電力自由化」という2つのルールにあります。まずはこの基本を押さえましょう。
FIT制度:売電価格が変わる2つのフェーズ
FIT(固定価格買取制度)は、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた価格で一定期間(住宅用は10年間)電力会社が買い取ることを義務付けた制度です。
- FIT期間中(設置から10年間)売電価格は、設置年度に定められた単価(例:2024年度は16円/kWh)で10年間固定されます。この期間中は、どの電力会社に売っても売電単価は変わりません(※買電プランは自由に変更可能)。
- 卒FIT後(11年目以降)国の固定価格での買取義務が終了します。この時点で、売電先を自由に選べるようになりますが、売電単価は大幅に下落します。
電力自由化:「売電先」も「買電先」も自由に選べる時代
2016年の電力小売全面自由化により、私たちは「電気を買う会社(買電先)」を自由に選べるようになりました。さらに、太陽光発電のFIT期間が満了(卒FIT)すると、「電気を売る会社(売電先)」も自由に選べるようになります。
特に卒FIT後は、従来の地域大手電力(東京電力、関西電力など)が提示する買取価格(例:7円~9円/kWh程度)よりも、新電力が提示するプランの方が高額であったり、ユニークな特典が付いていたりする場合があります。
つまり、太陽光発電家庭の電力会社選びは、「FIT期間中か、卒FIT後か」で、重視すべきポイントが「買電」から「売電(+買電)」へと変化するのです。
第2章:【卒FIT後】売電メリット重視の電力会社プラン比較
FIT期間(10年)が満了した「卒FIT」家庭にとって、電力会社選びの最優先事項は「余剰電力の売電先」です。何もしなければ、自動的に従来の地域大手電力の卒FIT向けプラン(例:7円~9円/kWh程度)に移行しますが、多くの場合、より有利な選択肢が存在します。
卒FIT後の買取プラン比較軸
新電力各社は、卒FITの余剰電力を獲得するために多様なプランを提供しています。単純な買取価格だけでなく、以下の4つの軸で比較検討することが重要です。
| 比較軸 | 特徴 | 主な提供会社(例) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 1. 高額買取プラン | 大手電力の単価(7~9円)より高い買取単価(例:10円~12円/kWh)を提示。 | 新電力、ガス会社、ハウスメーカー系など | とにかくシンプルに売電収入を増やしたい人。 |
| 2. ポイント・特典プラン | 買取単価は標準的でも、売電量に応じて特定のポイント(Ponta, WAON等)が貯まる。 | 通信会社系、小売系(スーパー)など | 特定のポイント経済圏をよく利用する人。 |
| 3. 「預かり」サービス | 余剰電力を一旦電力会社に預け、買電時に相殺できる(実質的に高い単価で買い取ってもらうのと同じ効果)。 | 一部の新電力、太陽光施工店系など | 売電量と買電量のバランスが取れている人。※仕組みが複雑なため要確認。 |
| 4. 蓄電池セットプラン | 蓄電池の導入を条件に、買取単価を優遇したり、機器代金を割り引いたりする。 | ハウスメーカー系、電力会社系 | 卒FITを機に蓄電池の導入も検討している人。 |
卒FITプラン選びの注意点
魅力的に見えるプランでも、契約前に以下の点を確認してください。
- 買取プランの適用条件: 「買電」もセットで契約することが条件か?(売電だけの契約はできない場合が多い)
- 買電プランの料金: 売電単価が高くても、買電単価(特に夜間や基本料金)が割高になっていないか? トータルで収支をシミュレーションする必要があります。
- 契約期間と違約金: 買取プランに契約期間の縛り(例:1年)や、途中解約の違約金が設定されていないか。
卒FIT後の電力会社選びは、売電収入を左右する重要な岐路です。大手電力の提示額を鵜呑みにせず、複数の新電力プランと比較検討することが不可欠です。
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第3章:【FIT期間中】買電メリット重視の電力会社プラン比較
一方、まだFIT期間中(設置から10年未満)の家庭の場合、売電単価は(例:16円/kWhなどで)固定されています。この場合、電力会社選びで重視すべきは**「買電価格(電気を買う値段)」**です。
太陽光発電が稼働しない「夜間」や「朝夕」、または「雨天の日中」に、いかに安い単価で電気を買えるかが、トータルの電気代を抑える鍵となります。
ライフスタイル別:買電プランの選び方
太陽光発電を設置していても、買電がゼロになるわけではありません。ご家庭のライフスタイルに合わせて、以下の2パターンでプランを検討します。
- 日中不在がち・夜間に電気を多く使う家庭(オール電化含む)このタイプに最適なのは、「夜間電力(時間帯別)プラン」です。日中の買電単価は割高ですが、太陽光発電でカバーできるため影響は少なく、夜間(例:23時~翌7時)の割安な電力を利用してエコキュート(給湯)や食洗機、洗濯乾燥機などを稼働させることで、トータルの買電額を大幅に削減できる可能性があります。
- 日中も在宅・電気使用量が多い家庭テレワークや小さなお子様がいて日中もエアコンや家電を使う家庭は、太陽光の発電だけでは足りずに買電が発生することがあります。夜間プランを選ぶと日中の買電単価が高くつくため、あえて「標準プラン(時間帯で単価が変わらない)」を選び、基本料金や従量料金(1kWhあたりの単価)が安い新電力を探す方が合理的かもしれません。
FIT期間中のプラン選びの注意点:「燃料費調整額」
FIT期間中の方が電力会社(買電プラン)を切り替える際に、今最も注意すべきなのが**「燃料費調整額の上限」**です。
- 上限あり(旧大手電力など): 燃料価格が高騰しても、電気代への上乗せ額に上限が設定されているため、電気代の急激な高騰が抑えられます。
- 上限なし(多くの新電力): 燃料価格が上昇した分だけ、青天井で電気代に上乗せされます。基本料金や従量料金が安く見えても、燃料費調整額を含めた総額では、大手電力より遥かに高くなるリスクがありました(※現在は燃料価格が落ち着き、状況は変動しています)。
料金シミュレーションを行う際は、必ず燃料費調整額を含めた「総支払額」で比較することが重要です。
FIT期間中であっても、買電プランの見直しは電気代節約に大きな効果をもたらす可能性があります。ご自身の電気使用パターンを「検針票」や「会員サイト」で確認し、最適なプランを検討しましょう。
第4章:最適解を変える「蓄電池」の有無と電力会社選び
太陽光発電家庭の電力会社選びにおいて、最適解を根本から変えてしまう要素が「家庭用蓄電池」の有無です。蓄電池を導入すると、電力会社との付き合い方が「売る」「買う」から**「貯めて使う(自家消費)」**へとシフトします。
蓄電池導入のメリット
蓄電池を導入するメリットは、主に以下の3点です。
- 自家消費率の最大化(経済的メリット)日中に発電して余った電気を、売電(卒FIT後:7~9円)するのではなく、蓄電池に貯めます。そして、夜間にその電気を使うことで、電力会社からの買電(20~40円/kWh)を大幅に減らせます。「安く売る」より「高く買わない」方が経済的メリットは大きいのです。
- 夜間電力の活用夜間の安い電力を買って蓄電池に貯め、太陽光が発電しない朝夕や、発電量が落ちる雨天の日中に使うことができます。
- 災害時の非常用電源(防災メリット)台風や地震で停電が発生しても、蓄電池に貯めた電気を使うことができます(特定負荷型・全負荷型で使える範囲は異なります)。
蓄電池がある場合の電力会社選び
蓄電池を導入している(または導入予定の)家庭では、「夜間電力プラン」との組み合わせが基本戦略となります。
蓄電池の経済効果を最大化するには、「日中の買電単価」と「夜間の買電単価」の価格差が大きいほど有利です。夜間に格安で電気を仕入れ(蓄電し)、最も単価の高い日中の買電をゼロに近づけるためです。
卒FIT後で蓄電池を導入する場合、「余剰電力の高額買取」をアピールするプランよりも、「夜間電力が安い」プランを優先的に探す方が、トータルの経済メリットは大きくなる可能性が高いです。
太陽光発電のメリットを追求すると、電力会社選び(プラン)と蓄電池導入(設備)は、切っても切れない関係にあると言えます。
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第5章:電力会社切り替え(新契約)の注意点と失敗しないコツ
ご家庭の状況(FIT期間、蓄電池の有無)に合わせて最適なプランの方向性が見えたら、最後に契約切り替えにおける注意点を確認します。安易なシミュレーション結果だけを見て契約すると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
注意点1:シミュレーションは「1年間の総額」で比較する
電力会社のウェブサイトにある簡易シミュレーションでは、電気使用量が多い月(夏や冬)だけを見ると大幅に安くなるように見えることがあります。しかし、太陽光発電の収支は季節変動が非常に大きいです。
- 発電量が多い春・秋
- 発電量が少なく、冷暖房で買電が増える夏・冬
必ず、**直近12ヶ月分の「検針票(使用量・売電量)」**を手元に用意し、年間の総支払額(または総収支)で比較してください。特定の月だけを見て判断するのは危険です。
注意点2:契約期間の縛りと違約金
特に卒FIT後の高額買取プランや、特典付きのプランの中には、「2年契約(自動更新)」「期間内の解約は違約金〇〇円」といった縛りが設けられている場合があります。
契約する前に、契約期間の有無、更新の仕組み、中途解約時のペナルティを必ず確認しましょう。特に、将来的に引っ越しや蓄電池導入の可能性がある場合は、縛りのないプランを選ぶ方が無難です。
注意点3:切り替え手続きと費用
電力会社の切り替え(買電・売電)は、新しい電力会社に申し込むだけで、現在の会社への解約手続きは不要な場合がほとんどです。費用も原則かかりません。
ただし、スマートメーターが未設置の場合は、交換工事(原則無料)が必要になることがあります。また、プランによっては申し込みから切り替え完了まで1~2ヶ月程度かかる場合もあるため、余裕を持って手続きしましょう。
太陽光発電家庭の電力会社選びは、数多くの選択肢があるため複雑です。しかし、ご自身の状況(FIT/卒FIT、蓄電池有無、ライフスタイル)を整理し、これらの注意点を踏まえて比較すれば、必ず最適なプランが見つかります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 太陽光の余剰電力買取価格の相場は?(卒FIT後)
FIT期間満了後(卒FIT)の余剰電力の買取価格は、電力会社によって大きく異なります。従来の地域大手電力(東京電力、関西電力など)は、7.0円~9.0円/kWh程度(2024年度時点)が相場です。
一方で、新電力各社はこれより高い単価(例:10円~12円/kWh)を提示したり、ポイント還元や「預かりサービス」といった形で実質的なメリットを上乗せしたりしている場合があります。
何もしなければ大手電力の単価が適用されますが、より有利な条件の売電先がないか、複数の電力会社を比較検討することを強く推奨します。
※買取単価は地域や時期によって変動します。
Q2. 太陽光があっても電力会社の切り替えはできる?
はい、FIT期間中であっても、卒FIT後であっても、電力会社(プラン)の切り替えは可能です。
- FIT期間中:売電先と売電単価は10年間固定ですが、「買電(電気を買う)」契約は自由に切り替えられます。夜間プランや基本料金の安いプランに変更可能です。
- 卒FIT後:「買電」契約と「売電」契約の両方を、自由に切り替えることができます。売電と買電を別々の会社と契約することも理論上は可能ですが、多くのプランはセット契約を求められます。
切り替え手続きは新しい電力会社に申し込むだけで、費用もかからないのが一般的です。ただし、現在の契約に違約金がないかは確認が必要です。
Q3. 蓄電池があるとどの電力会社プランが良い?
家庭用蓄電池を設置している場合、「夜間の電力単価が安い、時間帯別プラン」を選ぶのが基本戦略です。
蓄電池の経済メリットは、安い夜間電力を蓄電池に貯め、単価の高い日中にその電気を使う(=電力会社から買わない)ことで最大化されます。したがって、日中と夜間の電力単価の差(電電格差)が大きいプランほど、蓄電池との相性が良いと言えます。
卒FIT後の場合、余剰電力を高く売る(売電)ことよりも、安い夜間電力を活用して高く買う(買電)を減らす「自家消費」を優先する方が、トータルの経済メリットは大きくなる傾向があります。
Q4. 太陽光向けの電力会社選びで失敗しないコツは?
失敗しない最大のコツは、「ご自身の状況を正確に把握すること」と「総額で比較すること」です。
- 状況把握:まず「FIT期間中か、卒FIT後か」「蓄電池はあるか、ないか」を明確にします。
- データ準備:直近1年分の検針票を用意し、「総発電量」「総売電量」「総買電量(できれば時間帯別)」を把握します。
- 総額比較:魅力的な買取単価や割引額だけでなく、「基本料金」「従量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」をすべて含めた年間の「総支払額」または「総収支」でシミュレーションし、比較します。
- 条件確認:契約期間の縛りや違約金の有無を確認します。
※特に「燃料費調整額」の上限の有無は、総支払額に大きな影響を与える可能性があるため、必ず確認してください。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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