蓄電池とは?電気代が安くなる?わかりやすく基礎から解説!
目次
蓄電池とは簡単に説明するとどんなもの?疑問を解決!
蓄電池という言葉、一度は耳にしたことがあるはずです。
しかし、蓄電池はどのようなもので、仕組みまで説明できる方は少ないのではないでしょうか。
そして、実は最近では自宅に蓄電池を設置して電気を貯めておくという選択をする方が増えています。
今回の記事では蓄電池とは簡単に説明すると何なのかを導入のメリット・デメリットや今自宅への設置が増えている背景などと共に解説していきます。
蓄電池とはどんなもの?【簡単に基礎の仕組みから解説!】
そもそも蓄電池とは
さて、さっそく蓄電池とは一体何なのかというところから解説していきます。
現在蓄電池といえば太陽光発電とセットで導入される電池という認識を持つ方も多いかもしれません。
しかし、蓄電池は家庭設置用の大型のものだけでなく、充電して何度も使える電池を広く指す言葉です。
そのため、蓄電池は充電池とも呼ばれています。
身近な例でいうとノートパソコンやスマートフォン用の電池も、もちろん蓄電池の一種となっています。
ただ、今回の記事では自宅に設置して電気を充放電できるタイプの蓄電池をメインにお話します。
蓄電池の仕組みについて
続いて蓄電池の仕組みについて軽くお話しします。
蓄電池は通常の電池と同様にマイナス極には電解液に溶けやすい金属、プラス極には電解液に溶けにくい金属が使用されています。
マイナス極の金属が電解液に溶けて電子を発生させ、それがプラス極に流れて電気が放電されるという仕組みです。
蓄電池が普通の電池と違うのは使っている素材です。
通常放電をし続けるとマイナス極が溶けてなくなってしまいますが、蓄電池は特殊な素材を使っているため充電をすることで元に戻るのです。
プラス極の金属を溶かして電子を発生させ、マイナス極に流れ込んだ後固体化するということです。
蓄電池の種類を簡単に解説!【蓄電池とは?】
ここまで蓄電池の仕組みについて解説してきました。
どの蓄電池も基本的に充放電を行う仕組みは一緒ですがどのような金属・電解液が使われているかは異なっています。
そこで、ここではメジャーな蓄電池を種類ごとに簡単に解説していきます。
鉛蓄電池
150年以上の歴史をもつ、最も古い蓄電池と呼ばれているのが鉛蓄電池です。
鉛蓄電池は、自動車のバッテリーやコンピュータなど比較的大きい電力を必要とするものに使われる傾向があります。
原料の鉛は安価であるため容量当たりの電力の単価が安く、大きな起電力をもつため大電流を取り出すことができるという特徴があります。
逆にデメリットとしては使用経過によって充電性能が劣化してしまう点、他の電池と比べると大型で重い点が挙げられます。
ニッケル水素電池
ニッケル水素電池は主に乾電池タイプとして使用されている蓄電池で最もポピュラーな蓄電池の一つです。
携帯電話やデジタルカメラ、掃除機やライトなどに使われることが多いです。
ニッケル水素電池のメリットとして、単位質量当たりの電池容量が大きいという特徴があります。
また、荷重電や過放電に強く、安全性の高い電池であると言われています。
反対に、デメリットとしては自然放電で容量が勝手に減ってしまうことがあったり、勝手に電圧が下がったりしてしまうという点が挙げられます。
リチウムイオン電池
ノートパソコンやスマートフォンで使われることが多いのがリチウムイオン電池です。
小型で軽量であるのに大容量という特徴をもつため多くのモバイル機器に搭載されることが多くなってきています。
小型で軽いだけでなく、劣化しにくく、繰り返しの充電放電にも適しているとあってとても人気です。
デメリットとしては温度変化に弱いという点と価格が高い点が挙げられます。
NAS電池
NAS電池は日本ガイシが開発した蓄電池です。
メガワット級の電力貯蔵設備を可能とするほどの容量の大きさが特徴的です。
大きな電力貯蔵システムで使われることが多く、一般の人にはなじみがないかもしれません。
また、大容量の割に安価で、メンテナンスが不要で電圧低下が防げる点も魅力です。
デメリットとしては温度を300度に維持しないといけないため取り扱いが難しいという点が挙げられます。
蓄電池とは何か簡単に解説!蓄電池が普及し始めた理由に迫る
ひと昔前までは蓄電池は産業用に使用されることがほとんどでした。
最近になって家庭用の蓄電池が普及してきた背景についてここでは解説していきます。
蓄電池が広がってきたのにはいくつも理由が考えられるため今回は3つご紹介します。
災害時の備えになる
蓄電池があれば、地震や台風などの災害で停電になった時も電気を使うことができます。
2011年の東日本大震災や各地で起きた豪雨を経験して防災意識が高まった方も多いはずです。
もしものために備えておこうと蓄電池の導入を検討されている方がいるのです。
特に小さいお子様や高齢者の方がお住まいの家庭にはあると安心ですよね。
FITの終了
FITとは太陽光発電の固定価格買取制度のことです。
これは、簡単に言うと自宅で発電した電気を電力会社が一定の期間、一定の金額で買い取るということを保証する制度です。
この保証する期間が10年であり、FITが始まって10年がたつ2019年以降はこの期間が終了してしまう人が出てきます。
この期間が終了してしまうと、電力の売電価格が大幅に下がってしまい、売電による収入が以前に比べて期待できなくなってしまいます。
そのため、FITの期間が終了してしまった人は発電した電気を売るのではなく自宅で消費するという選択が賢い使い方になってきます。
つまり、蓄電池により発電した電気を貯めておくことのできる蓄電池が注目されるようになってきているのです。
※FIT制度について詳しくはこちら↓
価格の低下
要因として忘れてはいけないのは蓄電池自体の価格の低下です。
もともと蓄電池は高額で、一般的な家庭では手を出せないほど高額でした。
しかし、家庭用蓄電システムの価格は年々下がってきています。
2017年の蓄電システム価格が18.8万円/kWhであったのに対して2019年度には13.0万円/kWhとなっています。
さらに今後安くなっていくという予想もあります。
国際再生可能エネルギー機関が2017年に発表した資料によると2030年までに定置型の蓄電池のコストが最大66%下がる見通しがあるようです。
蓄電池のメリットとデメリット【蓄電池とは何か簡単に説明!】
蓄電池のメリット
まずは蓄電池を導入するとどのようなメリットが考えられるのかを見ていきます。
ここでは3つご紹介します。
非常時の備えになる
先ほども触れましたが、蓄電池を導入する大きなメリットになってくるのが、停電時にも電力を使うことができるということです。
日本は災害が多い国であるため、もしものときに自宅の電気が使えないのは不安ですよね。
蓄電池を導入すると、停電時であっても貯めた電気を使うことができます。
電気代を安く抑えることができる
実は蓄電池を導入することによって、電気代を安く抑えることができることを知っていましたか。
これには、時間帯による電気料金の差が関係しています。
深夜の電気料金は昼間よりも、安く設定されている場合が圧倒的に多いのです。
この差を上手く使うことによって、深夜の安い電気を貯めておき、電気代を節約することができます。
電気自動車と連携することができる
太陽電池モジュール、家庭用蓄電池、電気自動車内臓蓄電池をスムーズに連携してくれるシステムのことをトライブリッド蓄電システムといいます。
昼間電気自動車で出かけるとき発電した電気を蓄電池に貯めておくことができ、帰宅後は蓄電池から貯めておいた電気を、電気自動車の充電に使うこともできます。
電気自動車を日中使う人も、家庭用蓄電池を上手く利用することで電気を賢く利用できるのは魅力的ですよね。
蓄電池のデメリット
次に、蓄電池を導入するとどのようなデメリットが考えられるのかも見ていきます。
同様に、3つご紹介します。
導入費用が高い
先ほど蓄電池の価格は下がってはきているとお話ししましたが、現状の蓄電池を導入する設置コストのハードルは低くありません。
メーカーや機種によっても異なりますが、蓄電池の本体の価格だけで50万円~140万円程度のコストがかかります。
これに加えて工事費用などの諸費用もかかるため設置費用の合計は90万円~160万円程度だと考えたほうがよさそうです。
蓄電池には寿命がある
蓄電池は残念ながら永遠に使えるわけではありません。
充放電を繰り返しているうちに劣化していき最大に蓄電容量が落ちてしまいます。
そのため、10年~15年で交換が必要になってきます。
メーカーや蓄電池の種類によってこの寿命は変わってくるので、購入する際には蓄電池の寿命にも注目してみるのが良いでしょう。
蓄電池で元を取るのは難しい
節電になるとお話ししたので元をとることが可能だと考える方もいるかもしれません。
上二つで紹介したように導入にそれなりにお金がかかり、寿命が存在するため元をとることは現状かなり難しいです。
しかし、今後さらに蓄電池が求めやすい価格になっていくことが予想されますので元を取れることも不可能ではなくなってくるかもしれません。
忘れていけないのは、蓄電池は災害時の備えになるという大きなメリットです。
元を取ることがすべてではないと考えるのもよいのではないでしょうか。
蓄電池とは何なのかを簡単に説明!【まとめ】
この記事では蓄電池とはどのようなものなのかについて様々な視点から解説してきました。
蓄電池の種類や導入のメリット・デメリットなど、ためになる知識が多かったのではないでしょうか。
この記事をきっかけに家庭用蓄電池の導入の検討を進めてくださる方がいれば幸いです。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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