訪問販売が許される時間は法律で決まってる?夜間の勧誘や迷惑行為への対処法を徹底解説

しかし、巧妙化する訪問販売のトラブルを避けるには、時間ルールだけでなく、悪質な手口や正しい対処法を知っておくことが不可欠です。この記事では、太陽光発電や住宅リフォームなどの訪問販売から身を守るために必要な知識を網羅的に解説します。
- 法律で定められた訪問販売の時間:特定商取引法に基づく許可時間(原則午前8時〜午後9時)と、例外となるケースを詳しく解説します。
- 時間以外の禁止行為:しつこい勧誘や嘘の説明など、時間帯に関わらず法律で禁止されている悪質な手口を紹介します。
- 具体的な断り方と相談先:突然の訪問にも冷静に対処できる断り方のフレーズや、万が一トラブルになった際の公的な相談窓口をまとめました。
目次
訪問販売の時間ルールを定める「特定商取引法」とは?
まず、訪問販売のルールを理解する上で最も重要な法律が「特定商取引法(特商法)」です。この法律は、事業者による違法・悪質な勧誘行為などを防ぎ、消費者の利益を守ることを目的としています。太陽光発電や蓄電池、エコキュート、外壁塗装などの住宅設備に関する訪問販売も、この法律の対象となります。
特商法では、消費者が不意打ち的に勧誘を受けることで冷静な判断ができないまま契約してしまうことを防ぐため、さまざまな規制を設けています。その一つが、勧誘時間の制限です。
原則は「午前8時~午後9時」まで
特定商取引法施行規則第7条にて、事業者は午後9時から翌朝の午前8時までの間に、訪問販売のための勧誘を行うことを原則として禁止されています。これは、夜間や早朝といった私生活の平穏を害する時間帯に勧誘を行うことが、社会通念上、迷惑と判断されるためです。
もし、この時間帯以外にアポイントもなく突然訪問し、太陽光発電などの商品を勧誘してきた場合、その時点で法律に抵触している可能性が高いと言えます。業者名と担当者名、訪問時間を記録しておきましょう。
例外:消費者が事前に承諾している場合
ただし、この時間制限には例外があります。それは、消費者が自ら「この時間に来てほしい」と要請し、事前に承諾している場合です。例えば、仕事の都合で「平日の夜10時に説明を聞きたい」と消費者側から依頼したケースなどがこれに該当します。あくまで消費者からの能動的なリクエストがあった場合にのみ、時間外の訪問が許可されると理解しておきましょう。
このように、訪問販売の時間には明確な法的ルールが存在します。この基本ルールを知っておくだけでも、不当な勧誘に対する大きな防御策となります。
時間だけじゃない!太陽光発電の訪問販売で禁止される迷惑行為
悪質な業者は、単に時間外に訪問するだけでなく、消費者を巧みに誘導し契約させるための様々な手口を使います。特定商取引法では、時間制限以外にも以下のような迷惑行為を明確に禁止しています。代表的な手口を知り、自己防衛に役立てましょう。
| 禁止されている行為 | 太陽光発電などでの具体例 |
|---|---|
| 不実告知(嘘の説明) | 「絶対に元が取れる」「このパネルは全くメンテナンス不要」など、事実と異なる嘘の説明をすること。 |
| 重要事項の不告知 | 補助金の申請条件や、ローン金利、メンテナンス費などのデメリットや追加費用について、意図的に伝えないこと。 |
| 威迫・困惑 | 大声を出したり、「契約しないと大変なことになる」などと脅したりして、消費者を精神的に追い詰めること。 |
| 勧誘目的の不明示 | 「近所で工事をしているのでご挨拶に」などと本来の目的を隠して接触し、突然勧誘を始めること。 |
| 再勧誘 | 消費者が「いりません」「契約しません」と明確に断ったにもかかわらず、居座って勧誘を続けたり、後日再び訪問して同じ勧誘をしたりすること。 |
| 過量販売 | 一人暮らしの高齢者宅に、明らかに過大な容量の太陽光発電システムを売りつけるなど、不必要な量の契約をさせること。 |
特に、「モニターになれば格安に」「この地域だけの限定キャンペーン」といったトークは、消費者の射幸心を煽り、冷静な判断を失わせるための常套句です。これらの言葉が出てきたら、一度立ち止まって「なぜそんなに安くなるのか」「他の業者と比較して本当に得なのか」を考える時間を持つことが重要です。
もし訪問してきた業者の言動に、これらの禁止行為が一つでも見られた場合は、その場で契約を検討するのは非常に危険です。次の章で紹介する断り方を参考に、丁重に、しかし明確にお断りしましょう。
迷惑な訪問販売への具体的な対処法と断り方
法律の知識を持っていても、いざ対面すると強く断れずに困ってしまうこともあります。ここでは、突然の訪問販売に対して冷静かつ効果的に対処するための具体的なステップと、そのまま使える断り方のフレーズを紹介します。
対処の基本4ステップ
- 安易にドアを開けない:インターホン越しに対応するのが基本です。ドアを開けてしまうと、相手のペースに巻き込まれやすくなります。
- まず会社名と氏名、目的を確認する:「どちらの会社の方で、ご担当者様のお名前と、ご用件をお聞かせいただけますか?」と冷静に確認します。この時点で目的を言わない業者は特商法違反の疑いがあります。
- 興味がなければ、はっきりと断る:曖昧な態度は相手に期待を持たせ、勧誘が長引く原因になります。「結構です」「興味ありません」だけでは弱い場合があるため、「契約する意思はありません」と明確に伝えましょう。
- それでも帰らない場合は、警察に通報する:「お帰りいただけない場合は、警察に連絡します」と伝え、それでも居座る場合は迷わず110番通報してください。これは「不退去罪」にあたる可能性があります。
状況別の断り方フレーズ集
- 基本的な断り方:「申し訳ありませんが、訪問販売での契約は一切しない方針ですので、お引き取りください。」
- 家族を理由にする断り方:「私一人では決められませんので。家族と相談しない限り契約はできません。」(その場で「家族に電話します」と言ってはいけません。相手に待つ口実を与えてしまいます。)
- すでに検討中と伝える断り方:「ありがとうございます。ただ、すでに付き合いのある業者に相談中ですので、今回は結構です。」
- しつこい場合:「特定商取引法で、断られた後の再勧誘は禁止されているはずです。これ以上お話を続けられるのであれば、消費者センターに相談させていただきます。」
重要なのは、相手の話を長く聞かず、冷静に、毅然とした態度で断ることです。相手に同情したり、話に乗ったりすると、断りづらくなってしまいます。事前に断るフレーズを決めておくと、いざという時に落ち着いて対応できます。
もし断りきれずに話を聞いてしまった場合でも、その場で契約するのは禁物です。迷ったら、無料で専門家に相談し、提示された条件が妥当かを確認してから判断しましょう。
※契約前の相談で、多くのトラブルは未然に防げます。
万が一契約してしまったら?クーリング・オフと相談窓口
もし、その場の雰囲気に流されて契約書にサインしてしまったとしても、まだ諦める必要はありません。訪問販売には「クーリング・オフ制度」という、消費者を守るための強力な制度が用意されています。正しい知識を持って、迅速に行動しましょう。
8日以内なら無条件で解約できる「クーリング・オフ」
クーリング・オフとは、訪問販売などの特定の取引において、契約書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、消費者が一方的に、無条件で契約を解除できる制度です。
- 手続き方法:書面(ハガキなど)または電磁的記録(Eメール、事業者のウェブサイトの専用フォームなど)で、契約を解除する旨を業者に通知します。証拠を残すため、書面の場合は特定記録郵便や内容証明郵便で送るのが最も確実です。
- 費用負担:クーリング・オフを行使した場合、消費者は損害賠償や違約金を支払う必要は一切ありません。もしすでに工事が始まっていたり、製品が設置済みだったりしても、その撤去や原状回復にかかる費用は全て事業者の負担となります。
- 妨害への対処:業者が「クーリング・オフはできない」と嘘を言ったり、脅したりして手続きを妨害した場合、その日から改めて8日間はクーリング・オフが可能です。
トラブル発生時の公的な相談窓口
クーリング・オフの手続きが不安な場合や、業者との間でトラブルが解決しない場合は、一人で抱え込まずに下記の専門機関に相談してください。
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」:全国どこからでも、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれる番号です。契約トラブル全般について相談できます。
- 住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター):住宅リフォームに関する専門の相談窓口です。太陽光発電の設置工事に関する技術的な問題や見積もりの妥当性などについて、建築士などの専門家からアドバイスを受けられます。
- 警察相談専用電話「#9110」:脅されたり、居座られたりするなど、身の危険を感じるような悪質なケースの場合は、こちらに相談しましょう。緊急の場合は迷わず110番です。
契約後のトラブルは、時間が経つほど不利になる可能性があります。「おかしいな」と思ったら、できるだけ早く専門家に相談することが解決への近道です。
クーリング・オフ期間内であっても、手続きに不安があれば、契約内容の妥当性を無料で確認してから行動に移すのが賢明です。
※専門家が契約書をチェックし、最適な対処法をアドバイスします。
訪問販売の時間に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 訪問販売が法律で禁止されている時間は何時から何時までですか?
特定商取引法により、訪問販売の勧誘は原則として「午後9時から午前8時まで」の時間帯に禁止されています。この時間にアポイントメントなしで勧誘目的で訪問することは、法律違反にあたる可能性があります。
ただし、消費者が自ら依頼し承諾した場合は、この時間帯でも訪問は可能です。もし迷惑な時間に訪問があった場合は、その旨を指摘し、きっぱりと断ることが重要です。
Q2. 夜9時過ぎに来た訪問販売は、どう断ればいいですか?
まずインターホン越しに対応し、「今は午後9時を過ぎていますので、特定商取引法で禁止されている時間帯の勧誘はお断りします」と法律を根拠に明確に伝えましょう。
相手が「話を聞くだけ」などと言ってもドアを開けず、「ご用件は改めて日中にお願いします」と伝え、会話を打ち切ることが大切です。相手がしつこく居座る場合は、「これ以上お帰りいただけない場合は警察に通報します」と警告し、それでも帰らなければためらわずに110番通報してください。
※法律違反を指摘することで、悪質な業者は引き下がるケースが多いです。
Q3. 太陽光発電の訪問販売でよくあるトラブル事例は?
太陽光発電の訪問販売では、以下のようなトラブルが国民生活センターなどに多く寄せられています。
- 「売電収入でローンが実質無料になる」といった、将来の不確定な利益を保証するかのような説明(不実告知)。
- 高額なメンテナンス費用や、補助金が適用されない可能性などのデメリットを伝えない(重要事項の不告知)。
- 「今日契約すれば大幅割引」などと契約を急がせ、相見積もりを取らせない。
- 高齢者を狙い、必要以上に大きな容量のシステムを契約させる(過量販売)。
これらのトラブルを避けるためには、その場で契約せず、必ず複数の業者から見積もりを取って比較検討することが不可欠です。
Q4. クーリング・オフの8日間が過ぎたら、もう解約できませんか?
8日間が過ぎてしまっても、諦めるのはまだ早いです。契約の状況によっては、解約できる可能性があります。
例えば、業者が契約時に嘘の説明をしていた(不実告知)、デメリットを故意に伝えなかった(不利益事実の不告知)などの場合は、消費者契約法に基づいて契約の取り消しを主張できることがあります。また、契約書面に不備があった場合や、業者がクーリング・オフを妨害した場合は、8日間を過ぎていてもクーリング・オフが可能です。まずは消費者ホットライン「188」に相談し、専門家のアドバイスを受けてください。
出典:消費者契約法(消費者庁)
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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