【最新】2023年の売電価格は?単価の推移・卒FIT後の対策も!
「太陽光発電でつくった電気を売電したい!」とお考えの方なら、2023年の「買取価格」が気になるところですよね。
実は、お得に電気が売れる「FIT制度」を利用するかどうかで買取価格は大きく変わるため、ある程度の事前知識がないと収益で損してしまうことも…
そこで本記事では、「太陽光で出来るだけ多くメリットを得る」ために知っておきたい以下のポイントをくわしく解説していきます。
- FIT制度の概要や終了までの期間・2023年の売電価格や現在までの推移
- 「卒FIT後」の売電価格の目安・FIT制度の申請手順や手続きの期限
- 卒FIT後に下がる売電価格で損しないための「3つの対策法」
結論からいえば、太陽光の設置から10年後の卒FIT期には、そのまま電気を売るより「蓄電池などでの自家消費」したほうが断然お得です!
「太陽光パネルの設置費用を売電収益で回収したい!」とお考えの方には特に役立つ知識をご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧くださいね。
目次
【基礎知識】売電価格は「FIT制度」の申請で大きく変わる
FIT制度とは、太陽光発電の余ったエネルギーを「10年間・優遇された固定価格」で売電できる、国が実施する制度のことです。
FIT制度を利用しなくても、買取事業者が独自に設定した「自由価格」で売電することは可能ですが、買取額が「約4分の1」ほどまで下がってしまうためお得ではありません。
FIT制度を利用するには「申請」を行う必要があり、基本的には太陽光の販売店が代行するケースが多いですが、場合によっては購入者が申請することになります。
2023年のFIT売電価格は1kWhあたり16円!去年より1円安い
2023年度にFIT制度を利用して太陽光発電を設置する方の売電価格は「発電量1kWhあたり16円」であり、2022年より「1円」下がっています。
FIT制度が始まった2009年の固定価格は「48円」でしたので、十数年の間に「約3分の1」まで急落していることがわかります。
一方で、2009年ごろには「300万円~400万円」ほどコストがかかっていた設備費用も、現在では「100万円~200万円」くらいまで下がっている点も見逃せません。
売電価格の値下がりばかりが注目されがちですが、設備もお求めやすくなった昨今、「16円」の買取価格でも使い方次第では充分に元が取れるでしょう。
売電価格は毎年下がっている?2023年までの推移を徹底比較
FIT制度がスタートした2009年から2023年までの、優遇された買取価格を以下に見比べていきましょう。
年度 | FIT買取価格(1kWhあたり) |
2009年 | 48円 |
2010年 | 48円 |
2011年 | 42円 |
2012年 | 42円 |
2013年 | 38円 |
2014年 | 37円 |
2015年 | 35円 |
2016年 | 33円 |
2017年 | 30円 |
2018年 | 28円 |
2019年 | 26円 |
2020年 | 21円 |
2021年 | 19円 |
2022年 | 17円 |
2023年 | 16円 |
表を見ると「2010年」「2012年」を除いて毎年確実に買取価格が下がっており、2024年も「約1円以上」の値下げが容易に予想できます。
FIT制度の買取価格は「太陽光発電の価格相場」に基づいており、10年間での資金回収ができるよう調整されているものの、やはり値下がりは消費者にとってデメリットといえるでしょう。
「卒FIT」とは?FIT期間終了で売電価格はどれくらい下がる?
卒FITとは「FIT制度の10年間の優遇期間が終了し、売電価格がガクッと下がる」状況を表す言葉であり、太陽光の利用者が避けては通れない問題です。
例えば、2013年に太陽光を設置した方は2023年が卒FITですので、売電価格は1kWhあたり「38円」から「8.5円(東京電力)」まで下がってしまいます。
卒FITを迎えると売電収益が「一気に4分の1ほど」まで減少してしまい、結果的に家計を圧迫する恐れがあるため、優遇期間が終了するまでに何らかの対策が必要といえます。
FIT制度の申請をわかりやすく解説!申請期限や手順は?
発電量10kW以下のいわゆる「家庭用太陽光」を自分でFIT制度に申請する際の、手続きの手順や流れを以下にまとめました。
- 「再生可能エネルギー電子申請」サイトのアカウントを取得し、現在の必要書類や申請期間を確認する
- 土地・建物の登記標本や設備の構造図、電力会社の同意書や契約書などを用意し、メールで送信または郵送する
- 後日、登録メールアドレスに送信される「申請内容の確認メール」に不備がないか確認し、承諾コードを入力する
FIT制度の申請にはたくさんの書類の作成・アップロードが必須のため、基本的には販売店や施工業者に依頼したほうがストレスや時間を軽減できるでしょう。
また、書類の申請から承諾までの間には「2か月~3か月」かかる点も要注意です。
FITの申請期限は「毎年1月上旬」であり、期限を過ぎると来年度の受付となってしまうため余裕を持って申請しましょう。
卒FIT後の売電価格ダウンに備える「3つの対策方法」を徹底解説!
つづいて、卒FIT後に急激に値下がりする売電価格に備えるための「3つの対策方法」についてくわしく解説していきます。
【対策①】少しでも高く買い取ってくれる事業者に売電する
「できるだけお金をかけずに対策したい!」とお考えの方なら、設備費用などがかからない「売電事業者の切り替え」が一番気軽でおすすめです。
「東京電力」などの大手電力会社に比べて、「新電力会社」と呼ばれる新規参入の事業者は高めの買取価格に設定していることが多く、切り替えずに売るより収益を伸ばすことができます。
売電事業者の切り替えはインターネットや電話でかんたんに手続きできるほか、特別な工事や手数料などもいらないケースがほとんどですので、卒FIT前に検討してみてはいかがでしょうか?
一部の訪問販売業者で「卒FIT後は売電出来なくなる」などの虚偽の営業をしている場合もありますが、実際には自由価格での売電は可能です。
怪しい勧誘にはくれぐれも気をつけてくださいね。
【対策②】「蓄電池」に発電エネルギーを貯めて自家消費する
卒FIT後も以前と同様かそれ以上の収益を追求するなら、自由価格で安く売電してしまうより、蓄電池を導入してとことん「自家消費」する方法がおすすめです。
蓄電池なら太陽光パネルでつくった電気をすべて充電しておけるため、1日のうちでもっとも電気使用量が多い「夕方~夜間」の電気代を0円に抑えることもできます。
自由価格による売電はお得な新電力会社でも「1kWhあたり8円~13円」が相場であり、現在の電気代が「1kWhあたり約27円」であることを考えれば、自宅で消費したほうが断然経済的です。
さらに、蓄電池には「深夜料金プランの割安な電気を充電し、次の日の昼間に使う」という節約方法も見逃せません。
発電量が低い悪天候時でも、高い電気を買わずにすみますね。
【対策③】「V2H」を導入して電気自動車を太陽光で充電する
電気自動車を所有している、または購入予定の方なら、蓄電池ではなく「V2H設備」を導入して卒FITに備える対策方法も非常に有効です。
V2Hとは「太陽光・蓄電池・電気自動車の間で自由に電気のやり取りができる設備」のことで、太陽光で使い切れない電気を電気自動車に充電できるようになります。
さらに、電気自動車の豊富なバッテリーを分電盤を通して「家電を動かす」ために使えるため、電気代を払わずに太陽光エネルギーだけで過ごすことも可能です。
自走できる電気自動車なら、蓄電池と違って「大規模な災害時にはEVスポットで充電し、V2Hから家電に活用する」こともでき、停電リスクを最小限に抑えられます。
【まとめ】卒FIT後は売電価格が激減!対策には蓄電池がおすすめ
本記事でくわしく解説してきた「2023年の売電価格や対策方法」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- FITとは、太陽光の設置後「10年間・優遇された買取価格」で売電できる国の制度のこと
- 2023年のFIT買取価格は「1kWhあたり16円」であり、毎年少しずつ確実に下がっている
- 卒FIT後は現在売電している会社や他の事業者に売電継続できるが、買取価格は急落する
- 家庭用蓄電池があれば停電対策として優秀なうえに、太陽光の余った電気を夜にも使える
- V2H機器は電気自動車のバッテリーを蓄電池代わりに使えて、停電対策にもなる優れもの
東京電力のスタンダードプランの電気代が「26.46円/1kWh」なのに対し、卒FIT後の売電価格は「半額以下」まで下がることを考えれば、安く売るより自家消費したほうが断然お得です。
蓄電池やV2H設備の導入にはまとまった資金が必要ですが、今後も電気代が上がり続けることはほぼ確定的であるため、設置する価値は充分にあるでしょう。
2023年も蓄電池・V2Hに対する「国や自治体の補助金」は継続予定ですので、少しでも安く買える「今のタイミング」で導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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この記事の監修者
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