【徹底解説】宮城県の蓄電池の補助金はどのくらい?
近年、蓄電池が注目を集めています。
その理由は災害時への備えや太陽光発電で生み出した電力の充電用として関心を集めているからです。
しかし、蓄電池の購入費用は決して安いものではありません。
そこで活用したいのが国や自治体が交付している補助金です。
今回は蓄電池に関する国や宮城県、県内各市町村の補助金、宮城県で蓄電池を設置するメリット、宮城県で蓄電池が必要な理由などについてまとめます。
目次
蓄電池導入の補助金
蓄電池に関する補助金は国・都道府県・市町村の単位で交付されています。
それぞれの内容について整理します。
国の補助金
最初に紹介するのは国の補助金です。
政府内で蓄電池に関する補助金に関わっているのは経済産業省と環境省です。
といっても、この2省が直接補助金を交付するわけではありません。
国に補助金事業を委託されている環境共創イニシアチブ(SII)が交付金に関する業務を扱っています。
環境共創イニシアチブが取り扱っている蓄電池関連の補助金は次の2つです。
- DER補助金
- ZEH補助金
DER補助金
DER補助金はDER実証実験に参加する企業や個人に交付される補助金で、太陽光発電・蓄電池・HEMS等の実験データを記録・送信できる機器がそろっていることが交付の条件です。
DER補助金の交付額は以下のとおりです。
- 初期実効容量1kWhあたり3.7万円
- 蓄電池の設置費と工事費用の3分の1以内
両者を比べ、金額の低い方が採用されます。
仮に蓄電池設置費用の3分の1を負担してもらえるだけでもかなりの金額になりますので非常にお得な補助金だといえます。
ただ、とても人気があるため、補助金枠がすぐに埋まってしまうのが難点です。
ZEH補助金
2つ目のZEH補助金は一定の条件を満たした新築住宅に交付される補助金です。
ZEHとは「ゼロ・ネット・エネルギー・ハウス」の略で、住宅で消費する電力と自給する電力が等しくなる住宅のことです。
高断熱・高気密でエネルギー効率が上がり、エネルギー消費量を減らし、太陽光発電などでエネルギーを自給できる家にすることを目指しています。
ということは、ZEH補助金を受けるには新築住宅を建て、かつ、太陽光発電を設置しなければなりません。
新たに住宅を建てようと考えている人が利用する補助金だといえます。
補助金額は55万円からです。
宮城県の補助金
宮城県では蓄電池の案件1つにつき60,000円の補助金を交付しています。
他にも太陽光発電の補助金が40,000円、電気自動車の充電器整備などにあてるV2H補助金が60,000円、家庭用燃料電池(エネファーム)の導入に100,000円など比較的補助金が充実しています。
宮城県の補助金に関しては宮城県建築住宅センターが取り扱っていますので、詳しい内容はそちらの公式サイトなどで確認したほうがよいでしょう。
市町村の補助金
宮城県の市町村で2022年度に実施された蓄電池への交付金は以下のとおりです。
市町村名 | 上限金額 |
仙台市 | 200,000円 |
石巻市 | 100,000円 |
気仙沼市 | 50,000円 |
岩沼市 | 100,000円 |
大崎市 | 50,000円 |
大河原町 | 100,000円 |
丸森町 | 100,000円 |
大衡村 | 100,000円 |
中でも抜きんでているのが仙台市です。
今回紹介した蓄電池のほかにも幅広く交付金を支給しているので、仙台市にお住まいの方は一度チェックしてみたほうがよいでしょう。
宮城県で蓄電池を設置するメリット
ここまで、国や宮城県、県内各市町村が交付している補助金の情報をチェックしました。
ここからは宮城県で蓄電池を設置するメリットについてまとめます。
地震対策になる
1つ目のメリットは地震対策になることです。
東日本大震災が発生したとき、仙台市には大津波が押し寄せ、多くの人が亡くなりました。
大地震と津波により宮城県のインフラは壊滅状態となり、県内各所で停電が発生しました。
災害で家屋に被害が無くても、停電が長引けば生活に大きな支障が出てしまいます。
そんなときに必要最低限の電力を供給してくれるのが蓄電池です。
宮城県は古くから大地震に見舞われてきた土地です。
地震で停電が発生しても一定時間しのぐための電源確保はとても重要なのです。
県の補助金が比較的手厚い
2つ目のメリットは県の補助金が比較的手厚いことです。
先ほど触れた補助金のほかに、窓の断熱、ZEH、太陽光発電システム、省エネ設備の導入、既存住宅の省エネ改修、省エネ家電の買い替えなどの補助金も交付していますので、県の公式サイトなどをしっかり調べるとお得な情報が見つかるかもしれません。
卒FIT対策になる
3つ目のメリットは卒FIT対策になることです。
卒FITとは電力の固定価格買取期間が終了した太陽光発電設備のことです。
通常、FIT期間が終了すると、新たな価格で電力が買い取られます。
すると、前に比べて買取価格が大幅にダウンしてしまいます。
これは、昔の方が買取価格が高かったからです。
そこで出てくるのが電力の自家消費の話です。
これまで売電していた電力を売るのではなく自宅で使用すれば電気代を節約できます。
蓄電池が加わると、なおのこと節約効果が上がります。
蓄電池がない場合、使用量を上回る余剰電力は安く買い取られてしまいますが、蓄電池があれば余剰電力をため、夜間に使用ができます。
すると、その分の電気を購入しなくてもよくなるためとても経済的です。
つまり、蓄電池があると電力の自家消費率が上がり節約できるのです。
宮城県で蓄電池が必要な理由
ここまで、蓄電池の活用法についてまとめてきました。
ここからは、宮城県で蓄電池が必要な理由を2つ取り上げます。
震災で多くの家庭が停電となったから
2011年3月11日に発生した東日本大震災はマグニチュード9.0の巨大地震で、宮城県に未曽有の被害をもたらしました。
地震の結果発生した停電は3日後で80%、8日後で94%が復旧しました。
別の見方をすれば、20%が3日間以上、6%が8日間以上停電していたことになります。
2018年9月に発生した北海道の胆振東部地震では北海道全体が停電となりましたが、復旧までに数日を要しています。
これらのことから、広域停電が発生すると復旧まで相応の時間が必要であることがわかります。
また、過去の歴史をひもとくと、宮城県は数十年に一度、大きな地震に見舞われていることがわかっています。
予期せぬ地震が起きたとき、蓄電池は自分や家族を守る命綱の役割を果たすかもしれません。
冬季の停電は命に関わるリスクとなるから
宮城県は東京や大阪、名古屋といった三大都市圏と比べると高緯度に位置しています。
そのため、冬の寒さが比較的厳しい地方だといえます。
もし、冬に何らかの自然災害や発電設備の不備などで停電が発生してしまうと、多くの暖房器具が使えなくなります。
エアコンはもちろんのこと、電気を必要とする石油ファンヒーターや電気ストーブ、こたつなどがすべて使用できなくなりますので暖を取ることすら大変になるでしょう。
まとめ
今回は宮城県の蓄電池補助金を中心に解説しました。
宮城県は他の県に比べると補助金が手厚い県です。
中でも仙台市の補助金は全国的に見てもかなり充実したものだといえます。
大地震や洪水といった災害はいつ襲ってくるかわかりません。
東日本大震災の被災地となった宮城県は非常時に備える意識が他よりも強いのかもしれません。
万一に備えたいと考えているのであれば、国や県、市町村の補助金を有効活用し、少しでもコストを減らして災害に備える方法を考えてみてはいかがでしょうか。
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