【注意】蓄電池の設置や施工、使用時のトラブルを徹底解説!
「電気代が安くなる!」「補助金が出るので導入しやすい!」というふれこみで蓄電池を導入したものの、実際に導入すると「こんなはずじゃなかった」といった事態が起きてしまうことがあります。
今回は蓄電池設置や施工、使用中の蓄電池トラブルなど、蓄電池にまつわる色々なトラブルについてまとめて解説します。
目次
蓄電池設置に関するよくあるトラブル
蓄電池を設置するとき、私たちはさまざまな効果を期待しています。
しかし、そういった期待を満たすことができず、まれに、トラブルが発生します。
ここでは、設置に関するトラブルを4つ取り上げます。
蓄電池のサイズ見積もりが甘かった
蓄電池の大きさは、おおむね蓄電量に比例します。
5kW前後の蓄電池より10kW前後のものが大きくなるのは致し方ないところです。
蓄電池の大きさはエアコンの室外機を縦に2台重ねた程度ですが、実際に設置してみるとかなり幅を取ります。
基本的に蓄電池は室内に設置しますので、生活スペースを圧迫する大きさになってしまうと、ストレスを感じてしまうでしょう。
単に置き場を確保できるというだけではなく、生活していて邪魔にならないかという視点も重要です。
深夜電力を使っているはずなのに電力代が安くならない
この理由は2つ考えられます。
1つ目の理由は、そもそも深夜電力プランになっていなかったからです。
深夜に電力が安くなるのは、深夜電力プランを契約しているか、時間帯別に電気代が変わる契約をしているかのどちらかです。
しかし、そういった契約をしていなければ、深夜であろうが昼間であろうが電気代が変わらず、電力料金は安くなりません。
2つ目の理由は、料金体系の理解が不十分だったからです。
先ほど述べた時間帯別に電気代が変わる契約で、深夜電力が安くなるプランの大半で昼間の電気料金が割高になります。
昼間の電力消費が少なく、夜間に電力を消費する生活スタイルであれば電力料金を大幅に節約する効果が期待できますが、昼も夜も電力使用量があまり変わらないのであれば、節約効果は期待できず、下手をすれば電力料金がかさんでしまいます。
不要な機能や大容量の蓄電池を導入してしまった
蓄電池は「高ければよい」というわけではありません。
太陽光発電と連携せず、電力を蓄える必要性が低いにもかかわらず、大容量蓄電池を導入しても、導入コストばかり高くなってしまい、宝の持ち腐れとなります。
不要な機能を付けている場合も同様です。
太陽光発電を利用していても余剰発電がほとんど発生しないケース、たとえば、発電量の大半を自家消費に回しているようなケースでは、蓄電池を購入する必要はありません。
貯めるだけの電力がないからです。
こうした場合、蓄電池の役割はほとんど果たせず、導入しても意味がなくなります。
補助金の申請が通らなかった
国や居住している自治体が蓄電池設置の補助金を出してくれる場合があります。
しかし、補助金を交付されるための条件を満たしていなかった場合は、当然、交付対象から外れてしまいます。
自分が導入する設備が確実に補助金を得られるか、設置前にしっかり確認しておく必要があります。
施工に関するトラブル
蓄電池はかなり大きい設備ですので設置に慣れていなかったり、工事しにくい場所での設置工事だったりすると、施工時にトラブルを引き起こすことがあります。
搬入の際、養生が不十分であったため蓄電池を外壁にこすってしまい、外壁を損傷してしまう事例や配線工事のミスのせいで蓄電池の性能をフルに生かせない状態となる事例、回収するはずだったパワーコンディショナーの回収もれといった事例が発生しています。
施工不良を防ぐには、施工経験豊富な業者を選ぶか、販売と設置の窓口が同じで行き違いが発生しにくい業者を選ぶといった配慮が必要です。
蓄電池使用中に発生するトラブル
蓄電池に関するトラブルのうち、最も慌ててしまうのは蓄電池使用中のトラブルではないでしょうか。
ここでは、使用中に発生する動作停止、容量低下、太陽光発電量の低下といったトラブルについて解説します。
蓄電池の動作が停止した
1つ目に紹介するのは蓄電池の動作が停止するトラブルです。
前日まで普通に動いていた蓄電池にエラーメッセージなどがでて蓄電できない状態になるケースがあります。
停電と異なり、機能が停止してもすぐに気づかないため、発生してからしばらくの間、放置されることもあります。
できるだけ早く機能停止に気づくには、一日に一度、蓄電池のモニターを見るといった動作チェックをしなければなりません。
蓄電池が停止する理由はたくさんあり、本体や接続する機器、家庭内の配線状況など多数の要因が関連します。
ほとんどの場合、自然に回復しませんので蓄電池が停止したら、すぐにメーカーや設置業者に連絡して調べてもらった方がよいでしょう。
蓄電容量が低下した
2つ目は蓄電池の容量が低下するというトラブルです。
容量低下には短期間で起きるものと長期的に起きるものがあり、短期的なものは機器の異常である可能性が高いため、速やかに業者に相談しなければなりません。
その一方、長期的な容量低下は蓄電池の経年劣化が原因である可能性が高いです。
経年劣化とは年月が経過することによって起きる蓄電池の性能低下のことです。
蓄電池メーカーは経年劣化を想定し、10〜15年の容量保証をつけています。
期間内に容量が低下したら、設置した業者に連絡して保証交換してもらいましょう。
蓄電池設置後に、太陽光発電の発電量が低下した
このトラブルは、蓄電池と太陽光発電を連結するハイブリッド型の蓄電池で発生します。
原因は蓄電池の設置業者が太陽光発電に関する知識を十分に持っていなかったことです。
ハイブリッド型の蓄電池は太陽光発電の設備と同じパワーコンディショナーを使用します。
重要なのは回路の数です。
たとえば、太陽光発電のパワーコンディショナーが3つの回路を使い、蓄電池で2つの回路を使うとしましょう。
4回路しかないパワーコンディショナーを使うと、太陽光発電用の回路が1つ足りません。そのため、発電量が低下してしまいます。
ハイブリッド型蓄電池を導入するときは、パワーコンディショナーと蓄電池でいくつの回路を必要とするのか業者に確認しましょう。
そのうえで、条件を満たすパワーコンディショナーや蓄電池を購入しましょう。
蓄電池に関する正しい知識や技能を持った事業者を選ぼう
今回は設置や施工、使用中に発生する蓄電池のトラブル全般について解説しました。
十分な知識を持たず、単に「お得になる」「環境にやさしい」といったふれこみだけを信じてしまうと、後々トラブル続きで苦労してしまいます。
蓄電池は決して安い買い物ではありません。
だからといって、低コストのものを選ぶと自分が必要としているスペックを満たせず、満足度の低いものになりかねません。
設置する業者も重要です。
蓄電池や太陽光発電、住宅の電気回路について十分な知識を持った事業者に工事を依頼するべきでしょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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