再エネ賦課金とは?2023年の値下げや今後の動向・節約方法も解説
2023年6月1日に東京電力をはじめとする大手電力7社が値上げを発表にしたことにより、ますます家計への負担増が心配される電気代。
一方で、毎月の電気代に含まれる「再エネ賦課金」の単価は、2023年に入って1kWhあたり「2.05円」も値下げしていることをご存じですか?
本記事では、気になる再エネ賦課金の特徴や仕組み、太陽光発電でおなじみの「FIT制度」との関係性や、請求額をできるだけ抑える方法を解説していきます。
記事の後半では、「再エネ賦課金の徴収はいつまで続くの?」「支払いは拒否できる?」といったよくある質問にも回答していますので、興味のある方はぜひ目を通してみてくださいね!
目次
再エネ賦課金とは?特徴や金額の推移・今後の動向を解説!
まずはじめに、再エネ賦課金の特徴や、徴収されたお金が使われる「FIT制度」の仕組み、2023年までの単価の推移について解説していきます。
【特徴】再エネ賦課金はすべての家庭で徴収される
再エネ賦課金(再生エネルギー発電促進賦課金)とは、太陽光発電や風力発電など「再エネ発電」の普及のために、国民全員が負担しているお金のことです。
再エネ賦課金は毎月の電気料金と一緒に電力会社によって請求される仕組みとなっており、電気使用量が多いほど徴収額が増える特徴を持っています。
電力会社に集められた再エネ賦課金は、国の再エネ普及事業である「FIT制度」を運営するために活用されています。
【FIT】再エネ賦課金が利用される「FIT制度」とは?
FIT制度(固定価格買取制度)とは、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」で発電した電気を、「一定期間・一定価格」で電力会社が買い取ることを国が定めた制度です。
たとえば2023年に太陽光発電を設置した場合、FIT制度を活用すれば「10年間」、「1kWhあたり16円」という通常より優遇された単価で売電することができます。
再エネで発電された電気の買取費用は再エネ賦課金から支払われる仕組みになっており、太陽光発電の設置・非設置に関わらず、電力会社から買った電力量に応じて賦課金が徴収されます。
【金額】2023年は電気使用量1kWhあたり「1.4円」
2023年の再エネ賦課金は電気使用量1kWhあたり「1.4円」と定められており、電気を多く使う家庭ほど請求額が増える仕組みとなっています。
たとえば、4人家族の平均的な使用量である「360kWh」の電気を消費した場合、「360 × 1.4 = 504円」の再エネ賦課金が請求されます。
再エネ賦課金の徴収額は毎月の電気使用量が少ないほど安くなるため、できるだけ賦課金を抑えたい方は「節電」などで使用量を減らす努力をすることが大切です。
【推移】2023年はどうして値下げした?今後はどうなる?
2012年から始まった再エネ賦課金は2022年まで値上げが続いていましたが、2023年に入って1kWhあたり「2.05円」の値下げが発表され大きな話題となりました。
参考までに、ここ7年間の再エネ賦課金の単価の推移を以下に確認していきましょう。
年度 | 再エネ賦課金の単価 | 毎月の徴収額の目安 (電気使用量360kWhの場合) |
2017年 | 2.64円 | 950円 |
2018年 | 2.90円 | 1,044円 |
2019年 | 2.95円 | 1,062円 |
2020年 | 2.98円 | 1,073円 |
2021年 | 3.36円 | 1,210円 |
2022年 | 3.45円 | 1,242円 |
2023年 | 1.40円 | 504円 |
再エネ賦課金が値下げした理由は、世界的な燃料価格の高騰により、再エネ賦課金の単価に影響を与える「回避可能費用」が急増したからです。
ウクライナ情勢や円安などが落ち着けば、再エネ賦課金はあらためて値上げする可能性も充分にあるため、今後の動向は予測が難しい状況となっています。
再エネ賦課金を減らしたい!「2つの節約方法」をご紹介!
つづいて、毎月徴収される再エネ賦課金をできるだけ減らすための「2つの節約方法」をご紹介していきます。
【節約法①】節電を徹底して電気使用量を減らす
再エネ賦課金は毎月の電気使用量が多いほど請求額が増えてしまうため、家庭での電気の使い方をあらためて見直し、節電を徹底すれば今すぐ確実に減らせます。
たとえば、電気代の多くを占めるエアコンの電気代は、運転時間を1日1時間、設定温度を1℃節約するだけで年間「3,000円」以上の節約効果が期待できます。
オール電化住宅は再エネ賦課金が高くなりがちですので、家族で入浴や食事の時間を合わせるなどのアイデアで、エコキュートやIHクッキングヒーターの電気代を節約しましょう。
【節約法②】太陽光発電で電気使用量を減らす
節電で減らせる再エネ賦課金の額には限界があるため、徹底的に請求額を減らしたい方は、太陽光発電の導入で電気使用量を節約する方法が効果的です。
太陽光発電を設置すれば発電中の電気代を「ほぼ0円」まで抑えられますので、掃除や洗濯などの家事を昼間にまとめるなど、工夫しだいで賦課金を大幅に減らすことができます。
日中は仕事などで自家消費が難しい方には、家庭用蓄電池に太陽光エネルギーを充電し、夕方や夜間に電気を買う量を減らす対策法がおすすめです。
再エネ賦課金でよくある「2つの質問」にお答え!
さいごに、「再エネ賦課金の徴収はいつまで続く?」「支払いを拒否する方法はある?」といった、よくある質問に回答していきます。
【質問①】再エネ賦課金はいつまで続くの?
2023年8月時点で再エネ賦課金の終了に関する正式な発表はありませんが、少なくとも「2043年」までは徴収が続くことが予想されています。
産業用の太陽光発電はFIT制度により「20年間」の買取が約束されているため、今年設備を導入した事業者に対しては、20年後の2043年までは再エネ賦課金からお金が支払われます。
日本政府は2050年の「脱炭素社会(カーボンニュートラル)」実現に向けて再エネ事業を拡大する方針を発表しており、再エネ賦課金も2050年までは続くという予測もあります。
【質問②】再エネ賦課金の支払いは拒否できる?
再エネ賦課金は電気代の従量料金などと一緒に請求されるため、賦課金だけを指定して支払いを拒否する方法はありません。
経済産業省は再エネ賦課金を「電気を使うすべての方にご負担いただくもの」と定義していますので、今後大幅な国の政策変更が無いかぎり払い続けることになるでしょう。
支払いは拒否できないものの、節電や太陽光発電の導入などの対策で徴収額を下げることは可能ですので、今後に備えて今からできる対策を考えていきましょう。
まとめ:再エネ賦課金は2023年に値下げ!今後は上がる可能性も
世界的な燃料価格の値上げにより、2023年に「1kWhあたり1.4円」まで値下げした再エネ賦課金ですが、社会情勢の変化によっては今後単価が戻る可能性も充分あります。
再エネ賦課金は毎月の電気使用量が多いほど増える仕組みのため、請求額を減らすには「節電」が重要ですが、家電の使い方の見直しだけでは限界があることも事実です。
気になる再エネ賦課金の徴収額を根本的に減らしたい方は、太陽光発電を導入して日中に電気を買う量をとことん削減する対策法がおすすめです。
太陽光発電の導入には地方自治体の補助金が利用できますし、最近では初期費用0円で設置できるプランも増えていますので、ぜひ前向きに検討してみましょう!
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この記事の監修者
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