太陽光発電の詐欺行為に騙されるな!怪しい手口や悪質業者を一挙公開
太陽光発電の普及が進むごとに、詐欺行為で騙されてしまう人は増加しています。
そこで今回は、太陽光発電の悪質業者の手口の特徴や騙されない対策方法・危ない業者をまとめて紹介します。
目次
太陽光発電の詐欺で騙されている人は増加傾向!
太陽光パネルの普及にともない、営業販売によるトラブル件数も増加しています。
年度 | 相談件数 |
2013年 | 4,630件 |
2014年 | 4,267件 |
2015年 | 3,368件 |
2016年 | 2,866件 |
2017年 | 2,925件 |
2018年 | 2,930件 |
2019年 | 2,420件 |
(参照:資源エネルギー庁|太陽光発電に関するトラブルにご注意ください!)
2013年~2019年の相談件数を比較すると、2,200件ほど減っています。
一見、相談件数は少なく感じますが、2014年以降から設置数より相談件数が上回っているのが現状です。
2012年以降にFIT制度がスタートしたことで、太陽光発電の導入件数は上がり、相談件数も多くなりました。
太陽光発電の相談内容は訪問や電話での販売が多く、しつこい勧誘や無理な押し売りに関するものです。
太陽光発電の詐欺で騙される主なケース
太陽光発電の詐欺で騙される主なケースは、以下のパターンが多いです。
- 架空の投資話を提案する
- 訪問や電話でのしつこい勧誘
- 高すぎる売電シミュレーションを見せつける
- 初期支払い以外はコストが発生しないと説明する
- 相場からかけ離れた高額な工事費用を請求された
- 国の補助金と併用できると購入のハードルを下げる
それぞれの被害内容をくわしく紹介します。
ケース①架空の投資話を提案する
太陽光発電への投資は、初心者にも取り組みやすく、リスクが少なく、収益が見込める投資です。
FIT制度以降は詐欺が少なくなくなっていますが、まだ悪質な業者はたくさんいます。
太陽光発電投資の詐欺には、利益を大きく見せるためにデータをいじったりするケースがあります。
騙されないためにも、太陽光発電の収益を計算することが大切です。
事前にシミュレーションをおこなうことで、業者が提案した計算が本当かどうか、自分で判断することができます。
また、騙されないためには、業者の評判や実績を調べ、契約前によく考えることが大切です。
ケース②訪問や電話でのしつこい勧誘
太陽光発電のモニター商法には、訪問販売だけでなく、電話勧誘もあるので注意が必要です。
悪質な訪問販売業者がよく使う手法の一つが「モニター商法」です。
業者は、太陽光発電を「無料で提供する」または「モニター価格で提供する」と言い、購入を持ちかけてきます。
また、電話での勧誘は、知らない電話番号からかかってくることが多く、一度電話に出てしまうと電話を切ることができなくなります。
しつこい業者に対しては、特定商取引法に触れていることを指摘し、不要な勧誘には、はっきりと断るようにしましょう。
ケース③高すぎる売電シミュレーションを見せつける
自分でおこなったシミュレーションと業者が提案した数値に大きな違いがある場合、太陽光発電の投資詐欺の可能性が考えられます。
売電シミュレーションのウソの情報を見破るためには、自分で発電量をシミュレーションしてみることが大切です。
1年間の発電量は、NEDOから提供された日射量を元にして、1年間の数字(365日)と太陽パネルの容量(kW)をかけ、20%のロス率を考慮して数値を算出することができます。
太陽光発電の詐欺にあわないためにも、自分で発電量のシミュレーションをしてみるのがおすすめです。
ケース④初期支払い以外はコストが発生しないと説明する
太陽光発電を始めるには、初期費用以外にコストがかからないと説明する業者もいるようです。
特に、飛び込み営業で「太陽光発電の設置工事費は、無料です」という業者は、注意が必要です。
太陽光発電の価格には、本体費用に高額な工事費用が含まれており、相場価格よりも高い費用を要求される可能性があります。
「工事費が無料でお得」だと思い切って契約すると、設置後に追加費用を請求される可能性が考えられます。
太陽光発電を初めて導入する場合、設備費用だけでなく、工事費や維持費もかかることを踏まえておきましょう。
ケース⑤相場からかけ離れた高額な工事費用を請求された
相場価格からかけ離れた工事費用を請求されるケースも少なくありません。
工事費用については、複数の業者から見積もりを取り比較すれば、相場価格が分かります。
太陽光発電を設置する際の工事費用は、「自然エネルギー財団」のデータによれば、1キロワットあたり約5.1万円とされています。
太陽光発電の容量が5kWの場合、工事費用の目安は約25.5万円が目安です。
設置工事費用を下調べすることで、詐欺業者に騙されないための対策として役立ちます。
ケース⑥国の補助金と併用できると購入のハードルを下げる
太陽光発電の導入は、国と自治体の補助金を併用できると説明する業者は要注意です。
国による太陽光発電の補助金制度は2014年に終了しており、太陽光発電のみだけでは、国の補助金と併用することはできません。
しかし、最近では、政府が推進しているZEH住宅を建てる人に対して、太陽光発電の補助金が受けられる可能性があります。
また、太陽光発電に蓄電池を設置すると、DER補助金が利用できるため、導入費用を下げたい人はセット導入するのが良いでしょう。
太陽光発電の詐欺に騙されるな!悪質業者の特徴
太陽光発電の悪質業者による手口や特徴は、以下のとおりです。
- 事前予約なしの飛び込み営業
- 太陽光発電のメリットばかり説明する
- 限定価格を提案し購入をすすめる
- 会社名を教えない
- 太陽光発電の機能や使い方を説明できない
悪質業者の特徴と注意点について見ていきましょう。
事前予約なしの飛び込み営業
悪質な業者は、予約を入れずに、直接自宅を訪れて太陽光パネルを勧めてくることがあります。
業者は、ノルマを達成するために、高額な契約を見積ることも少なくありません。
太陽光パネルを設置したい場合、自分のスケジュールに合わせて、電話やメールで予約や相談ができる無料サービスを利用してみるのがおすすめです。
直接、売り込みに来る業者とは、距離をおきつつ、スケジュールを合わせてもらえる業者に相談するのが良いでしょう。
太陽光発電のメリットばかり説明する
太陽光発電の良い面だけを伝える業者は、信用できない業者かもしれません。
太陽光発電は環境にやさしく、電気代を節約し、余った電力を売れるメリットもありますが、デメリットにも注目する必要があります。
例えば、設置後は、定期点検やメンテナンスが必要だったり、雨漏り、落雪、反射光による問題が発生したりするリスクも考えられます。
太陽光発電のメリットだけでなく、デメリットもしっかり説明してくれる業者は、信頼性の高い業者の可能性が高いでしょう。
限定価格を提案し購入をすすめる
訪問した当日に限定価格を提案して契約を迫ったり、十分な時間を与えずに契約を持ちかけたりする場合は、悪質業者の可能性があります。
限定価格を提示する理由は、他の人と相談したり、情報を収集したりすることを阻止するためです。
信頼できる業者は、契約を迫ったりせず、じっくり考える時間を提供してくれます。
もしも、業者が帰らない場合は、不退去罪になるので、ためらわずに警察を呼びましょう。
会社名を教えない
信頼性の低い業者は、自分の身元や会社情報を明かしたくない場合もあります。
名刺を要求しても「今は持っていない」「切らしている」などという業者は悪質業者を疑う必要があります。
名刺を受け取った場合でも、会社の住所や電話番号が存在するかどうかを確認することが重要です。
そのため、訪問業者には名刺を要求し、会社名を尋ねた際に、情報を隠す業者とは関わらないようにしましょう。
離職率が高く若手社員が多い
悪徳業者はブラック企業が多く、離職率が高いのも特徴です。
ブラック企業は、未経験の新入社員を多く雇用し、経験豊富なベテラン社員が少ない傾向があります。
経験実績が少ない業者ほど、離職率が高く、またサービスの質が下がります。
例えば、会社が5年以上経っているのに、営業マンが入社して1年以内だったり、会社の創業メンバーの多くが退社していたりする場合は注意すべきです。
良い業者であれば、若手社員が営業する際に、専門家やベテラン社員がサポートしてくれます。
逆に、専門知識がない業者は、商品についての質問に適当な回答をする悪徳業者の可能性が高いでしょう。
太陽光発電で騙されない対策方法
太陽光発電で騙されないための対策方法は、以下のとおりです。
- 販売業者の実績と顧客評価をチェック
- 複数の業者に見積り依頼する
- 消費者ホットラインを活用する
- 購入をせかされても契約しない
では、早速それぞれの対策方法について紹介していきます。
販売業者の実績と顧客評価をチェック
太陽光発電の設置で騙されないためには、顧客の口コミや評判を調査しましょう。
業者の実績や顧客評価をチェックすることで、太陽光発電の設置やメンテナンスにおいて信頼性の高い業者を判断することができます。
また、利用者の経験談を知ることで、実際の現場での対応や設置方法を大まかに把握できるため、優良業者を選ぶのに非常に役立ちます。
そのため、太陽光発電を選ぶ際には、事前に販売実績や顧客表を確認しつつ、信頼性のある業者を選ぶようにしましょう。
複数の業者に見積り依頼する
太陽光発電を購入するか判断する際は、複数の業者から見積もりをとることが大切です。
複数の業者に見積もりを依頼することで、太陽光発電の適正価格や信頼性、評価を他の業者と比較できるからです。
見積りを取った際に、価格の差が大きすぎたり、業者の評価や対応に差があったりする場合は、悪質業者だと見分けることができます。
太陽光発電で騙されないためにも、複数の業者から見積り依頼することをおすすめします。
消費者ホットラインを活用する
消費者ホットラインは、太陽光発電のトラブルを解決するためのアドバイスや仲介をしてくれます。
消費者ホットラインの「188」に電話すると、日本全国の相談窓口を案内しており、各地域で適切なアドバイスや支援を受けることができます。
太陽光発電を契約する前に設置業者が確かな技術を持っているか不安な場合は、消費者ホットラインを活用することをおすすめします。
購入をせかされても契約しない
訪問や電話販売で、太陽光発電の購入を急かされても契約しないことが大切です。
販売業者が自宅に訪問し、強引な勧誘やウソの話をして、契約してしまう人が後を絶たちません。
悪質な業者は、緊急性を訴えかけるため、じっくり考える時間をあたえず契約を迫ってきます。
太陽光発電を一度、設置すると25年以上は使用するため、すぐには取り外すことはできません。
悪徳業者が訪問して来た場合は、甘い言葉や上手い儲け話にはのらず、はっきりと断りましょう。
太陽光発電の設置で騙された場合の対処法
太陽光発電の設置で騙された場合の対処法は、以下の3つです。
- 国民生活センターと法律専門家にアドバイスを求める
- クーリングオフ制度を利用する
- 消費者契約法を使って契約を取り消す
騙されてしまった時でも、焦らず上記の方法を試してみましょう。
騙された時の対処法について説明していきます。
国民生活センターと法律の専門家にアドバイスを求める
太陽光発電の勧誘や詐欺に巻き込まれた場合、まずは国民生活センターと法律の専門家に相談することをおすすめします。
国民生活センターは、消費者トラブルのアドバイスや対応方法を提供する窓口であり、太陽光発電に関するトラブルに特に注意を呼びかけています。
また、法律の専門家は法的な知識を持っており、アドバイスだけでなく法の代理人として対応してくれます。
太陽光発電に関する詐欺被害は専門的な知識が必要なことが多いため、自力で解決しようとするのはむずかしいのが現状です。
また、状況によっては、救済制度を利用できずに損害を被る可能性があるため、事前に国民生活センターや法律の専門家にアドバイスをもらうのが重要です。
太陽光発電の投資詐欺被害に遭った場合、まずは国民生活センターか、消費者問題に精通した弁護士に相談して、適切な対策を考えましょう。
クーリングオフ制度を利用する
太陽光発電を無理やり契約させられた場合、クーリングオフ制度を利用できます。
太陽光発電の契約書を交わした日から、8日間以内にキャンセルが可能です。
「だまされた!」と気づいたら、泣き寝入りせずに問題を解決する方法を考えるべきです。
また、クーリングオフの期間を過ぎていても、対応してもらえるケースもあるため、専門家や消費生活センターに相談することをおすすめします。
太陽光発電の設置で騙されるな!悪質業者一覧
太陽光発電の価格だけで判断せず、事業者の実績や評判をよく調べてから判断することが非常に重要です。
以下は、詐欺事件を起こした太陽光発電の悪質業者です。
- アイワイエコシステムズ
- ディーエスエス
- 太陽住研
- A・LIKE
- サンパワージャパン合同会社
- 株式会社M&i
それぞれの業者の悪質行為や被害内容について紹介していきます。
アイワイエコシステムズ
「千葉日報」によると、2013年11月28日、千葉県市原市にある太陽光発電会社「アイワイエコシステムズ」の社長が詐欺の疑いで逮捕されました。
詐欺の手口には、電気代を安くする方法や、余った電力を売ることができると言い、5人から約1250万円を騙し取りました。
2010年に設立してから100人以上と契約しましたが、35件のみ施工が完了しただけで、残りの工事は途中で中断したり、一切工事が行われなかったりしたようです。
逮捕された社長は、「最初から騙すつもりでお金を受け取ったわけではない」と言って、罪を否定しています。
ディーエスエス
「朝日新聞社」によると、名古屋市北区に本社を持つ「ディーエスエス」という太陽光発電の販売会社の社長と施工責任者が逮捕されました。
2021年10月から太陽光発電設備の工事をする際に、山を伐採したり、土地をいじくり回したりして、南知多町の地元の人たちとトラブルを起こしています。
小規模な発電設備を109台建設する計画を立てましたが、地元住民からの反対意見が相次ぎ、2022年2月に計画を取り止めることを住民説明会で発表しました。
会社は無断で整地した土地を元の状態に戻し、被害者と町長が協力し、状況を監視し続けています。
また「東海テレビ」によると、2022年8月、ディーエスエスの社長と工事の責任者と思われる8人の男性が「産業廃棄物処理違反」の容疑で逮捕されました。
逮捕前に社長は「100%ないですね。適切にしてあると僕の目から見えたんです。」と容疑を否認しています。
太陽住研
「ほっとメール@ひたち」によると、2008年8月に、太陽住研という会社に関係する2人が「太陽光発電とオール電化住宅に関するモニター商法」で逮捕・送検されました。
2008年7月~8月にかけて、太陽光発電装置やオール電化の台所用品の設置業者と手を組んで、人々から設置費用をだまし取った疑いが持たれています。
2名の容疑者は、「今なら40万円の割引が受けられる」また「モニターとして5年間毎月35000円を獲得できる」などのウソの言葉を言い、手付金や申し込み料の名目で5回にわたって約300万円を騙し取っています。
また、龍ヶ崎、取手、稲敷市、千葉県などでも50件の事件が発生し、被害額は5000万円に上ります。
A・LIKE
「消費者庁」によると、2022年5月27日に特定取引違反として、9ヶ月間の業務命令停止を消費者庁から受けました。
太陽光パネルを設置させる際、売電収入から見通し金を受け取れると言って、実際には売電収入を支払わなかったのが特定取引違反になった理由です。
代表の男性は、2022年5月27日から2023年2月26日までの期間中、特定取引違反に基づき新たな業務を開始することが禁止されています。
サンパワージャパン合同会社
2022年5月27日、消費者庁は、訪問販売業者であるサンパワージャパン合同会社に特定取引法違反で、9ヶ月間の業務停止としました。
サンパワージャパン合同会社は、株式会社M&iと株式会社A・LIKEと提携し、被害者に太陽光パネルを販売したようです。
その後サンパワージャパン合同会社がパネルを借り受け、売電収入からリース代金をというビジネスモデルを運営。
代表の男性は主に高齢者を対象に、架空の投資案を提案し、容疑者5人全体で、合計約14億円をだまし取った詐欺行為をおこなっていました。
株式会社M&i
「消費者庁」は2022年5月27日、特定取引法違反で、訪問販売業者である株式会社M&iに対して、9ヶ月間の業務停止となりました。
特定取引違反になった理由は、パンフレットを被害者に送付したり、売電収入からリース料金を支払わなかったりなどが理由です。
2022年5月27日から2023年2月26日までの期間中、特定取引違反に基づき新たな業務を開始することが禁止されています。
【甘い言葉に騙されるな】太陽光発電の知識で悪徳業者から身を守ろう
今回は、太陽光発電の悪質業者の手口の特徴や騙されない対策方法・危ない業者について紹介しました。
FIT制度がスタートし、太陽光発電の導入件数が増えたことで、相談件数も増加しています。
事前に太陽光発電の知識をつけておくことで、無理な勧誘や甘い言葉に引っかからずにすみます。
太陽光発電は長期間、使用するため信頼できる業者を選ぶことが大切です。
騙されないためにも、いくつかの業者に相談したり、政府の公式ウェブサイトや専門家のアドバイスをチェックして信頼性のある業者を選びましょう。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
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