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V2Hと蓄電池の違いとは?併用によるメリット・デメリットを解説

EV・V2H 2024年01月04日更新

節約や停電対策にV2Hと蓄電池は注目を浴びています。

購入後の後悔を避けるためにも導入前に、それぞれの違いを理解することは重要です。

この記事では、V2Hと蓄電池の特徴や機能の違い、併用で得られるメリット・デメリットなどについて紹介します。

V2Hと蓄電池とは?特徴や機能の違いについて

V2Hと蓄電池の特徴や機能の違いについて、詳しく解説していきます。

【車から家へ電力供給】V2Hの特徴と機能

V2Hの特徴と機能は、以下のとおりです。

特徴

  • 200V家庭用電源の2倍速でEVを充電できる
  • 昼間に充電して夜間に使うことで電力を節約
  • 家庭用蓄電池よりもコストが低い

機能

  • 太陽光発電から電気自動車への充電が可能
  • 電気自動車のバッテリー(直流電力)を交流電力に変換
  • EV・PHVのバッテリーを家庭に供給できる

V2Hとは、車のバッテリーを使って、自宅の電気を使うことができるシステムのことです。

V2Hは太陽光パネルの直流の電力を、交流電力に変換できるため、家庭の電源や太陽光エネルギーを使ってEVを充電できます。

また、太陽の力で発電した電力を、EVに貯めておけば、コンセントから家中に利用できるように供給してくれます。

V2Hを使えば、普段の生活用の電気と、車の運転用の電気が同時に使えるので、災害時にも役立ちます。

【電力の備蓄力】蓄電池の特徴と機能

家庭用の蓄電池の特徴と機能は、以下のとおりです。

特徴

  • 繰り返し使用可能
  • 長寿命で安全性が高い
  • 停電時に電気を使用できる

機能

「ハイブリッド型」

  • 緊急時も高出力で、ロスが少ない
  • 太陽光発電と蓄電池のパワコンを一つにまとめられる
  • パワコン1台分の交換費用のみで低コスト

「単機能型」

  • 導入費用が安くすむ
  • 太陽光発電のシステム保証を継続できる
  • 太陽光発電なしでも設置可能

蓄電池は、太陽光パネルや電力供給から電力をため、何度も使えるシステムのことです。

蓄電池は、マイナスとプラスの電極の間を電子が移動することで、電力を貯めたり(充電)、使ったり(放電)することができます。

一般的な家庭タイプの蓄電池や電気自動車には、リチウムイオン電池が使われていることが多いため、蓄電容量が大きく、長寿命で安全性が高いのが特徴です。

V2Hと蓄電池の8つの違いを比較

V2Hと蓄電池の違いを8つ表でまとめてみました。

 

蓄電池

V2H

価格(工事費込み)

120万~246万円

87万~130万円前後

容量

4kWh~16kWh

30kWh~60kWh

寿命

15年~20年

10年~15年

蓄電機能

×

対応機種の多さ

△(海外の車は非対応)

停電時の電気供給

〇(※EVがある場合)

バッテリーの移動

×

補助金

・DER補助金

・ZEH補助金

・こどもエコすまい支援事業

・クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金

・DER補助金

・CEV補助金

・DP補助金

(価格参照:経済産業省 「定置用蓄電システムの目標価格および導入見通しの検討」

蓄電池は電力を使えますが、V2H(車から家への電力供給)機能は持たないため、電気自動車からの電力供給ができません。

また、災害時には電気自動車の大容量バッテリーを使って、家庭全体に電力を供給できるため、蓄電池に比べて生活を維持できます。

どちらも太陽光発電と組み合わせて使えるため、災害時も安心して行動できるでしょう。

V2Hと蓄電池のセット使いで得られるメリット

V2Hと蓄電池のセット使いで得られるメリットは、以下の7つです。

  • 同時に2台分の蓄電池を利用できる
  • 年間の電力コストをさらに削減可能
  • V2Hと蓄電池で補助金の利用が可能
  • 充電時間の短縮が可能
  • ガソリン車と比べて節約しやすい
  • 緊急時にたくさんの電化製品が使える
  • 環境にやさしいライフスタイルが送れる

セット使いで得られるメリットをくわしく紹介していきます。

同時に2台分の蓄電池を利用できる

V2Hを使うと、蓄電池と電気自動車のバッテリーを同時に利用できます。

V2Hを使って蓄電池と電気自動車のバッテリーを取り出すと、長期間の停電に備えることができ、最大4日分の電力を確保することも可能です。

V2Hを設置すれば、災害時にも電化製品を安心して使えるため、停電が長引いてしまった時も、自宅での避難生活を快適に続けることができます。

ガソリン車と比べて節約しやすい

V2Hを導入することで、年間1万kmの走行にかかるガソリン代を大幅に削減できます。

 

電気自動車

ガソリン車

単価コスト

31円/kWh

(※家電公取協の目安単価)

177円/L

(※2023年9月25日(月)時点の平均価格)

燃費

「6km/kWh(一般的な電気自動車の場合)」

「15km/L(一般的な軽自動車の場合)」

年間の走行コスト

5万1,666円

11万8,000円

ガソリン車とくらべると、年間で6.6万円ほど節約できる計算になります。

さらに、太陽光発電を利用すれば、年間の電気代を大幅に削減できるでしょう。

V2Hと蓄電池で補助金の利用が可能

V2Hと蓄電池を導入することで、国から補助金を受け取ることができます。

2023年に実施てしている蓄電池とV2Hの国の補助金は下記のとおりです。

蓄電池で使える補助金

 

DR補助金

DER補助金

ZEH+、次世代ZEH+補助金

こどもエコすまい支援事業

申請期間

2023年1月31日~2023年12月22日

2023年7月18日~2023年12月22日

ZEH+:2023年8月29日~10月7日(三次公募)

(※四次公募:2023年11月21日~2023年1月6日)

次世代ZEH+:2023年8月29日~2023年11月8日(二次公募)

2023年3月31日~2023年12月31日

補助金額

①初期実行容量:3.2万円/kWh

②上限額60万円

③蓄電池の工事費1/3以内

①初期実行容量:2.7万円/kWh

②システム+工事費:⅓

③HEMS:定額5万円

設備費:2万円/Kwh、補助対象経費の1/3または20万円のいずれか低いほう

6.4万円/戸

V2Hで使える補助金

 

DER補助金

CEV補助金

申請期間

2023年7月18日 ~ 2023年12月22日

2023年3月31日 ~ 2023年10月31日

補助金額

①設備費:上限75万円

②工事費用:定額40万円

③HEMS:定額5万円

①機器購入費の1/2(上限額75万円)

②工事費の上限額40万円

DR補助金とCEV補助金は、一部の地域で併用できる可能性があります。

現在の地域で2つの補助金を実施している場合は、活用することを検討しましょう。

充電時間の短縮が可能

V2Hには、高電圧で高出力のモデルがあり、普通充電よりも半分の時間で充電が可能です。

NISSAN」の公式サイトによると、日産のアリア(66kWhバッテリー)では、通常の充電では充電完了までに約25.5時間かかりますが、出力6kWを使用すると、わずか12時間で充電が完了します。

V2Hを利用することで、充電時間の短縮になり、車をよく使う人にとって、とても便利な生活が送れるでしょう。

環境にやさしいライフスタイルが送れる

V2Hと蓄電池を使えば、環境に優しい生活が送れます。

電気自動車のバッテリーを家庭用電源に接続し、蓄電池と連携させることで、再生可能エネルギーを最大化できます。

さらに、太陽光パネルの電力を蓄電池や電気自動車に蓄え、必要な時に自宅や家電製品に電力を供給することも可能です。

V2Hと蓄電池の併用は、電力の無駄を減らしたり、クリーンなエネルギーを有効活用したり、電力供給の安全性を高めたりと、いつでも環境にやさしいライフスタイルが送れます。

V2Hと蓄電池を導入することで、持続可能な未来に向けて大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。

V2Hと蓄電池のセット使いによるデメリット

V2Hと蓄電池のセット使いによるデメリットは、以下の5つです。

  • 高い設置コストがかかる
  • 分電盤の配置に合わせて決める必要がある
  • 十分な設置スペースが不可欠
  • 急速充電の使用が多いと劣化スピードが早まる
  • 対応機種の選択肢が限られている

メリットを理解した後は、デメリットについても見ていきましょう。

高い設置コストがかかる

蓄電池とV2Hを同時設置するために、200万~400万円ほどの費用がかかります。

高額な費用を一度に支払うのはむずかしいかもしれませんが、補助金を利用することで負担を減らせます。

例えば、オムロン6.5kWh(初期実効容量:5.4kWh)の蓄電池を導入する場合、DR補助金の利用で約17万円の補助金を受け取ることが可能です。

また、V2Hの導入もCEV補助金を使うことで、設備費・工事費込みで最大115万円が支給されます。

蓄電池とV2Hは、自治体の補助金を併用できる場合もあるので、上手に活用しましょう。

分電盤の配置に合わせて決める必要がある

V2Hの設置場所は、分電盤の配置や電気自動車の車種に合わせて検討する必要があります。

V2Hのメーカーによっては、分電盤からの距離が離れている場合があるからです。

分電盤から50m離れている場合、V2Hの利用が制限される可能性があるため、駐車スペースごとに給電しやすい位置を検討することが重要です。

自宅に1台の電気自動車しかない場合、V2H機器を後部座席側に設置することで、将来電気自動車を乗り換えても、V2H本体を移動しなくても済むので、設置後も安心です。

十分な設置スペースが不可欠

蓄電池とV2Hの設置には、広めのスペースを確保する必要があります。

蓄電池はエアコンの室外機を2台分並べたサイズ程度で、V2Hはそれよりやや大きめのサイズです。

蓄電池は、メーカーが指定する一定のスペースを確保しないと、蓄電池の劣化が進んでしまう可能性があります。

一定のスペースがない場合は、メーカーの保証が適用されないケースもあることを覚えておきましょう。

また、V2Hを導入する際には、建物の近くに車を駐車し、V2H機器の設置スペースを確保する必要があります。

駐車場の設置場所を選ぶ際に、車の出し入れがスムーズにできることも考慮しておくことが大切です。

急速充電の使用が多いと劣化スピードが早まる

V2Hを使って急速充電を繰り返すと、電気自動車のバッテリーの劣化スピードが早まります。

バッテリーの寿命を長くするためには、急速充電の回数を減らしつつ、充電スピードををゆっくりおこなうことが大切です。

また、正しい充放電サイクルと温度管理も気を配ることで、バッテリーの寿命を延ばせるでしょう。

対応機種の選択肢が限られている

V2H対応車種はメーカーによって異なり、2023年現在では11メーカー27車種のみが対応しています。

11メーカーのうち海外の対応メーカーは、3社で9車種と少ないのが現状です。

電気自動車やV2Hは高価ですが、補助金を利用することでコストをおさえることができます。

環境に配慮した経済的なカーライフを求める人や、太陽光発電の残りの電力を有効活用したい人、万が一の時の備えを重視する人にとって、V2H対応車種は最適な選択といえます。

V2Hと蓄電池どっちがおすすめ?ケース別に紹介

V2Hと蓄電池がおすすめのケース別に分けて紹介します。

V2Hの導入がおすすめのケース

V2Hの導入がおすすめの人は、以下のとおりです。

  • 太陽光発電を設置済みの人
  • 自宅で車の急速充電をしたい人
  • 電気自動車と併用して補助金を活用したい人
  • 自然災害が多く停電が起きやすい地域に住んでいる人

V2Hの唯一の強みは、急速充電と電力を貯めて使用できることです。

おすすめポイントに当てはまる人は、V2Hの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

蓄電池の導入がおすすめのケース

蓄電池の導入がおすすめの人は、以下のとおりです。

  • 家にいる時間が長い人
  • 災害への備えを重視する人
  • 太陽光発電パネルからの発電量が多い人
  • 電気料金の安い深夜電力を活用したい人

 

蓄電池の唯一の強みは、昼間の電力を夜間に回せること、長期間の停電にも使用できる点です。

おすすめポイントに当てはまる人は、蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

V2Hと蓄電池の併用がおすすめのケース

V2Hと蓄電池の導入がおすすめの人は、以下のとおりです。

  • 災害時に大容量の電力を確保したい人
  • 太陽光発電でEVの充電費を削減したい人
  • 電気代を抑えつつ自給自足の生活を送りたい人
  • 温室効果ガスを削減させて環境に配慮した電力を使いたい人

V2Hと蓄電池の併用の強みは、自給自足の生活が送れること、災害時に大容量の電力を確保できる点です。

おすすめポイントに当てはまる人は、V2Hと蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

V2Hと蓄電池の違いを理解して節約・停電対策を考えよう

V2Hと蓄電池の違いや併用のメリット・デメリットなどについて紹介しました。

V2Hと蓄電池の違いは、蓄電機能やバッテリー移動や対応機種(車種)のバリエーションなどが挙げられます。

使用環境によって単体や併用に向いている場合が変わるため、V2Hと蓄電池の違いを理解して節約・停電対策を考えることが大切です。

ライフスタイルに合わせて、V2Hや蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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