【2023年最新】FIT制度での太陽光発電システムの売電価格は?
太陽光発電システムは、導入して10年から20年の間、高い売電価格で電気を売ることができます。
高い売電価格で電気を売ることができる期間のことを「FIT制度」と言い、申請するだけで制度を利用することが可能です。
今回は、FIT制度の概要や売電価格、FIT制度終了後について解説します。
目次
太陽光発電で利用できるFIT制度ってなに?
FIT制度とは、先述した通り「一定の期間、高い売電価格で電気を売ることができる制度」です。
FIT制度の特徴は以下の3点。
- 通常よりも高く売電
- 10年から20年の期間
- FIT制度の売電価格は国民全員で賄っている
それぞれ詳しく解説します。
特徴① 通常よりも高く売電できる
2023年現在、東京電力の売電価格は1kWhあたり8.5円です。
対して、FIT制度を利用した時の売電価格は1kWhあたり16円(10kW未満)で、通常よりも倍近く売電価格が高いことがわかります。
特徴② 10年から20年の期間限定
FIT制度の適用期間は、10kW未満の太陽光発電システムの場合は10年、10kW以上の太陽光発電システムの場合は20年です。
10kW以上の太陽光発電システムの場合、売電価格が1kWhあたり10円まで下がってしまいます。
10kW以上の太陽光発電システムの場合、売電価格は下がってしまいますが、売電期間を伸ばすことが可能です。
特徴③ 売電価格は「再エネ賦課金」で賄われている
売電価格が高いということは、電力会社が発電された電気を高く買い取っているということ。
FIT制度による、電力会社の負担をなるべく減らすように導入されたのが「再エネ賦課金」です。
電力会社は、日本に住んでいる人から再エネ賦課金を徴収することで、FIT制度で売電された電気を購入しています。
再エネ賦課金は、毎年経済産業省が定めています。
2023年度は、電気料金が上がって再生可能エネルギーも高く売れるので、再エネ賦課金は値下げされました。
FIT制度はなぜ開始されたの?
FIT制度が開始された大きな理由は、再生可能エネルギーの普及のためです。
- 再生可能エネルギーの普及
- 二酸化炭素排出量の削減
- 設備導入のハードルを下げる
それぞれ詳しく解説します。
目的① 再生可能エネルギーを普及させる
FIT制度は、太陽光発電システムだけではなく、風力発電や水力発電、地熱発電、バイオマス発電で利用することができます。
再生可能エネルギーの売電価格を上げることで、再生可能エネルギーの普及を目指しています。
目的② 二酸化炭素の排出量を減らす
FIT制度で高い売電収入を得ることができ、太陽光発電システムなどの再生エネルギーが増えることで、電気使用による二酸化炭素排出量が減ります。
二酸化炭素の排出量が減ることにより、地球温暖化の進行が抑制されて、脱炭素社会の実現に近づくことが可能です。
目的③ 設備導入のハードルを低くする
再生可能エネルギーを普及させ、脱炭素社会を目指すためには、一般家庭を含めた電気使用者が環境にやさしい再生可能エネルギーを使用する必要があります。
FIT制度を利用することで、高く電気を売ることができるので、太陽光発電システムの導入のハードルを低くすることがFIT制度導入の狙いです。
2023年にFIT制度を利用して太陽光発電の電気を売電したらいくら?
FIT制度を利用して、太陽光発電の電気を売電したい場合には、以下の3つのポイントを知っておきましょう。
- 2023年のFIT制度の売電価格
- FIT制度の売電価格の推移
- FIT制度の利用時期
それぞれ詳しく解説します。
ポイント① 2023年のFIT制度売電価格は
2023年のFIT制度の売電価格は、10kW未満の太陽光発電システムの場合1kWhあたり16円です。
東京電力の売電価格は1kWhあたり8.5円なので、FIT制度を利用した方が高く売電できることがわかります。
ポイント② FIT制度の売電価格は年々下落している
仮に、2023年にFIT制度の利用を開始した場合、売電価格は2022年よりも下がってしまいます。
FIT制度の売電価格の推移は、以下の表の通りです。
表を見ると、1kWhあたりの売電価格は、1年間で1円から2円程度下がっていることがわかります。
年度 | 10kW以上 | 10kW未満 |
2023年 | 10円 | 16円 |
2022年 | 11円 | 17円 |
2021年 | 12円 | 19円 |
2020年 | 13円 | 21円 |
ポイント③ FIT制度を利用したいなら早めがおすすめ
FIT制度の売電価格は、1年で1円から2円程度安くなっています。
仮に、2024年の売電価格が2円下がった場合、売電価格は14円になります。
2024年のFIT制度の売電価格が14円になった場合、100kWh売電すると1,400円です。
対して、2023年の売電価格は16円なので、100kWh売電した場合は1,600円になります。
売電価格が下がれば下がるほど、売電収入は下がり、1kWhあたり2円下落しただけでも100kWhあたり100円単位で売電収入が下がります。
FIT制度の売電価格は、今後値上がりする可能性は低いので、なるべく早くFIT制度を利用することがおすすめです。
太陽光発電のFIT制度を利用した売電価格の過去と今
どんどん売電価格が下がっているFIT制度ですが、FIT制度が導入された当初は売電収入を得ることができました。
対して、2023年現在では売電価格よりも電気料金の方が高いので、売電するよりも自家消費を増やした方がお得です。
FIT制度開始直後は売電収入を得られた
FIT制度が開始された2012年の売電価格は、ダブル発電をしていない家庭で1kWhあたり42円でした。
2023年の売電価格が16円で、100kWh売電すると売電収入は1,600円です。
対して、2012年からFIT制度を利用している家庭では、100kWh売電すると4,200円になります。
2012年は、太陽光発電システムに対する補助金も利用することができたので、かなりお得に太陽光発電システムを導入できたことがわかります。
2023年現在は自家消費を多くした方がお得
2023年現在は、FIT制度を利用していても、発電した電気は自家消費する方がお得です。
2023年の東京電力「夜トク12プラン」の1kWhあたりの電気料金は、昼間が44.36円、夜間が33.53円です。
仮に、太陽光発電システム単体で運用し、昼間の自家消費量を100kWh増やしたとします。
すると、安くなる電気料金は4,436円です。
FIT制度を利用して100kWhを売電した場合の売電収入は1,600円なので、同じ100kWhでも自家消費した方が2,836円もお得になることがわかります。
「卒FIT家庭」が急増中!FITが終了したらどうする?
FIT制度は、10年または20年で適用期間が終了します。
2023年のFIT制度を利用した売電価格が安いとはいえ、普通に売電するよりも売電価格は高く設定されています。
FIT制度が終了すると、売電価格はさらに下がります。
現時点の東京電力への売電価格は8.5円ですが、2023年から10年後の売電価格は、今よりも下がっている可能性があります。
選択肢① 太陽光発電を取り外す
太陽光発電システムを取り外してしまうのも、FIT制度終了後の選択肢の一つです。
ただし、太陽光発電システムを取り外すには、取り外すための工事費用や廃棄費用などが必要になります。
さらに、穴の空いた屋根を補修する必要があるので、100万円程度の費用がかかる点には注意が必要です。
太陽光発電システムがまだ使える場合、FIT制度が終了したからと言って、太陽光発電システムを取り外すのはおすすめできません。
選択肢② 売電を続ける
FIT制度終了後に、売電を続けるのも一つの選択肢です。
ただし、売電価格が下がっている以上、売電収入は格段に減ってしまいます。
特に、近々FIT制度が終了してしまう家庭では、売電価格が半分以下になってしまうので注意が必要です。
選択肢③ 蓄電池を導入する←おすすめ!
FIT制度終了後の選択肢としておすすめなのが、蓄電池を導入すること。
蓄電池を導入することで、太陽光発電システムで発電した電気を増やすことができ、電気代をさらに安くすることができます。
また、ハイブリッド型の蓄電池を導入することで、太陽光発電システムのパワコンを交換することが可能です。
販売店によっては、蓄電池の導入で今ある太陽光発電システムへの保証が追加される場合もあります。
太陽光発電と蓄電池はデメリットを補え合える設備!
最後に、太陽光発電システムと蓄電池を併用した場合のメリットを解説します。
太陽光発電システムと蓄電池は、とても相性のいい住宅設備です。
FIT制度終了後も太陽光発電システムを活用したい場合は、蓄電池との併用を検討してみましょう。
メリット① 自家消費が増えて光熱費がお得に
太陽光発電システムと蓄電池を併用することで、発電した電気の自家消費量を増やすことができます。
特に、売電価格よりも電気代の方が高い近年では、自家消費量を増やすことで、電気代を大幅カットすることが可能です。
オール電化の家庭や、家族人数が多い家庭は、太陽光発電システムと蓄電池を併用することで、蓄電池のローン以上の経済効果を得ることができる可能性があります。
メリット② 長期的な停電対策に
太陽光発電システムと蓄電池を併用することで、長期的な停電が起こっても安心して自宅に避難することが可能です。
万が一停電が起こり、蓄電池内の電気がなくなってしまっても、朝になり太陽が出れば、再度蓄電池を充電することができます。
特に、小さい子供や高齢者がいる家庭や、在宅している時間が多い家庭では、太陽光発電システムと蓄電池での停電対策がおすすめです。
メリット③ 蓄電池導入で補助金がもらえる
2023年には、蓄電池の導入で補助金を受け取ることができます。
補助金は、国からだけではなく、都道府県や市町村からも受け取れるケースがあります。
補助金を受け取ることができる条件や金額は、補助金によって異なるので、必ず事前に確認しておきましょう。
FIT制度終了に関係なく太陽光発電×蓄電池は超おすすめ!
今回は、FIT制度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
FIT制度は、通常よりも高い売電価格で電気を得ることができますが、現在は電気料金の方が高いです。
FIT制度を利用している、いないに関わらず、太陽光発電システムで発電した電気は、蓄電池と併用して自家消費を増やすことがおすすめです。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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