Powerwallはどんな蓄電池?特徴や注意点について徹底解説!
2004年に創業したテスラ社は、20年足らずの間に世界的な電気自動車メーカーに急成長しました。
テスラ社の快進撃は自動車業界にとどまりません。エネルギー関連製品にも進出しています。
今回紹介するPowerwall(パワーウォール)は、テスラが開発した家庭用リチウムイオン池です。
Powerwallの特徴や注意点について詳しく解説します。
目次
Powerwallとは?
テスラ社のPowerwallはどのような蓄電池なのでしょうか。概要を整理します。
Powerwallはテスラ社製の家庭用蓄電池
電気自動車メーカーとして有名なテスラ社ですが、太陽光発電や蓄電池の分野にも積極的に進出しています。
2019年10月、テスラ社は、日本向けの家庭用蓄電池として「Powerwall」の販売を開始することや2020年春から販売を開始することなどを発表しました。
円高が進んだ2023年段階でも本体価格が約110万円です。
販売発表時の予定価格は工事費別で99万円です。
容量が13.5kWhであることを考えると同クラスの蓄電池と比べてかなり割安であるとして話題となりました。
たとえば、京セラの大容量タイプ(EGS-LM1201)は容量12.0kWhで希望小売価格が407万円であることを考えると、かなり割安であることがわかります。
太陽光発電と一緒に利用
Powerwallは、蓄電池単体でも利用可能ですが、太陽光発電と連携させるとさらにお得です。
なぜなら、日中に太陽光で発電した電力を蓄電池に蓄え、夜間にも太陽光発電の電気を使用できるからです。
太陽光発電の電気を自宅で消費する自家発電の割合が高くなると、電力会社への依存を小さくできるため、電気代を安くできます。
環境面でのメリットもあります。
電力会社から購入する電力が減ると、二酸化炭素の排出削減に貢献できます。
日本の電気の70%以上が火力発電に依存しているため、電力会社の電気を購入すればするほど、二酸化炭素を排出してしまいます。
しかし、蓄電池を購入して太陽光発電の電気を使用すれば、二酸化炭素を排出しないエネルギーの使用割合が増えるため、二酸化炭素の排出削減に貢献できます。
Powerwallの特徴
ここからはPowerwallの特徴を4点取り上げます。
スマホの専用アプリで蓄電池の状態をチェックできる
テスラのアプリを使用すると、太陽光発電の電気の消費量をリアルタイムで確認できます。
これにより、いつでも、どこからでも蓄電池の稼働状況を確認することができます。
さらに、運転モードの変更も可能です。
非常時に備えて蓄電を優先するのであれば、蓄電率を高くするとよいでしょう。
自家消費率を高めるには、家庭で使用する太陽光発電の電気量を増やすとよいでしょう。
また、時間帯別に電気の消費量を設定するのであれば、時間帯別制御モードを使って、使用する電力量をコントロールすることができます。
ストームウォッチモードで自動的に台風に対応
自然災害などで停電が発生した際、蓄電池はとても重要な役割を果たします。
ライフラインが寸断して停電になった場合、太陽光発電による余剰電力を蓄え、自動的に自宅に電気を供給することができるからです。
悪天候で停電のリスクがあるとき、自動的に蓄電率を高めて停電に備えるのがストームウォッチモードです。
ストームウォッチモードをオンにしておくと、台風や暴風雨に関する注意報や警報、雷雨・竜巻・吹雪・強風・洪水などに関する警報に対応して蓄電率を高めます。
13.5kWhの大容量
Powerwallの特徴の1つに、蓄電容量が大きいということががあります。
13.5kWhは蓄電池の容量としてはかなり大きいものです。
国内メーカーの蓄電池容量は5〜7kWhのものが多く、大型の蓄電池で10kWh以上のものがでてきます。
それを踏まえて考えると13.5kWhはかなりの大容量だといえるでしょう。
コンパクトでデザイン性が高い
Powerwallの魅力の一つが、コンパクトでデザイン性が高いことです。
Powerwallのサイズは、高さ1150mm×幅753mm×奥行147mmです。
国内メーカーの蓄電池と比べても、それほど大きいものではありません。
蓄電容量を考えると、かなりコンパクトだといえます。
Powerwallがコンパクトである理由の一つは、パワーコンディショナーが本体に内蔵されているからです。
だからこそ、シンプルで機能美を追求したデザインが可能だともいえます。
Powerwallは無駄を省いた洗練されたデザインで、室内に置いていても違和感を感じにくいものとなっています。
Powerwallの注意点
災害時対応や容量について優れたPowerwallですが、注意すべき点もあります。
ここからは、3つの注意点について解説します。
設置できる事業者が少ない
1つ目のデメリットは、日本でPowerwallを設置できる事業者が少ないということです。
Powerwallの販売・施工・保守管理はテスラ社が認定した事業者のみが行えます。
すんでいる地域に設置できる事業者がいない場合、Powerwallの設置は難しくなるかもしれません。
ただ、認定業者は増加する可能性があるため、居住地域の周辺に認定業者がいれば、他のメーカーよりも割安で蓄電池を購入できます。
補助金対象となっていない
2つ目のデメリットは、補助金の対象となっていないことです。
たとえば、国が実施しているDER補助金やDR補助金の交付を受ける場合、SII(環境共創イニシアチブ)に事前に登録していなければなりませんが、Powerwallは登録していないため、補助金の申請ができません。
地方自治体の補助金についても、SIIに事前登録しているものを対象としていることが多いため、補助金をもらえない可能性が高いでしょう。
ただし、Powerwallは他者の蓄電池よりもかなり割安であるため、補助金をもらえずとも経済的メリットは大きいといえます。
設置する場所の補強工事が必要になる可能性がある
3つ目のデメリットは、設置する場所の補強工事が必要な可能性があることです。
シンプルでスタイリッシュなPowerwallですが、重さは114キログラムとかなりの重量です。
そのため、設置場所次第で補強工事が必要となります。工事費用は50万円前後かかることが多いため、思いのほか高額です。
ただ、設置費用は事業者によって異なるため、複数業者に見積もりを出してもらうなどして、料金を比較検討したほうがよいでしょう。
まとめ
今回はテスラ社製の蓄電池Powerwallについて解説しました。
国内メーカーに比べてかなりの大容量でありながら、価格が安いことで注目を集めている蓄電池です。
スマホアプリでモニタリングできる点や天候急変時に蓄電容量を自動で変更できる点などがメリットとして挙げられます。
しかし、Powerwallを設置できるテスラ社認定業者が近隣にいなければ、購入・設置が難しいことや補助金対象とならないことなどデメリットもあります。
今回の記事をPowerwall設置の検討材料としていただければ、ありがたいと思います。
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この記事の監修者
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