太陽光パワコンの単独運転とは?リスクや自立運転との違いをわかりやすく解説!
太陽光発電の中核ともいえるパワコン(パワーコンディショナ)には、停電時に発電した電気が家庭で使える「自立運転」という便利機能が搭載されています。
一方で、太陽光パワコンのよく似た用語に「単独運転」というものがあり、自立運転と同じような機能だと勘違いしている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、太陽光パワコンの単独運転の特徴やリスクの一例、自立運転との根本的な違いや、自立運転で停電時に利用できる電力の目安について解説していきます。
記事の後半では、停電対策を強化するなら「太陽光発電 + 家庭用蓄電池」がおすすめな理由についても解説していますので、興味がある方はぜひご一読ください!
目次
太陽光パワコンの単独運転とは?
太陽光パワコンの「単独運転」とは、停電発生時に太陽光発電で作られた電気が、本来停電しているはずの地域の送電網に流れ込む状態を指す用語です。
単独運転が起きると停電復旧中の作業員が感電してしまったり、配線のショートによる火災の原因となるなど、重大なトラブルにつながる可能性があります。
国内で流通している太陽光パワコンには単独運転への対策が義務付けられているため、故障時や不具合が起きたケースを除いて、家庭で単独運転が起こる可能性はほぼありません。
単独運転が引き起こすリスクの一例
太陽光パワコンの単独運転が発生すると、以下のようなリスクを引き起こす可能性があります。
- 停電箇所の調査員が感電する
- 停電の復旧作業員が感電する
- 地域の消防活動に遅れが出る
- 断線した電線に触れた人が感電する
- 送電のインフラ設備が故障する
- 電線のショートにより火災が発生する
太陽光パワコンの単独運転を防止する方法はある?
感電や火災などトラブルの原因となる単独運転ですが、家庭用の太陽光パワコンには「単独運転防止機能」が搭載されているため、実際に起こるケースはほとんどありません。
単独運転防止機能とは、停電発生時に「住宅と送電網の接続を瞬時に切り離す」機能のことで、特別な操作を一切せずに単独運転を防止できます。
単独運転防止機能は、オン・オフボタンや表示などが基本的にないため普段は意識しにくいですが、万が一のトラブルを未然に防ぐ太陽光パワコンの重要機能です。
太陽光パワコンの「単独運転」と「自立運転」の違いとは?
太陽光パワコンの「自立運転」とは、停電が発生した際に、太陽光発電で作ったエネルギーを家庭で利用できる便利機能のことです。
自立運転への切替方法は太陽光パワコンのメーカーやモデルによって違いますが、屋外や屋内の「自立運転用コンセント」に家電を接続して使用するのが一般的です。
停電時に地域の送電網に発電した電気が漏れ出す単独運転と、停電対策に役立つ自立運転は根本的に違いますので、似たような用語でも混同しないようにしましょう。
太陽光パワコンの自立運転で停電時に使える電力はどのくらい?
メーカーや機種にかかわらず、ほぼすべての太陽光パワコンで停電時に利用できる電力は「最大100V・1,500W」までに設定されています。
太陽光パネルの発電量によっては一時的に1,500W以上出力することも可能ですが、天候や時間帯によって安定しないため、安全を考慮して1,500Wまでと定められています。
エアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートは「200V」の電圧を必要とするため、太陽光発電だけでは停電中に使用することはできません。
また、発電量の少ない時間帯は1,500Wの出力を維持できないため、消費電力の大きい電子レンジやドライヤーなどを長時間使用すると故障の原因となる可能性もあります。
停電対策には太陽光発電 + 家庭用蓄電池がおすすめ!その理由とは?
停電対策には太陽光発電のみで運用するより、太陽光発電と家庭用蓄電池を連携させる運用法がおすすめな「3つの理由」は以下のとおりです。
- 停電時に200Vの電気が使えるから
- 発電できない夜間も電気が使えるから
- 長期停電でも電気を自給自足できるから
それぞれのポイントをくわしく確認していきましょう。
理由①:停電時に200Vの電気が使えるから
太陽光発電だけでは停電時に100V・1,500Wまでしか使えませんが、家庭用蓄電池なら「最大200V・6,000W」ものハイパワー出力に対応しています。
停電時出力が3,000W以上のモデルであれば、エアコンとIHクッキングヒーターを同時に使用できるため、停電中でも普段と同じように快適に過ごせます。
大容量モデルを設置すればエアコン「8時間以上」運転させることも充分可能ですので、「夏場は停電中でもエアコンを使いたい!」とお考えの方には特におすすめです。
理由②:発電できない夜間も電気が使えるから
太陽光発電だけでは「発電できない夕方〜早朝」の時間帯に停電対策ができませんが、家庭用蓄電池なら残量がある限り24時間いつでも停電に備えられます。
さらに、一般的な家庭用蓄電池には「停電に備えて一定の残量を確保する機能」が搭載されているため、前日に充電し忘れても停電時に困るケースがほとんどありません。
また、AIによる自動制御機能が搭載されたモデルなら「気象警報を取得して自動でフル充電」してくれますので、機械操作が苦手な方でも安心して停電対策できますね。
理由③:長引く停電時でも電気の自給自足ができるから
数日にわたる大停電が発生した際でも、太陽光発電で自家消費した「余りの電気」を家庭用蓄電池に充電しておくことで、無理なく「電気の自給自足」が可能となります。
日中は発電したエネルギーで洗濯や料理の作り置きを行い、夜間は照明器具やデバイス充電などに電気を利用すれば、電気が復旧するまで最低限の生活を維持できます。
太陽光発電の出力によっては「冷蔵庫を数日間動かし続ける」ことも充分可能ですので、停電対策をより強化したい方なら太陽光発電 + 家庭用蓄電池の組み合わせが最適です。
まとめ:太陽光パワコンの単独運転は危険性あり!家庭用モデルなら対策済みで安心
本記事でくわしく解説してきた「太陽光パワコンの単独運転の危険性・自立運転との違い」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 単独運転とは、停電時に発電した電気が「本来停電している地域の送電網」に流れ出ること
- 単独運転が起きると、復旧作業員の感電やショートによる火災などのトラブルの原因となる
- 自立運転とは、停電時に太陽光パネルで作ったエネルギーを家庭で利用できる機能のこと
- 自立運転では「100V・1,500W」までしか電気が使えないため、エアコンなどは動かせない
- 家庭用蓄電池なら「停電時の200V出力」に対応しているため、停電対策の強化におすすめ
火災や感電など、重大なトラブルにつながる単独運転ですが、国内では防止措置が義務付けられているため、家庭用の太陽光パワコン事故が起きる可能性はほぼありません。
電気代節約・停電対策に役立つ太陽光発電ですが、「停電時出力は低め」という弱点もありますので、停電時の安心を重視するなら家庭用蓄電池との併用がおすすめです。
太陽光発電で作ったエネルギーを家庭用蓄電池に充電すれば、発電できない時間帯の電気代もかしこく節約できますので、ぜひこの機会に設置を検討してみてくださいね!
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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