京セラ太陽光パネルの現状は?撤退後の保証や代替メーカー選択

太陽光発電システムの導入を検討される際、国内メーカーとして高い知名度と実績を誇ってきた京セラの名前を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、「京セラの太陽光パネルって今どうなっているの?」と疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、京セラの太陽光パネルに関する基本情報から、多くの方が気にされているであろう事業の現状、そして今後の保証や代替メーカーの選択肢まで、2025年5月現在の最新情報を踏まえて詳しく解説します。太陽光発電システムの導入で後悔しないために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
京セラ太陽光パネルの基本情報
まずは、京セラの太陽光発電事業がこれまでどのような歩みを見せてきたのか、そしてその製品にはどのような特徴があったのかを振り返ってみましょう。長年にわたり培われてきた技術力と信頼性は、日本の太陽光発電市場において大きな存在感を示していました。
京セラとはどんな会社?太陽光発電事業の実績
京セラ株式会社は、ファインセラミックスを基盤とした多様な事業を展開する大手電子部品・電気機器メーカーです。1975年という早い段階から太陽光発電の研究開発に着手し、1993年には住宅用太陽光発電システムの販売を開始しました。これは国内メーカーとしては先駆け的な取り組みであり、以来、日本の太陽光発電市場をリードする存在として、長年にわたり高品質な製品を供給し続けてきました。その長い歴史と実績から、信頼性の高いメーカーとして多くのユーザーに選ばれてきました。
京セラの太陽光パネルの特徴(過去製品)
京セラの太陽光パネルは、特に「長期信頼性」に定評がありました。独自の技術開発により、過酷な環境下でも安定した発電性能を維持できる高品質なパネルを提供してきました。多結晶シリコン型太陽電池セルを主力とし、長年の使用実績に基づいた安心感が大きな特徴でした。また、「RoofleX(ルーフレックス)」のような、日本の多様な屋根形状に対応できる柔軟な設計の製品も展開しており、設置自由度の高さも魅力の一つでした。これらの特徴により、多くの住宅で京セラ製の太陽光パネルが採用されてきました。
京セラ太陽光パネルのメリット・デメリット(過去のユーザー視点)
長年市場で評価されてきた京セラ太陽光パネルですが、他のメーカー製品と比較した場合、どのようなメリットとデメリットがあったのでしょうか。導入を検討したユーザーの視点から、その評価を振り返ってみましょう。
メリット:高品質と長期保証、国内メーカーの安心感
京セラ製パネルの最大のメリットは、その高品質と長期信頼性にあったと言えるでしょう。厳しい品質管理基準のもとで製造され、長期間にわたる安定した発電が期待できる点は、多くのユーザーにとって大きな魅力でした。また、国内大手メーカーであることの安心感や、比較的長期の製品保証・出力保証を提供していた点も、選択の後押しとなりました。特に、太陽光発電システムは一度設置すると長期間使用する設備であるため、信頼性や保証の手厚さは重要な選定基準となります。
デメリット:価格と変換効率
一方で、デメリットとしては、他の一部メーカー、特に海外メーカーと比較した場合に、価格がやや高めである点が挙げられることがありました。また、変換効率(太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率)に関しても、最新技術を投入する他メーカーの単結晶パネルなどと比較すると、見劣りするケースもあったかもしれません。ただし、変換効率はパネル単体の性能だけでなく、設置環境やシステム全体の設計によっても左右されるため、一概に比較することは難しい側面もあります。導入コストと長期的な発電量、信頼性のバランスを考慮する必要がありました。
【重要】京セラの太陽光発電事業の現状(2025年最新情報)
ここからは、現在京セラの太陽光発電事業がどうなっているのか、多くの方が最も気にされているであろう最新情報について解説します。特に事業撤退に関する情報は、今後の判断に大きく関わるため、正確に把握しておくことが重要です。
住宅用太陽光発電システム事業からの撤退について
京セラは、2023年度をもって住宅用太陽光発電システムの国内販売事業から撤退することを発表しています。 これは、国内市場における価格競争の激化や、原材料価格の高騰など、事業環境の変化を受けた経営判断によるものです。長年にわたり日本の太陽光発電市場を支えてきたメーカーの撤退は、業界にとっても大きなニュースとなりました。この発表により、現在、新規で京セラ製の住宅用太陽光発電システムを国内で購入・設置することは基本的にできません。
撤退後のアフターサービスや保証はどうなるのか?
事業からの撤退と聞くと、「設置済みのパネルの保証やメンテナンスはどうなるの?」と不安に思われる方も多いでしょう。この点について、京セラは公式に「事業撤退後も、既設システムに対する保証やアフターサービスは継続する」と表明しています。具体的には、契約時に定められた保証期間内であれば、製品保証(故障時の修理・交換など)や出力保証(規定の発電量を下回った場合の対応)は従来通り提供されます。また、定期点検やメンテナンスに関するサポート体制も維持される方針です。万が一、不具合が発生した場合や相談したいことがある場合は、購入した販売店や施工業者、または京セラのカスタマーサポートに連絡することで対応を受けられます。ご自身の保証書の内容を改めて確認しておくことをお勧めします。
現在、京セラ製パネルを新規で設置できるのか?
前述の通り、京セラは住宅用太陽光発電システムの国内販売から撤退しているため、2025年5月現在、新品の京セラ製太陽光パネルを一般の住宅に新規で設置することは基本的にできません。 流通在庫などが存在する可能性もゼロではありませんが、メーカーとしての正規販売ルートは終了しています。もし、中古品や在庫品などを提案された場合は、保証の有無や内容、製品の状態などを十分に確認し、信頼できる業者かどうか慎重に判断する必要があります。基本的には、これから新規で太陽光発電システムを導入する場合は、他のメーカー製品を選択することになります。
京セラ製パネル設置済みユーザー・導入検討者が今後考えるべきこと
京セラの事業撤退を受けて、すでに京セラ製パネルを設置している方と、これから太陽光発電システムの導入を検討している方では、取るべき対応や考えるべきポイントが異なります。それぞれの場合について解説します。
設置済みユーザー向け:メンテナンスと保証の確認
すでに京セラ製の太陽光発電システムを設置されている方は、まずご自身の保証書を確認し、保証期間や内容を正確に把握しておくことが重要です。京セラは保証とアフターサービスの継続を表明していますが、具体的な保証内容は契約によって異なります。保証期間がいつまで有効なのか、どのような場合に保証が適用されるのかを理解しておきましょう。また、太陽光発電システムは長期にわたって安定した性能を維持するために、定期的なメンテナンスが不可欠です。販売店や施工業者に相談し、推奨される点検スケジュールや内容を確認し、必要に応じて実施するようにしましょう。特に、パワーコンディショナは消耗部品を含むため、10年〜15年程度での交換が必要になる場合があります。将来的なメンテナンスや機器交換の必要性も念頭に置いておくと安心です。
これから導入する方向け:他のメーカー選択肢
これから太陽光発電システムの導入を検討されている方は、京セラ以外のメーカーから製品を選ぶことになります。幸い、現在も国内外の多くのメーカーが高品質な太陽光パネルを提供しています。ここでは、代表的なメーカーと選び方のポイントをご紹介します。
国内主要メーカーの紹介(シャープ、パナソニックなど)
国内メーカーでは、シャープやパナソニックなどが有力な選択肢となります。シャープは太陽光発電の分野で長い歴史と実績を持ち、多様な製品ラインナップを展開しています。特に、高効率な単結晶パネル「BLACKSOLAR(ブラックソーラー)」シリーズなどが知られています。パナソニックは、「HIT(ヒット)」シリーズに代表される独自のヘテロ接合技術による高効率パネルが特徴でしたが、現在はパネル生産から撤退し、他社製パネルと自社製パワーコンディショナなどを組み合わせたエネルギーソリューションを提供しています。他にも、長州産業など、地域に根差したメーカーも存在します。国内メーカーは、日本の気候や住宅事情に合わせた製品開発や、手厚いサポート体制に強みがあると言えます。
海外主要メーカーの紹介(Qセルズ、カナディアンソーラーなど)
海外メーカーも有力な選択肢です。ハンファQセルズ(韓国)やカナディアン・ソーラー(カナダ)、JAソーラー(中国)、ジンコソーラー(中国)などは、世界的に高いシェアを誇り、日本市場でも多くの実績があります。これらのメーカーは、高い技術力と生産能力を背景に、高性能かつコストパフォーマンスに優れた製品を提供している点が魅力です。特に、変換効率の高さやデザイン性に優れた製品も多く、選択肢は豊富です。海外メーカーを選ぶ際は、日本法人や国内代理店のサポート体制、保証内容などをしっかりと確認することが重要です。
メーカー選びのポイント(性能、保証、価格、施工業者)
メーカーを選ぶ際には、以下の点を総合的に比較検討しましょう。
- 性能(変換効率、出力、耐久性): 自宅の屋根の面積や日射条件に合わせて、最適な発電量が得られる性能を持つパネルを選びましょう。変換効率が高いほど、同じ面積でより多くの電気を作れます。また、長期的な耐久性も重要です。
- 保証(製品保証、出力保証): メーカーによって保証期間や内容は異なります。製品自体の故障に対応する「製品保証」と、発電量の低下を保証する「出力保証」の年数や条件をしっかり比較しましょう。一般的に、製品保証は10年〜15年、出力保証は25年程度が主流です。
- 価格(初期費用、費用対効果): パネル本体の価格だけでなく、設置工事費や周辺機器(パワーコンディショナなど)を含めた総額(初期費用)を確認しましょう。単に価格が安いだけでなく、発電量や保証内容を考慮した長期的な費用対効果(コストパフォーマンス)で判断することが重要です。
- 施工業者との相性: 太陽光発電システムは、製品選びと同じくらい、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。メーカーの正規販売店や、実績豊富で評判の良い業者を選びましょう。施工品質が低いと、雨漏りや発電効率の低下などのトラブルにつながる可能性があります。
太陽光発電システム導入で失敗しないためのポイント
太陽光発電システムは決して安い買い物ではありません。導入後に後悔しないために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。特に、業者選びと見積もり、補助金の活用は重要です。
信頼できる施工業者の選び方
良い施工業者を選ぶことは、太陽光発電システム導入の成否を左右すると言っても過言ではありません。以下の点をチェックしましょう。
- 実績と経験: 住宅用太陽光発電システムの施工実績が豊富か、長く事業を続けているかを確認します。
- 資格と許認可: 必要な建設業許可や電気工事業登録を持っているか、メーカーの施工IDを取得しているかなどを確認します。
- 提案力と説明の丁寧さ: 自宅の状況に合わせた最適なプランを提案してくれるか、専門用語ばかりでなく分かりやすく説明してくれるかを見極めます。メリットだけでなく、デメリットやリスクについてもきちんと説明してくれる業者は信頼できます。
- 見積もりの透明性: 見積書の内訳が明確で、追加費用が発生する可能性などについても説明があるかを確認します。
- アフターフォロー体制: 設置後のメンテナンスやトラブル時の対応について、どのような体制があるかを確認しておきましょう。
見積もりの比較検討
太陽光発電システムの導入費用は、メーカーや製品、設置する容量、屋根の形状、施工業者などによって大きく異なります。そのため、必ず複数の施工業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。見積もりを比較する際は、単に総額だけでなく、使用するパネルやパワーコンディショナのメーカー・型番、保証内容、工事内容、アフターサービスなどを細かくチェックしましょう。極端に安い見積もりには注意が必要です。なぜ安いのか理由を確認し、部材の品質や工事内容に問題がないか慎重に判断してください。
補助金制度の活用(国・自治体)※2025年5月時点の情報
太陽光発電システムの導入にあたっては、国や地方自治体が補助金制度を設けている場合があります。2025年5月現在、国による直接的な設備導入補助金は縮小傾向にありますが、地方自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合があります。また、蓄電池の導入とセットで補助金が適用されるケースもあります。補助金制度は、予算の上限や申請期間が定められていることが多く、情報は常に変動します。導入を検討する地域の自治体のウェブサイトや、施工業者に最新情報を確認し、活用できる制度がないか調べてみましょう。補助金を活用できれば、初期費用を抑えることができます。
まとめ
今回は、「京セラ 太陽光 パネル」というキーワードで検索される方が知りたいであろう情報について、2025年5月現在の最新情報を踏まえて解説しました。
- 京セラは住宅用太陽光発電システムの国内販売からは撤退しましたが、設置済みシステムに対する保証やアフターサービスは継続されます。
- これから新規で導入する場合は、シャープ、パナソニック(システムとして)、Qセルズ、カナディアン・ソーラーなど、他の国内外メーカーから選ぶことになります。
- メーカー選びでは、性能、保証、価格、そして信頼できる施工業者選びが重要です。
- 導入検討時には、複数の業者から見積もりを取り、補助金制度の活用も視野に入れましょう。
太陽光発電システムは、環境への貢献や光熱費削減につながる長期的な投資です。京セラの撤退というニュースはありましたが、現在も多くの優れた選択肢があります。この記事で得た情報を参考に、ご自身の状況に最適な太陽光発電システム導入を検討してください。
京セラ太陽光パネルに関するQ&A
Q1: 京セラが太陽光パネル事業から撤退したのは本当ですか?
A1: はい、本当です。京セラは2023年度をもって、住宅用太陽光発電システムの国内向け新規販売事業から撤退しました。ただし、産業用など一部事業や、設置済みシステムへのアフターサービスは継続しています。
Q2: すでに京セラの太陽光パネルを設置していますが、保証や修理は今後どうなりますか?
A2: ご安心ください。京セラは、事業撤退後も、契約に基づいた保証期間内の製品保証・出力保証、およびアフターサービスを継続すると表明しています。不具合や相談がある場合は、購入した販売店・施工業者または京セラのカスタマーサポートにご連絡ください。念のため、お手元の保証書の内容をご確認ください。
Q3: これから太陽光発電を設置したいのですが、京セラ製はもう選べないのですか?
A3: はい、基本的に新規で京セラ製の住宅用太陽光パネルを設置することはできません。今後は、他の国内メーカー(シャープ、長州産業など)や海外メーカー(Qセルズ、カナディアン・ソーラーなど)から選択することになります。各メーカーの特徴や保証内容を比較検討し、信頼できる施工業者に相談することをお勧めします。
Q4: 京セラ製パネルの中古品や在庫品を見つけました。設置しても問題ないでしょうか?
A4: 中古品や在庫品の設置は、いくつかの注意点があります。まず、メーカー保証が適用されるかどうかの確認が必須です。保証がない、または保証期間が短い場合は、故障時のリスクが高まります。また、製品の状態(劣化具合など)も不明な場合があります。設置を検討する場合は、信頼できる業者に相談し、リスクを十分に理解した上で慎重に判断してください。基本的には、保証のしっかりした新品の設置をお勧めします。
Q5: 京セラの撤退後、どのメーカーの太陽光パネルを選ぶのがおすすめですか?
A5: 一概に「このメーカーが一番良い」とは言えません。お客様の予算、屋根の状況、重視する点(効率、価格、保証、デザインなど)によって最適なメーカーは異なります。国内メーカーではシャープ、海外メーカーではQセルズやカナディアン・ソーラーなどが人気ですが、それぞれのメリット・デメリットを理解し、複数の施工業者から提案や見積もりを受けて比較検討することが重要です。
この記事の監修者

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