蓄電池のみ設置で始める家庭の電力自給自足

目次
蓄電池のみ設置が注目される理由
近年、蓄電池のみの設置を検討する家庭が急速に増加している背景には、電気料金の高騰や停電対策への関心の高まりがあります。太陽光発電システムとセットで導入するイメージが強い蓄電池ですが、実は単体での設置も十分にメリットがある選択肢となっています。
電力会社からの電気を安い時間帯に蓄えて、高い時間帯に使用することで電気代を削減できるため、太陽光発電がなくても経済効果を期待できます。また、災害時の備えとして、停電が発生した際の非常用電源として活用できる点も大きな魅力です。
蓄電池のみ設置のメリット・デメリット
メリット
深夜の安い電力を蓄えて昼間の高い電力使用時に活用することで、電気代の節約効果が期待できます。時間帯別電力プランを活用すれば、深夜料金で充電し、昼間の高い料金時間帯に放電することで月々の電気代を抑制できます。
停電時には自動的に蓄電池からの電力供給に切り替わるため、冷蔵庫やエアコンなどの生活に欠かせない家電製品を継続して使用できます。特に台風や地震などの自然災害が多い日本において、この安心感は計り知れない価値があります。
太陽光発電システムと比較して設置工事が比較的簡単で、屋根への工事が不要なため建物への影響が少ない点も魅力です。また、将来的に太陽光発電システムを追加設置する際も、既存の蓄電池システムとの連携が可能です。
デメリット
太陽光発電システムがないため、自然エネルギーでの発電ができず、電力会社からの電力に依存することになります。そのため、電気料金の値上がりの影響を直接受けやすくなります。
蓄電池は充放電サイクルにより徐々に容量が減少していくため、約30年前後での交換が必要となり、長期的なランニングコストを考慮する必要があります。最新のリチウムイオン蓄電池の充放電サイクル数は6,000回から12,000回程度となっています。
家庭用蓄電池の種類と価格相場
容量別の価格相場
家庭用蓄電池の費用相場は容量1kWhあたり20万円~30万円程度が基準となります。容量別の具体的な価格相場は以下の通りです。
小容量タイプ(3kWh~5kWh):100万円~150万円程度 一人暮らしや二人世帯に適しており、最低限の電化製品を数時間稼働させることが可能です。
中容量タイプ(6kWh~10kWh):150万円~200万円程度
3~4人家族に最適で、冷蔵庫、エアコン、照明、テレビなどの基本的な家電製品を半日程度使用できます。
大容量タイプ(10kWh以上):200万円~350万円程度
大家族や電力使用量が多い家庭向けで、ほぼ全ての家電製品を1日以上稼働させることが可能です。
設置工事費用
蓄電池の標準的な設置工事費用は20万円~35万円程度となります。設置環境や配線の複雑さ等により変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
蓄電池のみ設置の工事内容と期間
工事内容
蓄電池のみの設置工事は、主に以下の作業が含まれます。
基礎工事では、蓄電池本体を設置するためのコンクリート基礎を作成します。重量のある蓄電池を安全に設置するため、地盤の状況に応じて適切な基礎工事を実施します。
電気配線工事では、既存の分電盤から蓄電池までの電気配線を行います。また、蓄電池システムの制御用配線や、停電時の自動切り替え機能のための配線工事も含まれます。
システム設定では、蓄電池の充放電スケジュールや、電力プランに応じた最適な運転設定を行います。
工事期間
蓄電池のみの設置工事は通常1~2日程度で完了します。ただし、設置場所の条件や配線の複雑さによって期間が変動することがあります。
工事前には電力会社への各種手続きや、設置場所の準備が必要となるため、申請から工事完了まで全体では1~2ヶ月程度の期間を要することが一般的です。
蓄電池設置に活用できる補助金制度
国の補助金制度
2025年度も蓄電池設置に対する補助金制度が継続されています。機器の種類や設置条件によって10万円から25万円程度の補助を受けることができる場合があります。
補助金の対象となるためには、指定された性能基準を満たす蓄電池システムを選択する必要があります。また、申請期間や予算枠が限定されているため、早めの検討と申請が重要です。
地方自治体の補助金
多くの地方自治体でも独自の蓄電池設置補助金制度を実施しています。国の補助金と併用できる場合が多く、総額では30万円~50万円程度の補助を受けられることもあります。
補助金制度は自治体により内容や期間が異なるため、お住まいの地域の制度を事前に確認することが重要です。
蓄電池選びのポイント
容量の選び方
家族構成と電力使用パターンを考慮して適切な容量を選択することが重要です。4人家族の場合、停電時に最低限必要な電化製品(冷蔵庫、照明、テレビ、携帯電話の充電など)を12時間使用するためには、約6kWh程度の容量が目安となります。
設置場所の検討
蓄電池は屋外設置が一般的ですが、設置場所によって機器の寿命や性能に影響を与える可能性があります。直射日光を避け、風通しの良い場所を選ぶことで、蓄電池の性能を長期間維持することができます。
メーカーの選択
保証期間や保証内容を十分に確認することが重要です。多くのメーカーで10年~15年の製品保証が提供されていますが、保証対応について基本的には無償での対応が期待できますが、使用条件によっては例外もあるため、契約前に詳細を確認することが必要です。
蓄電池のメンテナンスと寿命
日常のメンテナンス
蓄電池は基本的にメンテナンスフリーの設計となっていますが、定期的な点検により長期間安全に使用できます。年に1~2回程度、専門業者による点検を受けることで、異常の早期発見と適切な対応が可能です。
蓄電池の寿命
現在主流のリチウムイオン蓄電池の寿命は約30年前後とされています。ただし、使用環境や充放電の頻度により寿命は変動するため、定期的な容量チェックを行い、性能の低下を確認することが大切です。
蓄電池のみ設置を成功させるために
蓄電池のみの設置を検討する際は、現在の電力使用パターンと将来の計画を総合的に考慮することが重要です。太陽光発電システムの後付けを検討している場合は、連携可能な蓄電池システムを選択することで、将来的な拡張性を確保できます。
また、信頼できる施工業者の選択が設置成功の鍵となります。実績豊富で、アフターサービスが充実している業者を選ぶことで、長期間にわたって安心して蓄電池システムを活用できます。
設置環境や配線の複雑さ等により費用は変動します。詳しくはお気軽にリノベステーションにお問い合わせください。
よくある質問
蓄電池のみの設置でも経済効果はありますか?
はい、経済効果は十分期待できます。時間帯別電力プランを活用し、深夜の安い電力で充電して昼間の高い電力時間帯に放電することで月々の電気代を削減できます。容量や使用パターンにもよりますが、月額3,000円~8,000円程度の電気代削減効果が見込めることが一般的です。
停電時にどのくらいの時間電力を供給できますか?
蓄電池の容量と使用する電化製品によって変わります。例えば6kWhの蓄電池の場合、冷蔵庫、照明、テレビ、携帯電話充電などの最低限の電化製品であれば12~24時間程度の電力供給が可能です。エアコンなど消費電力の大きな機器を使用する場合は、使用時間が短くなります。
太陽光発電を後から追加することは可能ですか?
はい、可能です。蓄電池のみを先行設置し、後から太陽光発電システムを追加することで、より効率的な電力システムを構築できます。ただし、連携可能な蓄電池システムを選択することが重要です。設置前に将来の拡張計画も含めて相談されることをお勧めします。
蓄電池の設置に必要な面積はどのくらいですか?
家庭用蓄電池の設置に必要な面積は、一般的に1畳程度(約1.8m×0.9m)です。ただし、機種により異なり、また周辺にメンテナンス用のスペースも必要となるため、実際には2畳程度のスペースを確保することが推奨されます。屋外設置が基本となりますが、屋内設置可能な機種もあります。
蓄電池の騒音は気になりますか?
現在の蓄電池は静音設計が進んでおり、運転音は一般的に40dB以下と非常に静かです。これは図書館内程度の静けさに相当し、日常生活にほとんど影響しません。ただし、設置場所が寝室に近い場合などは、事前に騒音レベルを確認されることをお勧めします。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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