蓄電池の寿命はどれくらい?長持ちさせるコツや注意点も紹介!
近年では、環境にもやさしい再生可能エネルギーが注目され始めています。その中でも電気代を節約するために、太陽光発電を導入するご家庭は年々増加傾向にあります。(※1)
太陽光発電で発生させた電気を貯められる蓄電池をセットで導入することで、シナジー効果を生み出し、さらなる節約効果が期待できるでしょう。また、蓄電池は非常用バッテリーとして利用することもできるため、停電対策にも役立ちます。
しかし、蓄電池には寿命があり、使い方次第では、寿命を短くさせてしまうことも少なくありません。そこで当記事では、蓄電池の寿命や長持ちさせるコツ・注意点について詳しく紹介します。
蓄電池を導入したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
※1 参考:太陽光発電の状況ー主力電源化に必要な新規案件開発継続ー|経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/062_01_00.pdf
目次
蓄電池の寿命目安
国税庁が公表しているデータによると、「蓄電池電源設備」の法定耐用年数は6年です。(※2)ただし法定耐用年数とは、減価償却を利用できる年数のことであるため、実際使用できなくなる寿命とは異なることが多いです。
蓄電池を製造しているメーカーのデータに基づくと、およそ10年~15年が平均的な蓄電池の寿命の目安といえるでしょう。しかし、蓄電池の種類であったり、使用環境であったりで寿命は変わってくるため、一概に言い切ることはできません。
寿命を迎えたら使用できなくなると思われがちですが、全く使えなくなるということは少ないでしょう。寿命を迎えると、主に蓄電できる容量が減少します。
したがって、実際の蓄電池の寿命や寿命後の状況について知りたい場合には、購入したいと考えている蓄電池の説明書を確認したり、メーカーに問い合わせみたりすることがおすすめです。
※2 参考:耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表|国税庁
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/700525/fuhyou/10.htm
蓄電池の寿命を左右する要因
蓄電池の寿命はさまざまな理由によって変化します。蓄電池を長持ちさせて使いたいと考えている方は、寿命を左右する要因を把握するのは重要です。
ここでは、蓄電池の寿命を左右する要因について詳しく紹介します。
種類
蓄電池には種類があります。経済産業省が公表している資料に基づくと下記のように、種類によって蓄電池の寿命は変化します。(※3)
・鉛(17年)
・ニッケル水素(5~7年)
・リチウムイオン(6~10年)
・NAS(15年)
・レドックスフロー(6~10年)
以上から、導入する蓄電池の種類によって寿命が異なることがわかります。また、ご家庭でよく使用されている蓄電池は、リチウムイオンが多いです。
※3 参考:蓄電池戦略|経済産業省
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy04/pdf/20120705/sanko_shiryo1.pdf
サイクル数
全ての蓄電池は充電と放電を繰り返す度に摩耗していき、寿命を迎えます。
蓄電池で使用されるサイクルとは、蓄電池を0%から100%まで充電し、放電して再度0%になるまでを指し、これらの一連の流れを1サイクルと言います。
つまり、蓄電池の寿命を示す際によく使用されるサイクル回数とは、充放電を繰り返すことができる回数を表しています。
したがって、サイクル回数の値が高い蓄電池は、寿命が長いといえるでしょう。
使用方法
蓄電池の寿命は種類やサイクル数だけでなく、使い方や設置環境などの使用方法によっても変わってきます。また、蓄電池の種類によって使用方法も変わってくることも頭に入れておきましょう。
例えば、ニッケル水素蓄電池の場合は蓄電した電気をギリギリまで使用してから、充電したほうが長持ちします。
しかし、先述したように家庭用蓄電池の場合、リチウムイオン蓄電池を使用していることが多いです。容量が0%や100%の状態よりも、50%程度の状態のほうが蓄電池への負担が抑えられるといわれています。
したがって、蓄電容量50%前後で充放電を繰り返したほうが、リチウムイオン蓄電池の寿命は長持ちする特性があることを覚えておきましょう。
メンテナンス
蓄電池の保守や点検などのメンテナンスを行うかどうかによっても、寿命は変わってきます。例えば、蓄電池を定期的にメンテナンスを行っていると、不具合やトラブルを発見しやすくなります。
メンテナンスを行う際には、下記の点に注意すると良いでしょう。
・放電の電圧が期待通りか
・電解液の比重・温度・補充頻度が適当か
・蓄電池に亀裂・変形・漏液が発生していないか
・周囲の設備の環境は適切に管理できているか
もちろんメンテナンスの頻度は多いほうが良いですが、コストや負担がかかるため、ご家庭に合わせて適切なタイミングで行うことがおすすめです。
蓄電池の寿命を長持ちさせるコツと注意点
蓄電池には寿命がありますが、長期間使いたい方は少なくないでしょう。ここでは、蓄電池の寿命を長持ちさせるコツと注意点について詳しく紹介します。
高温になる場所は避ける
蓄電池の寿命を長持ちさせるための対策として、高温環境を避けることが大切です。
特にリチウムイオン蓄電池を使用している場合、高温な状態で放置していると、リチウムイオンが減ってしまい、蓄電池の劣化を引き起こします。また、高温状態で充電を実施すると、劣化のスピードが加速するといわれています。
蓄電池は屋外に設置することが多いですが、直射日光が当たるような場所は避けるように設置することが重要です。例えば、ご家庭の北方向や東西方向に設置することが推奨されます。また、設置方法に自信がない場合には、信頼できる業者に依頼することも大切です。
過放電・過充電には気を付ける
蓄電池が充電0%の状態で長時間放置してしまうと、過放電につながります。過放電になると、急激な電圧降下が発生し、蓄電機能が損なわれる恐れがあります。そのため、過放電によって蓄電池の劣化スピードを加速させる可能性があるため、注意が必要です。
一方で、充電100%の状態で充電をし続けると、過充電につながります。過充電は、蓄電池に負荷を与えてしまい、結果として蓄電池の寿命を早めてしまう可能性があります。また、過充電を行うと、蓄電池が高温の状態で放置されることとなり、発火などの危険性を高めることもあるため、注意が必要です。
以上から、蓄電池の過放電・過充電に気を付けるのは、寿命を長持ちさせるためにも重要といえます。
必要な容量を事前に想定しておく
ご家庭に最適な容量の蓄電池を選ぶことも、寿命を長持ちさせるためのコツの1つです。例えば、容量が不足してしまうと、過充電・過放電を繰り返す回数が多くなる可能性があります。
そのため、ご家庭で保有している電化製品がどの程度の電力が必要かどうか計算しておくことが重要です。消費電力が大きい電化製品として、エアコン・冷蔵庫・洗濯乾燥機・電子レンジなどが挙げられます。また、メーカーによって消費電力は異なるため、ご家庭の電化製品の説明書などを活用して必要な電力を確認しましょう。
必要な容量を算出できたら、ワンサイズ大きい容量の蓄電池を選択することがおすすめです少しでも蓄電池の容量に余裕を持たせておくことで、過充電・過放電の可能性を減少させられるでしょう。
蓄電池の寿命に気を付けてご家庭に合うものを導入しよう
蓄電池には寿命があり、およそ10年~15年が平均的な蓄電池の寿命といわれています。ただし、蓄電池の種類・サイクル数・使用環境・メンテナンスなどの要因によって蓄電池の寿命は左右されます。
蓄電池の寿命を長持ちさせるためには、高温の場所を避けたり、過放電・過充電に気を付けたりすることが重要です。蓄電池は、太陽光発電とセットで導入すると、電気代の節約につながります。また、非常用のバッテリーとして使用することも可能です。
蓄電池を長持ちさせるためにも、値段だけで判断するのではなく、保証期間であったり、信頼できる設置業者に依頼したりすることも重要といえます。蓄電池の寿命について気をつけて、ご家庭に最適なものを導入しましょう。
リノベステーションではニチコンやファーウェイを始めとした蓄電池を取り扱っております。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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