燃料費調整額とは?特徴や計算方法・「上限撤廃」についても解説!
「2022年に入ってから、毎月どんどん電気代が上がっている…」とお困りの方は多いのではないでしょうか?
電気代が上がっている原因のひとつが「燃料費調整額」の値上がりなのですが、請求書だけを見てもどんな金額なのかよくわからないですよね。
そこで本記事では、電気代の「燃料費調整額」についてくわしく知るための以下のポイントを解説していきます。
- 燃料費調整額を左右する「燃料費調整制度」の仕組み・目的
- 燃料費調整額ってなに?価格決定のタイミング・「上限撤廃」とは?
- 燃料費調整額の計算方法・かしこく節約するコツ
本記事ではほかにも、「新電力会社の方が燃料費調整額はお得?」といった気になる疑問にもお答えしています。
ロシア・ウクライナ情勢や、円安により今後も値上げが予想される燃料費調整額。
「できるだけ安く済ませたい!」とお考えの方は、ぜひ本記事の節約法を参考にしてみてくださいね!
目次
【前提知識】燃料費調整額を左右する「燃料費調整制度」とは?
まずはじめに、毎月の燃料費調整額を決定する燃料費調整制度の仕組みや、制度が作られた理由についてくわしく解説していきます。
燃料費調整制度の仕組み
燃料費調整制度とは、電力会社が発電に使う燃料コストの変動を、各家庭の電気代に反映させる制度のことです。
火力発電が主な日本は、ガスや石油・石炭などの燃料のほとんどを輸入に頼っているため、世界情勢や「円の価値」によって燃料費が激しく増減します。
燃料費の上下にあわせて燃料費調整額を変化させることにより、電力会社にも各家庭にも公平な電気料金を決定できるという仕組みですね。
燃料費調整制度によって決定した料金は「燃料費調整額」として毎月の電気代に含まれますので、どれくらい家計に影響を与えるのか確認してみましょう。
燃料費調整制度が作られた理由は?
燃料費調整制度が作られた理由は、「燃料コストの急激な変動から電力会社と各家庭を守るため」です。
もしも、電気代の燃料費が毎月固定だった場合、燃料費が急に値上がりしたときには電力会社がすべて負担することになってしまいます。
反対に、燃料費が値下がりしたときには、浮いたお金はすべて電力会社の利益になってしまい、今度は各家庭にとってデメリットとなります。
燃料費にあわせて燃料費調整額を上下させることで、電力会社にとっても各家庭にとっても損のないようにバランスが保たれているんですね。
燃料費調整額とは?問題視される「上限撤廃」についても解説!
つぎに、燃料費調整額のよりくわしい特徴や、燃料費調整額が決まるタイミング、現在問題になっている「上限撤廃」について解説していきます。
【安くなることも?】燃料費調整額の概要・価格が決まるタイミング
燃料費調整額とは、燃料費調整制度によって決定される燃料コストのことであり、毎月の電気代の一部として請求されています。
最近では値上がりが続いているためマイナスイメージが定着していますが、燃料費が安い時期には値下がりすることも覚えておきましょう。
燃料費調整額は「3か月〜5か月前の燃料コスト」を元に計算されるため、実際に電気代として反映されるまでのタイミングにズレがあります。
世界情勢の悪化などにより燃料費の値上げがニュースになった場合、「数カ月後に電気代が上がる」ことはほぼ確実です。
前もって知っておけば値上がりのショックも和らぎますし、「今月は節電しよう!」などの対策も検討できますね。
燃料費調整額の上限撤廃とは?各家庭にデメリットはある?
燃料調整額の上限撤廃とは、今まで定められていた上限を廃止し、純粋に燃料コストにあわせて燃料費調整額が請求されるようになったことです。
もともと、燃料費調整額として請求される金額には上限があり、上限を超えた分のお金は電力会社が負担することが通例でした。
しかし、2022年の急激な燃料費の高騰により電力会社の負担が激増したため、大手企業が続々と上限撤廃を発表しています。
上限撤廃により、今後もしもさらに燃料コストが値上げした際には、燃料費調整額も上限なく値上がりすることになります。
燃料費調整額の計算方法は?節約する方法はある?
つづいて、燃料費調整額を計算する方法や、節約する方法はあるのかくわしく解説していきます。
【計算方法】燃料費調整額は「電気使用量」で大きく変わる
燃料費調整額の計算方法は、「燃料費調整単価」と「計算する月の電気使用量」をかけ算して計算できます。
燃料費調整単価とは、電力会社の燃料コストで決まる「1kWhあたりの燃料費調整額」のことで、各電力会社によってばらつきがあります。
たとえば、2022年11月の東京電力の燃料費調整単価は「+9.39円」ですので、電気使用量が「300kWh」なら「9.39 × 300 = 2817円」が燃料費調整額として請求されます。
2021年8月に一度はマイナスに持ち直した燃料費調整単価ですが、その後は毎月確実に値上がりが続いています。
燃料費調整額の上限撤廃により今後さらに負担が増えることを心配する声も多く、各家庭での対策が急務といえるでしょう。
【節約方法】燃料費調整額を下げるには「節電」が効果的!
毎月の燃料費調整額を抑える効果的な方法は、「節電して電力会社から買う電気を減らす」ことです。
国際的な燃料コストによって決まる燃料費調整単価は変えられませんが、節電で電気使用量を減らせばそのぶん請求額を下げられます。
節電対策には、「電源タップで待機電力をカット」「エアコンの温度を下げる(上げる)」など地道な努力も有効ですが、本記事では「太陽光発電の導入」をおすすめします。
太陽光発電なら発電したエネルギーだけで昼間の電力をまかなうことも可能ですし、「家庭用蓄電池」に充電すれば夜にも使えます。
太陽光発電や蓄電池の導入にはまとまった資金が必要ですが、今後も上がる電気代を考えれば、今のうちに検討する価値は充分にあるでしょう。
【電力自由化の影響とは】燃料費調整額は新電力会社の方がお得?
さいごに、2016年から始まった「電力自由化」が各家庭に与えた影響や、大手電力会社と「新電力会社」の燃料費調整額の違いを解説していきます。
電力自由化により各家庭に最適なプランが選択可能になった
電力自由化とは、今までは選べなかった電力会社の契約を自由化する制度のことで、2016年の4月からスタートしています。
たとえば、東京都にお住まいの方でも現在では「関西電力」などの大手はもちろん、「ENEOSでんき」などの新電力会社とも契約可能です。
電力自由化により「ガスとセット契約で値引き」「使用量が多いほど安い」など、各家庭の状況に応じて最適な電力プランが選べるようになりました。
値上げを続ける燃料費調整単価を抑えることはできませんが、電力会社を切り替えるだけでも、毎月の電気代を節約することができます。
新電力会社の燃料調整額は大手とそこまで変わらない
残念ながら、東京電力などの大手電力会社と、新出力会社の燃料費調整額にはそれほど違いはありません。
燃料費調整額が変わらない理由は、日本中のほとんどの電力会社が燃料を輸入に頼っており、相場に大きく影響を受けているからです。
最近では新電力会社も続々と燃料費調整額の上限撤廃を発表しており、「新電力会社にしておけばとにかく安い」とはいえない状況となっています。
むしろ新電力会社のほうが燃料費調整単価が高いという可能性もありますので、切り替える際にはしっかりと確認することが大切です。
【まとめ】燃料費調整額は値上げの可能性大!節電対策を検討しよう
本記事でくわしく解説してきた「電気代の燃料費調整額」のポイントを、もう一度以下にまとめていきます。
- 燃料費調整額とは、「燃料費調整制度」によって決まり毎月請求される金額のこと
- 燃料費調整制度とは、電力会社の発電コストの変動を各家庭に反映させる仕組みのこと
- 燃料費調整額には「上限」があったが、燃料費の高騰により各社続々と撤廃を発表している
- 毎月の燃料費調整額は「燃料費調整単価 × 電気使用量(kWh)」でかんたんに計算できる
- 燃料費調整単価は、2021年9月から一度も下がらずに現在も上がり続けている
終わりの見えない円安やロシア・ウクライナ情勢により、今後も燃料費が高騰することはほぼ確実と言ってよいでしょう。
燃料費調整額を抑えるには「節電で電気使用量を減らす」ことが効果的ですが、各家庭の努力だけでは節電にも限界があります。
そこで期待されているのが「太陽光発電 × 蓄電池」でとことん電気を買わない対策法です。
太陽光発電を活用すれば日中はほぼ0円生活が可能ですし、余った電気を蓄電池に貯めれば夜間の電気代も大幅にカットできます。
今なら太陽光発電や蓄電池は補助金・助成金で安く買うことも可能ですので、燃料費調整額が上がり切らないうちに検討してみてはいかがでしょうか?
リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
無料お見積もりも承っております。見積もり依頼はこちら。
IHやエコキュートのお取り扱いもございます。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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