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太陽光発電と蓄電池を設置するメリット・デメリット|補助金も紹介

太陽光発電 2024年10月04日更新
太陽光発電と蓄電池を設置するメリット・デメリット|補助金も紹介

太陽光発電と蓄電池の同時設置に踏み切れず悩んでいませんか?

今回は太陽光発電と蓄電池を設置するメリット・デメリット、補助金の支給額まで紹介します。

太陽光発電と蓄電池の仕組みや役割

太陽光発電と蓄電池の仕組みや役割をくわしく解説していきます。

それぞれの仕組みや役割について理解を深めておきましょう。

太陽光発電の仕組みと役割

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電力に変換して発電しています。

太陽光パネルは「n型半導体」と「p型半導体」という2つの半導体を重ね合わせた板に導線を結び構成されています。

光をあてて作られた電力は、マイナスの電子が「n型半導体」へ、プラスの電子が「p型半導体」へ移動し電流を流して発電する仕組みです。

太陽光発電は、電力エネルギーを作る役割がありますが、電気をためることはできない構造となっています。

太陽光発電の役割

  • 太陽の光で直流電力を発電する
  • つくった電気をまとめて接続箱に集める
  • パワコンで「直流電力」を「交流電力」に変換する
  • 分電盤から自宅の配線に電気を使えるようにする

蓄電池の仕組み

蓄電池は、電気の充電や放電を繰り返して使えるシステムのことです。

プラス・マイナスの電極と電解液で構成されており、化学反応を起こして充電と放電をおこないます。

マイナスの電極に電気を流すことで電解液が溶け出し放電します。

充電の場合はプラスの電極に電気を流すことで、電解液が溶け出し充電される仕組みです。

放電時とは異なる方向に電気を流すことで、放電前の状態に戻り、電気を貯めることができます。

そのため、化学反応を引き起こして放電と充電を繰り返すことができるのです。

蓄電池の役割

  • 太陽光発電の余った電気や電力会社の購入電力ををためる
  • 貯めた電力は自家消費や売電に使用する

太陽光発電と蓄電池を併用するメリット

太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリットについて解説していきます。

太陽光発電と蓄電池を併用すると、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。

停電時や夜間にたくさんの電力が使える

太陽光発電の余った電力を蓄電池にためると、夜間の使用や停電時に回せます。

太陽光発電は、昼間や晴天の日のみに自家消費できるので、夜間に発電した電力を使用することはできません。

しかし、蓄電池との併用で太陽光発電の余った電力を貯められたり、夜間の電力を割安で使えたりと停電時も変わらない生活を送れます。

また、停電時に蓄電池の電気が使えるように自動で「自立運転モード」に切り替わるタイプもあるので、災害時に慌てずに利用できます。

毎月の光熱費を大幅に削減できる

太陽光パネルで余った電力を、蓄電池に貯めて夜間の使用に回すことで電気使用量を大幅に下げることが可能です。

また、日中は太陽光パネルで自家発電した電力をエコキュートで自家消費してお湯を沸かせるため節電に役立ちます。

太陽光発電と蓄電池の導入で、高い電気を買わずにすみ、1日の電力をほぼ賄うことができます。

また、自家消費と売電もできるので、売電収入を得ながら電気代の節約にも大きく貢献してくれます。

太陽光発電のパワコンが新しくなる

ハイブリッド型蓄電池を導入すると、既設の太陽光パネルのパワコンを新品に交換することもできます。

パワコンの寿命は10〜15年が目安で、交換時期を過ぎると経年劣化により故障リスクが高まるため買い替えを検討する時期だと言えます。

卒FITを迎える人は買い替えの時期でもあり購入を考えるタイミングでもあります。

ハイブリッド型蓄電なら、太陽光パネルのパワコンの費用を蓄電池の導入費用に回せるのでおすすめです。

ピークカットに貢献できる

太陽光パネルからつくられた自然エネルギーを蓄電池に貯めることで、電気使用量の多い時間帯に有効活用できます。

電気使用量の少ない時間帯に電力を蓄電池に蓄えておき、電気使用量の多い時間帯に使うことで電気代を下げる効果に期待ができます。

火力発電に頼らず電気を発電できるため、CO2排出量が減り、環境にやさしい電気で送ることも可能です。

太陽光パネルと蓄電池の導入により、電気使用量を削減しCO2削減への取り組みも実現できます。

発電量の増加につながる

太陽光パネルと蓄電池の併用で、太陽光パネルの発電量の増加につながります。

例えば、ハイブリッド型蓄電池との併用でパワコンが一台にすみ、電流の変換ロスを少なくすることが可能です。

変換ロスが小さくなると発電した電力が無駄にならず、発電量アップに期待が持てるでしょう。

また、発電量の見込みが少ないときは、蓄電池に夜間電力を貯めて電気代を削除できます。

同時設置で工事費用が安くなる

太陽光発電と蓄電池のセット導入は、1度に設置工事を終わらすことができ、別々に設置するよりも安くできます。

太陽光発電と蓄電池の工事費用の相場価格は下記のとおりです。

  設置工事の価格相場
太陽光発電 6.9万円/kW
蓄電池 4.7万円/kWh

(太陽光発電の引用元:環境省 工事費平均値の推移、蓄電池の引用元:環境省 家庭用蓄電システムの価格水準、※「蓄電池の価格」と「蓄電池の価格+工事費用」を差し引いた金額を記載)

5kWの太陽光発電で34.5万円、5kWhの蓄電池で23.5万円の工事費用がかかることになります。

別々の設置よりもまとめて設置する方がお得になるということです。

卒FIT後は自家消費優先の生活が送れる

卒FITの選択肢として蓄電池を導入して自家消費をする家庭も増えています。

卒FIT後の売電価格は、半分の買い取り価格まで下がるため、多くの人は自家消費する方を選んでいるからです。

また、自然災害が多く発生していることから、停電時の非常用電源として蓄電池を設置する人も少なくありません。

卒FIT後も太陽光発電に満足できるように蓄電池を設置し、自家消費を優先して電気代を安くおさえることもできます。

太陽光発電と蓄電池を併用する際のデメリットや注意点

太陽光発電と蓄電池をセットで導入するときの注意点について解説していきます。

初期費用が高額になる

同時設置は、200万円以上かかるため、費用面で悩まれる人も多いのが現状です。

  • 太陽光発電(5~10kW):19.2万円
  • 蓄電池:18.7万円/kWh

(引用元:環境省|設置年別のパネル費用の推移)、(引用元:環境省|家庭用蓄電システムの価格水準

太陽光発電の容量が5kWの場合、蓄電容量は10kWh前後が目安のため、同時設置で283万円の価格相場となります。

発電量や蓄電容量によって価格は大きく変わりますが、高くても300万円前後でシステムを組めるでしょう。

ゆとりのある設置スペースが必要

蓄電池の容量の大きさや設置場所によってサイズが変わります。

  容量 サイズ
シャープ(JH-WB1621) 4.2kWh W500 × H605 × D360mm
パナソニック(LJPB21A) 5.6kWh W480 × H610 × D230mm
オムロン(KPBP-Aシリーズ) 6.5kWh W490 × H847 × D147mm

本体の設置スペースの他に、「設置工事のスペース」と「搬入経路のスペース」の確保が必要です。

また、屋外・屋内でも大きさが変わり、屋外設置はエアコンの室外機 縦2台分、屋内設置ではエアコンの室外機縦1台分の大きさとなります。

また、屋内設置を検討している人は重さに気をつける必要があります。

屋内・屋外タイプは5〜10kWh前後だと60〜250kgの重量があるので、室内の床や屋外の耐久性について蓄電池のプロに見てもらうことをおすすめします。

定期点検やメンテナンス費用がかかる

太陽光発電と蓄電池の定期点検やメンテナンス費用は下記のとおりです。

  定期点検 パワコンの交換費用
太陽光発電 3.5万円 29.2万円
蓄電池

(引用元:令和5年度以降の調達価格等に関する 意見

太陽光発電は、3年~5年ごとに定期点検が義務化されています。

定期点検で14〜21万円、パワコンの費用と合わせると43.2万〜50.2万円がかかり高額な維持費が必要です。

一方、蓄電池は定期的な点検は義務付けられておらず、故障しない限りは費用が発生しません。

定期点検やメンテナンスは避けては通れないので、維持費用がかかることは頭に入れておきましょう。

寿命や劣化がある

太陽光発電と蓄電池、パワコンには、寿命があります。

  • 太陽光発電:20年~30年
  • 蓄電池:10年~15年
  • パワコン:10年~15年

メンテナンスやパネルの種類、蓄電容量によりますが、経年劣化は避けられません。

蓄電池は充放電の回数や設置場所で寿命が変わります。

対してパワコンは、太陽光発電の心臓と呼ばれるほどの重要な役割があり、稼働するパーツが多いので太陽光発電よりも寿命が短いです。

そのため、蓄電池やパワコンは太陽光発電ほど長期間の活用ができないと考えておくのがよいでしょう。

蓄電池の後付けで売電単価が下がる可能性もある

FIT期間中に蓄電池を後付けした場合、変更認定申請によって売電価格が下がってしまうケースもあります。

売電価格が下がってしまうケースは、下記の条件にあてはまる2パターンです。

  • 太陽光発電の合計出力がパワコンより大きい場合
  • 蓄電池をパワコンよりも太陽光発電側に設置した場合

上記の条件に当てはまらない場合は、売電価格が下がらずに設置できます。

もし条件にあてはまると、売電単価は5円ほど下がってしまうので注意しましょう。

太陽光発電と蓄電池は元が取れない?回収費用をシミュレーション

太陽光発電と蓄電池の同時設置で、元が取れるのか下記の条件でシミュレーションをしてみました。

  • 設置エリア:東京都
  • 太陽光発電:5kW(南向き)
  • 蓄電池:10kWh(売電モード)
  • 電気代:15,000円
  1年間の金額 10年間の金額
節約できる電気料金 83,743円 837,430円
売電収入 95,580円 955,800円
合計金額 179,323円 1,793,230円

太陽光発電の容量が5kWの場合、蓄電容量は10kWh前後が目安なので、同時設置で156万円の価格相場となります。

「価格相場」と「年間の金額」を差し引いても23万円のプラス収支になり、同時設置でも元が取れる計算になります。

太陽光発電と蓄電池セットで使える!2023年の補助金の支給額は?

2023年の太陽光発電や蓄電池に使える補助金概要を紹介します。

国の補助金

太陽光発電と蓄電池で使える国の補助金は、下記の2つです。

  補助金額 条件
DR補助金 3.2万~3.7万円/kWh
上限60万円
・10kW未満の太陽光パネルの設置を検討している人
・10kW未満の太陽光パネルと同時設置する人
こどもエコすまい支援事業 蓄電池:6.4万円/台 ・子供がいる子育て世帯
・既存住宅のリフォームをする家庭

太陽光発電のみの補助金は、おこなっていませんが、太陽光発電との併用で蓄電池の補助金が受け取れます。

DR補助金は蓄電池の容量や性能によって、補助金額が変わるため事前に確認しておきましょう。

自治体の補助金

各都道府県で補助金制度はおこなっていますが、今回は東京都で実施している補助金制度を紹介します。

現在おこなっている東京都の補助金は、下記の2つです。

支援事業名 補助金額 申請期間
災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

太陽光4kW以上と蓄電池設置の場合
・蓄電池容量:15万円/kWh
・太陽光発電設備容量:30万円/kW

太陽光4kW未満と蓄電池をあわせての設置、又は蓄電池のみ設置の場合
・15万円/kWh 、最大120万円/戸

5kWh未満の場合:19万円/kWh

5kWh以上6.34kWh未満の場合:一律95万円

記載なし

東京ゼロエミ住宅

機器費、材料費及び工事費の3/4

蓄電池4kW以下で太陽光発電設備と併設:15万円/kWh 、120万円/戸

4kW超の太陽光発電設備と併設:15万円/kWh、太陽光発電出力数×30万円/戸

蓄電池の蓄電容量6.34kWh未満:上限額19万円/kWh、95万円/戸

令和4年6月22日から令和7年3月31日(17時公社必着)まで

国からの補助金と自治体の補助金を併用できるケースも多いので、限度額に達する前に申請しましょう。

太陽光発電と蓄電池の導入で節電や停電対策がさらにアップ!

今回は太陽光発電と蓄電池のセット導入で得られるメリットやデメリット、補助金制度について解説しました。

太陽光発電と蓄電池の同時設置は、電気代の削減や停電対策に大活躍します。

また、補助金を活用すると設置費用の一部をカバーでき、設置後も元が取れる可能性が高いです。

電気代の高騰や自然災害の備えに、太陽光発電と蓄電池を同時設置してみてくださいね。


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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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