【わかりやすい】話題のカーボンニュートラルには問題点がある
近年、テレビや新聞で取り上げられるようになった「カーボンニュートラル」。
環境にやさしいとされるカーボンニュートラルですが、問題点や矛盾点があります。
今回は、カーボンニュートラルの問題点や、問題点の解決策について解説します。
【まずはおさらい】カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラルとは、地球温暖化の原因となるCO2の排出量を減らす取り組みのことを指しています。
カーボンニュートラルでは、CO2の排出を抑えるだけではなく、排出してしまったCO2を吸収するために樹木などを利用します。
カーボンニュートラルを達成できればCO2排出量は少なくなり、CO2を排出してしまっても、吸収することでトータルのCO2排出量をゼロにすることができます。
ポイント① 温室ガスをコントロールする
カーボンニュートラルでは、地球温暖化の原因となるCO2などの温室ガスの排出を減らし、減らせなかった分は樹木などを利用して吸収します。
CO2の排出量を極限まで減らし、排出してしまったCO2は樹木などを利用して吸収するので、トータルで見た時のCO2排出量がゼロになります。
CO2を含む「温室ガスをコントロールすることで、地球温暖化を抑制しよう」というのが、カーボンニュートラルの考え方です。
ポイント② 2019年に2050年までの目標を宣言
日本政府は、2019年に「2050年までにカーボンニュートラルと脱炭素社会を実現する」と目標を設定しました。
日本以外にも、125か国がカーボンニュートラルに関する目標を制定しています。
2050年までには、世界各国でカーボンニュートラルに則った取り組みが行われていることが予想されます。
ポイント③ 異常気象や自然災害が増える可能性
カーボンニュートラルを実施せず、今まで通りの生活を地球に住む人々が続けていた場合、温暖化による異常気象や自然災害が増える可能性があります。
2023年現在においても、世界各国で干ばつや大型台風などの異常気象が起こっています。
地球温暖化による災害は、人的被害だけではなく、経済にも大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。
これから先の未来、異常気象や大災害などによる生活の悪影響を少しでも抑えるために、カーボンニュートラルへの取り組みや、脱炭素時代の実現が重要になると言われています。
カーボンニュートラルとSDGsの関係性は?
カーボンニュートラルと聞いて「SDGs」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
カーボンニュートラルとSDGsは、お互いになくてなならない関係にあります。
カーボンニュートラルを実現するためには、SDGsの目標を達成する必要があると言えます。
カーボンニュートラルには問題点もある!
実現したら、地球温暖化を抑制することができるカーボンニュートラルですが、まだ問題点があることをご存知でしょうか。
カーボンニュートラルの問題点は、主に7つあります。
- コスト
- 基準
- 検証方法
- 発電設備の問題
- 世界的人口増加
- 石油資源の問題
- 自然への影響
それぞれ詳しく解説します。
問題点① CO2削減のための設備導入コスト
CO2を削減するためには、発電設備などの専用の設備が必要になります。
太陽光発電システムは、近年導入費用が下がっているからといって、まだまだ高額であることに変わりありません。
特に、大規模の発電設備を導入すればするほど、大きなコストが必要になるでしょう。
問題点② カーボンニュートラルの基準
現在のカーボンニュートラルでは、国ごとにカーボンニュートラルに対する目標が制定されています。
しかし、国ごとでCO2排出量を計算してしまうと、国外に工場を持っている企業のある国のCO2排出量が正確に計算されません。
例えば、日本の企業が中国に工場を持っていて、中国にある日本の工場がCO2を排出した場合、中国のCO2排出量として計算されてしまいます。
現時点では、海外に工場を持っている国のCO2排出量が、正しく算出されているとは言えないでしょう。
問題点③ カーボンニュートラルの検証
カーボンニュートラルでは、CO2排出量を計算しなければいけません。
先進国がカーボンニュートラルに参加していない国に工場を持っている場合、結果的にCO2排出量が増えてしまう危険性があります。
カーボンニュートラルの基準と同様に、海外に進出している企業に関しても、しっかり検証していかなければいけないでしょう。
問題点④ 大規模な発電設備の問題
カーボンニュートラルを達成するためには、CO2排出量の少ない発電設備が必須です。
CO2排出量が少ない発電設備といえば、原子力発電や太陽光発電、風力発電などが挙げられます。
2023年現在、どの世界でも電気はなくてならないライフラインです。
2050年までにカーボンニュートラルを達成するためには、発電設備の改革が必要になるでしょう。
問題点⑤ 人口増加
様々な影響から少子化が進み、出生率が減少している日本ですが、世界的に見ると人口は増加し続けています。
人口が増加すると、比例してCO2排出量が増えます。
人口増加に伴ったCO2排出量の増加も、カーボンニュートラルの課題の一つだと言えるでしょう。
問題点⑥ 石油資源に関する問題
2023年現在、日本を含めた世界各国では石油資源に頼った生活をしています。
石油や天然ガスは、使用する時にCO2が発生してしまいます。
カーボンニュートラルを達成する場合には、石油資源の使用で排出されたCO2を吸収するか、石油資源に変わる資源を見つけるかといった問題があります。
問題点⑦ 発電設備導入で起こる自然への影響
カーボンニュートラルの達成には、再生可能エネルギーの活用が必須です。
しかし、再生可能エネルギー設備には、自然への影響が少なからずあることをご存知でしょうか。
例えば、太陽光発電であれば、太陽光パネルを設置するために木を切り倒すなどの行為が挙げられるでしょう。
また、大型の風力発電設備も、風力発電設備の羽根に鳥が激突し、死亡してしまうトラブルが発生しています。
カーボンニュートラルを達成するのであれば、再生可能エネルギー設備による自然への影響の問題も解消しなければいけないでしょう。
「カーボンニュートラル=環境にいい」は嘘?
環境に悪いと取り上げられることが多い地球温暖化ですが、デメリットばかりがあるわけではありません。
地球温暖化にはメリットもあり、必ずしも環境に悪いわけではない点は知っておくべきです。
ポイント① 地球温暖化が必ずしも地球に悪いわけではない
環境問題の原因とされている地球温暖化ですが、現在起こっている干ばつなどの環境問題が、100%地球温暖化が原因となっているわけではありません。
あくまで「地球温暖化が環境問題の原因となっている可能性が高い」というレベルです。
地球温暖化によって、メリットを受ける地域もあり、必ずしも地球温暖化が環境に悪影響を与えているわけではありません。
ポイント② CO2が増えることで農業にプラス
地球温暖化の原因となるCO2が増えることにより、植物がよく育つようになるとも言われています。
特に、CO2が増えることで恩恵を受けられるのは農業です。
CO2が増え、植物がよく育つようになれば、農業が盛んとなり、生産量が増えることが予想されています。
カーボンニュートラルの問題点がなくなるには?
最後に、カーボンニュートラルの問題点を解消するためにできることを解説します。
本当の意味で地球に優しい生活を目指すのであれば、カーボンニュートラルの問題点を解決する必要があります。
解決策① 石油資源の代わりとなる資源の活用
カーボンニュートラルを達成するためには、石油や天然ガスの代わりとなるエネルギー源を見つける必要があるでし
ょう。
あるいは、石油や天然ガスを使用した際に排出されるCO2を吸収する方法を見つけなければいけません。
解決策② カーボンニュートラルの基準の修正
カーボンニュートラルの問題を解消するには、国ごとの基準を変更する必要があるでしょう。
国外に持っている工場のCO2排出量を工場を所持している国に加算することで、CO2排出量を正しく管理することができます。
解決策③ 環境に害を与えない設備の開発
せっかく環境にやさしいカーボンニュートラルを実現しても、発電設備のせいで動植物が死んでしまったら意味がありません。
草木にやさしい太陽光パネルの設置方法や、鳥に影響を与えない風力発電設備の運用方法が今後重要になります。
動植物を守ることができる発電設備が開発されれば、本当の意味で環境に優しい再生可能エネルギーを使用することができます。
カーボンニュートラルの問題点はまだまだある!解決に期待!
今回は、カーボンニュートラルの問題点について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
カーボンニュートラルには、まだ問題点があります。
今後、本当の意味で環境に優しいカーボンニュートラルが実現されることが期待されます。
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この記事の監修者
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太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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