【2023年】新築の太陽光パネルの導入で補助金は受け取れるのか?
電気代の高騰や物価高で、新築住宅を建てる時に太陽光パネルを導入する人が増えています。
そこで今回は、2023年度に受け取ることができる太陽光パネルへの補助金について解説します。
記事内では、太陽光パネル導入で補助金を受け取れる都道府県も紹介していますので、参考にしてみてください。
目次
【補助金も】新築で太陽光パネルを導入するメリットは多い!
太陽光パネルを導入する場合、新築時に導入するパターンと既存住宅に導入するパターンの2パターンあります。
中でも、新築時には太陽光パネルを導入するメリットが大きいケースがあります。
メリット① 既存住宅よりも費用が安くなる
2022年の太陽光パネルの平均的な導入費用は、新築住宅が1kWあたり26.1万円、既存住宅が1kWあたり28.1万円です。(全体平均1kWあたり26.7万円)
比べてみるとわかる通り、既存住宅よりも新築住宅の方が、太陽光パネルの導入費用が安いです。
既存住宅よりも新築住宅の方が導入費用が安くなる理由は、配線やパネルの形状に合わせて屋根を変更できるからです。
ただし、太陽光パネルの種類や性能によっては、新築住宅でも導入費用が上がってしまうので注意しましょう。
メリット② 屋根の形状をパネルに合わせられる
既存住宅に太陽光パネルを導入する場合、屋根の形状を変えることができないので、太陽光パネルを屋根の端まで敷き詰めることは難しいです。
対して、新築住宅であれば、屋根の形状を太陽光パネルに合わせて変えることができるので、太陽光パネルを屋根の端まで敷き詰めることも可能になります。
太陽光パネルを屋根の端まで敷き詰めることで、太陽光パネルの積載量が増え、発電量を増やすことができます。
メリット③ 住宅ローンにパネル費用を組み込める
既存住宅で太陽光パネルを導入する場合、住宅ローンの他にローンを組む方も多いです。
対して、新築住宅であれば、住宅ローンに太陽光パネルの導入費用を組み込むことができるので、月々の返済の負担を減らすことができるでしょう。
ただし、太陽光パネルは高額な設備です。
ローン契約時に返済額が少ししか変わらないとしても、金利の変動などで負担が増えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
2023年に新築住宅は太陽光パネルに補助金を受け取れる?
2023年度に新築住宅が太陽光パネルを導入する時に受け取ることができる補助金は、以下の4つです。
国からは、太陽光パネル単体で補助金を受け取ることはできません。
しかし、都道府県や市町村であれば、太陽光パネル単体でも補助金を受け取ることができるケースがあります。
国から補助金を受け取る場合、ZEH仕様の住宅の建設が必要になるので注意しましょう。
補助金① ZEH支援事業
ZEH支援事業では、ZEH仕様の住宅を新築した際に受け取ることができる補助金です。
太陽光パネルへの補助金と言うよりも、太陽光パネルを導入したZEH住宅への補助金だと考えておきましょう。
補助金額は一戸あたり55万円の定額です。
また、ZEH住宅に蓄電池を導入する場合、最大で20万円の補助金を受け取ることができます。
補助内容 | 補助金額 |
ZEH住宅 | 一戸あたり55万円 |
蓄電池 | ・1kWあたり2万円 ・補助対象経費の2分の1 ・一台20万円 いずれかの安いもの |
補助金② 次世代ZEH+(注文住宅)実証事業
次世代ZEH+(注文住宅)実証事業は、ZEH支援事業と同様にZEHの基準を満たした住宅が受け取ることができる補助金です。
次世代ZEH+は、ZEHよりも住宅の基準が厳しいので、新築として建設する時には費用もかかってしまいます。
ただ、補助金額もZEH支援事業よりも高く、一戸あたり100万円を受け取ることが可能です。
また、蓄電池とV2Hを導入した場合も追加で補助金を受け取ることができ、蓄電池とV2Hを導入した場合、最大で195万円の補助金を受け取ることができます。
補助内容 | 補助金額 |
次世代ZEH+住宅 | 一戸あたり100万円 |
蓄電池 | ・1kWhあたり2万円 ・補助対象経費の2分の1 ・一台20万円 いずれかの少ないもの |
V2H | ・補助対象経費の2分の1以内 ・75万円 いずれか低い金額が上限 |
補助金③ 次世代HEMS実証事業
次世代HEMS実証事業は、次世代ZEH+よりもさらに基準が厳しくなっている補助金です。
補助金額は、ZEH住宅への補助金の中でも高額の112万円。
さらに、蓄電池やV2Hを導入することで、補助金を受け取ることが可能です。
補助内容 | 補助金額 |
次世代HEMS実証事業 | 一戸あたり112万円 |
蓄電池 | ・1kWhあたり2万円 ・補助対象経費の2分の1 ・一台20万円 いずれかの少ないもの |
V2H | ・補助対象経費の2分の1以内 ・75万円の いずれか低い金額が上限 |
補助金④ 都道府県や市町村の補助金
都道府県の補助金では、太陽光パネル単体への補助や、蓄電池と併用した場合の補助など、様々なケースで補助金を受け取ることが可能です。
補助金を受け取ることができる条件や、補助金額は都道府県によって異なるので、事前にお住まいの都道府県の補助内容を確認しておきましょう。
また、都道府県以外でも市町村から補助金を受け取ることができるケースがあります。
新築で太陽光パネルを導入する際には、国・都道府県・市町村から補助金が出ていないか、事前に確認しておくことが大切です。
都道府県 | 補助金額 | 申請期限 |
宮城県 | 一件4万円 | 三次募集: 2023年12月4日〜12月15日 |
山形県 | 蓄電池と同時ソーラーパネルを導入する場合のみ蓄電池に補助金 FIT利用なし:1kWhあたり7万円 または3分の1(35万円まで) FIT利用あり:1kWhあたり5万円 または3分の1(25万円まで) | 第2回締め切り 2023年11月30日(抽選) |
福島県 | 1kWあたり4万円(最大16万円) | 2024年3月15日(先着順) |
東京都 | 【3.6kW以下】 オール電化:1KWあたり13万円 (最大39万円) オール電化以外:1kWあたり12万円 (最大36万円) 【3.6kW超50kW未満】 オール電化:1kWあたり11万円 (上限なし) オール電化以外:1kWあたり10万円 (上限なし) | 記載なし |
富山県 | 1kWあたり7万円 (上限35万円) | 2023年11月30日まで (先着順) |
山梨県 | 1kWあたり2万円 (上限10kW) | 2023年11月30日まで |
長野県 | 定額5万円 (蓄電池と併用の場合20万円) | 2024年2月29日 までに実績報告書を提出 |
滋賀県 | FIT制度利用:定額4万円 FIT制度利用なし: 1kWあたり7万円 (最大30万円) | 2024年2月16日まで |
京都府 | ソーラーパネルと蓄電池を併用する場合、 市町村の補助金に 13万円上乗せ | 記載なし |
徳島県 | ZEH住宅:一戸あたり100万円 ソーラーパネル:1kWあたり7万円 | 2023年8月9日から (先着順) 予算がなくなり次第終了 |
【盲点】新築で太陽光パネルを導入する時のデメリットは?
先ほど新築で太陽光パネルを導入するメリットを紹介しましたが、新築で太陽光パネルを導入する場合デメリットもあります。
意外と盲点になってしまうことがあるので、新築に太陽光パネルを導入しようと検討している場合には必ず確認しておきましょう。
デメリット① 住宅ローンの返済額が増えてしまう
新築する時に太陽光パネルを導入する場合、住宅ローンに太陽光パネルの導入費用を組み込むことが可能です。
しかし、住宅ローンの返済額も増えてしまうので、かなり注意が必要だと言えるでしょう。
特に、変動金利でローンを組む場合には、金利の変動によって月々の返済が苦しくなってしまうケースもあります。
対して、新築後に太陽光パネルを導入し、住宅ローン以外にローンを組んだ場合には、5年から10年程度で支払いが完了します。
月々の支払額を増やせば、1. 2年程度で太陽光パネルの支払いを完了させることも可能です。
デメリット② 太陽光パネルの導入費用が高くなってしまうケースも
新築時には、太陽光パネル以外にも多くの費用が必要になります。
いざ、見積もりを細部まで確認しようとしても、項目が多過ぎて素人には簡単には確認することができません。
新築時に太陽光パネルを導入するケースでは、割引していると見せかけて、他の費用に少しずつ割引分が上乗せされているケースがあります。
太陽光パネル単体で購入するケースに比べると、適切な導入費用かを判断するのは難しいと言えるでしょう。
デメリット③ パネル選びが疎かになってしまう
太陽光パネルは、変換効率や保証、パネルの形状などはメーカーや製品によって異なるので、パネル選びには意外と時間がかかってしまうものです。
特に、注文住宅を新築する場合には、打ち合わせに1年以上かかってしまうこともあります。
太陽光パネル以外のことをたくさん決めなければいけない中、太陽光パネル選びに時間をかけられる人はそう多くありません。
太陽光パネルは、簡単に外して付け替えられるものではないので、住宅完成後にゆっくり太陽光パネルを選ぶ方がいい場合も多いです。
都道府県によっては太陽光パネルの設置が義務化されているところも!
2023年現在、東京都と京都府で太陽光パネルの設置義務化が始まっています。
義務化と言っても、住宅を新築するときに必ず太陽光パネルを導入しなければいけないものではありません。
東京都では、太陽光パネルの設置義務が課されているのはハウスメーカーや建築会社です。
また、京都府では、建物の大きさが一定以上の場合にのみ、太陽光パネルの設置義務があります。
新築で太陽光パネルの補助金を受け取るときの注意点は?
最後に、新築住宅で太陽光パネルの補助金を受け取る際の注意点について解説します。
注意すべきポイントは、以下の3点です。
- 手続き方法の確認
- 都道府県と市町村の補助金の有無を確認
- 蓄電池と併用を検討
それぞれ詳しく解説します。
注意点① 手続き方法を確認しておく
国からの太陽光パネルの補助金に限らず、補助金を受け取る際には手続き方法を確認しておきましょう。
太陽光パネルへの補助金の場合、基本的には太陽光パネルを導入する前に申請する必要があります。
しかし、補助金によっては、太陽光パネルを導入後に申請する必要があるケースもあるので、注意が必要です。
また、申請時期以外でも、必要書類が補助金によって変わる場合があります。
必要書類に不備があると申請に時間がかかってしまうので、必ず事前に確認しておきましょう。
注意点② 都道府県と市町村の補助金も確認しておく
新築住宅で太陽光パネルの補助金を申請する場合には、国だけではなく都道府県や市町村の補助金の情報も確認しておきましょう。
今回紹介した通り、都道府県や市町村でも高額の補助金が受け取れるケースがあります。
少しでも太陽光パネルをお得に導入するためにも、補助金の有無はしっかり確認しておくことがおすすめです。
ただし、補助金によっては、他の補助金と併用できないケースがあります。
国や都道府県、自治体の補助金が併用可能かについても、必ず確認しておきましょう。
注意点③ 蓄電池と併用するか検討する
太陽光パネルと相性がいい住宅設備として、蓄電池が挙げられます。
特に、近年は売電価格よりも電気料金の方が高く、太陽光パネルで発電した電気は自家消費する方が断然お得になります。
電気代を抑えるために太陽光パネルを導入する場合、蓄電池と併用する方がおすすめです。
また、蓄電池を導入することで、太陽光パネルへの補助金だけではなく、蓄電池への補助金を受け取れるケースもあります。
太陽光パネルへの補助金も、蓄電池と併用しなければ受け取れない場合もあるので、太陽光パネルと蓄電池を併用するかを事前に検討しておくことがおすすめです。
新築で太陽光パネルの補助金を受け取るときは条件あり!
今回は、新築住宅で受け取れる太陽光パネルへの補助金について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
残念ながら、2023年度は国から太陽光パネル単体への補助金は受け取れません。
都道府県や市町村でも、太陽光パネル単体での導入で補助金を受け取れるケースは少ないのが現状です。
電気代が高騰している現在、太陽光パネルを導入するのであれば、蓄電池との併用を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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