太陽光発電のメンテナンスは義務って本当?費用やタイミングを解説!
耐久性が高く、維持費の安い設備として紹介されることの多い太陽光発電ですが、実は定期的な点検・メンテナンスが「義務化」されていることをご存じですか?
本記事では、太陽光発電の定期点検の義務化の詳細や、請求されるメンテナンス費用の目安、実際の作業内容などをくわしく解説していきます。
記事の後半では、点検で不具合が見つかった場合の修理費用の相場や、メンテナンス費用を節約するアイデアもご紹介していますので、興味がある方はぜひご覧ください!
目次
太陽光発電をメンテナンスしないとどうなる?義務化についても解説
まずはじめに、太陽光発電のメンテナンスの義務化についての詳細や、点検しないことで起こり得るデメリットを解説していきます。
ポイント①:そもそも定期点検は義務化されている
そもそも各家庭の太陽光発電は、2017年に施行された「改正FIT法」という法案により、「4年に1回」を目安に点検・メンテナンスを行うことが義務化されています。
点検結果を申告する義務や、点検を怠ることによる罰則などは定められていないものの、設備が不適切であると見なされた場合、FIT制度の認定が取り消されてしまう可能性があります。
FIT制度の認定が取り消されると売電ができなくなるうえに、再度申請を通すことも難しくなってしまうため、法案に従って点検・メンテナンスを実施しましょう。
ポイント②:故障や不具合が起こるリスクが高まる
太陽光発電の定期点検やメンテナンスをせずに運用し続けると、経年劣化による不具合や飛来物による故障が起こるリスクが高まる原因となります。
定期的なメンテナンスを実施すれば各部の不具合や故障を早期発見できますが、放置を続けると問題がさらに進行し、設備全体の故障につながる可能性もあるでしょう。
「費用がもったいない…」という理由でメンテナンスを怠ると、かえって多くの修理費用がかかる結果になりかねないため、最長でも4年に1回はプロの点検を受けるべきです。
ポイント③:発電性能の低下の原因になる
太陽光発電の定期点検やメンテナンスを怠るデメリットは「故障や不具合」だけでなく、「発電性能の低下の原因になりやすい」という点にも注意が必要です。
たとえば、パネルに付着した汚れを放置すると発電力の低下を招きますし、パワコンのフィルター清掃や各部点検を怠ると変換効率が下がる原因となってしまいます。
点検の不備が続くと、最悪の場合「架台の劣化に気づけずパネルが落下する」などの事故につながりかねないため、必要経費と割り切ってメンテナンスを依頼しましょう。
太陽光発電のメンテナンスにかかる費用・点検内容をご紹介!
つづいて、太陽光発電の点検・メンテナンスを依頼する際にかかるコストや、点検時の具体的な作業内容、修理が必要になった場合の費用の目安をご紹介していきます。
点検・メンテナンス費用は1回「1〜2万円」ほどが相場
太陽光発電のメンテナンス業者に定期点検を依頼した場合、一度の作業で「約1〜2万円」ほどの費用が発生します。
改正FIT法が定める点検タイミングは「4年に1回」が目安ですので、定期点検に必要なランニングコストは年間「2,500〜5,000円」ほどと計算されます。
急な出費に慌てず済むように、「売電収入」や「節約できた電気代」などから点検費用をこつこつ積み立てておくと安心ですね。
サービス内容は「目視点検」や「数値測定」など多種多様
家庭用の太陽光発電に対して行われる、一般的な点検・メンテナンスの作業内容を以下に見ていきましょう。
点検・メンテナンス項目 | 作業の内容 |
目視による点検 | パネルや架台、パワコンや各種ケーブルの汚れや劣化、緩みなどを目視または器具を用いて点検する |
機器による測定 | パネルの発電量やパワコンの変換量など設備全体の数値を、特別な機器を用いて測定する |
清掃などの作業 | 必要に応じてパネル表面の洗浄や架台の増し締め、金属部品の防錆処理などを実施する |
点検費用や作業内容はメンテナンス業者によっても多少異なりますので、業者を選ぶ際には複数社に相談したうえで、サービス内容を比較して決めるとよいでしょう。
有償修理が必要となった場合の費用の目安はどれくらい?
点検・メンテナンス中に故障や不具合が見つかり、修理や交換などの対応を受けた場合は、以下のような費用がかかるのが一般的です。
修理・交換を行う設備 | 作業費の目安 |
太陽光パネル | 修理可能な場合…1〜5万円 交換が必要な場合…2〜7万円 |
パワーコンディショナー | 修理可能な場合…1〜3万円 交換が必要な場合…5〜8万円 |
パネルやパワコンの交換を行う場合は、作業費とは別に「交換する設備の購入費用」も必要となります。
修理・交換費用はメーカー保証期間内であれば基本的に無料ですが、期間外ではかなりの出費となるため、前もってある程度の予算を準備しておくと安心です。
太陽光発電の修理・メンテナンス費用を抑える「2つの方法」とは?
さいごに、太陽光発電の点検・メンテナンス費用や、修理にかかるコストをなるべく抑える「2つの方法」について解説していきます。
方法①:パワコンのフィルター清掃を自分で行う
屋外に設置されたパワーコンディショナー(パワコン)の換気用フィルターは素人でも清掃できるため、こまめにメンテナンスすることで故障や不具合が起きるリスクを減らせます。
太陽光パネルに比べてパワコンは精密部品が多く故障しやすいため、「半年〜1年に1回」のタイミングを目安に、取扱説明書に従ってフィルター清掃を実施しましょう。
また、パワコンに不具合が発生すると「エラー通知」や「異音」などのサインが現れる場合もありますので、普段から定期的に見回り確認することをおすすめします。
方法②:販売店の「無料点検サービス」の有無を確認する
太陽光発電の販売店や施工業者によっては、設備の導入後「1年目・5年目・9年目」などのタイミングで無料点検サービスを実施しているケースがあります。
基本的には無料点検のタイミングが近づくと業者から通知が届きますが、前もって時期を確認しておき、設備の不明点などをまとめておくと点検時にスムーズに相談できるでしょう。
業者によっては無料点検だけでなく、「保証期間の延長」や「自然災害補償」などの独自サービスを提供している場合がありますので、ムダなく活用して維持費を節約したいですね。
まとめ:太陽光発電をメンテナンスしないと故障や不具合の原因に!
本記事でくわしく解説してきた「太陽光発電のメンテナンスの必要性や費用」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- 太陽光発電は「改正FIT法」により、4年に1回の点検・メンテナンスが義務化されている
- 点検結果を報告する義務や罰則はないが、不適切と判断されると認定取消になる可能性も
- 点検を怠ると故障や不具合のリスクが増大するため、結果的に余計な修理費がかかる
- 業者による点検・メンテナンス費用は「1〜2万円」ほどなので、事前に準備しておくと安心
- 販売店によっては無料の定期点検サービスを提供しているため、忘れずに活用したい
太陽光発電に必要な点検費用は手痛い出費ともいえますが、放置した場合に余計にかかってしまう修理費用などに比べれば安いため、必要経費と割り切るべきでしょう。
定期的な清掃などのメンテナンスを行うことで「設備本来の発電性能」を長く維持できますので、4年に1回を目安に忘れずに業者に依頼してくださいね!
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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