徹底比較|エコキュートとガス給湯器の価格・省エネ性能・メリット

故障や不具合等が生じた給湯器の交換を検討する際には、「エコキュート」か「ガス給湯器」かのどちらかを選ぶかでお悩みの方も多いのではないでしょうか?
特に、「ランニングコストの安いエコキュートを試してみたいけど、初期費用が高そう…」といった理由で踏み切れない方は少なくないでしょう。
そこで本記事では、エコキュートとガス給湯器それぞれの特徴や機能、初期費用や光熱費の違いや、「結局どちらを選ぶべきか」をわかりやすく解説していきます。
記事の後半では、2つの給湯設備それぞれのメリット・デメリットや補助金で安く買う方法もご紹介していますので、興味がある方はぜひ目を通してみてください。
目次
【結論】長く使い続けるなら省エネ性能が高いエコキュートがお得
結論から言えば、これから給湯設備を長く使い続ける予定がある方なら、省エネ性能・ランニングコストに優れたエコキュートを選んだほうが断然お得です。
エコキュートの光熱費は「一般的なガス給湯器の2分の1〜3分の1」程度といわれており、設備を交換するだけで「毎年数万円」を超える光熱費を節約できます。
ガス給湯器と比較すると初期費用の高いエコキュートですが、数年使用すれば価格差の元が取れるうえに、その後も長い期間お得が続きます。
さらに、エコキュートはガス給湯器に比べて便利で快適な機能が多く、太陽光発電と連携させることでより多くの光熱費を節約できる点も優れています。
エコキュートってどんな給湯設備?特徴や仕組みをご紹介
エコキュートとは、エアコンなどに採用される「ヒートポンプ技術」を利用し、「電気と空気の熱」で効率よくお湯を沸かす給湯設備のことです。
ヒートポンプ技術とは、取り込んだ空気の熱を「圧縮・高温化」させて水を加熱する技術のことで、「1」の電気エネルギーに対して「3以上」の熱エネルギーが得られます。
また、エコキュートは給湯の際にガスや石油を使わないため、故障時や災害時などに「火災」に発展するリスクが非常に低く、安全性の高い給湯設備であることも特徴的です。
従来のエコキュートは「深夜のお得な電気」でお湯を沸かす使用法が一般的でしたが、最近では昼間に太陽光発電で沸き上げを行う「おひさまエコキュート」も人気があります。
エコキュートの「ガス給湯器にはないメリット」とは?
ガス給湯器にはない、エコキュートならではのメリットを以下にまとめました。
光熱費が安い | 家庭の光熱費の約3割を占めるといわれる「給湯費用」を、「2分の1〜3分の1」ほどまで大幅に抑えられる |
安全性が高い | 爆発する恐れのあるガスを使用しないため、地震をはじめとする自然災害や、近隣の火災が発生したときでも安心 |
環境に優しい | ガスを燃焼させず、電気でお湯を沸かすためCO2排出量が低く、地球温暖化防止に貢献できる |
動作音が小さい | ガス給湯器(50dB程度)に比べて約10dBも動作音が小さく、夜間の騒音トラブルに発展するリスクが小さい |
便利機能が多い | スマホでの遠隔操作やマイクロバブル入浴、人感センサーによる自動省エネなど、快適で便利な機能が多い |
また、貯湯タンクに蓄えたお湯(水)は「災害時の生活用水」として停電中でも自由に取り出せるため、防災設備としての役割にも期待できます。
エコキュートの「ガス給湯器にはないデメリット」
設備導入前に確認しておくべき、エコキュートならではのデメリットは以下のとおりです。
初期費用が高い | ガス給湯器に比べて初期費用が20〜60万円ほど高いため、とにかく予算を抑えたい方にはネックとなる |
設置スペースが大きい | ヒートポンプユニットはエアコン室外機ほどだが、貯湯タンクは容量が大きいほどかさばり、場合によっては庭スペースを圧迫する |
お湯切れに注意が必要 | 貯湯タンク内の使えるお湯が無くなると、充分なお湯が再び使えるまでに30分〜2時間ほど待たなければならない |
2025年のエコキュートの価格・工事費の相場はいくらくらい?
2025年にエコキュートを購入する場合、工事費を含めた初期費用は「35万〜110万円」ほどが相場の目安となります。
注意点として、ガス給湯器からエコキュートに買い替える際には、新たな配管用の工事が必要となるため、エコキュートから交換する場合より工事費が数万円高くなります。
エコキュートの本体価格・工事費は「契約する販売業者や施工店」によっても大きく変わるため、1社だけの見積もりで即決せず、複数の見積もりを比較するのがおすすめです。
家電量販店やホームセンターに比べて、エコキュートの専門業者やネット系業者のほうが価格が安いケースが多いため、なるべきさまざまな業者を比較してみましょう。
エコキュートを買うなら、まずは『リノベステーション』で比較してみてください!販売価格情報や口コミ、おすすめランキングなど、独自の視点から商品をチェックできます。
ガス給湯器ってどんな給湯設備?エコキュートとの違いもご紹介
ガス給湯器とは、ガスを燃焼させた熱を利用してお湯を沸かす給湯設備のことで、使いたいときに使いたいだけ、瞬間的に給湯できる点が最大の特徴です。
ガス給湯器の内部には長い配管が組み込まれており、そこを通る水をガス火で直接加熱することで、短時間で多くのお湯を作り出す仕組みとなっています。
ガス給湯器に使われるガスは都市部では都市ガス、地方ではプロパン(LP)ガスが一般的であり、プロパンガスのほうがガス料金の単価が割高です。
最近では、ガスを燃焼させた際に出る「排気熱」もエネルギーとして活用できる「エコジョーズ」も人気ですが、省エネ性能ではエコキュートに劣ります。
ガス給湯器の「エコキュートにはないメリット」とは?
エコキュートにはない、ガス給湯器ならではのメリットを以下にまとめました。
初期費用が安い | エコキュートに比べて初期費用が20〜60万円ほど安いため、予算に余裕のない方でも購入しやすい |
設置スペースが小さい | エコキュートのような貯湯タンクを必要とせず、本体を壁掛け設置できるため、狭いスペースでも無理なく設置できる |
瞬間的に火力が出せる | スイッチを入れて数秒でお湯が温まるため、大量のお湯をすばやく用意したい場合などに使いやすい |
お湯切れの心配がない | いつでも好きなだけお湯が作れるため、エコキュートのように貯湯タンクの残量を気にする必要がない |
ガス給湯器の「エコキュートにはないデメリット」
ガス給湯器を選ぼうか迷っている方は、購入前に以下のデメリットを確認しておきましょう。
光熱費が高い | エコキュートに比べて光熱費が「約1.5〜2倍」も高いうえに、地方のプロパンガス業者は基本料金も割高なケースがある |
ガスが爆発する恐れがある | 都市ガス・プロパンガスともに非常に引火性が高いため、地震や自然災害、隣家の火事などで火災を招くリスクがある |
製品寿命が短い | エコキュートの製品寿命は10〜15年程度だが、ガス給湯器は10年程度で交換のタイミングが来てしまう |
断水時・停電時に使えない | スイッチは電気で作動するため停電時は給湯できず、貯湯タンクが無いため断水時の生活用水としても利用できない |
2025年のガス給湯器の価格・工事費の相場はどれくらい?
2025年にガス給湯器を購入する場合、初期費用は「15〜50万円」程度が相場の目安となります。
ガス給湯器からガス給湯器に交換する際には、既存の配管などを再利用できるため、工事費用が数万円ほど割安になるケースが多いです。
エコキュートと比べるとガス給湯器はたしかに安いですが、製品寿命が5年ほど短いことや、光熱費が割高な点を考えれば、絶対にお得!とは断言できません。
「別荘や事務所として利用する」「家でお湯を使う機会が少ない」といったケースではガス給湯器もお得ですので、状況に応じて検討したいですね。
エコキュートやガス給湯器の購入で使える補助金はある?
エコキュートと、省エネ性能の高いガス給湯器である「エコジョーズ」には、2025年に利用できる「国の補助金制度」が実施されています。
補助金名称 | 住宅省エネ2025キャンペーン 子育てグリーン住宅支援事業 |
実施機関 | 国土交通省および環境省 |
補助金額 | エコキュート…3万円 / 戸 エコジョーズ…3万円 / 戸 |
補助金の交付条件(全般) | ・断熱改修・バリアフリー改修など、2つ以上のカテゴリーの工事を行い、補助額の合計が5万円を超えること ・建築から1年以上が経過、または過去に人が居住した住宅であること |
申請期間 | 2024年11月22日〜2025年12月31日 ※予算がなくなり次第終了 |
補助金名称 | 住宅省エネ2025キャンペーン 給湯省エネ2025事業 | |
実施機関 | 経済産業省 資源エネルギー庁 | |
補助金額 | ・エコキュート 補助額6万円 / 台 + 加算額4〜15万円 ・エコジョーズ(追い焚き機能なし) 補助額5万円 + 加算額3万円 ・エコジョーズ(追い焚き機能あり) 補助額7万円 + 加算額3万円 | |
補助金額の加算を受ける条件 (エコキュート) | A要件(4万円) | 昼間の余剰再エネ電気を活用でき、インターメットに接続可能な機種を設置すること |
B要件(+6万円) | 補助条件の下限を満たす機種に比べて5%以上CO2排出量が少ない機種、またはおひさまエコキュートを設置すること | |
A + B要件(+7万円) | A・B要件の両方を満たすこと | |
撤去加算(+8万円) | 蓄熱暖房機を撤去する場合 | |
撤去加算(+4万円) | 電気温水器を撤去する場合 | |
補助金額の加算を受ける条件 (エコジョーズ) | 加算額3万円 | 設備交換時に機種ごとに規定されたドレン排水工事を行うこと |
申請期間 | 2024年4月2日〜2025年12月31日 ※予算がなくなり次第終了 |
さらに、地方自治体で「独自の給湯器補助金」を交付している場合は、国の補助金と併せて申請することで、2種類の補助金を両方もらうことも可能です。
長く使うなら便利で節約効果の高いエコキュートがおすすめ!補助金も使える
ガス給湯器に比べると初期費用の高さがネックなエコキュートですが、「年間数万円」を超える節約効果があることを考えれば、「数年で元が取れる」計算となります。
初期費用の元を取ってしまえば、毎日快適な入浴機能を楽しめ、万が一の災害時には水がめとして活用できるなど、数多くのメリットを享受できるでしょう。
気になる初期費用は「国と地方自治体の補助金」の併用で大幅にカットできますので、ぜひこの機会にエコキュートへの交換を検討してみませんか?
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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