エコキュートの設置にはどんな工事が必要?手順や費用・業者選びのコツを徹底解説!

燃料としてガスを使わないため環境に優しく、電気代の節約効果も高いと評判の「エコキュート」。
一方で、設置を検討する際に「ガス給湯器より大型の設備だから、設置工事や費用が大がかりになりそう…」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、 エコキュートの設置工事の流れを「5つのステップ」に分けてくわしく解説 。工事に必要な「3つの費用」についてもしっかりご紹介していきます。
記事の後半では、エコキュートの工事で「よくある2つの質問」に対する回答や、信頼できる施工業者を選ぶ「3つのポイント」についても解説しています!
目次
エコキュートの設置工事の流れを「5つのステップ」で解説!
エコキュートの設置工事の流れは、以下の「5つのステップ」に従って行われるケースがほとんどです。
- 設置スペースの位置決め・寸法の確認
- 古い給湯設備の撤去
- 基礎工事
- 配管工事・配線工事
- エコキュート本体の設置・試運転
それぞれの作業のポイントを順番に確認していきましょう。
ステップ①:設置スペースの位置決め・寸法の確認
エコキュート本体の設置や配線工事を始める前に、まずは本体やヒートポンプユニットの「設置スペースの位置決め」と、設置サイズの確認作業を行います。
具体的な設置スペースとして、ヒートポンプユニットは「幅70cm × 高さ50cm × 奥行30cm」ほど、貯湯タンクは「幅60cm × 高さ180cm × 奥行50cm」程度の余裕が必要です。
注意点として、ヒートポンプユニットや貯湯タンクは住宅の外壁から「10〜30cm」ほど離して設置する必要があるため、ギリギリのスペースでは設置できません。
また、狭い場所にぴったりエコキュートを設置した場合、状況によっては「通路が通りにくくなる」など不便ですので、スペースにはある程度余裕を持ちましょう。
ステップ②:古い給湯設備の撤去
エコキュートのサイズ確認、設置場所の現場確認・打ち合わせが終わったら、次に「以前使っていた給湯設備を撤去」する作業に入ります。
エコキュートや電気温水器からエコキュートへ交換する場合は、古い設備の撤去と新しい設備の設置を同じ業者が行えるため、スムーズに作業が進みます。
一方で、ガス給湯器からエコキュートへ交換する場合、工事業者によってはガス機器の作業に対応できないため、別の専門業者に撤去を依頼する状況となる可能性があります。
別の業者に撤去作業を依頼する場合、追加料金や余計な費用が発生する恐れがあるため、見積もり時などに撤去作業の詳細を確認しておくと安心です。
ステップ③:基礎工事
以前使っていた給湯設備の撤去が完了したら、いよいよエコキュートを設置する際の土台となる、「基礎」を作成する工事を行います。
エコキュートの基礎工事の方法は「現場打ち」と「エコベース工法」の2種類が選択でき、それぞれ以下のような違いがあります。
基礎工事の名称 | 特徴やメリット・デメリット |
現場打ち | ・現場に鉄筋を組みコンクリートを流し入れて土台を作る工法 ・耐久性が高く、地盤の弱い場所でも安定した土台が作れる ・エコベース工法に比べて費用が高く、作業日数もかかる |
エコベース工法 | ・整地した場所に既製品の土台用コンクリートを組み合わせ、土台を作る工法 ・現場打ちに比べて費用が安く、作業時間を大幅に短縮できる ・現場打ちに比べて耐久性が低く、地盤の弱い場所には不向き |
エコキュートの貯湯タンクは高さが約2mもあるうえに、満水時には500kgを超えることもあるため、災害時に転倒しないよう耐久性を高める対策は非常に重要です。
現場打ちとエコベース工法のどちらが最適かは「設置環境」によりますので、工事業者としっかり相談したうえで、納得できる工法を選びましょう。
ステップ④:配管工事・配線工事
基礎工事を経てしっかりした土台が完成したら、続いて「配管工事」と「配線工事」を並行して進めていきます。
エコキュートや電気温水器からエコキュートに交換する場合は、以前使っていた配管を再利用できますが、ガス給湯器から交換する場合は、新たな配管工事が必要となります。
配管工事には「3〜5時間」ほど時間がかかり、その間ある程度の断水が発生するため、飲み水やトイレ用水などを用意しておくと安心です。
配線・配管工事では家の外壁などに「穴を開ける」可能性があるため、家の外観デザインを重視している方は、どこに穴を開けるか事前に工事業者と打ち合わせしておきましょう。
ステップ⑤:エコキュート本体の設置・試運転
配線工事と配管工事が完了したら、ついにエコキュートの本体の設置作業や配管・配線との接続作業に入ります。
貯湯タンクとヒートポンプユニットを土台の上にしっかりと固定し、配線や配管の接続が完了したら、問題なく動作が行われるか「試運転」を行います。
試運転で問題なく動作することが確認できたら設置工事は完了です。この時点で設置したエコキュートのすべての機能を使い始められます。
その後は工事業者からかんたんな操作方法や設定方法のレクチャー、お得な使い方のアドバイスなどを受けて、エコキュートを活用した給湯ライフが始まります。
エコキュートの工事費用はいくら?相場を「3つの内訳」に分けて解説!
エコキュートの設置工事にかかる費用は大きく分けて3種類。以下の項目でそれぞれ異なった料金が請求されます。
- 基礎工事にかかる費用
- 水道工事にかかる費用
- 電気工事にかかる費用
3つの工事費用の詳細や相場を、順番に確認していきましょう。
内訳①:基礎工事にかかる費用
エコキュートの土台を作成する「基礎工事」にかかる費用は、エコベース工法なら「2〜3万円」、現場打ちなら「3〜4万円」ほどが近年の相場となります。
注意点として、基礎工事を行う場所の地上・地中に何らかの障害物(岩や木の根・金属など)があった場合、撤去や運搬に追加費用がかかる可能性があります。
また、設置場所の傾斜が通常より急であり、より大きなコンクリート土台が必要な場合などは、その分多くの費用と作業時間がかかるでしょう。
基礎工事に必要な費用や作業時間の目安は、見積もり時や工事前の打ち合わせなどで確認できますので、 該当する方は事前にしっかり確認しておくと安心です。
内訳②:水道工事にかかる費用
エコキュートの水道工事にかかる費用は、以前使っていた給湯設備の種類や設置環境によって上下しますが、 おおむね以下のような料金が目安となります。
- 既存の給湯設備の撤去費用…5,000円〜1万円
- 給水給湯管や排水管、追い焚き配管など配管工事費用…2〜5万円
- エコキュート本体の設置作業、試運転にかかる費用…3.5〜5万円
- 灯油タンクがある場合、移設や撤去する費用…1〜2万円
エコキュートの設置や既存設備の撤去に「クレーン車」や「高所作業車」が必要となる場合、別途「2万〜7万円」ほどの追加費用が発生する可能性があります。
内訳③:電気工事にかかる費用
エコキュートの電気工事にかかる費用も以前使っていた給湯設備の種類や設置環境によって変わります。目安としては以下のような価格となります。
- 配線工事費用…2〜4万円
- ブレーカー取付費用…5000円から1万円
- 分電盤が200V出力に対応していない場合、交換費用…3.5〜6万円
- 幹線(配電盤から分電盤につながる配線のこと)が200V出力に対応していない場合、張り替え費用…2.8〜4万円
- 電力会社への申請費用…2〜4万円
「電力会社への申請費用」について、エコキュートの運用には地域の電力網に影響を与える可能性があるため、専門の資格を持った業者による電力会社への申請が必要です。
また、エコキュートの設置場所が通常より離れている場合、配線ケーブルを延長するために追加の費用がかかる可能性もあります。
ココが気になる!エコキュートの工事でよくある「2つの質問」に回答!
つづいて、エコキュートの工事に関して問い合わせが来ることの多い、「よくある2つの質問」にわかりやすく回答していきます。
質問①:エコキュートの設置工事は何時間で終わる?
エコキュートの工事にかかる時間は設置環境にもよりますが、基礎工事が終わっている状態であれば「半日〜2日」程度で完了するケースがほとんどです。
エコベース工法を選んだ場合は基礎工事の時間が短いため、午前中から始めて15時から夕方まで、長引いても翌日に作業を持ち越す事例は多くありません。
いっぽうで、現場打ちを選ぶ場合は基礎を固める工程で「2〜5日」程度必要とするため、 前もって余裕を持ったスケジューリングをおすすめします。
質問②:設置工事の当日からお風呂で入浴できる?
結論から言えば、15〜18時くらいにエコキュートの試運転が終われば、夕方から夜間にかけてお風呂での入浴を楽しめるでしょう。
試運転や使い方のレクチャーが終わったら、まずは貯湯タンクにお湯を準備する「沸き増し」運転を行い、貯まったお湯から使えるようになります。
沸き増しにかかる時間の目安は、シャワー1回分(約100L)であれば約1時間、お風呂いっぱい(200L)であれば2〜3時間くらいです。
翌日からは、手動での沸き増しではなく自動で「沸き上げ」運転が深夜に行われるので、朝起きたときからお湯がたっぷり使えます。
後悔したくない!エコキュートの施工業者を選ぶ「3つのポイント」とは?
後悔しないエコキュートの施工業者を選ぶためには、以下の「3つのポイント」をしっかり抑える必要があります。
- エコキュートの施工実績が豊富な業者を選ぶ
- 極端に安い業者は避け、見積もりは細かく確認する
- 業者独自の保証やアフターサービスもチェックする
それぞれのポイントをくわしく確認していきましょう。
ポイント①:エコキュートの施工実績が豊富な業者を選ぶ
後悔しないエコキュートの施工業者を選ぶ「最大のポイント」は、エコキュートの施工実績がなるべく豊富な、「本当に信頼できる業者」を厳選して選ぶことです。
実績の少ない業者は技術力に不安があるため、経験豊富な業者に比べて工事後の「水漏れ」や不具合などのトラブルが起こる可能性が高まります。
また、家電量販店などでエコキュートを買う場合、工事に来る「下請け業者」が選べないため、できれば自社スタッフが施工する専門業者の方が安心です。
施工業者の実績は公式ホームページや口コミサイト、SNSなどで確認できますので、事前にしっかりチェックしておきましょう。
ポイント②:極端に安い業者に要注意!見積もりは細かく確認する
エコキュートの施工業者選びで後悔しないためには、「初期費用の安さ」ももちろん大切ですが、極端に安い業者は避けたほうが無難です。
極端に安い業者は施工実績や技術力に難があったり、工事の時間を短縮するため「手抜き工事」を行う可能性があるため、後のトラブルにつながる恐れがあります。
また、見積もりの内容が不明瞭だったり、請求項目が大雑把でわかりにくいなど、見積もりの時点で信頼性に欠ける業者も避けるべきでしょう。
不明な請求額はのちのちになっても気になるもの。契約する前にはしっかり目を通し、不明点をとことん説明してもらうと安心です。
ポイント③:業者独自の保証やアフターサービスもチェックする
後悔しないエコキュートの施工業者を選ぶためには、業者独自の保証やアフターサービスがあるかどうか、保証内容の詳細もしっかりチェックしましょう。
業者によっては「最長10年の延長保証」や、設置後「1年・5年・9年」の定期点検が無料で受けられるなど、魅力的なサービスを提供している場合があります。
以上の独自サービスは本来有料であり、それぞれ「数万円」のコストがかかるため、アフターサービスが充実した業者を選べば経済的にもお得ですね。
独自保証やアフターサービスの内容は企業ホームページや電話・メールなどで確認できますので、契約前に複数業者を比較しておくと損がありません。
まとめ:エコキュートの工事時間の目安は6〜10時間!信頼できる業者を探しておこう
大がかりで時間がかかるイメージのあるエコキュート設置工事ですが、基礎工事さえ完了していれば、「6〜10時間」程度でスムーズに終わります。
製品寿命の長いエコキュートは耐震性・耐久性が非常に重要。「エコベース工法」「現場打ち」のどちらで基礎工事を行うかは、じっくり時間をかけて決めましょう。
実績豊富で信頼できる業者を選べば、見積もりの時点で親身なアドバイスが受けられますので、なるべく複数の業者に相談してみてくださいね!
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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