【2025年】蓄電池でエアコンは何時間使える?容量別シミュレーションと賢い選び方

結論から言うと、家庭用蓄電池でエアコンを動かすことは十分可能です。ただし、その稼働時間は「蓄電池の容量」と「エアコンの消費電力」という2つの要素に大きく左右されます。
この記事でわかること
- エアコンが消費する電力の目安と、蓄電池容量との基本的な関係性を理解できます。
- 蓄電池の容量別に、エアコンを何時間使えるかの具体的なシミュレーションを確認できます。
- 太陽光発電と組み合わせることで、電気代を節約しながら快適な生活を送るためのヒントが得られます。
目次
第1章:蓄電池とエアコンの基本|消費電力(W)と蓄電容量(kWh)の関係
「蓄電池でエアコンを動かす」と一言で言っても、その性能を正しく理解しなければ宝の持ち腐れになりかねません。まずは、エアコンがどれくらいの電力を消費するのか、そして蓄電池の容量がどのように関係するのか、基本の「キ」を押さえましょう。
エアコンの消費電力は「起動時」と「安定時」で大きく異なる
家庭用電化製品の中でも、エアコンは特に消費電力が大きい機器です。特に、電源を入れてから設定温度に到達するまでの「起動時」に最も多くの電力を消費し、その後は「安定時」として比較的少ない電力で運転を続けます。また、冷房よりも暖房の方が一般的に消費電力は大きくなる傾向があります。
| 項目 | 消費電力の目安 (6〜8畳用) | 補足 |
|---|---|---|
| 冷房(安定時) | 約400W~600W | 外気温や設定温度により変動します。 |
| 暖房(安定時) | 約500W~800W | 外気温が低いほど消費電力は増加します。 |
| 起動時 | 約1K,000W~1,400W | 数分間のピーク電力。蓄電池の「出力」がこれを上回る必要があります。 |
蓄電池の容量「kWh」と出力「kW」とは?
次に蓄電池のスペックです。重要なのは「容量(kWh)」と「出力(kW)」の2つです。
- 容量 (kWh):電気をどれだけ「溜めておけるか」の量を示します。数値が大きいほど、長時間にわたって電気を供給できます。計算式は「kWh ÷ W = 時間」で、例えば5kWh(5,000Wh)の蓄電池で500Wのエアコンを使うと、理論上は約10時間使えることになります。
- 出力 (kW):一度にどれだけ「大きな力(電気)を出せるか」を示します。エアコンの起動時には大きな電力が必要になるため、蓄電池の定格出力がエアコンの最大消費電力を上回っている必要があります。
つまり、エアコンを長時間使いたければ「容量(kWh)」が、そもそも動かすためには「出力(kW)」が重要になる、と覚えておきましょう。
この章のまとめ
蓄電池でエアコンを動かすには、エアコンの消費電力(特に起動時)を上回る「出力(kW)」と、使いたい時間に応じた「容量(kWh)」の両方が必要です。次の章では、具体的な容量ごとに稼働時間をシミュレーションしてみましょう。
第2章:【容量別】蓄電池でエアコンが使える時間のシミュレーション
ここでは、一般的に家庭で導入されることが多い蓄電池の容量別に、エアコンが何時間程度使えるのかをシミュレーションします。ご自身の家庭環境や、停電時にどの程度の安心を確保したいかに合わせて、最適な容量を考える参考にしてください。
【シミュレーションの前提条件】
- エアコンの消費電力:600W(6〜10畳用の冷房・安定稼働時を想定)
- 蓄電池の実効容量:メーカーや機種により異なりますが、一般的に定格容量の約90%として計算します。
- 計算式:(蓄電池の定格容量 × 0.9)÷ エアコンの消費電力 = 稼働時間
| 蓄電池の定格容量 | 実効容量(目安) | エアコン稼働時間の目安 | こんな方におすすめ |
|---|---|---|---|
| 5kWh | 約4.5kWh | 約7.5時間 | 日中の数時間や、就寝時など、特定の時間帯だけを乗り切りたい方。最低限の備えをしたい方向け。 |
| 8kWh | 約7.2kWh | 約12時間 | 猛暑日の日中や、一晩中など、半日程度の連続使用を想定する方。バランスの取れた容量。 |
| 12kWh | 約10.8kWh | 約18時間 | 丸一日近い稼働を視野に入れ、停電時でも普段に近い生活レベルを維持したい方。安心感を重視する方向け。 |
表からわかるように、5kWh程度の容量でも、夜間や日中の暑い時間帯を乗り切るには十分な備えとなり得ます。一方で、丸1日以上の停電に備えたい、あるいはエアコン以外の家電も同時に使いたいという場合は、10kWh以上の大容量モデルを検討すると安心感が高まります。
この章のまとめ
蓄電池の容量が大きくなるほど、エアコンを長時間稼働させることができ、停電時の安心につながります。ただし、容量が増えれば当然、初期費用も高くなるため、ご家庭で「何を」「どれくらいの時間使いたいか」を明確にすることが、後悔しない蓄電池選びの第一歩です。
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第3章:太陽光発電との連携で実現する快適&経済的な暮らし
蓄電池の真価は、災害時の備えとしてだけでなく、太陽光発電システムと連携させることで、日常の電気代削減にも大きく貢献する点にあります。特に、電力消費の大きいエアコンを多用する季節には、その効果を最大限に発揮します。
昼間は「自家消費」で電気代を削減
太陽光発電を設置している家庭では、日中の発電量が最も多くなります。この時間帯は、エアコンの使用頻度も高まるため、発電した電気を売電するのではなく、そのまま家庭で使う「自家消費」に回すのが最も経済的です。
電力会社から電気を買う単価(例:35円/kWh)は、余った電気を売る単価(例:16円/kWh)よりも高いため、発電した電気は「売るより使う」方が断然お得になります。太陽光発電があれば、夏の昼間に気兼ねなくエアコンを使えるようになるでしょう。
夜間は「蓄電池」の電気で賢くカバー
昼間に発電して使いきれなかった電気は、蓄電池に充電しておきます。そして、太陽が沈んで発電ができない夜間や、梅雨時・曇天で発電量が少ない日には、蓄電池に溜めた電気を使ってエアコンや他の家電を動かします。これにより、電力会社から購入する電力量を最小限に抑えることができます。
また、深夜の安い電力を購入して蓄電池に溜め、昼間に使うという運用も可能です。ご家庭の電力プランに合わせて最適な運転モードを選ぶことで、さらに効率的な節電が期待できます。
この章のまとめ
太陽光発電と蓄電池は、まさに「最強のタッグ」です。昼は太陽光、夜は蓄電池の電気でエアコンを動かすことで、電気代を気にすることなく快適な室温を保ち、災害への備えも万全にするという、理想的なエネルギーライフサイクルを実現できます。
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第4章:失敗しない蓄電池の選び方と注意点
「エアコンを使いたい」という目的で蓄電池を選ぶ際には、容量以外にもいくつか確認すべき重要なポイントがあります。これらの点を見落とすと、「いざという時に使えなかった」という事態になりかねません。契約前に必ずチェックしましょう。
注意点1:200Vのエアコンに対応しているか?
リビングなどに設置される大型のエアコンは、100Vではなく200Vの電源を使用していることが多くあります。蓄電池システムの中には、標準では100Vの家電にしか対応していないモデルも存在します。
200Vのエアコンを停電時に使いたい場合は、200V出力に対応した蓄電池を選ぶか、対応するためのオプション機器が必要になります。自宅のエアコンの電圧を確認し、販売・施工店に必ず伝えましょう。
注意点2:「全負荷型」と「特定負荷型」の違い
蓄電池には、停電時に家中の電気をバックアップする「全負荷型」と、あらかじめ選んでおいた特定の回路(部屋やコンセント)だけをバックアップする「特定負荷型」の2種類があります。
- 全負荷型:家全体をカバーするため、どの部屋のエアコンでも使えて便利。ただし、本体価格が高価になる傾向があり、意図せず電気を使いすぎてしまう可能性も。
- 特定負荷型:リビングや寝室など、停電時に最低限使いたい部屋の回路だけを選んで接続。比較的安価ですが、選んだ回路以外のエアコンは使えません。
停電時にどの部屋で過ごすことが多いか、どのエアコンを優先したいかを家族で話し合い、ライフスタイルに合ったタイプを選ぶことが重要です。
注意点3:実効容量と変換ロスを考慮する
カタログに記載されている「定格容量」のすべてを実際に使えるわけではありません。蓄電池が電力を充放電する際には、必ず電力のロスが発生します。実際に家庭で使える容量の目安は「実効容量」と呼ばれ、一般的には定格容量の80%〜90%程度とされています。
第2章のシミュレーションでは90%で計算しましたが、より厳密に計画を立てる場合は、検討している機種のカタログで実効容量を確認することをおすすめします。
この章のまとめ
蓄電池選びで後悔しないためには、容量(kWh)だけでなく、出力(kW)、200V対応の有無、負荷タイプ(全負荷/特定負荷)といった仕様を、ご家庭のエアコンやライフスタイルと照らし合わせて検討することが不可欠です。専門知識を持つ販売店によく相談しましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 蓄電池とエアコン設置の費用や相場は?
家庭用蓄電池の設置費用は、容量や性能、メーカーによって大きく異なりますが、一般的には工事費込みで100万円〜250万円程度が目安となります。エアコンは別途、本体価格と設置工事費が必要です。
費用を左右する主な要因は以下の通りです。
- 蓄電池の容量(kWh):容量が大きいほど高価になります。
- 機能・性能:全負荷型、200V対応、AIによる自動制御機能など、高機能なモデルは価格が上がります。
- 国や自治体の補助金:補助金を活用することで、実質的な負担額を軽減できる場合があります。
※金額はあくまで目安です。最新の価格や補助金情報については、専門の販売・施工店に見積もりを依頼して確認してください。
Q2. 停電時にエアコンは何時間くらい使えますか?
エアコンの稼働時間は、お使いのエアコンの消費電力と、蓄電池の実効容量によって決まります。例えば、実効容量が4.5kWhの蓄電池で、消費電力600Wのエアコンを使用した場合、計算上は約7.5時間となります。
ただし、これはあくまでエアコンのみを単独で使用した場合の理論値です。実際には、照明やスマートフォンの充電など他の家電も使用するため、稼働時間はこれより短くなるのが一般的です。停電時は、不要な家電の電源を切り、エアコンの設定温度を控えめにするなど、節電を心がけることが重要です。
※お使いの機器の仕様や使用環境により、稼働時間は大きく変動します。
Q3. 蓄電池の容量はどれくらいがおすすめですか?
最適な蓄電池の容量は、ご家庭のライフスタイルや蓄電池を導入する目的によって異なります。
- 5kWh前後(小容量):太陽光発電の自家消費率向上や、深夜電力の活用による電気代削減を主目的とする場合。停電対策は半日程度の最低限の備え。
- 8kWh前後(中間容量):電気代削減と、丸1日程度の停電対策を両立したいバランス重視の場合。
- 12kWh以上(大容量):2日間以上の長期停電に備えたい、あるいはオール電化住宅で消費電力が非常に多い場合。
まずは、月々の電気使用量や、停電時に使いたい家電をリストアップし、必要な容量をシミュレーションしてみることをお勧めします。
Q4. 200Vのエアコンも蓄電池で使えますか?
はい、使用できます。ただし、そのためには蓄電池システムが「200V出力」に対応している必要があります。多くのメーカーで200V対応モデルが用意されていますが、標準仕様ではなくオプション扱いの場合もあります。
蓄電池の導入を検討する際は、事前にご自宅のエアコンが100Vか200Vかを確認し、見積もりを依頼する業者に必ずその情報を伝えてください。これを怠ると、設置後、停電時に使いたいエアコンが動かせないという事態になりかねません。
※分電盤の確認や、エアコン本体の仕様ラベルを見ることで電圧を確認できます。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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