太陽光発電10年後の対策法【11年目以降は蓄電池がおすすめ】
11年目以降、売電するか自家消費をしようか、悩む方も多いです。
太陽光発電の売電制度が終わる11年目も、契約電気会社と継続して売電することができます。
11年目以降にできる対策方法や10年後の売電価格の目安をご紹介します。
目次
太陽光発電の10年後【売電制度の仕組み】
売電制度とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの電気を、電力会社が買い取る制度です。
太陽光発電の普及を目指すため、国は余剰電力買取制度を2009年11月スタートしました。
2012年7月に固定価格買取制度へと移行され、10kWh未満の太陽光発電などの再生可能エネルギーを対象に10年間、買取価格は変わらず、電力を売ることで収益を得られるようになりました。
ちなみに、売電価格の買い取り費用は、電気を利用する国民が再エネ賦課金として負担しています。
太陽光発電を設置した10年後の売電価格
2022年の10kWh未満の売電価格は、1kWhあたり17円です。
政府は2030年度までに、7円/kWhの売電価格を目標としており、電力の買取価格は毎年下がっています。
以下の条件により、売電価格を比較してみました。
- 世帯数:4人家族
- エリア:東京都
- システム容量:5kW
- 1日あたり年平均日射量:3.88kWh
- 日中の電気使用量:15%
- 年間発電量:7,081kWh
- 年間の売電電力量:6,019kWh
年度 | 1年間の売電価格 | 10年間の売電価格 |
2022年 | 10万2,323円 | 102万3,230円 |
2030年 | 4万2,637円 | 42万6,370円 |
2022年、2030年の売電価格をくらべると、2倍以上の差があります。
10年後に太陽光発電を設置した場合は、現在より10円ほど買取価格が安くなり、卒FIT後の価格とほぼ同じ売値になります。
太陽光発電の売電制度が終わる10年後の対策方法
お住まいの環境や条件に合わせて、対策方法を選びましょう。
太陽光発電の売電制度が終わる10年後の選択肢を3つ紹介します。
契約先の電力会社で売電
10年経過後も契約先の電力会社で売電を続けることが可能です。
売電価格は8円前後と低くなりますが、手続きなしで手間も掛からずそのまま利用できます。
売電価格を気にせず、継続的に利用したい方にはおすすめです。
新電力プランに切り替え売電
従来の電力会社より、高く買い取ってもらえる可能性が高いです。
新電力会社によって、切り替え条件を設けている場合もあります。
例えば、大和ハウスでんきは、大和ハウスで戸建住宅を購入した場合、1kWhあたり11.50円の買取りに対応しています。
新電力プランの利用条件にあてはまる場合は、新電力プランがおすすめです。
蓄電池を設置して自家消費
太陽光発電で作った電力を蓄電池に蓄えて自家消費に回す方法です。
太陽光発電と併用することで、昼間の電力を蓄電池に貯めて夜間に使用できます。
東京電力の料金単価は、26.48円(120kWhをこえ300kWhまで)と現在の売電価格より10円ほど高くなります。
蓄電池に電力を貯めて自家消費に回すことで、電気代の大幅節約が可能です。
太陽光発電に後付けで蓄電池を導入するメリット
太陽光発電に後付けで蓄電池を導入するメリットを紹介します。
災害時・停電時に役立つ
地震などの災害で停電が起きた場合も、蓄電池に貯めた電力を利用できます。
蓄電池は、停電対策に切り替わる「災害対策モード」「自立運転モード」を搭載しており、停電となった場合は、蓄電池に電力を貯めて使用に回せます。
自立運転モードは停電中でも、太陽光発電で作った電力を蓄電池に蓄えることができるため、普段と変わらず電気を使うことができます。
環境にやさしいエネルギー
太陽光発電で発電した電力を使用することで、地球と環境に貢献することができます。
CO2の削減に繋がり、少ない排出量で電力を供給するのに効果的です。
また、蓄電池に蓄えることで、電力使用が多い時間帯に回せば、環境の負担を減らしたり、電気の基本料金を削減できたりと環境に配慮した生活を送ることができます。
自家消費しつつ売電もできる
蓄電池は日中の電気利用が多い方にも、魅力的な設備といえます。
太陽光発電で発電した電力を電気代の高い昼間に使い、その余剰分を売電収入として得ることができます。
太陽光発電と蓄電池を併用することで、送電ロスが削減され、売電収入を増やすことができます。
太陽光発電に後付けで蓄電池を導入する注意点
太陽光発電に後付けの蓄電池を導入する際に気をつけたい点は以下の3つです。
- 蓄電池の初期費用は回収できない
- 蓄電池の申請手続きをしないと売電できない
- 既設の太陽光発電の保証が適用されない
蓄電池を導入したからといって、すぐ初期費用を回収することはできず、最低でも10年以上売電する必要があります。
なお、蓄電池の後付けは、「再生可能エネルギー申請サイト」へ変更認定申請を出さなければ、売電することができません。
蓄電池が太陽光発電と同メーカーの場合は、保証を継続できる場合があります。
まだ保証期間が残っている場合は、同メーカーのものを選ぶようにしましょう。
また、契約先の電力会社によって申請手続きが異なるため、接続契約を行う業者に相談することをおすすめします。
太陽光発電に後付けできる蓄電池の選び方
太陽光発電と相性の良いタイプを選ぶことで、電気ロスが減らせるため、電力をムダにする心配がありません。
ここからは、太陽光発電に後付けできる蓄電池の選び方を紹介します。
蓄電池のタイプを確認
蓄電池には、単機能型とハイブリッド型の2種類があります。
- 単機能型:太陽光発電と蓄電池それぞれにパワコンがつく。(計2台つく)
- ハイブリッド型:太陽光発電と蓄電池のパワコンを1台にまとめる。
注意点として、単機能型は、2台のパワコンが必要な分、変換ロスの回数が多くなり、停電時にはごくわずかな充電しかできません。
一方のハイブリッド型は、太陽光発電と蓄電池のパワコンを1台で済むため電気ロスが少なくコンパクトに設置できますが、太陽光発電と蓄電池のメーカーの相性をみる必要があります。
太陽光パネルの発電量に合うもの
蓄電池を後付けする際は、太陽光パネルの発電量を確認しましょう。
夜間や災害時に必要な容量の充電ができる蓄電池を選ぶのがポイント。
「住宅用太陽光発電の導入ポテンシャルの再推計」よると、1日1kWの太陽光パネルの発電量の目安は、およそ3,78kWhです。
5kWの太陽光パネルの場合、1日18.9kWh発電することができます。
この発電量を全て蓄える必要はなく、自家消費する30%を貯められる容量を選ぶようにしましょう。
5.7kWhは自家消費になるので、消費量を差し引くと13.2kWhになります。
そのため、13kWhの売電量を貯められる蓄電池が適しています。
停電時に電力をどれくらい使いたいのか
停電時に電力をどれくらい使いたいのか以下の2種類から決める必要があります。
- 特定負荷:一定の部屋の電力が使える
- 全負荷型:家中の電気が使える
特定負荷型は、200Vの家電製品は使えませんが、必要最低限の家電製品を使えるため、多くの電力量を必要とせず停電時に長く使うことができます。
全負荷型は容量が多いため、系統連系型(定置用リチウムイオン電池)と太陽光発電は相性が良いです。
太陽発電の発電量や電力使用量に合わせて、蓄電池の電力を調整したり自動的に電力を放電したりする働きがあります。
蓄電池の後付け前にやること【補助金の申請方法】
蓄電池の補助金を受け取るためには、後付け前に行う手続きがあります。
まず補助金の申請を行い、申請が通過した後に施工を依頼します。
蓄電池の申請書類は、自治体のホームページからダウンロードすることも可能です。
蓄電池の申請に必要な提出書類は、以下のとおりです。
- 補助金の申請書類の綴り
- 蓄電池のカタログ
- 蓄電池の製造番号が確認できる書類
- 設置後のカラー写真
- 建物の平面図
- 領収書の写し
- 振込先口座
- 住民税納税書・非課税証明書
現在はコロナ化のため、申請書類は郵送で申請を行いましょう。
後付けできる蓄電池メーカー3選
後付け対応の3種類の蓄電池を紹介します。
現在の相場価格も合わせて特徴を見ていきましょう。
シャープ
型番 | 容量 | 蓄電池の種類 | 保証 | 工事費込みの価格 |
JH-WB1921 | 6.4kWh | 単機能型/特定負荷型 /ハイブリッド特定負荷型 | 10年間(有償の場合15年) | 約100万~約130万円 |
JH-WB1921は、2台まで増設できるため、自家消費や多く売電したい方におすすめです。
タイプは単機能型・特定負荷型の2種類があり、停電時の利用状況に合わせて選べるのが特徴です。
シャープの蓄電池は、後付けでも10年の無償保証が付くため、既設の太陽光発電がシャープなら長期保証を受けることができます。
京セラ
蓄電池の種類 | 保証 | 工事費込みの価格 | ||
EGS-LM0500/EGS-LM1000/EGS-LM1500 | 5.0kWh/10.0kWh/15.0kWh | 単機能型 | 15年間 | 約150万~約340万円 |
エネレッツァは、寒さに強いクレイ型リチウムイオン電池を搭載しており、北海道などの寒冷地に住んでる方におすすめです。
機器・容量保証が15年とメーカーの中でも長期間の保証が受けられます。
5kWhの場合、3台まで増設できるため、ライフスタイルに合わせて容量を決めることができます。
またオプションパーツを付けることで、特定負荷型に切り替えることも可能です。
伊藤忠商事
容量 | 蓄電池の種類 | 保証 | 工事費込みの価格 | |
伊藤忠商事スマートレーターL | 9.8kWh | 全負荷型 | 10年間 | 約230万円 |
スマートレーターLは、全負荷型タイプのため停電時も太陽光発電の電力をいつも通り使うことができます。
余剰電力がある場合は、最⼤3kVAまで蓄電池に蓄えることが可能です。
停電時もエアコンやIHなど200V対応の家電製品を使いたい方にはおすすめです。
太陽光発電10年後も売電可能【蓄電池と相性の良い物を選ぼう】
現在、太陽光発電を設置した場合も、10年後も固定価格で電力の買取が可能です。
2030年までには、7円/kWhまで売電価格は下がる見込みです。
蓄電池を導入することで、太陽光発電で発電した電力を自家消費しながら、続けて売電することもできます。
売電価格が下がる前に、蓄電池の設置を検討してみましょう。
リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。
手続きが面倒な補助金申請も代行しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
無料お見積もりも承っております。見積もり依頼はこちら。
IHやエコキュートのお取り扱いもございます。
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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